空調設備の仕事は将来性がある|安定している6つの理由
設備関係のエンジニアとして働いていると、自分の仕事の将来性について気になることもあるでしょう。そして、転職するとすれば、将来性があるという空調設備の仕事が気になるのではないでしょうか。
この記事では、空調設備業界に将来性がある理由を6つ解説するとともに、空調設備業界の企業の安定性や、空調設備業界の技術者の将来性についても説明しています。
これを読めば、空調設備工事の仕事について、詳しく知ることができるため、転職の役に立つでしょう。
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目次
空調設備の仕事内容
空調設備の仕事内容は、さまざまな建築物に業務用空調設備の設置を行ったり、メンテナンスを行ったりすることです。
※より詳しくは「空調設備施工管理とは?仕事内容、必要な資格・スキル・具体的な求人まで徹底解説」をどうぞ。
このような空調設備の仕事に将来性があるか、また、その理由について当サイトの求人動向や中小企業庁の公式なデータとともに解説をしていきます。
空調設備業界に将来性がある6つの理由
エアコン自体が登場したのが約40年前と比較的近年であるため、空調設備業界は建築業界の中でも新しい業界といえるでしょう。
空調設備業界は、建築業界全体が不況となっても将来性があるといわれています。それはなぜでしょうか。6つの理由を元に解説していきましょう。
空調設備の更新の必要性
業務用エアコンの更新時期は、10年から15年が目安です。エアコンの心臓部であるコンプレッサーは、10年を超えると故障のリスクが高くなるといわれています。
また、生産完了後10年を超えると部品がなくなったり、修理に時間を要したりといったエアコンメーカーの部品保有期限の問題もあります。
このように、空調設備の更新は必要不可欠なものであるため、空調設備業界の将来性はあるといえるでしょう。
再開発による需要増
近年、都心部でも駅前の再開発により、ビルを新たに建設するケースや、ビルの建て替えといったケースが見られます。
これらのビルでは必ずといっていいほどに空調の工事が発生するため、需要は増していくといえるでしょう。
新技術で作業効率や安全性が向上
建設業界でもIT技術の活用が進んでいます。
施工管理ではクラウドのシステムを活用することで、工程管理や日報の作成ができるようになっており、作業効率がアップしているのです。
さらにAI技術の進化により、今後は危険な作業に関してはロボットが担当するようになるでしょう。このように新技術の導入に伴い、より働きやすい環境が作られていくと考えられています。
働き方改革で魅力的な職場づくりが進む
国土交通省は、建設業での週休2日制の確保や長時間労働の是正、給与や社会保険、生産性向上を盛り込んだ「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定しました。
これにより、長時間労働とならないような工期の設定や、技能や経験にふさわしい給与の実現など、魅力的な職場づくりが進むことでしょう。
出典:「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~|国土交通省
他の建築業種に比べて歴史が浅い
建物に必須の空調設備ですが、エアコン自体が誕生から40年ほどということもあり、建築関係の他の業界に比べ、空調設備は歴史が浅い業界だといわれています。
今後、業界やエアコン自体の進化も考えられることから、将来性があるといえます。
人手不足は技術・資格を持つ人材にチャンス
空調設備の仕事の需要はあるといわれていますが、業界全体の高年齢化とともに、人手不足が問題となっています。
そのため、空調設備に関する技術を身につけている方や、電気工事施工管理技士や2種電気工事士といった資格を持っている方にとっては、大きなチャンスといえるでしょう。
空調設備業界は経営も安定している
空調設備業界各社は、都市の再開発や東京オリンピックの建設需要から、受注件数を伸ばしているといわれています。
東京オリンピック終了後は、受注件数の減少が懸念されましたが、オフィスビルの建て替えやリノベーションなどが増加要因になっていることから、空調設備業界の経営は安定しているといえるでしょう。
では、この空調設備業界各社の経営状況を、経営の指標から確認していきましょう。
自己資本比率は建設業全体より高い
2019年の中小企業庁の中小企業実態調査によると、建設業全体の自己資本比率は41.6%です。
例えば、空調設備業界の企業の一つである、高砂熱学工業株式会社の2019年3月期の有価証券報告書によりますと自己資本比率は43.6%であり、建設業全体よりも高いことがわかります。
ROA(総資本営業利益率)も建設業全体より高い
日本政策金融公庫における「小企業の経営指標調査」によると、建設業の2020年調査では、ROA(総資本営業利益率)が平均値-0.4%、黒字かつ自己資本プラス企業の平均値では、10.1%です。
空調設備の仕事を行う「冷暖房設備工事業」では、同年の数値で平均値が3.0%、黒字かつ自己資本プラス企業の平均値では14.2%と、建設業全体よりも高いことがわかります。
空調設備工事の技術者の将来性も十分ある
空調設備工事業界は、エアコン自体の進化を身近で感じることができ、土木工事や建築工事等とはまた違った魅力がある業界です。
建物で生活する人々や働く人々のために、快適な環境を提供するという、とても大切な役割を果たすことができます。
空調設備工事に向いている人
空調設備工事は、建物に対してどのように配管を通していくかという創意工夫が必要であり、パズルを組み立てるような楽しさがあります。
黙って集中して作業するのが得意という方にも向いているでしょう。さらにエアコンなどの重量物を移動するため、健康で体力があり、仕事仲間とコミュニケーションがとれる能力も必須です。
また、空調設備の仕事は、空調機器の進化や新技術についていくために、常に学び続けられる人も向いています。
多くの人が過ごす建物の空調設備は、多くの人々の役に立つ仕事です。社会に貢献したい、人の役に立ちたいという人にも向いている仕事といえるでしょう。
空調設備の仕事に就くために取っておきたい資格
空調設備の仕事に就くために取っておきたい資格としては、「管工事施工管理技士」があります。
管工事施工管理技士は1級と2級があり、2級の取得には大学の指定学科を卒業している場合、実務経験1年以上があれば、受験可能です。
1級では、大学の指定学科を卒業していても3年以上の実務経験が必要なため、より取得に時間がかかるでしょう。
他にも冷凍機械責任者、電気主任技術者、電気工事施工管理技士などの資格が役立ちます。
※より詳しくは下記記事で解説しています。合わせてお読みください。
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