現場監督とは？

現場監督とは建設工事の現場全体の作業内容を把握して、安全かつスケジュール通りに工事を進めるため、現場を指揮する人のことです。各工事の状況だけでなく全体の流れを管理しながら、要求される品質を維持しつつ安全に作業を進めることが大まかな仕事といえます。

現場監督は各工事の専門家である職人など作業員の動きを統括して指示命令する立場であり、基本的には現場で作業しません。予算内で工事費を収め、適切な利益を残せるよう工事費の管理も求められます。

現場監督が行う5つの管理業務

現場監督が行う大きな仕事としては、一般的に施工の4大管理と呼ばれる「工程管理」「原価管理」「安全管理」「品質管理」の4つの管理業務をメインに行います。最近ではこれに加えて、作業環境や現場環境を適切に管理するための「環境管理」も含めた5大管理が重要です。

ここではこれら5大管理業務について、それぞれ詳しく解説します。現場監督には、さまざまなタイプの職人や作業員をまとめ、無事故で仕事を進める管理能力が必要です。

• 工程管理業務
• 環境管理業務
• 原価管理業務
• 安全管理業務
• 品質管理業務

1：工程管理業務

工程管理とは工事全体の工期を守るために、細かい各工事のスケジュールを管理して工期内に完成させるための重要な業務です。1つの現場の中ではさまざまな種類の工事がありそれぞれに職人が関与してくるため、作業ごとの日程調整は難しい管理業務になります。

週間工程表、月間工程表、全体工程表など細かく作業時間を管理しながら、最終的に余裕を持って工事完成の日を迎えるために、現場監督には高いレベルが要求されます。

2：環境管理業務

現場監督が行う施工管理の項目として、最近では自然環境・周辺環境・職場環境という3つの要素を含む環境管理業務が含まれるようになった業務です。建設現場周辺の空気や水、土壌などの影響を考慮したり、周辺の騒音、振動、粉塵、排気ガス対策なども環境管理業務に含まれます。

特に現場監督が注意を払うべき内容は作業員が働きやすい環境を整えることなので、そのために作業員との信頼関係を築いて人間関係が円滑な現場環境作りを進めます。

3：原価管理業務

現場に責任を持つ現場監督にとって重要な管理業務が原価管理業務で、予算に対して実際の工事で必要な原価を精査して管理する業務です。施工計画を立てる段階で実行予算を算出して工事をはじめるため、それが実際の工事でどのような差異が出るかをチェックします。

担当する工事で適切な利益を確保できるように無駄使いをせず、最小限の経費・出費に抑えることも現場監督としてレベルアップになる重要項目です。

4：安全管理業務

現場監督の仕事として現場全体の安全管理も重要な管理業務になります。作業の中で作業員が事故や怪我を起こさないように、常日頃から安全な現場環境を保つよう現場監督が現場の隅々までしっかりとチェックすることが大切です。

作業前のKY活動と呼ばれる危険予知活動をはじめ、5S運動やヒヤリハット運動などを通して作業員各自の意識改革を進めることも、現場監督がチェックする項目と言えます。工事を安全に終えることが現場監督の大きな仕事です。

5：品質管理業務

現場監督の重要な仕事として5つ目は、設計通りの仕様や強度、機能、材質など所定の品質を満たしているかチェックする品質管理業務です。評価対象ごとに決められた方法によって、品質が確保されていることをチェックしながら次の作業に進めるよう現場監督は内容を把握します。

現場監督は施工の各段階で施工写真や記録を残して、細部にわたって品質の確保を第三者に説明できるように管理することが大切です。

大手建設会社で求められる優秀な現場監督とは？

近年、経験豊富で実力を持った現場監督が不足していることが問題となっていますが、大手建設会社が求める優秀な現場監督の要件はどのような内容でしょうか。人手不足の時代だからこそ即戦力として「あの人が現場にいれば安心」と言われるような存在です。

大手建設会社で施工する工事規模では、現場には現場監督をはじめ、数人で大きな現場を管理しなければなりません。現場を任せても適正な結果をもたらす実力がある現場監督には、高い給与を与えてでも採用したいと人気があります。

大手建設会社の現場監督の年収

気になる大手建設会社の現場監督の年収は現実にどの程度でしょうか。スーパーゼネコンと呼ばれる大手建設会社5社についての平均年収を紹介します。

清水建設の現場監督は平均で約670万円、鹿島建設の現場監督は約720万円、大林組の現場監督は約670万円、大成建設の現場監督は約680万円、竹中工務店の現場監督は平均760万円という結果です。なお現場監督の給与は、年齢やボーナスによっても大きく変わります。

大手建設会社での4つの働き方

かつては大手建設会社で働く場合、正社員として働くしか方法がありませんでしたが、働き方改革が進み正社員以外でも契約社員や派遣社員、業務委託契約で働くなどさまざまな選択ができるようになっています。

ここでは代表的な4つの働き方について、大手建設会社で働く方法について整理するため、自分の生活スタイルや価値観に基づいて、自分に合った働き方を見つけてください。

• 正社員として働く
• 契約社員として働く
• 派遣社員として働く
• 業務委託契約をして働く

1：正社員として働く

大手建設会社での働き方として一般的なのが正社員として働く方法です。雇用と収入の安定が確保され、毎月一定の給与収入が保証される正社員は、収入の面では安定性が一番高い働き方といえます。

大手建設会社は多くの協力会社と関わりながら仕事をするため、正社員として働く中で経験を積みキャリアアップして、活躍する環境を与えられる点がメリットです。

2：契約社員として働く

大手建設会社での働き方として、資格を活かして契約社員の立場でキャリアをスタートする方法があります。最初から正社員として働くことが難しい場合でも、まずは契約社員として採用されスタートできるケースがあるからです。

大手建設会社でも施工管理ができる人材が不足しており、施工管理の資格を持って経験豊富な人材を契約社員として採用することがあります。入社後の仕事ぶりや実力が評価されれば、正社員になることも可能です。

3：派遣社員として働く

3番目に紹介するのは、大手建設会社で派遣社員として働く方法です。派遣社員として現場監督を担当するケースもありますが、その場合は任される仕事内容が違ったり待遇が違うケースがあるため、事前に確認しましょう。

正社員のほうが収入が安定しており会社に守られる傾向がありますが、優秀な派遣社員には派遣として働くメリットがあります。派遣社員でも技術的な資格を取得しておけば、優秀な現場監督として活躍できる雇用形態です。

4：業務委託契約をして働く

大手建設会社での働き方として業務委託契約して働く方法もあります。大手建設会社が受託した工事の一部分の業務について業務委託契約を結んで、施工管理や一部の工事について責任を持って業務を遂行する方法です。

一種に下請けとして、大手建設会社の現場の中で仕事して実力を認められれば、正式に正社員として引き抜きを受けることも可能となります。最初の立場は違ってもそこで自分のレベルアップを図り、欲しい人材に成長できれば正社員への登用も可能です。

大手建設会社で優秀な現場監督として年収を上げる3つの方法

大手建設会社の中で優秀な現場監督としての実績を上げて年収をアップさせる方法について解説します。他社との差別化を図り、優秀な現場監督として認定を受けるために、年収アップにつながる方法として説明するのは大きく3つです。

以下ではそれを解説していくため、ぜひ参考にしてみて下さい。

• 建設関係の資格を取得する
• 施工管理技術を高める
• 他企業に転職する

1：建設関係の資格を取得する

優秀な現場監督だと評価されて年収をアップさせる方法として、まずは建設関係の専門資格を取得することです。各専門分野での施工管理技士の国家資格を取得することで、大手建設会社の中で現場監督として責任を与えられるスタート地点に立てます。

大学で専門分野の教育を受けた人は数多い中で、最低限必要となるのが専門資格です。大手建設会社では特に資格手当などを設定しており、年収アップで必要な項目といえます。

2：施工管理技術を高める

優秀な現場監督だと評価されて年収をアップさせる方法として、2番目は施工管理技術を高めて実力を認めてもらうことです。同じ現場を担当しても人それぞれ施工管理の方法が違うため、問題なくスムーズに工事が進む場合と問題が出てくる場合など結果が違います。

資格を持っているだけでなく経験と努力により施工管理能力を高めた人に対して、会社として答える方法が給料アップです。優秀な現場監督は会社にとっても宝であり、他社に引き抜かれたくありません。

3：他企業に転職する

優秀な現場監督だと評価されて年収をアップさせる方法として、3番目は他企業に転職することです。現場での仕事内容や保有している資格などを客観的に判断して、現在の会社で自分が適切に評価されているかを考えてみます。

経験を積んである程度の技術力を持っていれば、自分の能力を適切に評価してくれる他企業に転職することを検討してみても良いでしょう。会社とのマッチングがうまくいけば、大幅な年収アップにつながる可能性があります。

大手建設会社で技術を培って優秀な現場監督として働こう

大手建設会社では工事の規模や種類も多く、さまざまな経験を積めます。高度な技術の管理能力が求められますが、その分高い年収も得ることが可能です。

自らの努力と経験数で技術を培えば、環境に満足できない場合は他社に転職することも十分可能となります。優秀な現場監督を目指して、努力を惜しまず頑張りましょう。