測量士補試験の難易度と合格率は?学習時間や合格するための勉強法を解説
近年、測量士補の注目が高まっていますが、「測量って難しそう」「どんな勉強をすればいいか分からない」と悩んでいる方もいるでしょう。
この記事では、測量士補試験の難易度や勉強にかかる時間、おすすめの勉強方法などをご紹介します。
今後のキャリア形成に活かせる内容になっていますので、測量士補に興味がある人はぜひ最後まで読んで、自分の就職・転職活動に活かしていきましょう。
目次
測量士補試験の難易度は高いの?
測量士補試験は国家試験の中で比較的難易度が低い部類だと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
測量士補の問題は過去に出題された問題と似ている問題が多く出題されるため、過去問にしっかり取り組めば、工業・土木分野の勉強をしていない人でも十分に合格を目指すことができます。
過去問で対策すれば十分合格できる、という点では難易度が高くないと言えるでしょう。
測量士補試験の合格には28問中18問の正解が必要です。
つまり、約64%の正解率が合格基準となります。全体の7割ほど正解すれば合格できるため、合格基準の面では一般的な資格試験と同等、もしくは若干難易度が低い試験です。
出題形式は、28問全てが選択問題のため、その点では記述式の問題や口頭試験のある資格と比べると難易度が低いと言えます。
出典:令和4年測量士・測量士補試験について(受験案内) | 国土地理院
参照:https://www.gsi.go.jp/LAW/R4shiken.html
測量士補試験の合格率の推移
次に、測量士補試験の合格率を見てみましょう。
国土地理院のホームページによると、測量士補試験の合格率は平成30年で33.6%、令和元年で35.8%、令和3年では34.8%でした。
例年35%前後で推移していて、国家資格の中で難易度が低いと言われるわりには合格率が低くなっています。
出典:平成30年測量士・測量士補試験実施結果 | 国土地理院
参照:https://www.gsi.go.jp/sokuryosidou/h30_testresults.html
出典:令和元年測量士・測量士補試験の実施状況等について | 国土地理院
参照:https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/goukaku_2019.html
出典:令和3年測量士・測量士補試験の合格者を発表 | 国土地理院
参照:https://www.gsi.go.jp/soumu/soumu20211108.html
測量士補試験の合格率が低い3つの原因
測量士補の試験は簡単だと言われることがありますが、合格率は例年35%前後であり、極端に合格しやすいというわけでもありません。
難易度が低いと言われるわりに合格率が低い理由は何なのでしょうか。
1:受験者に学生が多い
測量士補の受験者には学生が多く、そのために合格率が低くなっていると考えられます。
工業科や土木科の高校生が就活の際に有利になるよう、測量士補の試験を受けるパターンが多いようです。
測量士補の計算問題で使われる公式などは高校レベルです。履修が完了していない学生さんが受験しているとすると、合格率が低いのも頷けます。
2:全科目まんべんなく出題される
測量士補試験に出題される科目には「測量に関する法規」「多角測量」「汎地球測位システム測量」「水準測量」「地形測量」「写真測量」「地図編集」「応用測量」の8つの科目になっています。
測量士補の試験では、8つの科目からまんべんなく出題されます。
科目が選択できる試験であれば、科目を絞って勉強することもできますが、測量士補の試験では広い範囲を全体的に勉強しなければいけません。
3:計算問題が多い
計算問題の出題が多いことも、測量士補の合格率が低い要因の一つと言えます。
測量士補の試験では、例年28問のうち10数問が計算問題です。令和元年度では、14問もの計算問題が出題されていました。
計算問題の内容は、高校レベルの公式や三角関数を使えれば解くことができますが、電卓の持ち込みができないため、筆算で素早く回答する必要があります。
計算が苦手な人にとっては、測量士補の試験は簡単というわけではないでしょう。
出典:測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例 | 国土地理院
参照:https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html
測量士補の試験に合格するために必要な勉強時間
一般的には、測量士補の試験に合格するためには200時間の勉強が必要だと言われています。
測量士補の試験では、測量の専門的な知識や計算問題が出題されます。そのため、専門学校や大学などで測量を習ったことがない人は、内容を理解するのに時間がかかるでしょう。
文章で読んでも具体的なイメージを掴むのが難しいため、イラスト・写真の多い教材や動画などを参考にじっくり取り組む必要があります。
200時間の勉強というと、1日に2〜3時間の勉強で、2〜3ヶ月の期間が必要になる計算です。
普段は授業や仕事がある方は、毎日2〜3時間の勉強時間を確保するのは難しい場合もあるでしょう。
1日あたりの勉強時間が1〜2時間だったとすると、5〜7ヶ月程度かかる事になります。
測量士補試験に挑む際には、7ヶ月前には勉強をスタートさせた方が良いでしょう。
測量士補の試験に合格するための勉強方法
測量士補の勉強方法には、通信講座で勉強する方法と、独学で過去問に取り組む方法とがあります。
生活スタイルや性格によっても選ぶ方法が変わってきます。ぜひ自分に合う方法を選んで、測量士補の試験に合格しましょう。
通信講座で勉強する
通信講座では、試験問題に精通した講師の授業を動画で見ることができたり、質問に答えてもらえたりするメリットがあります。
独学で勉強するとモチベーションが長続きしない人にとっても、講師や他の受講生と一緒に目標に向かっているという意識を持つことで、やる気を持続させられるでしょう。
独学ではかなり時間がかかることも、通信講座で学習することでかかる時間を短縮できる場合もあります。
試験への準備が遅れてしまった人や、一人で勉強するのが苦手な人、効率的に勉強を進めたい人におすすめです。
日本測量協会「測量士補通信添削講座」
測量士補の試験を実施する、日本測量協会が開設している講座です。
測量士補試験の受験テキストと新しい問題傾向にも対応した模擬問題、過去問の模範解説集などを用いて通信で勉強することができます。
択一式の問題の対策にはeラーニングを利用して、繰り返し学習が可能です。
料金は52,000円(税込)になっています。
出典:公益社団法人日本測量協会 通信添削講座 測量士・測量士補
参照:https://www.jsurvey.jp/3-2.htm
アガルートアカデミー「測量士補オンライン講座」
アガルートアカデミーの測量士補オンライン講座では、試験に精通した講師が作成したテキストと単元別の動画で、ゼロからの挑戦でも効率良く学習することができます。
分からないことは、Facebookで講師に何度でも、無料で質問できるため安心です。
「総合カリキュラム」では「3時間でおさえる計算問題」と「3時間でおさえる文章問題」で、対策が難しい問題にも効率的に学習できます。
アガルートアカデミーで学習し、測量士補試験を受けた人たちの令和2年度の合格率は91.7%でした。全国平均の3.03倍の合格率を実現しています。
費用は49,280円(税込)からです。
出典:【2022年合格目標】測量士補試験 総合講義/総合カリキュラム | アガルートアカデミー
参照:https://www.agaroot.jp/chousashi/list/sokuryoshiho_nyumon/
過去問で勉強する
過去問での勉強は、自分のペースで勉強できて、かかる費用が少ないというメリットがあります。
必要なのは過去問と解説が記載されたテキストだけで、テキストさえ持ち歩けばどこでも好きなタイミングで勉強できる手軽さが魅力です。
また、かかる費用がテキスト代だけのため、通信講座に比べると少ない出費で取り組むことができます。
一方、通信講座に比べて勉強に時間がかかる可能性があり、計画的に勉強を進めていくことが大事になります。
過去問での勉強は、テキストだけで理解できる自信のある人、あらかじめ測量の知識がある人、勉強時間に余裕がある人などにおすすめです。
1:日建学院「測量士補過去問280 令和3年度版」
- 出版元 建築資料研究社
- 執筆 日建学院
- 発行日 2020年10月25日
測量士補の講座で数多くの合格者を輩出している、日建学院のノウハウが詰め込まれた1冊です。各設問に対して解説がしっかりとついているため、自己学習に役立ちます。
テキストを使用せずとも、この1冊を繰り返し解いたことで試験に合格できた、という人もおり、最新の「作業規定の準則」にも対応しているため安心です。
2:成美堂出版「いちばんわかりやすい!測量士補テキスト&問題集⁺予想問題集」
- 出版元 成美堂出版
- 執筆 コンデックス情報研究所
- 発行日 2021年3月30日
こちらのテキストは試験によく出るポイントに重点を置いて、効率的に勉強できるようになっています。
冒頭に試験に必要な計算の基礎がまとめられているため、計算に自信のない人や計算を基礎から復習したい人におすすめです。問題ごとに重要なポイントも書かれていて、自己学習をしっかりとサポートしてくれます。
3:実教出版「2022年度測量士補試験問題集」
- 出版元 実教出版
- 編修 林敏幸
- 発行日 2022年4月15日発行予定
測量の教科書も出版している、実教出版が作成した問題集です。測量の教科書の章立てに合わせて構成されているため、授業の流れに合わせて試験対策を進めることができます。
応用の幅が広がる1冊です。
測量士補を取得すると土地家屋士の試験に有利になるのは本当?
土地家屋調査士とは、土地や建物の形が変更されたときに不動産登記の「表示に関する登記」を申請する職業です。
高度な法律知識と正確な測量技術の両方が求められます。
土地家屋調査士の試験の合格率は8〜10%程度と非常に難易度の高い資格です。筆記試験は午前と午後に分かれて1日かけて行われます。
測量士補を取得すると土地家屋調査士試験の午前の部が免除になるため、有利だと言われているのです。
測量士補で学ぶ測量の基礎は、土地家屋調査士になるために必要なものになります。
そのため、測量士補をまず取得してから土地家屋調査士に挑戦するのは効率的なのです。
また、測量士補は全て択一式ですが、土地家屋調査士の午前の部には作図の問題も出題されますし、択一式の問題も難しい内容になっているため、測量士補を取得して午前の部を免除することで、より合格の可能性を高められると言われています。
測量士補の難易度を知って試験合格への勉強をしよう
測量士補は土木・建設・不動産分野で役立つ資格です。
取得することで年収がアップしたり、請け負える仕事の幅が広がったりするため、今後のキャリア形成を確かなものにしていくことができます。
自分に合った方法で測量士補の勉強をして、試験合格を目指してください。
また、試験勉強と合わせて測量士補の求人情報もチェックしておきましょう。年収や労働条件など、資格取得後のリアルな働き方がイメージしやすいですよ。
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