未経験で施工管理の仕事!転職後にキャリアアップをするなら資格を取得3選
目次
未経験者でも大丈夫!
まず、結論からいうと、施工管理の仕事自体は未経験からはじめても大丈夫です。なぜならば、施工管理は、基本的に図面通りに建物や設備を作る仕事だからです。
建設の図面は素人からみると難しそうにみえますが、実は一通りのルールさえ理解すれば、比較的簡単に読めるようになるので、少しずつ段階を踏んで覚えていけばよいでしょう。ただし、「施工管理技士」になるためには、国家資格の取得と実務経験が必須となります。
そのため、現場経験を積みながら必要に応じて資格を取得していく必要があります。また、男性のイメージが強い仕事ですが、女性でも資格取得を目指す人が増えていることもポイントです。
施工管理でキャリアアップを目指すには
施工管理の仕事でキャリアアップして年収を増やしたいなら、やはり資格を取得すべきでしょう。管理職など年収の高い仕事を目指す場合には、少なくとも、1級施工管理技士か、せめて2級は持っておきたいところです。
施工管理技士の資格は、「建築機器」、「建築」、「土木」、「管工事」、「電気」、「造園」という6つの専門分野に分けられています。1級を取得すると、大規模な工事現場での施工管理が可能となります。
2級の場合には、小規模な工事現場や営業所などでの施工管理が可能となります。試験は年1回で、合格率は30~50%です。
ちなみに、施工管理技士の資格は高卒でも取得出来ます。施工管理の仕事というのは、実は小さな工事現場ではあまり必要とされません。
主に大規模なマンションやビルの建設現場、公共事業などで仕事をすることになります。そのため、大手ゼネコンが工事を元請けするケースが多く、その結果、高待遇になっているとも言えるでしょう。
施工管理技士は特に30代の人材層が厚く、ライバルと差を付けるためには、知識と経験の他に、1級施工管理技士の資格も取っておきたいところです。
施工管理に必要な能力6選
施工管理の仕事をするにあたって、必要な能力は数多くあります。ここでは、施工管理に必要な能力の中でも、特に重要なもの6つを紹介します。
この6つの能力は、施工管理の仕事が未経験であっても、それまでの社会人経験で身に着けることが出来る能力ばかりです。
施工管理の仕事が未経験であったとしても、もしもこれらの能力があるのならば、ぜひ施工管理に挑戦してみましょう。もしもこれらの能力が不足していると思ったならば、ぜひ身に着けるように努めてみましょう。
1:自分の意見をしっかり言える
施工管理は、クライアントや工事を行う職人たちと関わりあいながら、工事の管理をする立場にあります。
そのため、周りの職人やクライアントに、納期や工賃、人員に関することや工事計画など、様々なことで無理難題を言われることもあります。時には、工事現場周囲の住民から何か言われることもあるでしょう。しかし、無理難題に屈してしまうようでは、良い工事が出来ません。
施工管理は、無理難題を含めいろいろと言われた時にも、臆せずに自分の意見をしっかりと言える必要があります。
2:積極的にコミュニケーションを取る事が出来る
施工管理は、大勢の職人や作業員たちを管理する立場にあります。様々な性格の職人や作業員たちをまとめあげるために、どのような職人や作業員であっても積極的にコミュニケーションを取る必要があります。
コミュニケーションを取る際には、決して面白いことを話す必要はありません。各自の業務の専門性や人格を尊重し、積極的に話しかけることで、十分に良好なコミュニケーションを取ることが可能です。
3:向上心がある
施工管理として信頼を得るためには、職人や作業員たちに負けない知識量も必要となってきます。日々の業務に関することはもちろん、最新技術など多岐にわたる知識を身に着けると、職人や作業員たちも頼ってくるようになるでしょう。
そのため、向上心がある人も施工管理に向いています。特に未経験の場合、現場の慣習や専門用語なども知らないことが多いでしょう。クライアントや職人や作業員たちと円滑にコミュニケーションを取るためにも、向上心を持って勉学に取り組む必要があります。
4:リーダーシップがある
施工管理は、様々な年齢の人々をまとめあげて管理し、工事を進行する必要があります。時には、自分よりも経験があり年上の職人のリーダーとなることもあります。
職人や作業員たちは付き合いやすい人ばかりでなく、一癖も二癖もあるような人もいます。こちらが年下、もしくは未経験だと分かれば、侮ってくる人もいるでしょう。
年齢や経験、その人のキャラクターにも臆せず、職人や作業員たちに対してリーダーシップを取ることが出来る人は、施工管理に向いていると言えるでしょう。
未経験の場合、現場の職人や作業員に気後れを感じることもあるでしょうが、それでも気にせずにリーダーシップを発揮することが大切です。
リーダーシップが発揮されることは、職人や作業員たちが「しっかりとこの工事は管理されている」と安心して作業することへと繋がります。
5:努力する事が出来る
施工管理は、ある一つの工事の統括役です。現場の人員管理や工期管理はもちろん、予算や資材の管理、日々の工事の進捗管理、大まかに見た長期での工事の進捗管理、現場の労働環境の管理、安全管理など、様々な業務をこなす必要があります。
施工管理の仕事は、日々のルーティーンワークに加えて、長期的な計画が計画通りに進行しているか管理するなど、地道かつ膨大な作業を継続的かつマルチにこなす必要があります。様々な業務をこなす必要があるため、努力することが出来る人は施工管理に向いています。
6:臨機応変に対処する事が出来る
天候不順や、資材が予定通りに入ってこない、職人の退職、道具のトラブル、想定以上に工事費用がかかる、近隣住民の反対運動など、工事には多くのトラブルがついてまわります。トラブルに見舞われた結果、予定していた作業が出来ないことも珍しくありません。
トラブルに見舞われた時に、臨機応変に対応して工期の遅れを取り戻す、取り戻せなくても最小限にする、職人の補充などの対応を行うことも施工管理の仕事です。
そのため施工管理の業務に従事するならば、臨機応変に対処出来ることが重要です。
未経験で施工管理の仕事を始めた際に取得を目指すべき資格3選
未経験資格なしであっても、施工管理の仕事をすることは可能です。
しかし、未経験資格なしで施工管理の仕事を探すよりも、未経験資格ありで施工管理の仕事を探したほうが、仕事が決まるのは早いでしょう。施工管理の仕事に関わる資格には、「施工管理技士」という資格があります。
施工管理技士は、各営業所に必要な「専任の技術者」として認められるだけでなく、各工事現場に必要な監理技術者、主任技術者として認められることにもなります。
施工管理技士の資格は実は細かく分かれており、土木施工管理、建築施工管理、電気工事施工管理、管工事施工管理、造園施工管理、建築機械施工管理、電気通信工事施工管理の7つに、それぞれ1級と2級があります。
自分がどのような工事現場にかかわりたいのかをよく考えた上で、施工管理技士の資格を取得すると良いでしょう。また、施工管理技士の資格を考える上で、いくつかポイントがあります。施工管理技士の資格を考える上でのポイントを3つ、ご紹介します。
出典:技術検定試験について|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk1_000055.html
1:1級と2級の違いを知っておく
まず1級施工管理技士は監理技術者に、2級施工管理技士は主任技術者になることが出来ます。
主任技術者はすべての工事に設置される必要がありますが、監理技術者の場合は、下請けに出す請負金額が合計4,000万円以上(建築一式の場合は6,000万円以上)の工事を行う場合のみに設置されます。
公共工事の入札の際に使用される指標である経営事項審査でも、1級施工管理技士と2級施工管理技士には差があります。
常勤の1級施工管理技士の場合、配点が5点、さらに監理技術者になるために必要な監理技術者講習を修了している場合は6点の加算となるのです。一方、常勤の2級施工管理技士がいる場合、配点は3点にとどまります。
また、1級と2級では、受験するために必要な実務経験年数、受験手数料も異なります。
出典:監理技術者が必要な工事|一般財団法人 建設業技術者センター
参照:https://www.cezaidan.or.jp/managing/about/index.html
2:現場で仕事の経験をする
施工管理技士の実技試験を受験するには、現場での仕事の経験が必須となります。そのため、1日でも早く現場で仕事の経験を積むことが、1日でも早い施工管理技士試験の受験へと繋がります。
ちなみに、2級施工管理技士の場合、実務経験がなくても先に学科試験を受験することが可能です。勉学に自信のある場合、実務経験を積む前に2級施工管理技士試験の学科試験を受験してみるのも良いでしょう。
3:検定試験に合格する
施工管理技士の資格を手に入れるためには、国土交通大臣の指定した試験機関が実施している技術検定試験を受けて、合格する必要があります。ここでは、施工管理技士の技術検定試験の内容を学科試験、実地試験に分けてそれぞれご紹介します。
学科試験の内容
学科試験は、4つの答えの中から正解を選ぶ択一式で問題が出されます。解答方法もマークシート方式です。
建築施工管理技士の学科試験の場合、図面を正確に読み取るための知識、建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学、機械工学に関する大まかな知識、品質管理、工程管理、安全管理など施工管理法に関わる大まかな知識、建築工事にかかわる法令の知識などを問われます。
実地試験の内容
実地試験と言われると、何か実際に機械を動かす、もしくは工事を行うのでは、と思う人もいるでしょう。しかし、施工管理技士の実地試験ではそのようなことは行いません。施工管理技士の実地試験は、記述式による筆記試験です。
例えば建築施工管理技士(2級建築)の場合、建築材料の強度などを踏まえた上で、適切な強度と外観を持った建築物を設置する、設計図面に基づきながらも保管して施工計画を作成する、といった施工管理法に関する問題かつ応用力を問うような問題が出されています。
未経験で施工管理に転職する時に便利な技術
未経験で施工管理に転職する際、施工管理技士の資格を持っていると心強いでしょう。しかし施工管理技士の試験を受けるためには、実務経験なども必要なため、今すぐには取得出来ないという人も多いでしょう。
未経験で施工管理に転職する時に便利な技術や資格は、何も施工管理技士資格だけではありません。ここでは、未経験で施工管理に転職するにあたって取得していると便利な資格や技術をご紹介します。
簿記3級以上の資格を持っている
施工管理は、工事現場のスケジュール管理や設計図面の管理、職人や作業員の監督だけでなく、資材や人件費などを含めた工事費用など、お金の管理も仕事に含まれます。特に施工管理は、予算内に工事費用を収める原価管理の能力が非常に求められます。
工事費用には、資材や機材などにかかわる費用だけでなく、請負業者に対して払うお金や人件費、建物の減価償却費、通信費、租税公課、安全管理にかかわる費用、土壌の整備費用、さらには工事の際の仮設事務所の建設費用に至るまで、様々な物が含まれます。
未経験で施工管理の仕事に就く際には、簿記3級以上の資格や経理の知識があると、工事費用を管理、把握するのに役立つでしょう。
WordやExcelの基本操作が出来る
施工管理はデスクワークも多い職種です。資材の強度の確認や在庫の確認、職人の休暇や人員の管理、工賃計算や工程計算、図面作成、資材や最新技術に関するデータ収集など、施工管理がかかわるデスクワークは多岐にわたります。
デスクワークを少しでも速く、正確に、簡単にこなすためにも、パソコンでの文書作成、表計算は欠かすことが出来ません。特にクライアントや職人、作業員に対する各文書や書類の作成には文書作成ソフトが、工賃計算などには表計算ソフトが欠かせません。
未経験で施工管理の仕事に就く際には、ぜひ文書作成ソフト、表計算ソフトの知識を習得することをおすすめします。
特にMicrosoft Officeに関する知識、その中でもWordやExcelの基本操作を習得していると、デスクワークに必須の文書作成や表計算を迅速かつ正確にこなすことが可能です。
施工管理の転職を考える前に気を付ける事
施工管理の仕事は、一大建築物や土木工事など、後世に残るような大きなものに関われる仕事であり、非常にやりがいがあります。また、給与も他の業種に比べて高めだと言われており、給与面を重視したい人にもおすすめの仕事です。
未経験であっても施工管理に転職したいと考えている人たちには、こういった施工管理の仕事のメリットを魅力的に感じている人も多いでしょう。
しかし、仕事のスケールの大きさや給与の高さの分、施工管理の仕事には、他の仕事にはない大変な一面もあります。ここでは、未経験で施工管理に転職を考える前に気を付けておきたい、施工管理の仕事の大変な部分をご紹介します。
転勤がある
施工管理の仕事は、長くて数年単位、短ければ数カ月、数日単位で、別の工事現場へと渡り歩いていきます。
自宅から通える範囲の現場ならばよいですが、日本全国津々浦々、様々な地域の現場へ渡り歩くことも珍しくありません。
また工事は急に入ることも珍しくないため、いきなり「来週からあそこにいってほしい」などと頼まれて、急いで現地に向かうことも珍しくありません。
必然的に、転居を伴うような遠方への転勤が、他職種に比べて多くなりがちです。特に、道路工事を中心に取り扱うような土木施工管理技士で既婚者の場合、およそ半数は単身赴任しているとも言われています。
ただ企業によっては、希望勤務地の確認を行うところや、転勤のないところもあります。転勤が嫌な場合は転勤なし、もしくは希望勤務地の確認を行ってくれる企業への転職を目指すのも良いでしょう。
大手企業の場合
大手のゼネコンに勤める施工管理の場合、海外などが現場になることもあるため、海外出張・海外転勤となることもあるようです。ただ大手企業の場合、遠隔地手当や無料の寮など、多くの場合、転勤するにあたってのサポートが充実しています。
大手企業でも、全国に支社や支店があるような企業の場合、その土地の支社や支店が工事を担当するため、比較的近場の現場を担当することが多い、ということもあるようです。
中小企業の場合
中小企業に勤める施工管理の場合、その企業がどのような特性を持っているかによって転勤や出張の多さが変わってきます。
たとえ中小企業であっても、全国から工事案件を受注している場合は、転勤や出張は多くなってしまうでしょう。しかし、地元密着型の企業であるならば、受注する案件は地元の案件が多いため、転居を伴うような転勤や出張は少なくなります。
覚えなければならない事が多い
施工管理技士の場合、監理技術者研修などの勉強など、資格取得後も様々な勉強をしなければなりません。会社に言われて、様々な資格を取ることを余儀なくされることも珍しいことではありません。
施工管理技士は様々な現場に赴くため、新たな現場に赴くたびに、それまで使ってこなかった工法や資材を勉強する必要があります。未経験であるならば、さらに覚えなければならない事は多いでしょう。
たとえ施工管理技士の試験勉強で知識を習得していても、実際の現場では他の知識を求められることも多いため、そのたびに新たな知識を覚える必要があります。
職人や作業員に確認を取ろうとしても、周りは「施工管理技士」であり、知識を持っている人だと認識しているため、なかなか教えてもらえない、また聞きづらいこともあるようです。
専門用語や慣習
各工事現場、さらに各作業工程によって、使われる専門用語や慣習は変わっていきます。
一つの建物を作るのにも、建物の骨組みだけでなく、電気工事、配管工事、左官工事、塗装工事など様々な工事過程があり、それぞれの職人たちが様々な専門用語を使用し、それぞれの慣習に基づいて工事をしていきます。
円滑に工事を進めていくにあたって、それぞれの専門用語、慣習を1つずつ覚え、コミュニケーションをとっていくことは重要ですが、量が膨大なため、覚えるのに時間がかかります。未経験であるならば、なおさら時間がかかることも予想されます。
未経験でも施工管理として活躍できるチャンスはある!
施工管理の仕事をするにあたって、経験があるならばもちろんそれに越したことはありません。
しかし、求人情報で「未経験歓迎」と書いてあるものが少なくないことからも分かるように、未経験で施工管理の仕事にチャレンジし、活躍することは決して難しいことではありません。
未経験で施工管理の仕事に就くのは、おそらく大変なことでしょう。大きな責任に加え、様々な知識を習得することのつらさもあります。他にも転勤問題や、業務時間の問題などいろいろな悩み事も出てくる可能性があります。
しかし、未経験であっても、職人や作業員たちの個性、技術を尊重し、不足している知識をどん欲に吸収することで、職人や作業員たちから深く信頼されるような施工管理になることが出来るでしょう。
たとえ未経験であったとしても、臆せずに施工管理の仕事に転職してみましょう。未経験だからこそ、経験者にはないがむしゃらな純真さや真摯さで、職人や作業員、クライアントと向きあうことが出来ます。
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