【新人現場監督が知っとくべき解体工事】2003年にミンチ解体が禁止になった理由
少し前まで、解体方法の主流だった「ミンチ解体」をご存じですか。
2003年に禁止されたミンチ解体ですが、新人現場監督は知らない人も多いかもしれません。
今回は、ミンチ解体が禁止の理由、行った場合の罰則などについて詳しくご紹介します。
ミンチ解体とは
ミンチ解体とは、家屋や建造物を解体する際に、重機のみをつかって、一気に解体する工事を指します。
パケットやつかみ機をとりつけた重機で一気に壊すため、足場をつくる必要がなく、一般住宅であれば工期も2~3日と短くてすみ、(分別解体の場合は2週間ほど必要)解体費用も安いのが特徴で、法律で整備される前まではミンチ解体は解体方法の主流でした。
2003年「建築リサイクル法」で禁止
2003年に施工された建築リサイクル法によって、現在は禁止されています。
違法なミンチ解体を行った場合、分別解体等の義務の実施命令違反として、50万円以下の罰金が科せられます。
さらに、再資源化等の義務に抵触する場合もあり、そちらも50万円以下の罰金が科せられます。
ただ、特殊な例として、建築物が放射能やダイオキシン等の有害物質に汚染されている場合や、災害後などの緊急復旧工事では、分別解体を免除されるケースもあります。
ミンチ解体が禁止された理由
ミンチ解体の問題点
建築物には、さまざまな材料が使われています。
一般的な住宅で考えてみても、木材、ガラス、タイル、金属、コンクリートなどが混ざっています。
これを重機で一気にぐしゃぐしゃにしてしまうと、生まれるものは、さまざまな素材が混じり合った巨大な廃棄物です。
もちろん、ミンチ解体で出たものはリサイクルすることはできず、埋め立てて処理をするしかありません。
さらに、アスベストなどの有害物が廃棄物に混ざってしまうのも大きな問題とされてきました。
ミンチ解体から分別解体へ
現在では、解体の際に足場を組み、ガラスなどを取り外し、コンクリート・アスファルト・木くずなどに分別する分別解体が義務付けられています。
ミンチ解体は違法です
ミンチ解体が禁止された理由について紹介しましたが、現在でも違法なミンチ解体を行っている業者は存在します。
ごちゃまぜになった廃棄物を処分するには高額の費用がかかるため、ミンチ解体を行った業者は不法投棄も併せて行っているケースが多いようです。
新人現場監督の知識として、ミンチ解体の違法性を理解しておくことが大切です。
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