土地改良換地士とはどんな資格?試験概要と資格取得におすすめの本6選


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「土地改良換地士」の資格取得を目指す方のために、
- 資格の試験概要
- 資格取得におすすめの本
主に上記2点をご紹介します。
土地改良換地士とは
土地改良換地士は、農業用地の整備や換地計画などを定める際に、専門的知識や実務経験などを持つ専門家として意見をする役割を持つ者のことを指します。農地の開発や改良をスムーズに行うため、助言や指導などを行います。
他にも、農地の保全や、集団化を円滑に進めたり、生産拡大や農業構造の改良を進めたりする仕事で、国土資源の開発に関わります。
土地改良換地などに関する専門知識と公平性が必要とされるため、業務独占資格と定められています。
就職のための資格というよりは、スキルアップのための資格です。
土地改良換地士の資格を取得すれば、建設や土木施工管理などのコンサルタント会社、地方公共団体などで活躍が期待できます。農地集団化の専門化として、今後もニーズがある仕事とされています。
土地改良換地士の需要
土地改良換地士は、農用地集団化事業を円滑に進めるために欠かせない存在です。
農用地集団化事業とは、農作業の合理化と生産性向上のために、農地の形を整え、改良することをいいます。土地改良換地士になるには、知識だけでなく実務経験も必要です。専門性が高い資格で、誰でもなれるものではありません。
したがって、農用地集団化事業の成功を導く数少ない専門家として、コンサルタント会社や地方公共団体でこれからも必要とされる資格です。
建築関係の仕事をしている人は、土地改良換地士の資格を取ることで、スキルアップやキャリアアップに役立てることができます。
土地改良換地士の試験概要4つ
試験は知識試験と実務試験の2つが行われます。受験資格はありませんが、高度な専門的知識が必要とされます。
土地改良換地士の試験概要1:試験内容
土地改良換地士の試験は、農林水産省の、農村振興局整備部土地改良企画課換地係が主催しています。
農林水産省とは行政機関の1つで、食料の安定供給の確保や、農林水産業の発展、農林漁業者の福祉の増進、農業の多面にわたる機能の発揮などを任務とする機関です。
知識試験と実務試験があり、時間はそれぞれ2時間30分と3時間で、合計5時間30分あります。
筆記用具以外の器具や本は試験で使ってはいけません。
土地改良換地士は農用地集団化のプロフェッショナルとしてアドバイスするため、豊富な知識と高い専門性が必須です。したがって試験は決して簡単なものではなく、事前の試験内容の把握と対策が必須です。
知識試験
土地改良換地士の知識試験では、農用地の集団化に関する事業に係る知識が問われます。
多肢選択式で、試験時間は2時間30分です。
・現場調査部門
- 農地法、土地改良法、民法、土地改良登記法、不動産登記法、戸籍法などの事務処理を行う際に必要な関係法令
- 測量や土地改良法のうち、換地関係規定に関するもの
土地改良換地士の資格を取得するには、上記の1と2の両方で満点の60%以上の得点が必要です。
実務試験
土地改良換地士の実務試験は、農用地の集団化に関する事業に係る実務に関する試験です。記述式なので、多肢選択式の知識試験よりも、さらに専門性が高い試験となります。
試験時間は3時間です。下記の2点が問われます。
- 換地計画書の作成に関すること
- 従前地各筆調書の作成や戸籍簿等調査、代位登記申請書の作成や測量(求積計算)
知識試験同様に、実務試験でも上記の1と2両方で満点の60%以上の得点が必要です。
一部免除される場合もある
土地改良換地士の試験は、基本的に、知識試験、実務試験の両方を受けます。しかし、実務経験の年数と内容に応じて、試験が一部免除されることがあります。
換地処分に関わる実務経験が、試験実施の公告の日までに通算10年以上あれば、実務の試験が免除されます。
免除には事前に申請が必要です。この換地処分には、換地計画書の作成や代位登記申請、換地処分登記申請に関する事務を含む必要があります。
換地処分に関わる実務経験がある人は、土地改良換地士の資格があれば今後のキャリアアップに有利になるので、受験を検討してみてください。
土地改良換地士の試験概要2:受験の手続き
土地改良換地士の試験は、年に1回、10月中旬から11月中旬のいずれかの日曜日に行われます。
知識試験が午前中に2時間半行われ、1時間半のお昼休憩後に、実務試験が3時間行われます。朝から夕方までと、試験の受験にはほぼ1日かかり、集中力と体力が要ります。
ただし、実務試験の免除対象者は午前の知識試験で終わりです。実務試験の免除には試験免除申請書の提出が必要なので、免除を希望する場合は受験願書と一緒に提出してください。
受験資格
土地改良換地士の試験に、受験資格はありません。年齢、学歴等に制限はなく、出願すれば誰でも受験できます。
しかし、農用地集団化事業に関係する複数の法令の幅広い知識が必要なため、決して簡単な試験ではありません。
また、実務試験においては実際の業務の遂行に関わる問題が出題されます。試験を免除されるほどの経験はなくとも、実際には多少の実務経験がなければ、かなり難しい試験内容となっています。
逆に、実務経験が長い人であれば、他の受験者よりも有利になります。
申込み受付期間
土地改良換地士の試験を受けるには、必ず指定された期限までに申込みを済ませなければいけません。
例年、申込み期間は2か月程度で、受験願書を指定期日までに郵送します。
受験願書および試験免除申請書は、地方農政局等、および都道府県土地改良事業団体連合会において交付されます。
令和2年度は、8月17日から9月25日の間に受験願書の交付が行われ、申込み期間は8月17日から10月5日まででした。
受験願書は、郵送でも請求できます。切手を貼った返信用封筒の同梱を忘れないようにしましょう。
毎年日程は少し違うため、必ず最新の情報を農林水産省のホームページで確認してください。
受験地と受験料
土地改良換地士の試験は、札幌市、仙台市、さいたま市、金沢市、名古屋市、京都市、岡山市、熊本市、那覇市の9都市で、同じ日に一斉に行われます。受験地は自分で選べ、受験願書の受験地欄に希望する都市を記入して提出します。
提出後も、引っ越しなどのやむを得ない事情があれば、期間内に申請することで受験地の変更ができます。
受験料は6,500円で、受験料分の収入印紙を受験願書に貼り付けます。収入印紙は、なるべく3枚以内にしましょう。
申込み後は、試験を受けなかった場合でも受験料の返還はされません。
土地改良換地士の試験概要3:合格概要
土地改良換地士の試験の結果は、文書、または掲示場やインターネットで確認ができます。
合格に必要な得点率は60%と、特別高い点数が必要なわけではありません。しかし、合格者は少なく、合格率は毎年約2割程度です。
誰でも受験ができる土地改良換地士の試験ですが、合格は難しく、事前にしっかりと試験対策を行う必要があります。合格者の発表と同時に問題と解答も公表されるので、問題の内容と傾向を確認しましょう。
合格の基準
土地改良換地士の試験に合格するには、知識試験と実務試験の試験科目の区分ごとに、それぞれ満点の60%以上の得点を得なければいけません。
試験科目は、知識試験には2科目、実務試験にも2科目あります。したがって、4つの試験科目すべてにおいて、満点の60%以上の得点が必要です。
どれか1つでも60%を下回った場合は、総合で60%を上回ったとしても不合格です。また、試験で不正行為があった場合には、その受験者の試験は停止され、得点に関係なく不合格となります。
合格率
土地改良換地士の試験の合格率は、毎年あまり高くありません。
平成27年から令和1年までの5年間で、一番合格率が低い年は14.6%程、高い年で26.5%程でした。令和2年は、受験者数223名、合格者数は51名と、約22.9%が合格しています。
例年合格者は受験者の2割程度なので、土地改良換地士の試験が決して簡単でないことがわかります。
受験のチャンスは1年に1回しかないため、落ちてしまった場合、次の年まで受験を待たなければいけません。しっかり準備をして試験に臨みましょう。
合格発表日
土地改良換地士の試験の合格者の発表は、試験から約1か月後にあります。

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試験が10月だった場合は11月中旬、11月だった場合は12月中旬に行われます。合格者には、農林水産省から文書での通知が届きます。
また、官報、内閣府沖縄総合事務局および国土交通省北海道開発局の掲示場、農林水産省ホームページでも結果の確認ができます。
合格者は受験番号が表示されるので、受験票は合格発表まで必ず大切に保管してください。合格発表と同時に、知識試験は問題と解答が、実務試験は問題と出題の趣旨が公表されます。
不合格だった場合は、問題と解答をダウンロードしてしっかり復習しましょう。
土地改良換地士の試験概要4:難易度
他の国家資格試験や公的資格試験と比べると、土地改良換地士の試験の難易度は普通とされています。しかし、試験内容はかなり専門性が高く、少し勉強しただけで資格が取れるような試験ではありません。
特に、実務経験が全くない人にとっては非常に難しく、猛勉強が必要な試験です。
実務経験がない人がこれから土地改良換地士の資格取得を目指す場合、宅建関係や測量関連の知識や経験を身に着けておくと役に立ちます。
土地改良換地士は知識試験と実務試験の両方があり、合格が難しい試験ですが、しっかりと知識と経験を積むことで合格に近づくことができます。
土地改良換地士の資格取得におすすめの本6選

土地改良換地士は受験者が少なく、専門性の高い試験です。簿記のような人気の公的資格と比べると、土地改良換地士の資格取得に特化した参考書はあまり多くありません。
しかし、土地改良法や土地改良事業について詳しく解説した本はたくさんあります。難しい法令関係を、なるべくわかりやすく解説した本もあります。
ここでは、土地改良換地士の知識試験の練習や、法令に関する理解を深めるのにおすすめの本を6冊紹介します。
なお、参考書の他にも、農林水産省が公表している過去問も利用してみてください。
資格取得におすすめの本1:土地改良法に関する裁判例
土地改良法に関する、最高裁と高裁の裁判例を網羅した本です。
具体的には、市町村営土地改良事業の施行の認可と取消訴訟の対象、土地改良法に基づく土地改良事業の換地処分と照応の原則、農業用用排水事業・区画整理事業などの変更計画が違法であるとされた事例などを学ぶことができます。
全部で18章あり、1冊で土地改良法に関する裁判例をたくさん知ることができます。
資格取得におすすめの本2:新版 土地改良法換地〈上〉
全部で上下巻の2冊あります。
上巻は序章から第4章まであり、土地改良事業開始手続や土地改良事業の計画の概要、定款基本事項の作成と同意手続などが勉強できます。
下巻は第5章から第9章まであり、土地の評価や清算金算定、換地処分と事後処理などが学べます。上巻だけで461ページとボリュームのある内容で、土地改良法の基礎がしっかりと理解できる本です。
資格取得におすすめの本3:要説土地改良換地
土地改良法による換地処分についての概要を説明した1冊です。
著者は、農用地開発公団管理課長や農林水産省構造改善局農政部管理課課長補佐、また、全国土地改良事業団体連合会中央換地センター所長を務めた経験があります。
土地改良法による換地処分が、どのような法律思想に立ち、どのように法律構成されているかが述べられている本です。
土地改良法の法的な背景をしっかり学べるため、土地改良換地士として必要な法知識の理解を深めることができます。
資格取得におすすめの本4:土地改良換地士試験○×式一問一答問題集
土地改良換地士試験の受験者のために作られた問題集です。択一式の各分野が150問用意され、一問一答形式で構成されています。
今まで勉強した内容を整理したいときや、知識をまとめたいときにおすすめの1冊です。
よくまとまっている問題集のため、通勤通学中の電車の中や、ちょっとした空き時間に開いて勉強できます。土地改良換地士の知識試験の練習に最適な問題集の1つなので、過去問と合わせて、何度も繰り返し解いて勉強しましょう。
資格取得におすすめの本5:Q&A 土地改良の理論と登記実務
土地改良事業に基づく登記手続を、Q&A形式でわかりやすく解説した本です。
登記手続だけでなく、換地処分や交換分合などの土地改良事業についても、基本から詳しく紹介されています。
また、法令や先例などの参考資料や、換地計画実施要領や交換分合実施要領の資料、申請手続に必要な添付情報や申請書記載例も掲載があります。
難しい内容をできるだけわかりやすくまとめた1冊なので、実務経験が少ない人も、これを読んで土地改良事業の基本を押さえましょう。
資格取得におすすめの本6:日本が誇る 世界かんがい施設遺産
土地改良換地士が関わる事業の1つに、かんがい排水事業があります。
かんがい農業の発展に貢献したかんがい施設や、卓越した技術により建設されたかんがい施設は、国際かんがい排水委員会によって世界かんがい施設遺産に登録されます。
日本にある39の世界かんがい施設を網羅したこの本は、それぞれの施設遺産の歴史と概要、かんがいデータを写真付きで解説しています。
土地改良換地士として必要な、かんがい排水事業に関する知識を深めるのにおすすめの1冊です。
土地改良換地士を取得してキャリアアップ・年収アップを目指そう
土地改良換地士は、農業用地の整備や集団化事業などの土地改良管理計画の際に、高度な専門知識でアドバイスを行う専門家です。
建設工事や土木施工管理を行うコンサルタント会社や測量会社、地方公共団体など幅広い業種で活躍が期待できます。
土地改良換地士の資格試験は決して簡単なものではありませんが、土地改良事業に欠かせない、今後も需要が高い職業です。
参考書を使って勉強したり、実務経験がない人は宅建関係や測量関連の知識や経験を身に着けたりして、資格取得を目指しましょう。
なお、資格取得にあたっては転職サイトに登録し、実際に案件を見たり、紹介をしてもらうのもおすすめです。
働き方や年収のリアルがわかるため、試験勉強のモチベーション維持に最適です。
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