建設工事の一括下請け(丸投げ)とは?
自社で受注した建設工事を、外部にすべて作業を任せることで報酬を得ることができたら、それは非常においしい仕事だといえるでしょう。
しかし、建設工事のこうした丸投げは建設業法で禁止されており、それに該当すると認定された場合には処罰を受けることになります。
今回は、建設業界の一括下請け、いわゆる丸投げとはどんなものなのか解説したいと思います。
一括下請けとは
建設工事の「一括下請け」とは、工事を元請けけした企業が、下請けにその工事のすべてを丸投げし、実施させることです。
また、工事の一部が独立している場合、元請けがまったく工事に関与せず、その独立した工事を下請けに丸投げすることも禁じられています。
そのため、「一括下請け」は、請け負った工事をすべて下請けに丸投げする場合だけに限らないということになります。
一括下請けによって、利益だけを中抜きする行為は、下請け側からすると、適正な報酬を得られない可能性が出てきます。
そのため、下請けの「手抜き工事」が発生し、建設工事の質が低下する可能性が高くなるのです。
丸投げが禁止されている理由
建設業界では、残念ながら建設工事における重層的な下請け関係がよく見られます。
したがって、元請けが適正に下請け会社を監督できる状態でない場合には、不意の事故やトラブルなどによって、工事全体に大きな悪影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
さらに、利益の中抜きが原因による下請けの手抜き工事によって、さらに甚大なトラブルに発展する可能性もあります。こうなると、工事全体のクオリティーが低下するため、最終的には発注者の不利益になってしまうこととなります。
よって、建築業界の重層的な下請け関係が、発注者の不利益にならないようにするため、建築業法によって工事の丸投げが禁止されているのです。
なお、建設業法では、一括下請けを行った建設会社には、「15日以上の営業停止処分」が課されることとなっています。
さらに、この制裁は、元請け業者だけでなく、下請け業者にも同様に科せられることとなるため、注意が必要です。
会社の信用を守ることが大切
元請け会社が下請け会社に対して工事を発注する際、「工事請負契約」を締結します。
しかし、このとき下請け会社にとって不利な契約が強制されることもしばしばあります。中でも、「一括下請け(丸投げ)」は、その最も典型的な事例といえるでしょう。
建築業法には、受発注に関するさまざまな規定がありますので、困った際には弁護士などの専門家にすぐ相談するようにしましょう。
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