地盤改良工事に関わる施工管理者がおさらいしたい工法:表層改良工法
表層改良工法とは、基礎の下にある軟弱地盤にセメント系の固化材を散布して混合することで強度を上げる工法です。
地盤を改良するので作業効率が良くなります。
ここでは施工管理者ならおさらいしたい表層改良工法の概要や特徴などを紹介します。
表層改良工法とは
表層改良工法とは、軟弱地盤にセメント系の固化材を入れ、攪拌・混合することで地盤を硬化させ、強度を上げる工法です。
地盤自体を改良するので、作業効率が良くなります。
表層改良工法のフローと特徴一覧
1.現地乗り込み
施工前に現地乗り込みを行い、近隣へのあいさつや交通整理、養生などを行います。
また施工前に敷地の全景を撮影します。
2.荷受け
材料の荷受けを行います。
通常は1トンのフレコンパックですが、現場の状況によっては25キロの小袋を使用する場合もあります。
3.表層の鍬取り
地盤の下層部分を残し、土砂を鍬取りしたあと、仮置きを行います。
4.固化材散布・攪拌
仮想部の地表面に固化材を均等に割り付けます。
その後混合・攪拌を行います。
5.転圧
攪拌を行ったあとに重機やローラーなどで土を締め固めで完了です。
さらに固化材を複数の層に分けて混合・攪拌を行うことで、より高品質な表層改良が完成します。
表層改良工法の特徴
表層改良工法は主に地盤が軟弱だった際に行います。
一般的に軟弱地盤が1~2メートル程度と浅い場合に用いられます。
表層改良の範囲は、建物の外壁面より約50センチ外側まで行うことが多いです。
施工機は現場ごとに選択できるので、狭小地や高低差のある現場でも施工が可能です。
またバックホーを使用するので、コンクリートや石などが混入していた場合でも、排除できます。
適用される範囲と構造物は以下のようになります。
- 小規模建物の基礎
- 中層建物の基礎
- 河川築堤や護岸の基礎
- 土留や止水壁
また以下の場合は適用されません。
- 安定地盤が不均一だったり、傾斜がかっていたりする場合
- 改良面より地下水位が浅い場合
使用される固化材
固化材は一般的にセメント系のものが使用されます。
環境保全などを考慮し、無害なものなので、二次公害の心配がありません。
粘性土、砂質土、シルトなどさまざまな土質に適用可能です。
施工前に地盤調査を行う
表層改良工法は軟弱地盤を硬化させることで強度を上げる工法です。
ただし見た目では地盤改良が必要かどうか分からないので、地盤調査が必要です。
土地によって表層改良工法が必要となる可能性が高い・低いがあるので、施工前には調べておくのがおすすめです。
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