施工管理技士が知っておくべき測量道具とは?種類や使い分けについても解説
こちらの記事では、施工管理技士が知っておくべき測量道具についてご紹介いたします。
目次
施工管理技士が知っておくべき測量道具とは?
建設現場や工事現場では、地面に対してものが水平になっているかどうかを測定する水平器や水準器などの測量道具が必須です。
測量道具はガラス容器の中にアルコールやエーテルといった液体が入っており、表面に気泡が浮いています。
実際に測量を行う際には気泡の位置を見て水平になっているかどうかを確認します。
本記事では施工管理技士が知っておくべき測量道具について紹介していきます。
施工管理で使用する水平器・水準器の概要と活躍するシーン
水平器・水準器とは、地面に対し水平になっているかを測る道具です。
工事現場や電気工事など、角度を正確には測定する必要がある現場で使用されます。
主に以下のようなシーンで利用されます。
施工管理で使用する水平器・水準器の特徴
・建設現場
勾配測定、水平・垂直測定などに使用します。
・さまざまな材質がある
鉄製やアルミ製、アクリル製などの材質が主流です。
長方形のものが多いですが、チューブ型や丸型のものもあります。
また測定面にマグネットがついているタイプもあり、金属製のものが対象の際に便利です。
水平器・水準器にはさまざまな種類があるので、測定するものも合わせて選ぶ必要があります。
施工管理で使用する水平器・水準器の種類と使い分け5つ
水平器・水準器には機能、サイズ、形などさまざまな種類が販売されています。
数百円程度のものか数万円する高精度のものまであるので、測定するものによって選びましょう。
1:気泡管水平器・水準器
長方形型の水平器です。
気泡管がひとつのものから、水平用・垂直用など複数取り付けられているものもあります。
150~600ミリまで種類と材質が豊富です。
2:デジタル水平器・水準器
測定値をデジタルで表示してくれる水平器・水準器です。
具体的な数値が画面に表示されるので、分かりやすいのが特徴です。
またブザー機能などがついているものもあります。
これは作業中に対象物が動き、水平でなくなった際に知らせてくれる機能です。
3:角型水平器・水準器
平面や丸型の垂直を測るための道具です。
4:平型水平器・水準器
平面や丸いものの水平や、傾斜を測るために使用する道具です。
5:丸型水平器・水準器
気泡管部分だけを出したようなシンプルな水平器です。
主に機械にねじ止めして使用します。
測量道具には定期メンテナンスが必要
測量道具は定期的なメンテナンスを行わなければ機器が劣化してしまい、動作しなくなる可能性があります。
そのため、一年に一度を目安にメンテナンスをするように推奨しています。
メンテナンスでは保守点検や整備、掃除、消耗品の交換などを行います。
具体的には、各動作部や気泡管の点検、コネクターやスイッチ、自動補正部や合焦部の部品の交換、内部の清掃などを行うことが大切です。
施工管理で使用する水平器・水準器以外の測量道具5種
建設現場や工事現場では、水平器や水準器以外にもさまざまな測量道具を使用し、基本的に二人一組で測量作業を行うことになります。
また、測量作業はものの高さや角度、距離などの求めたいものによって使用する機器も異なります。
それでは、具体的にどのような測量道具があるのでしょうか。
ここでは施工管理で使用する水平器・水準器以外の測量道具5種を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1:レベル
レベルとは、土地や道路などのある地点の高さや複数地点の高低差などを測るために使用する測量機器です。
レベルを使用する場合には測点というポイントを定め、そこにスタッフと呼ばれる定規を設置し、2点間の高低差を測ります。
レベルは測点以外の位置に設置して使用しますが、測点に設置して使用することもあります。
また、レベルには「オートレベル」「チルチングレベル」「電子レベル」などの種類があり、レベルは基本的に本体をしっかりと水平にしなければ正しく測量できませんが、オートレベルの場合は自動である程度水平に合わせることが可能です。
2:トランシット
トランシットとは角度を測定する測量機器です。
「セオドライト」や「経緯儀」とも呼ばれるもので、目標物をレンズで視準し、水平方向と垂直方向へ回転させることによって、水平角度と鉛直角度を測ることができます。
測定した角度に誤差があると、距離が長くなるほど寸法の誤差が大きくなっていくため、トランシットで正確な角度を測ることは非常に重要です。
また、トランシットは通り出しや水平出し、かね振り、鉛直方向の倒れの測定など、さまざまな用途に使用されています。
近年ではデジタルタイプのトランシットが使用されるケースが多いです。
3:光波測距儀
光波測距儀とは、レーザーを使用して2点間の距離を測定する測量道具です。
光波測距儀で距離を測定する場合、測点に反射鏡などを設置し、測点までの距離を求めます。
レーザー測距は指向性が高いことから、近距離の対象物であれば電波測距儀よりも高精度での測定が可能となっています。
ただし、光波測距儀はレーザーを用いて距離を測るという特徴があるため、悪天候の場合は影響を受けるケースがあります。
また、このような距離を測定する機器の測定方式としては、「パルス方式」と「位相差測定方式」の2種類があります。
4:GNSS測量機
GNSS測量機とは「Global Navigation Satellite System」を略した言葉で、日本語では「全世界的衛星測位システム」と訳すことができます。
GPSやGLONASSといった測位衛星を使用した測位衛星システムで、24個程度の衛星を利用して測位を行います。
また、GNSS測量機を使用した測位方法としては、「単独測位」「ディファレンシャルGPS測位」「相対測位」「ネットワーク型RTK-GPS測位」「RTK-GPS測位」などがあります。
GNSS測量機では複数の衛星を使用し、さらに5つの測位方式によって位置の測定が行えることから、誤差が少なく精度が高い測位を行うことができます。
5:トータルステーション
トータルステーションとは角度を測定するトランシットにEDMを組み合わせた測量道具で、角度と距離を同時に測ることができます。
工事計画や施工、地図の作成などさまざまな測量作業の際に用いられるもので、トータルステーションを使用すれば距離や角度を同時に測定することができるため、従来よりも簡便に作業が行えるようになりました。
また、トータルステーションは二人一組で使用するもので、一人がピンポールと呼ばれる棒を立て、もう一人が測量機を覗きます。
トータルステーションはあらゆる測量で用いられているメジャーな測定道具なので、街中でも測量を行う際に作業員が二人でトータルステーションを使用して測量を行う光景がよく見られます。
施工管理の測量道具は対象物によって使い分けよう
建設現場や建築現場などでは、水平器や水準器といった測量道具を使った測量は欠かせません。施工管理技士として働く場合は、目的に合わせた測量道具を使い分ける必要があります。
ぜひ本記事で紹介した施工管理技士が知っておくべき測量道具や水平器・水準器の概要と活躍するシーン、施工管理で使用する水平器・水準器の種類と使い分けなどを参考に、施工管理技士が知っておくべき測量道具について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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