【建設業】実際にあった受発注ミスの例を紹介
受発注ミスというのは、どの業界でもあることです。建設業界においては、設計面での受発注ミスが多いことが特徴として挙げられます。
設計面での受発注ミスが原因で、工事をやり直すことになる可能性もあるため、十分に注意しなければなりません。ここでは、実際にあった受発注ミスの事例を2つ紹介していきます。
橋の設計ミスによる事例
1つの建物やインフラ設備を作るのに、いくつもの工程が必要になります。さらに、工事を開始する前の段階で、設計も行わなければなりません。
そして、設計は設計事務所などに外注することが多いですが、その設計にミスがあると、工事も誤った方法で行ってしまうことになるでしょう。橋の建設において、設計面での受発注ミスが発生した事例があります。
建設しようしていた橋は、落橋防止などの観点から、橋軸直角方向変位制限構造が必要とされるものでした。しかし、設計者が十分な照査を行わなかったため、変位制限構造が不要な橋として設計されてしまったのです。
そのまま設計通りに橋を建設してしまうと、橋が落ちてしまう可能性があるという状況でした。ただ、この事例においてはクロスチェックというミス防止の受発注システムにより、着工前にミスが判明しました。
クロスチェックというのは、第三者の視点から受発注ミスをチェックする仕組みです。もし、ミスが発見されずに建設されていたら、大事故に繋がっていたかもしれません。
ALCパネルにひびが入った事例
結婚式場の建設工事においても、受発注ミスの事例がありました。この事例においては、前の事例とは異なり、着工前には気づいていません。
ミスに気がつかないまま竣工してしまい、竣工後約半年の期間が経過してから発覚したという例です。外壁に使用されているALCパネルにひびが入っているのに気づき、そこから設計ミスが発覚しました。
ひびが入っていただけで、建物が崩壊するなどの事故には至りませんでしたが、損害賠償が請求されています。ALCパネルは本来耐久性が強く、現代建築において幅広く使用されている資材です。
しかし、意匠上の理由からパネルジョイント部を目立たなくするための加工を施していたことが原因でした。その加工がワーキングジョイントの設置基準から外れてしまっていたのです。
受発注ミスが原因で大きな損害に繋がる
建設業においては、ミスのある設計のまま着工してしまうケースが多いです。工事をしてしまってからだと、直すのに無駄な費用と時間がかかり、竣工後に発覚すると損害賠償に繋がってしまいます。
そのため、クロスチェックなどの設計ミスを発見する体制が必要でしょう。
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