施工管理者は必ず知っておきたい。命の危険と隣り合わせの「潜水作業」の安全衛生管理
潜水作業は水中土木工事に欠かせない仕事のひとつです。
しかし水中での作業は陸よりも難しいとされ、多くの危険も伴います。事故防止のために、施工管理者は潜水作業の正しい知識を身につけておきましょう。
今回は潜水作業の仕事について紹介したうえで、危険性と安全衛生管理の必要性を解説します。
潜水作業の仕事
潜水作業とは、空気ボンベや潜水服を着用して水中で作業を行うことをいいます。海に潜るだけなら資格はいりませんが、仕事で潜水業務に携わる際は「潜水士免許」という国家資格が必要です。潜水士は、漁業や人命救助など幅広い分野で活躍しています。
海上・水中土木工事でも潜水士の存在は欠かせません。海や湖にかかる橋、港の堤防などを造る際は、水中で潜水作業を行います。水中土木での主な潜水作業の内容を以下にまとめました。
- 水中塗装
- 水中切断作業
- 水中溶接
- 水中防蝕工事
- アンカー、コンクリート打設工事
- 型枠工事
ほかにも、構造物の点検やヘドロの清掃で潜水作業を行うこともあります。
潜水作業の危険性と安全管理の必要性
潜水士は、長時間海や湖に潜って潜水作業を行います。水中は陸よりも気圧が高く、危険な事故や健康障害が起きやすい環境です。たとえば、潜水作業中に空気ボンベが故障すると呼吸ができなくなり、最悪の場合死亡事故につながります。また、作業中に網やロープが絡まると溺れてしまうかもしれません。
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潜水作業で発生しやすい健康障害には、血液の流れが止まってしびれや呼吸困難になる「減圧症」、窒素ガスの麻酔作用で手足などがもつれる「窒素酔い」などがあります。急浮上して気圧が急激に変化すると「肺破裂」を起こすこともあり、潜水作業は常に危険と隣り合わせです。
潜水作業の安全管理の必要性
危険性を伴う潜水作業は、安全衛生管理の徹底が必要です。潜水士の業務は「高気圧作業安全衛生規則」に従うことが義務付けられており、一日の潜水時間や浮上速度などが決まっています。
健康面にも細かい規定のある法律ですが、事故や病気を防ぐためには潜水士自身の自己管理も重要です。潜水用具を正しく身につける、体調が悪いときは作業を控えるなど、適切な予防策を取ることで事故や病気のリスクを減らせます。
潜水作業の危険性や安全衛生管理についての知識を身につける
高い技術を持った潜水士でも事故に遭う危険性があり、実際に毎年多くの負傷者が出ています。
土木工事に携わる施工管理者なら、潜水士と仕事をする機会もあるでしょう。潜水作業の仕事内容はもちろん、安全衛生管理についても理解を深めることが大切です。
出典:宇和島労働基準監督署「潜水作業における安全衛生管理」
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