主任技術者になるための要件3つ|代表的な資格や注意点を紹介!


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目次
主任技術者とは
主任技術者は、工事現場で建設工事における施工の技術上の管理を司ります。
建設業法第26条の3に基づいて配置される主任技術者は、工事現場に高い技術力を有する技術者を配置することで、適正かつ生産性の高い施工を確保することが目的です。
主任技術者は品質の管理が職務のため、原則として全ての工程に立ち会い、直接、品質を確認することが求められます。そのため、工事ごとに専任の主任技術者を配置しなければならないという規定があります。
主任技術者は、元請け下請け関係なく配置されますが、元請けであれば下請金額が4,000万円未満、建築一式の場合には6,000万円未満の工事に配置します。
下請会社の主任技術者は工事全てに配置し、請け負った範囲の施工管理を行います。
出典:建設業の許可|国土交通省近畿地方整備局 建政部 建設産業第一課
監理技術者との違い
監理技術者と主任技術者は、ともに工事施工の技術上の管理を司ります。
監理技術者との違いは、主任技術者は工事の総括的な品質管理を請け負うという点です。一方、監理技術者は、施工計画の作成、工程管理、品質管理を担います。
施工内容、技術的な事項、契約書及び設計図書の内容を把握し、工事全体の工程把握・管理、品質確保の体制整備、さらに施工に従事するものの技術上の指導監督を行うのが、監理技術者です。
また、監理技術者は発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者のみが配置します。ただし、下請金額が4,000万円以上、建築一式の場合には6,000万円以上の工事となる場合は、主任技術者に変えて配置しなければなりません。
出典:帳簿の記載内容と添付書類、営業に関する図書|国土交通省近畿地方整備局 建政部 建設産業第一課
主任技術者になるための要件3つ
主任管理者になるには満たすべき要件があります。
- 許可を受けようとする建設業に応じた一級、二級国家資格者であること
- 指定学科を修了し、一定の実務経験期間を満たした者
- 10年以上の実務経験期間を満たした者
という3つが主任技術者の資格要件です。
さらに、平成30年4月1日からは、登録基幹技能者であれば主任技術者として指定という要件が加わりました。
「登録基幹技能者」とは、登録基幹技能者講習を修了した者で、主任技術者と同等以上と認められる場合において、主任技術者の案件を満たすものとして位置付けられました。
1:主任技術者になるために必要な実務経験年数
主任技術者になるには3つのルートがあります。まずは指定学科を学校で学んで実務経験年数を積んで主任技術者になるルートを紹介します。
主任技術者になるための実務経験の年数は学歴によって差があります。
- 高校の指定学科卒業者:5年以上
- 高等専門学校の指定学科の卒業者:3年以上
- 大学の指定学科卒業者:3年以上
- それ以外の学歴の者:10年以上
指定学科とは、それぞれの学校で学ぶ科目のことです。建設業は29種類の業種(仕事)があり、その業種ごとに指定学科が決まっています。
例えば土木工事業の主任技術者になる場合、学校で土木工業、農業土木、鉱山土木、森林土木、都市工学、衛生工学などの学科を学んでいなければなりません。
2:複数業種の仕事をした人が主任技術者になるための実務経験
主任技術者には、複数業種の仕事をしてきた人もなることができます。
例えば大工工事業の主任技術者には、「建設工事業および大工工事業で12年以上、そのうち大工工事業が8年以上」の実務経験があれば大工工事業の主任技術者になることができます。
また、とび・土木工事業の主任技術者には、「土木工事業およびとび・土木工事業で12年以上、そのうちとび・土木工事業が8年以上」の実務経験があればとび・土木工事業の主任技術者になることができます。
そのほかに、屋根工事業やしゅんせつ工事業なども、複数業種の実務経験を合わせて主任技術者になることができます。
出典:建設業法に基づく適正な施工体制と配置技術者|国土交通省
3:必要な資格を取得する
国家資格を取得し主任技術者になることも可能です。
主任技術者になりうる国家資格には、建設に関わる各種工事の技術検定、建築士試験や職業能力開発促進法に基づく技能検定、登録基幹技術者講習の受講などがあります。
建設業法で定められた技術検定は、1級・2級建設機械施工技士試験、2級建築及び土木の施工管理技士、2級建築士などです。
職業能力開発促進法に基づく技能検定では、主任技術者の資格を得られるほか、施工管理技術検定の受験資格を得られます。
ただし2級については、平成16年度以降の合格者は3年、それ以前の者は1年以上の実務経験を有する者に限ります。
出典:Ⅳ.監理技術者又は主任技術者となりうる国家資格等(1)|国土交通省 近畿地方整備局 建政部 建設産業第一課
主任技術者を目指す時の代表的な資格4選
主任技術者になるために目指すべき資格はさまざまありますが、その中でも代表的な資格があります。
- 2級施工管理技士
- 2級建築士
- 第2種電気工事士
- 技能士
中でも、「施工管理技士」の試験は建設工事に関わるさまざまな分野に分けられており、建設業における主任技術者になるためには土木工事業、建築工事業、大工工事業などの施工管理技士の合格証明書が必要です。
ここからは、代表的な4つの資格について紹介して行きましょう。
1:2級施工管理技士
「2級施工管理技士」について紹介する前に、「建築施工管理技士」について触れておきましょう。
「建築施工管理技士」とは、建設工事に従事する技術者の技術の向上を図るために、建設業法第27条に基づき実施されている技術検定です。
受験種別は、建築、躯体、仕上げに分かれていて、全ての受験種別を受けたい場合には最終学歴によって必要な実務経験年数が変わります。また、最終学歴を問わない場合には8年以上の実務経験が必要です。
なお、躯体、仕上げに関しては、職業能力開発促進法による技能検定合格者であれば、1級資格者の実務経験は問われず、2級合格者は4年以上の実務経験があれば受験資格を得ることができます。
出典:施工管理技術検定とは|一般財団法人建設業振興基金施工管理技術検定
※「2級施工管理技士」に関する詳しい内容は下記記事をご覧ください。
2:2級建築士
建築士は建築士法に基づく資格です、建築物の設計及び工事監理等の業務を行う技術者の資格となります。2級建築士は2級建築士試験に合格することで都道府県知事から免許証が交付されます。

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2級建築士の業務範囲は、比較的小規模な建築物に限り設計や工事監理を行えます。
延面積が30平方メートルを超えるものや、延面積が100平方メートルを超え、3階以上の階数があるものは、一級建築士及び2級建築士でなければ設計または工事監理ができません。これは「建築士の業務独占」といい、建築士法第3条に定められています。
受験資格は建築に関する学歴を有しているもの、建築設備士の資格を持つものが実務経験がなくとも受験できますが、それ以外であれば7年以上の実務経験年数が求められます。
※「2級建築士」に関する詳しい内容は下記記事をご覧ください。
3:第2種電気工事士
電気工事士は、電気工事の欠陥による災害を防止するために、電気工事の作業に従事するものに求められる資格です。
工事の内容によっては、資格がなければ電気工事を行なってはならないと定められています。
第2種電気工事士は一般住宅や小規模な店舗、事業所など、600ボルト以下で受電する場所の配線や電気使用設備等の電気工事作業に従事できます。
第2電気工事士は、第二種電気工事士試験に合格するか、経済産業省の第二種電気工事士養成施設を修了することで取得できます。
出典:電気工事士ってなんだろう?|ECEE 一般財団法人 電気技術者試験センター
※「第2種電気工事士」に関する詳しい内容は下記記事をご覧ください。
4:技能検定(技能士)
技能検定(技能士)は、職業能力開発促進法に基づき、技能と地位の向上を図ることを目的として実施されています。
技能検定試験は建築関係だけではなく、園芸や半導体製品製造、服飾など多岐にわたります。
建築にかかる主任技術者の資格を得るには、建設業法における専任の者に該当する技能検定に合格する必要があります。
技能検定は1級、2級、3級、単一等級に分かれ、実技・学科試験両方の合格が必要です。
任技術者の資格を得られるのは1級、2級及び単一等級で、2級合格の場合は合格後1年、平成16年度以降の合格者には、3年以上の実務経験が要求されます。
主任技術者についての注意点3つ
主任技術者はその任命にあたり、いくつかの注意点があります。
主任技術者の職務は建設工事の適正な実施、施工に従事するものの技術向上のための指導監督です。そのため、主任技術者は建設会社との直接的で恒常的な雇用関係であることが求められます。
これは、建設会社が責任を持って主任技術者となりうる技術力と知識をもった人材を配置するよう、または主任技術者に任命された者が、その技術や知識を円滑に活用するために必要な関係と言えます。
ここからは、主任技術者の注意点について紹介して行きましょう。
1:派遣やアルバイトは認められていない
主任技術者として働くためには、直接的かつ恒常的な雇用関係を結んでいる必要があります。
「直接的」というのは、派遣や出向のように第三者が介在しない雇用関係のことをいい、雇用主と一定の権利義務関係があることを言います。そのため、アルバイトや派遣などの雇用関係での主任技術者の任命は認められていません。
直接的な雇用であることを証明するために、資格者証や健康保険被保険者証、住民税特別徴収税額通知書などが確認されます。
2:工事現場の兼任はできない
公共性のある施設や工作物、または多くの人が利用する施設、工作物を作る重要な建設工事では、監理技術者、主任技術者ともに専任であることが求められます。
他の工事での職務を兼任せず、常時継続的にその工事での職務に従事する人が義務付けられています。これは、より適切な施工の確保が求められているためです。
下請け企業の主任技術者の専任期間は、下請け工事が実際に施工されている期間になります。
ただし、密接な関連のある二つ以上の工事を、同一企業が同一の場所または隣接した場所で施工する場合には、主任技術者の兼任が認められています。
3:恒常的な雇用関係であること
主任技術者は、恒常的な雇用関係であることが求められます。
「恒常的な雇用関係」とは、一定の期間その建設会社に勤務し、毎日一定時間以上の職務に従事していることです。恒常的な雇用関係と認定されるためには、健康保険の被保険者証や資格者証の所属建設業者名、保険証などの交付日で確認できることが必要条件です。
さらに、建設工事において入札申し込みもしくは見積書の提出があった日以前に、3ヶ月以上の雇用関係があることが求められます。
主任技術者について知ろう
「主任技術者になりたい」と思ったら、まずは実務経験年数を数えてみましょう。年数が足りなければ、資格を取得して主任技術者を目指してはいかがでしょうか。
主任技術者になるチャンスを有効活用して、現場の責任者を目指しましょう。
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主任管理者になるには、満たすべき要件3つがあります。
(1)許可を受けようとする建設業に応じた一級、二級国家資格者であること、(2)指定学科を修了し、一定の実務経験期間を満たした者、(3)10年以上の実務経験期間を満たした者 です。詳しくはこちらで解説しています。
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