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ワーカビリティーとは?影響を与える要因7つやワーカビリティーに関する用語

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公開日時 2023.02.16 最終更新日時 2023.02.16

事では、ワーカビリティーについてご紹介いたします。

 


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ワーカビリティーとはなにか


様々な工事に用いられるコンクリートの施工段階において、ワーカビリティーの良し悪しは構造物の品質を左右します。そんな大事なワーカビリティーという指標について、また、何がワーカビリティーに影響を及ぼすのか、わかりやすく解説していきます。

ワーカビリティとは、まだ固まっていないフレッシュコンクリート(生コン)の性質の一つです。

具体的にはコンクリートの扱いやすさのことを言い、材料分離に対する抵抗や打ち込みやすさの程度(コンシステンシー)から決められるものです。一般には、良好、適切、悪いなどの言葉によって定性的かつ相対的に評価されます。

コンシステンシーとは?

英語の「consistency」は””堅さ””、””粘度””などの意味を持ちます。そこから想像できるように、コンクリートの性質としてのコンシステンシーとは、変形あるいは流動に対する抵抗性から判断されるコンクリートの性質で、主に水の多少に左右されるものです。

上記から、コンシステンシーはワーカビリティに大きく寄与する性質であることがわかります。そのため、コンシステンシーに影響を及ぼすものは、全てワーカビリティーに影響してきます。

ワーカビリティーに影響を与える要因7つ


コンクリートは水+セメント+骨材というシンプルな材料から構成される複合材料ですが、材料の量や状態、製造過程などで大きく完成度が変わってきます。そして、それはワーカビリティについても同様です。

ここでは、ワーカビリティー、すなわちコンクリートの粘性、流動性、材料分離に対する抵抗性などに影響を及ぼす主な要因7つを紹介していきます。

ワーカビリティー要因1:単位水量

単位水量とは、コンクリートの単位体積当たりに含まれる水分量です。

単位水量を増やす、すなわちコンクリートに含まれる水分量を多くしていけば、流動性は増大し、フレッシュコンクリートは柔らかさを増します。

しかし、水分が多いとコンクリートの粘性は下がります。その結果、密度の小さい水は浮上し、砂利などの骨材は沈下、コンクリートが不均一な状態となる「材料分離」という現象が起こってしまいます。

そのため、単位水量は多すぎても、少なすぎてもワーカビリティーを悪くしてしまうため、適切な量を配合することが重要です。

ワーカビリティー要因2:セメントの量

セメントはコンクリートの強度を高め、粘性を増大させます。型枠にコンクリートを充填させるのに必須であるプラスティシティーという性能も高めてくれます。

しかし一方で、多すぎると流動性は低下し、パサパサの扱いにくいコンクリートになります。また、少なすぎると全体的にゆるいコンクリートとなり材料分離を起こします。

ワーカビリティー要因3:セメントの粉末度

セメントの量だけでなく、セメントの粉末度もワーカビリティーに影響します。

セメントの粉末度とは、セメント1g当たりの全表面積のことで、粉末度が低い=1gあたりの表面積が多い=細かいとなります。

そのため、細かいセメントである粉末度の高いセメントを使った場合は、セメントペーストの粘性は増加し、流動性は小さくなります。逆に、粉末度の低いセメントは粘性を低くし、流動性の高いコンクリートを作ります。

ワーカビリティー要因4:セメントの状態

セメントの量、粉末度に加え、セメントの状態もワーカビリティーに影響してきます。

セメントは古くなったり、保存状態が悪かったりすると、風化や異常凝結を起こします。このような状態の良くないセメントは、ワーカビリティーを著しく悪くしてしまいます。

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ワーカビリティー要因5:練り混ぜの状態

コンクリートの材料だけでなく、製造段階の過程も、ワーカビリティーの良いコンクリートを作るためには重要です。

練り混ぜ不均一で不均等な状態のコンクリートは、ワーカビリティーを悪くします。十分な練り混ぜが品質の良いコンクリートには必要不可欠です。

しかし、過度な練り混ぜを行うと、骨材を砕いてしまったり、必要以上に空気量を減らしてしまう恐れがあるので、注意が必要です。

ワーカビリティー要因6:骨材

骨材とは、コンクリートに含まれる砂や砂利のことを指します。骨材は、水やセメントに比べ、一見ワーカビリティーへの影響がなさそうにみえます。

しかし、粗骨材の割合を大きくする、細骨材の粗粒率を上げる(粒径の大きな骨材を多く使用する)、なども過度にわたれば、材料分離を助長する結果となってしまいます。

ワーカビリティー要因7:混和材料

混和材料とは、水+セメント+骨材で構成されるコンクリートに混ぜる薬剤のことです。AE減水剤やフライアッシュなどの混和材を使用することで、少ない単位水量でもパサパサした扱いづらいコンクリートにはならず、施工に必要な粘性および流動性を与えることができます。

そのため、単位水量の少ないコンクリートにおいて材料分離を起こしにくくし、ワーカビリティーを上げることができます。

ワーカビリティーに関する用語とは?

ワーカビリティーに関する用語とは?

ワーカビリティーに影響する主な要因7つをご紹介しましたが、ワーカビリティについての理解が深まってきたのではないでしょうか。

さらにワーカビリティーをより深く理解するために、よく関連して使われる用語を2つご紹介します。「プラスティシティ」という、良いワーカビリティをもつコンクリートには必須の性質と、流動性を定量的に評価する試験方法(スランプ試験)についてとなります。

プラスティシティー

先ほども少し触れましたが、ワーカビリティーの程度に関連するコンクリートの性質として、プラスティシティーというものがあります。

コンクリートは型枠に流し込んで施工するため、その段階での作業の容易さが現場では重要になってきます。

そのため、容易に型枠に流し込むことができ、型枠を取り去ったのち、ゆっくりと形を変えるものの、くずれたり、材料分離を起こさないフレッシュコンクリートの性質をプラスティシティーと定義しています。

スランプ値

コンクリートの流動性は、スランプ試験で定量的に判断されます。

そのため、ワーカビリティーを調べるためには、スランプ試験によって求められるスランプ値がとても重要な指標となってきます。

スランプ試験とは、フレッシュコンクリートをスランプコーンと呼ばれる容器に入れ、スランプコーンを取り去った時にコンクリート頂部の高さが何cm下がったか(スランプ値)を測定する試験です。スランプ値が大きいほど流動性が高いと言えます。

ワーカビリティーとは何かを理解しよう

ワーカビリティーとは、材料分離への抵抗と流動性という要素から構成された、現場施工者には重要なコンクリートの指標です。

建設業においては、コンクリートへの理解がどの職種でも必須と言えるでしょう。

今回はワーカビリティーについてでしたが、まだまだあるコンクリートの性質および魅力をさらに理解して、土木工学や建設業界について楽しく勉強していきましょう。

 


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