施工管理が知っておくべき工事と建設現場の知識:鋼構造物工事
鋼構造物工事は、建設業許可制度上における専門工事の一種です。
形鋼、鋼板などの鋼材の加工や組み立てなどによって工作物を築造することを指します。
本記事では施工管理が知っておきたい鋼構造物工事の概要や専任技術者に必要な資格などについて紹介します。
鋼構造物工事とは
鋼構造物工事とは、形鋼・鋼板などの鋼材を加工または組み立てによって工作物を築造する工事です。
主に以下のような工事が該当します。
鋼構造物工事の種類と特徴一覧
- 鉄骨工事
- 橋梁工事
- 屋外広告工事
- 鉄塔工事
- ガスなどの貯蔵用タンク設置工事
- 水門、閘門などの門扉設置工事
「とび・土工・コンクリート工事」にも「鉄骨組み立て工事」があります。
鋼構造物工事の区分の考え方は以下のようになっています。
・鋼構造物工事
鉄骨の製作・加工・組み立てまで一貫して請け負う工事
・鉄骨組み立て工事
既に加工された鉄骨を現場で組み立てることを請け負う工事
またほかの工事との区分は国土交通省のガイドラインに記載されています。
鋼構造物工事の専任技術者の資格とは
鋼構造物工事業は主に一般の鋼構造物工事業と特定の鋼構造物工事業に分かれます。
どちらの許可を取るかによって専任技術者の要件が変わってきます。
一般の鋼構造物工事業の要件
建設業法技術検定
- 2級土木施工管理技士(土木)
- 2級建築施工管理技士(躯体)
職業能力開発促進法 技能検定
- 鉄工(製缶作業または構造物鉄鋼作業)
- 製罐
職業能力開発促進法の技能検定が2級の場合は、合格後に3年以上の実務経験が必要です。
2004年以前に合格していれば、1年以上です。
特定の鋼構造物工事業の要件
建設業法技術検定
- 1級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
建築士法 建築士試験
- 1級建築士
技術士法 技術試験
- 建築部門 選択科目「鋼構造物およびコンクリート」の総合技術管理
特定の鋼構造物工事業の資格要件を満たしていれば、一般の鋼構造物工事業の技術者にもなれます。
実務経験のみの場合
鋼構造物工事は実務経験のみでは特定技術者になれません。
鋼構造物工事は指定建設業にあたり、特定の許可を取得するには国家資格者のみと決められているからです。
似ている工事があるので注意
鋼構造物工事は、形鋼、鋼板などの鋼材を使った工事を指します。
「とび・土木・コンクリート工事」に分類される工事の中には、鋼構造物工事の工事内容と似たものがあるので、注意が必要です。
どのように区分されるのかは、国土交通省などのガイドラインに記載されているので、どちらに該当するか必ず確認しましょう。
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