フロントローディングとは?メリットやデメリットと共に実現の方法も紹介

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こちらの記事では、フロントローディングについてご紹介いたします。
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目次
フロントローディングとは
フロントローディングは、「フロント」と「ローディング」を組み合わせた言葉であり、フロントとは初期に、ローディングとは負荷をかけるという意味です。
したがって、フロントローディングとは初期工程に負荷をかけるということであり、建築で言えばフロントである設計に負荷をかけ作業を前倒しで進めることを指します。
施工を進めながらその都度設計を見直し、品質を高めていくという従来通りの方法ではなく、設計段階で何度も検証やシミュレーションを行い、これまで施工段階で行われてきた作業を前倒しして設計段階で完了させようとするものです。
したがって、設計段階に作業ピークが移り、施工段階での負荷を軽減することにつながります。
現状の建築現場では、設計当初の計画のまま完成を迎えるという事例は少なく、施工の途中で何らかの設計見直しが発生することがほとんどです。
施工中に手戻りが必要となり、予算や工程の変更に苦労した経験がある現場監督も多いのではないでしょうか。
フロントローディングは、こうした設計変更を最小限に抑える取り組みでもあります。
フロントローディングのメリット
施工途中での設計変更は、すでに施工済みの工程もやり直す必要が出たり、新たな工程が追加となったり、作業スケジュールにも大きな影響を与えると同時にコストアップにもつながるリスクがあります。
また、納期までの厳しいスケジュールの中、せっかく施工を終えたものをやり直すとなると作業に当たる職人たちの士気を下げる要因ともなりかねません。
しかし、フロントローディングの導入で設計変更を減らすことができれば、施工中のトラブルも減少して生産効率が向上し、工期遅れや無駄なコストの発生も抑えることができます。
そして何よりフロントローディングでは、初期段階で設計の見直しを繰り返し行い、高い精度の設計を可能にするため、建築物自体の品質を高めることができます。
フロントローディングのデメリット
多くのメリットを有するフロントローディングですが、デメリットも存在します。フロントローディングは、設計者の負担が大きくなってしまうケースが比較的多いということです。
フロントローディングを行なう場合、まず設計の初期段階で複数の部門に影響が及びます。
見直しや再設計も複数回行なう必要があり、設計者の仕事量が非常に多くなってしまう危険性があります。
対策としては、担当設計者の人数を増やす、設計工事全体を管理する責任者を設置するなど、組織体制を変更して対応する方法があげられるでしょう。
その際、管理者の立場にいる人間は、仕事量のコントロールも求められます。
建設業におけるフロントローディング
建設業においても徐々にフロントローディングの手法が浸透し始めています。
今後、新たな設計システムであるBIMが普及することが予測され、それによりフロントローディングの導入も加速するであろうと考えられています。
フロントローディングの導入が進めば、設計通りの施工を進められる確率が高くなり、現場にとっても作業が進めやすい環境になると言えるでしょう。
建築業でフロントローディングを実現するためには

フロントローディングは施工段階における負担を減らし、生産効率を上げたり、無駄なコスト消費するリスクを減少させることができます。
しかし、フロントローディングは設計者への負担が非常に大きくなってしまうため、対策を行なわなければ、かえって業務効率が悪化する危険性があります。
建設業においてはフロントローディングの普及が進んでおり、起こりうるデメリットを未然に防ぐことは必須であるといえるでしょう。
建設業でフロントローディングを実現するために何をすればいいのか、説明していきます。
1:企画段階で全工程の関係者を選定する
フロントローディングを実現するためには、企画段階で全工程の関係者を選定しておくことが重要です。
設計の変更や手直しは、後工程になればなるほど、コストや作業の負担が増大します。
あらかじめ外装工事などの関係者をひと通り選定しておけば、設計段階の初期において、実際に施工する際に生じうる問題点を指摘してもらえるようになり、設計ミスによるトラブルを軽減しやすくなります。
初期段階で関係者からノウハウを教わることもできるため、設計がスムーズになる可能性も期待できるでしょう。
2:施工のシミュレーションを設計段階で行う
フロントローディングを実現するために、設計段階で施工のシミュレーションを行なっておきましょう。
施工計画・作業手順・工程管理などを検討するにあたって、あらかじめシミュレーションしておけば、正確に分析でき、問題点等を事前に把握できます。
シミュレーションにより、施工段階で発生し得るトラブルに気づけば、未然に防げるでしょう。
そして結果として、見直しや再設計の回数が減少し、設計者への負担を軽減できます。
フロントローディングによる業務の効率化を目指すためには、施工のシミュレーションは必須であるといえるでしょう。

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3:全体の意思決定を専門的に取り仕切る役割を置く
全体の意思決定を専門的に取り仕切る役割の人間を置くことは、フロントローディングを実現するにあたって重要です。
早い段階で設計図・製作図の作成に着手でき、品質・コスト・メンテナンス性が高い設計図書を作れます。
良質な設計図書を早めに仕上げれば、業務効率が上がり、施工を行う現場のスタッフの士気にも良い影響を与えられます。
意思決定権を持つ人材の設置を早急に行ない、スムーズなフロントローディングを実現しましょう。
4:デジタルトランスフォーメーションを導入する
フロントローディングを実現するための手段として、デジタルトランスフォーメーションの導入も考えられるでしょう。
デジタルトランスフォーメーションとは、業務にデジタル技術を普及させ、効率や利益などを上昇させることを指します。
デジタルトランスフォーメーションの導入は多くの業種で行なわれており、さまざまな形で良い結果を出しています。
建設業にデジタルトランスフォーメーションを用いた場合、情報共有がしやすくなり、設計図などを作成する際の確実性や効率性が高まるでしょう。
設計者の負担がしばしば問題になるフロントローディングを実現するために、デジタルトランスフォーメーションは重要な要素であるといえます。
BIMを導入するメリット3つ
フロントローディングは設計ミスなどが見つかり、見直しや再設計を行なう際に設計者への負担が増大したり、結果としてむしろ業務効率が悪化してしまったりすることが大きな問題点であるといえます。
それらの課題を解決するための手段として、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入が存在します。
BIMとは設計の初期段階で3Dモデルや属性情報などの作り込みを行ない、それらをもとに設計図についてシミュレーションすることです。
BIMを導入するメリットを3つ紹介します。
1:実施設計の段階にかかるコストを減らす
フロントローディングにBIMを導入すれば実施設計の段階にかかるコストを減らせるでしょう。
BIMを用いれば、初期段階で設計の検討や問題点の発見などが可能になり、早期に品質の改善を行なえます。
設計の現場は、ミスを原因とする手戻りが頻発する傾向にあり、スケジュールが長期化し、それに比例してコストの負担が増大しやすいという問題を抱えています。
BIMでシミュレーションすることで手戻りの頻度を減少させ、コストを減らすことが可能になるでしょう。
2:品質のチェックを目に見える形で行なえる
フロントローディングを実現するにあたって、BIMを利用すれば、品質のチェックを目に見える形で行なえます。
品質面の検討・改良・確認を行なう際、従来のやり方では設計図等をもとに再現した模型を製作していたといわれていますが、BIMは設計をシミュレーションする際に3Dモデルを構築し、バーチャル映像として可視化できるようにします。
設計の仕組み等が目に見えるようになったことで、模型を用いて確認する従来の方法と比較すると、品質改善の効率が大幅に上がることが期待できるでしょう。
3:全行程の意思決定を円滑にする
フロントローディングを行う際にBIMを導入すれば、全工程の意思決定を円滑にすることが可能です。
BIMは、設計図等から作成した3Dモデルをバーチャル映像として映し出し、ビジュアライズして作業工程全体の構造を把握しやすくします。
その成果として、施工主や事業者間のコミュニケーションが円滑になり、意思決定がスムーズになります。
施工段階における業務効率が大幅に上がるため、作業が進むスピードが早くなり、コスト面の最適化がさらに期待できるでしょう。
フロントローディングの導入で建築の工程をスマートに
フロントローディングを導入すれば、さまざまな工程の効率が上がり、コストの削減やトラブルの回避も容易になります。
その一方で、適切なフロントローディングを行なわなければ、設計者への負担が増大したり、かえって効率が悪化したりするリスクも伴っています。
フロントローディングのメリットとデメリットを把握したうえで、手戻りなどが発生しないように注意することが重要であるといえるでしょう。
フロントローディングを正しく理解したうえで導入し、建築の工程をスマートにしましょう。
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