ICT建設機械導入のメリット6つ|導入する際のポイントも紹介
こちらの記事では、ICT建設機械導入のメリットについてご紹介いたします。
目次
ICT建設機械とはどのような機械のこと?
ICT建設機械とは「マシンコントロール マシンガイダンス・システム」を搭載した建設機械のことです。
近年では建設業界でもICTが取り入れられるようになってきており、ICT施工によって生産性の向上を目指す企業も増えてきています。
そのようなICT化の流れのなかで、建機メーカーも3DMC(マシンコントロール)や3DMG(マシンガイダンス)などのICT建機を開発しています。
MC「マシンコントロール」とは
MC「マシンコントロール」とは、ICT建設機械をコントロールしてくれるものです。
マシンコントロールのICT建設機械は自動制御されるため、操作技術が低いオペレーターであっても設計のとおりに施工することができます。
ただしすべてコントロールしてくれるのではなく、操作しているとあらかじめ入力されている設計の数値で自動的にバケットが止まる、設定よりも深く掘ることができないなどのコントロールが行われます。
MG「マシンガイダンス」とは
MG「マシンガイダンス」とは、ICT建設機械がナビゲーションしてくれるものです。
マシンガイダンスのICT建設機械は運転などの操作はオペレーター自身が行いますが、入力されている設計の位置にバケットが移動すると、そこが設計図面の位置であることをナビゲーションが教えてくれます。
そのためオペレーターにもスキルが必要になりますが、システムに任せきりにするわけではないためオペレーターの操作技術が落ちません。
ICT建設機械導入のメリット6つ
ICT建設機械導入のメリットをご紹介します。
国土交通省がICT施工を推進していることもあり、近年では非常に品質が良いICT建設機械が増えてきています。それでは、ICT建設機械を導入することでどのようなメリットがあると考えられるのでしょうか。
ここではICT建設機械導入のメリット6つをご紹介しますので、どのようなメリットがあるのか参考にしてみてください。
1:オペレーターの負担を減らせる
ICT建設機械を導入することで、操作を行うオペレーターの負担を減らすことができます。
ICT建設機械には前述したような自動制御を行ってくれるマシンコントロールやナビゲーションを行ってくれるマシンガイダンスなどの種類があり、どちらも機械操作を補助する役割があります。
ICT建設機械であれば全て自分自身で操作する必要がないため、オペレーターの負担を軽減できるでしょう。
2:工期を短縮できる
ICT建設機械を導入することで、工期を短縮することができます。
ICT建設機械は自動制御などの機能によって高い作業効率や生産性の向上を実現するため、全体の作業日数を少なくすることが可能です。
また、測量などの作業も従来のような丁張りの設置などが不要となるため作業自体を減らすことができ、大幅な工期の短縮が図れます。
3:人件費を減らせる
ICT建設機械を導入することで、人件費を削減することができます。
ICT建設機械であればあらかじめ入力されている3次元設計データをもとに切土や盛土の確認ができ、丁張りやワイヤ設置などの時間や人件費がかかる作業も削減することができます。
そのため、従来であれば複数の作業員に支払う必要があった人件費を大幅に減らすことも可能です。
4:手戻りを大きく減らせる
ICT建設機械を導入することで、手戻りを減らすことができます。
ICT建設機械を導入することで、設計データよりも深く掘りすぎるケースを回避することが可能です。また、施工面がわかるようになるため、堀り過ぎや堀り残しなどを修正するための手戻りを軽減することが可能になります。
5:安全性の向上
ICT建設機械を導入することで、安全性を向上することができます。
ICT施建設機械を利用すれば、従来であれば必要になっていた丁張りの設置作業などが不要となるため、丁張り設置や出来形測定での転落のリスクを軽減することが可能です。
また、建設機械周辺での作業も減ることから、建設機械との接触リスクも減ります。そのため、現場の安全性も向上することができます。
6:イメージが形になりやすい
ICT建設機械を導入することで、イメージが形になりやすいです。
あらかじめ3次元施工データを作成することにより、施工前でも職員や作業員が完成イメージを理解しやすくなります。また、作業に関わる人材全員で完成イメージを共有することが可能になり、施工における問題点や改善点などの具体的な議論も行いやすくなります。
ICT建設機械導入のデメリット
ICT建設機械導入にはデメリットもあります。
ここまでICT建設機械を導入するさまざまなメリットをご紹介しましたが、一方でデメリットも存在します。そのため、導入を検討する場合はメリットのみではなくデメリットについても理解しておくことが大切です。
ここではICT建設機械導入のデメリットをご紹介しますので、参考にしてみてください。
MCだとオペレーターの腕が落ちてしまう
マシンコントロールの場合はオペレーターの技術が問われなくなるため、スキルの低下が発生します。
ICT建設機械の中でも特にマシンコントロールの場合は機械側でアシストを行ってくれるため、オペレーターはある程度の操作をすれば、設計図面に合わせた施工が可能になります。
そのため、技術が低いオペレーターでも設計通りに施工できる代わりに、オペレーターの腕が落ちるという点がデメリットです。
導入費用が高額である
ICT建設機械は高い導入費用が必要になります。
ICT建設機械を導入する場合、もともとの建設機械にかかるコストにさらにコストが追加されることになるため、より高額な導入費用が必要です。
さらにシステムは定期的にバージョンアップされることから、定期的なアップデートなどの維持費も新しく必要になります。
ICT建設機械導入のポイント4つ
ICT建設機械導入のポイントをご紹介します。
ICT建設機械は高い導入費用がかかりますが、多くのメリットがあることから導入したいと考えている方も多いでしょう。
ここでは最後にICT建設機械導入のポイント4つをご紹介しますので、ICT建設機械を導入する際の参考にしてみてください。
1:導入のタイミングを考える
ICT建設機械を導入する場合は、最適な導入のタイミングを計るようにしましょう。
ICT建設機械は多くのメリットがある一方で、導入のためには高額な投資が必要になります。しかし現在、建設業界ではICT施工が推進されていることから、将来的には国からICT建設機械購入による税額控除や助成金などの制度が打ち出されていくことも予想できます。
そのため、制度が充実するのを待って導入するのも良いでしょう。
2:土工作業に応じた選定を行う
ICT建設機械を導入する場合は、作業内容に応じたICT建設機械の選定が重要です。
ICT建設機械にも多くの機種があるため、現場の作業内容を考慮して最適な機種を選ぶ必要があります。たとえば掘削や法面仕上げならバックホウ、締固めなら転圧ローラーなどを選びましょう。
作業内容自体は従来施工と違いはあまりありませんが、適切な機種を選択することで施工性を大きく向上できるでしょう。
3:ICT建設機械による施工の流れを確認する
ICT建設機械を導入する場合は、ICT建設機械での施工の段取りを把握することが重要です。
ICT建設機械を使用する場合、大まかな流れや段取りをまずは把握する必要があります。たとえば、測位システムや工事用基準点の手配を行ったり、3次元施工用データの準備を行ったり、ICT建機の精度確認試験を行う必要があることは押さえておきましょう。
4:職人気質なオペレーターへの理解を促す
ICT建設機械を導入する場合は、職人気質なオペレーターにICT建設機械の導入を理解してもらうことが重要です。
技術が高く職人気質な重機オペレーターの場合、「自分で操作した方が早く作業ができる」などといった理由でICT建設機械を嫌がるケースがあります。
しかしICT建設機械なら従来よりも作業も軽減でき、作業効率も向上するため、オペレーターにもそのメリットを理解してもらうことが大切です。
ICT建設機械を導入しよう
ICT建設機械を導入することにより、建設工事の作業効率を向上させるだけでなく、現場で働く作業員の安全性も向上することができます。
ぜひこの記事でご紹介したICT建設機械についての概要やICT建設機械導入のメリット・デメリット、ICT建設機械導入のポイントなどを参考に、ICT建設機械導入について検討してみてはいかがでしょうか。
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