施工管理者が知るべき現場の知識:管工事に関わるトラブルと防止策
建物の建設工事においては、建物そのものの工事に加えて給排水管や空調設備を設置するための工事である「管工事」が必要となります。
しかし、最近ではその「管工事」でのトラブルが多く、問題視されています。
余計なトラブルに巻き込まれないためにも、ここでは管工事でよく発生するトラブルとその防止策について紹介していきます。
管工事のトラブル代表例
管工事のトラブルは、作業工程の中でミスがあったことなどが原因で起こってしまうケースが多いです。
建物を引き渡した後に給水管の不具合が判明すると、クレームにつながってしまいます。
では、管工事の代表的なトラブルについて見ていきましょう。
管工事のトラブル例
・給水管の水漏れ
工事の過程で給排水管にひびが入ってしまうと、使い始めてから少しずつ水が漏れてしまいます。
最初は気づきにくいため、少し経ってから判明することも多いです。
・赤水の発生
給水管の内側に赤錆が発生し、給水管を通る水に溶け出すことで蛇口から赤色の水が出てしまいます。
・排水管の詰まり
排水管の中にゴミなどが溜まることで、水の流れが鈍くなり、酷くなると詰まりを起こしてしまいます。
通常は長年の使用により少しずつゴミが溜まることで起こる現象です。
工事の過程で排水管内に異物が詰まることでも起こってしまう可能性があります。
・給水ポンプの異音
長年使用していると、経年劣化により錆びるなどして異音が発生するようになってきます。
しかし、工事のやり方に問題があるとあまり年数が経過していなくても、異音が発生してしまう場合もあります。
・水の出が悪い
給水管の劣化が原因で水圧が下がってしまうことがあります。建設後間もない場合には、工事のやり方が原因であるケースが多いです。
管工事のトラブルは、最初のうちはなかなか気づきにくいケースが多いです。現場ではトラブルに気づかず、見過ごしてしまうこともあるでしょう。
引き渡し後しばらく経ってから、はっきりとした不具合の兆候が顕れます。
管工事のトラブル防止策
管工事のトラブルの多くは、工事を行う配管工の質の低下が原因で起こるケースが多いです。
引き渡し時点では施主もトラブルに気づいておらず、後から判明します。
そのため、施主から見れば裏切られたような気持ちになり、会社のイメージにも影響するでしょう。
配管工の質が低下している背景として研修の短縮化が挙げられます。また、必要な届け出をせずに工事をする業者も多くいます。
管工事のトラブルを防止するには、配管工に対して十分な研修を実施することが有用でしょう。
そして、必要な届け出は漏れなく済ませた上で工事を行うことが大切です。
正しく作業が行われているか目を光らせておこう
配管は地中や壁の中に設置するため、目立ちません。
そのため、工事のやり方に問題があっても、見過ごされてしまう可能性があります。
施工管理者は決められた方法で正しく工事が行われているかどうか、目を光らせておくことが求められます。
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