感電事故が起こりやすい状況とは?感電を防ぐ事前対処3選も紹介
目次
感電した状態とは
感電とは、体の中に電流が流れ衝撃を受けた状態です。
寒い時期や乾燥した日に、ドアノブや自動車のドアに触れた際、「バチッ」と衝撃を感じることがあります。衣服を脱いだ時の「パチパチ」する状態も同じです。これらは静電気による感電症の1つです。
感電は軽いショックを受ける程度のものから、生命にかかわる事故に至る場合もあります。
感電事故が起こりやすい状況
感電事故が起こりやすいのは、電圧がかかった状態の電線や電気製品に触ってしまう状況です。
本来、触っただけでは感電しませんが、体の中を電流が通り、地面に流れると事故になります。電線に止まっている鳥は地面に接していないので感電しません。電気柵は動物が地面と接しているため、軽い電流が流れて衝撃を与えます。
この他、漏電に気づかず触ってしまい、感電する場合もあります。
感電事故の影響が決まる要素3つ
感電事故の影響が大きくなる要素は、感電時間の長さや電流の強さ、電気が流れる経路です。
静電気による被害は、ビリッとした軽いショックがほとんどです。事故に至る場合は少なく衝撃で終わります。しかし、電線に引っかかった凧を取ろうとして起きる感電事故例は、体に大きな影響を与えます。
事故の影響が決まる要素を紹介します。
感電事故の影響が決まる要素1:感電時間
感電事故の影響が決まる要素の1つ目は、感電時間です。
感電事故は感電している時間が長いと、体に与える影響も大きくなります。
強い電流が流れると、短時間で大きな衝撃を受けるので大変危険です。しかし、弱い電流でも長時間流れ続けると、体は大きな損傷を受けます。一般に20mAの電流が体内に流れるとけいれんし、身動きできなくなります。
弱い電流でも衝撃を受けた体は何も対応できずに長時間電流が流れ続け、大きな事故につながります。
感電事故の影響が決まる要素2:電流の強さ
感電事故の影響が決まる要素の2つ目は、電流の強さです。
1mAの電流は、ピリッとした軽い衝撃を感じます。10mAになると耐えられなくなるほどの痛みです。20mAはけいれんを引き起こし、50mAの電流は短時間でも生命にかかわります。100mAの電流は、致命的な結果をもたらします。
感電症は、主に火傷(やけど)で、重傷は内臓に及ぶほか、神経の伝達も阻害され、失明や不整脈を起こします。
高電圧感電
高電圧感電は大事故につながりますので、注意が必要です。
高電圧とはAC42V(DC60V)以上を指します。過去に送電線の鉄塔に上った事例や作業中の事故も発生しています。
最近では、ハイブリッド車やEV車両のメンテナンス時の危険性が指摘されています。100V以上になる装置も多く、専門の教育を受けた作業者以外は触らないようにします。なお、大雨などで車両が水没してしまっても、対策が施してありますので、感電の心配はありません。
感電事故の影響が決まる要素3:電気が流れる経路
感電事故の影響が決まる要素の3つ目は、電気が流れる経路です。
電流が体内を流れる際、心臓を通過すると大変危険です。
多くの感電事故事例は、電線を掴んで腕から胸を通って地面に電流が流れています。微弱な電流でも、心臓を通ると心室細動を引き起こす原因になります。
感電した人を救助する場合の二次被害も注意が必要です。なぜなら、感電している人から感電する危険性があるためです。まず原因の電源を切り、次にゴム手袋など絶縁体を装着して救出します。
感電するときの電流の計算方法
電流の計算方法は電圧を電気抵抗で割りますが、感電する時の計算方法は電気抵抗を細かく設定します。
感電する時の電気抵抗は、肌の接触抵抗と体の内部抵抗を加えた数値を使用します。一般に、接触抵抗は約2500Ω、内部抵抗は約1000Ω、靴と地面を約2000Ωの合計5500Ωです。家庭の電圧が100Vとすると電流は0.018A(18mA)です。
屋内の場合は敷物や床材の抵抗も考慮します。
水に注意
肌に水や汗が付着していると電気抵抗が低下し、多くの電流が流れます。
濡れた肌の接触抵抗は約300Ωと言われます。先ほどの電圧と内部抵抗の数値を使用すると、電流は0.03 A(30mA)です。家庭用に200Vを導入されている場合は、数値が2倍になります。
濡れた状態で感電すると、一気に危険性が高まります。夏に発生する感電事故の原因のひとつです。
感電を防ぐ事前対処3選
感電事故防止のための対策は、アースの使用と濡れた手で電気製品を触らないことです。
家電製品のプラグについているアース端子を活用します。また、濡れた手で電気製品を触らないようにすると同時に、夏は肌の露出部分が多く汗が付着した状態なので、水に濡れた手と同じように気配りします。子供やペットの感電事故防止は、コンセントカバーが有効です。
ここからは、感電を防ぐ事前対処方法3つにいてご紹介します。
感電を防ぐ事前対処1:アースをつける
感電を防ぐ事前対処の1つ目は、「アースをつける」です。
感電を防止するためには、家電製品のアースの取り付けが有効です。
洗濯機などの家電製品のプラグ端子についているアースを利用すると、漏電が原因の感電事故防止が可能です。さらに、ブレーカーに漏電遮断機を取り付け、アースと併用すると効果はアップします。
ただし、漏電遮断器の取り付けやコンセントをアース付きに変更する工事は第二種電気工事士以上の資格が必要ですので、商品を取り扱っている業者か電気工事店に相談するのが無難でしょう。
感電を防ぐ事前対処2:濡れた手で家電を触らない
感電を防ぐ事前対処の2つ目は、濡れた手で家電を触らないことです。
濡れた手のまま、家電製品の操作や、プラグやコンセントに触るといった行為をするのは禁物です。事故防止のため、乾いたタオルなどであらかじめ手の水分を拭き取りっておきましょう。
また、プラグの金属部分は電圧がかかっていますので、直に持つと危険です。プラスチックなどでカバーされた部分を乾いた手で持つようにし、抜く際も同様に行い、芯線切断のショート火災も防ぐようにしましょう。
感電を防ぐ事前対処3:コンセントにカバーを付ける
感電を防ぐ事前対処の3つ目は、コンセントにカバーを付ける、です。
子供やペットの感電事故防止には、コンセントカバーの装着が効果的です。
コンセントカバーはコンセントを覆うカバータイプと、使用しないものにキャップで蓋をするタイプがあります。子供がヘアピンを差し込んで感電した事例もありますので、対処が必要です。
また、赤ちゃんがプラグを舐めて感電した事例もあります。子供やペットがプラグの金属部分で感電しないように、ACプラグキャップを取り付けると良いでしょう。
感電について知り事故を回避しよう
感電は身近で発生する事故ですが、事前対処によって事故を回避できます。
微弱電流でも体に与える影響は大きく、衝撃で対応できず深刻なダメージを受ける場合もあります。電気は目に見えませんので、漏電発生は把握できませんが、アースやコンセントカバーの取り付け、濡れた手で電気製品を触らない、など簡単に対応可能です。
家庭内の感電事故を回避するために、できることから始めましょう。
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