「床伏図には何が描かれているの？」
「床伏図はどうやって描けばいいんだろう」

建築施工の際にはさまざまな図面が必要ですが、その中の床伏図について詳しく知りたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、床伏図を描くメリットや床伏図には何が記載されているのか、どのような役割があるのかを解説しています。

また、施工図との違いや、床伏図の見方や描き方についても説明しています。

この記事を読むことで、非常に重要な床伏図への理解が高まり、正確な製図や安全に施工をすることができるようになるでしょう。

床伏図について知りたい方はもちろん、建設業界に転職したい方や、建設業界について知りたい方は是非ご一読ください。

床伏図で描くメリット

床伏図とは、各階を平面的に見下げた図面のことで、各階の柱や梁など構造的な骨組みの情報が盛り込まれており、仕上げ下の見えない部分の構造を明確にすることができます。

しかし、床伏図だけではすべての構造体を表現することはできないため、他の躯体図と合わせて確認する必要があります。

施工図と床伏図の違い

施工図とは、現場で工事をする際に用いられる図面で、意匠図よりさらに細かい情報が記載された図面です。

施工図には平面詳細図や断面詳細図、配管図などいくつかの種類があり、それぞれに細部の具体的な寸法や使用材料、配管の位置などが記載されています。

床伏図は施工図の中の躯体図の1つで、床の構造体を示す図面のため、構造体以外の記載はありません。

建築物全体の構造や詳細な情報を知るためには施工図を用いて施工を行い、床部分の構造体工事の際には床伏図を合わせて確認しながら施工を行います。

床伏図の役割について

床伏図には、柱、梁、基礎、壁の配置やサイズが盛り込まれています。鉄筋コンクリート造の場合は、さらにスラブも記載されています。

施工の際に必要な図面であり、床伏図によってどの位置に柱や梁が通っているか、またそのサイズが適正かを見ることで、構造上の問題がないか確認する役割があるため、非常に重要な図面です。

床伏図の見方

まずは、通り芯の位置を見て柱のスパンを確認し、建物全体の大きさを把握しましょう。

次に、柱や間柱、梁、小梁、壁、スラブの位置を確認します。

鉄筋コンクリート造の場合は、柱をC、間柱をP、梁をG、小梁をB、スラブをSの符号で表記されています。

床伏図を正確に見ることで構造上問題ないか把握できるため、見逃しのないようにしましょう。

床伏図の描き方

床伏図を描く際に、まず柱の位置となる通り芯を描きます。

次に、その通り芯を使って柱を描いていきます。柱を描き終えたら壁の位置を描き込み、最後に梁を描いていきましょう。

木造の場合は、火打ち梁を描いたり、通し柱に〇を、管柱に×を描いたりします。

鉄筋コンクリート造の場合は、前述した構造材を表す符号に、サイズごとに数字を付けて表記していきます。例えば、800mm×800mmの柱はC1、600mm×600mmの柱はC2といった具合です。

建物の構造や描く床の階数によっても表記するものが違うので、よく確認しながら描きましょう。

床伏図を描くときの注意点

床伏図は、各階の床の構造部材を知るための図面なため、描く際は仕上げや建具などの情報は記載しないようにしましょう。

構造部材以外の情報を記載してしまうと、見難くなったり混乱を招いてしまったりします。それらの情報は他の施工図で確認することができるため、床伏図には構造部材のみを描きましょう。

床伏図は非常に重要な役割を持っている図面

この記事では、床伏図の役割や見方、描き方について説明してきました。床伏図は構造部材を表しており、建築物を施工する上で構造上の安全にもつながってくる需要な図面です。

建設現場で活躍するために、是非この記事を参考に床伏図について学んでみてください。