一級施工管理技士の将来性がある理由とは?仕事内容やメリットについて解説!


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こちらの記事では、一級施工管理技士の将来性がある理由についてご紹介いたします。
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目次
一級施工管理技士とは?
一級施工管理技士は建設工事に携わる技術者の技術向上を目的として、建設業法に定められた技術検定試験に合格した者に与えられる国家資格です。建設工事の現場において、さまざまな課題や問題に対応する現場のエキスパートです。
技術検定の種目は土木から電気通信工事のまでの7項目にわたり、一級と二級に区分されます。一級施工管理技士は主任技術者や監理技術者となって建設工事現場に配置され、施工管理する工事の規模も二級施工管理技士に比べて大きいものとなっています。
出典:技術検定制度|国土交通省
一級施工管理技士の将来性があるとされる4つの理由
建設業界は就業者の高齢化などにより全般的に人材不足の状況です。人材不足の中でも、特に施工管理技士は不足しています。
「一級施工管理技士の将来性がある」とする理由は、人材不足も要因のひとつですが、「人材不足」と並んで、「災害時の復興作業」や「都市開発によるインフラ整備」、「施設のメンテナンスの増加」も将来性がある要因となっています。
ここからは、一級施工管理技士の将来性があるとされる4つの理由について解説します。
1:災害時の復興作業が求められるため
近年、震災や台風、豪雨など自然災害の多発によって、道路や橋梁などが被害を受けています。
また、家屋損失等により生活の場が失われるなど、生活基盤や社会基盤の復興が急務となっています。そのため、建設業社へ復興作業が求められるため、需要も増大しています。
2:都市開発によるインフラ整備が増えるため
都市開発に伴うインフラ整備の取組みでは、電線の地中化や公園整備などが挙げられます。また近年では、公共交通の充実やスマートシティ構築に伴うインフラ整備が国や地方自治体によって進められています。
このように今後は都市開発によるインフラ整備が増えることによって、建設工事の業務量の増加が見込まれます。
3:増加する施設のメンテナンスが必要になるため
都市開発や災害対応などのインフラ整備が進む中で、今後は道路や河川など施設のメンテナンスが必要になってくるでしょう。また、新しい施設の完成と同時に建物のメンテナンスが始まっています。
東京2020オリンピック・パラリンピックにより、競技会場や大会のために多くのインフラ整備が行われました。今後、競技会場は各種スポーツ大会などに使用されるため、整備や点検など施設の継続的なメンテナンスが増加していくことが予想されます。
4:高齢化による人手不足のため
建設業就業者は平成9年の685万人をピークに平成27年では500万人となり、減少傾向が続いています。さらに55歳以上が約34%、29歳以下が約11%となっており、建設業就業者の高齢化が進み、次世代への技術承継が困難となるなど、大きな課題となっています。
このままの状況が続くと、高齢建設業就業者が大量に離職する見通しとなってしまうため、若年入職者の確保や育成を図る必要があります。
一級施工管理技士の仕事内容とは
一級施工管理技士は施工管理に従事する技術者であり、仕事内容は工事が円滑に進むために工程などを管理することです。施工管理の中でも「工程」「品質」「原価」「安全」が重要な4つの管理項目となっています。
施工管理技士の仕事内容は、この4つの項目を中心として工事の進行を図っていきます。建設事業者は建設業法により各営業所に専任の技術者の設置が必須であり、一級施工管理技士は特定建設業の専任技術者となって施行管理業務を遂行します。
一級施工管理技士を目指す6つのメリット
一級施工管理技士の将来性については、復興作業やインフラ整備、施設のメンテナンスなど、業務量の増加が要因であることは前述した通りです。では将来性の他に、具体的に一級施工管理技士を目指すメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ここからは、経験者から一級施工管理技士を目指す6つのメリットについて紹介します。
1:需要が安定している
一級施工管理技士は災害時の復旧作業やインフラ整備、施設メンテナンスの増加、人手不足などによる業務量の増大により、多くの建設関係企業から求められている状況です。
建設業就業者の高齢化による人手不足の影響は、一級施工管理技士にも及んでいます。今後もこのように需要の増加が見込まれるでしょう。
2:社会貢献につながる
近年、自然災害の多発によって道路や橋、家屋が深刻な被害を受けています。そのため、毎年災害後の復興作業として道路や住宅などの修復が行われています。被災した地域からは早期の復興が望まれるため、迅速かつ的確な工事の施工管理が必要とされています。
このように、復興作業などの生活や社会基盤の再構築を行う一級施工管理技士の業務は、社会貢献にもつながっていきます。
3:転職の際も資格が有利に働く
一級施工管理技士は国家資格で工事施工現場には配置が義務づけられています。また、建設業における経営事項審査においても企業の得点になるうえ、公共工事を受注する際には、一級施工管理技士の存在は評価に大きく影響します。
そのため、企業としても一級施工管理技士の確保は重要であり、転職の際にも有資格者であることが有利となります。
出典:主任技術者・監理技術者の配置(建設業法第26条)|国土交通省
4:収入アップが見込める
一級施工管理技士の資格を取得することで収入がアップする可能性があります。
それは建設業の経営事項審査において、一級施工管理技士の配置が得点となることによって、企業の評価アップにつながるためです。そのため有資格者は重宝され、収入がアップする場合があります。
5:定年まで勤めあげられる
企業としては一級施工管理技士を雇用することで、経営事項審査の得点や工事受注の際の評価など有利に働くことが多く、十分なメリットがあります。
また、人手不足の中で新たな一級施工管理技士の確保は難しい状況です。そのため、短期間ではなく定年までの長期にわたって雇用されることが多いでしょう。
6:建設業の重要な役割を担える
一級施工管理技士の一次試験に合格すると「技士補」の称号を得ます。二次試験も通過すると、晴れて一級施工管理技士となり、特定建設業の専任技術者や一般建設業の主任技術者、監理技術者となります。
工事施工現場においては、これらの技術者の配置が必須であり、工事の施工を円滑に管理遂行する点でも重要です。そのため、一級施工管理技士は建設業の重要な役割を担っているといえます。
出典:主任技術者・監理技術者の配置(建設業法第26条)|国土交通省
一級施工管理技士の7つの種類

一級施工管理技士の種類は電気工事施工から建設機械施工まで、7つの種類にわたっています。この7種類の施工管理は建設工事の施工に必要とされ、いずれも、1級と2級の区分があり、国土交通大臣が指定した試験機関で実施されています。
ここからは7つの種類の試験概要や、それぞれの施工管理技士の内容について紹介します。

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出典:技術検定制度|国土交通省
1:1級電気工事施工管理技術検定
1級電気工事施工管理技士の仕事内容は建物の建設や、増築工事の際の電気工事に係る施工管理を業務としています。
技術検定は1級と2級に区分され、第一次検定(学科試験)、第二次検定(実地試験)の検定構成となっています。受検資格は所定の学歴又は資格や実務経験年数が定められています。申し込みには実務経験を証明する書類などが必要です。
技術検定は毎年実施され、試験地は全国数か所で行われます。インターネットや書面での申し込みが可能となっています。
出典:令和3年度 1級 電気工事施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金
2:1級電気通信工事施工管理技術検定
1級電気通信工事施工管理技士は7番目の施工管理技士資格として2017年に創設され、電気通信工事に係る施工管理を仕事内容としています。併せて、技術検定も同時期に実施されています。
検定試験は1級と2級の区分で、第一次検定(学科試験)、第二次検定(実地試験)の検定構成となっています。第一次検定と第二次検定はそれぞれ所定の受検資格が定められており、試験は毎年全国数か所で実施します。
インターネットや書面での申し込みが可能となっています。申し込み書類の中では、実務経験を証明する書類などが必要です。
出典:6.受検資格(建設業法施行令第27条の5第1項等)|一般財団法人 全国建設研修センター
3:1級建築施工管理技術検定
1級建築施工管理技士の仕事内容は大規模な建設工事現場に携わり、工事の施工管理を掌握することです。
技術検定は第一次検定(学科試験)、第二次検定(実地試験)の検定構成となっており、1級と2級の区分です。第一次検定、第二次検定は所定の受検資格要件を満たしていなければなりません。
実務経験を証明する証明書などが必要で、毎年実施される試験については全国数か所で行われています。
出典:1級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金
4:1級造園施工管理技術検定
1級造園施工管理技士の仕事内容は、道路や公園などで行われる緑化工事の施工管理をします。近年、都市部の緑化工事の需要が増加し、必要な施工管理業務です。
技術検定は1級と2級の区分で、第一次検定(学科試験)、第二次検定(実地試験)となっています。受検資格は所定の要件を満たしていなければならず、造園に係る実務経験を証明する書類等を提出しなくてはなりません。
他の施工管理技術検定と同様に試験は毎年全国数か所で実施し、インターネットや書面での申し込みも可能です。
出典:1級造園施工管理技術検定|一般財団法人 全国建設研修センター
5:1級管工事施工管理技術検定
1級管工事施工管理技士の仕事内容は、冷暖房設備や空調設備などの配管工事の施工を管理します。配管は建物規模が大きいほどより複雑となり、建物の工事には欠かせない業務です。
技術検定は他の施工管理技術検定と同様に第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)の両方に合格することが要件となり、実務経験を証明する書類等の提出等試験概要もほぼ同じですが、念のため受検要項で確かめてみましょう。
出典:1級管工事施工管理技術検定 |一般財団法人 全国建設研修センター
6:1級土木施工管理技術検定
1級土木施工管理技士の仕事内容は土木工事の施工を管理します。近年では自然災害の多発によって、生活基盤の復興を担う公共工事が多くなっています。
技術検定は第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)に合格することが資格取得の要件になっています。受検資格や試験概要も他の施工管理技術検定同様に多岐にわたっているので、受検要項で確かめてみましょう。
出典:1級土木施工管理技術検定|一般財団法人 全国建設研修センター
7:1級建設機械施工技術検定
1級建設機械施工技士は、建設現場において建設機械の管理・監督をします。建設工事ではブルドーザーやショベルなどの重機を使う作業は多く、その安全管理は重要であって、円滑で安全な工事のためには重要な存在です。
技術検定は第一次検定(学科試験)と第二次検定(筆記試験、実技試験)で構成し、他の技術検定と異なる点は、第二次検定において実技試験があることです。
実技試験は6種の検定科目(トラクター系から基礎工事用まで)の内2つの検定科目を選択します。建設用機械の実地経験がないと受検はできません。詳細は受検要項で確かめてみましょう。
出典: 1・2級建設機械施工技術検定「受検の手引」の内容|一般社団法人 日本建設機械施工協会
一級施工管理技士を目指す際の注意点3つ
一級施工管理技士は業務量の増加や人手不足などの理由により将来性があり、また、資格を取得すると収入アップの可能性があるなどいくつかのメリットがあります。
しかし、注意しなければならない点もあります。ここからは、一級施工管理技士を目指す際の注意点を3つあげます。
1:資格取得が困難である
一級施工管理技士はすべて国家資格であって、いずれも技術検定試験があります。資格を取得してしまえば、その資格をもって、生涯にわたって仕事ができます。
しかし、技術検定試験はどの種目であっても難易度が高いものとなっています。令和3年度建設機械施工管理1級では合格率が26.6%となっており、他の施工管理技術検定でも同様な状況です。このように資格取得は難関であり、しっかりとした勉強と対策が必要です。
出典:令和3年度建設機械施工管理1級、2級第一次検定合格者の発表について|国土交通省
2:コミュニケーション能力が必要になる
一級施工管理技士は工事が円滑に進むために、全体の様子に注意を払いながら仕事をしなければなりません。つまり請け負った工事のプレイヤーでもあり、また、マネージャーでもあるのです。
さらに、部下を統率し、関連業者との折衝などを円滑に進めるためにコミュニケーション能力が必要とされます。
3:仕事が中心の生活になることが多い
一級施工管理技士は限定された期間の中で、質の高い施工管理をしなくてはなりません。そのため、さまざまな問題にも的確に対応する判断力や責任感が求められます。
したがって、常に仕事のことが頭から離れないようなときもあり、仕事中心の生活にならざるを得ないような状況になることも多々あります。
施工管理実務経験を増やすには?
一級施工管理技士の資格を取得するためには、実務経験が必要です。そのため、施工管理実務経験を増やすには、建設派遣に登録して希望に合った転職先を紹介してもらうことがおすすめです。
取得を目指している施工管理技検定の実務経験に合った転職先を探すことができ、経験を積むことで受検資格を満たすことができるでしょう。
一級施工管理技士の将来性を知って目指そう
建設業界は就業従事者の減少や高齢化によって、人手不足が深刻な問題となっています。特に、増加する業務量に対応するための一級施工管理技士は不足しており、需要は高く、大きな将来性をもっています。
国家資格であるため、技術検定に合格しなければいけませんが、将来性を認識して経験者から一級施工管理技士の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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