ブリージングとは?ブリージングによる3つの影響やレイタンスも解説
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目次
ブリージングとは
ブリージングとは、生コンクリートに含まれる水分が、打設後に浮き上がって表面に染み出してくる現象のことを言います。
コンクリートの一般的な材料はセメント、水、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)、空気であり、これらを混錬して流動性のある生コンクリートを生成します。生コンクリートを打設すると、材料の重さによって分離現象が起こり、水分が上昇して表面に浮き出すのです。
浮き出した水分のことは、ブリージング水と呼ばれます。
ブリージングが発生する原因
生コンクリートを打設すると、内部で混錬されていたセメントや骨材といった個体材料はその重量によって沈下していきます。そうなると材料同士で分離が始まり、重たい材料が沈むと、軽い水分が上昇してしまうのです。
押し出される形でコンクリート内の水分は表面に浮き上がり、ブリージングが発生することになります。
水セメント比とは
水セメント比とは、コンクリート強度に関係する指標の一つで、水とセメントの比率を百分率で示した値のことをいいます。
計算式は下記になります。
「水セメント比=W/C×100(%)」
Wは「水(Water)」の単位水量(kg/㎥)、Cは「セメント(Cement)」の単位セメント量(kg/㎥)です。
水セメント比は、小さい方がコンクリートの強度や耐久性が上がりますので、なるべく水分量の少ない硬塗りのコンクリートが理想といえます。
ブリージングがもたらす影響3つ
ブリージングが起こることで、どのような影響が出てくるのでしょうか。生コンクリート内部の材料が分離すると、実際にはどういったことが起こるのでしょう。それは下記の三点になります。
まず、コンクリート表面の沈下、水密性の低下、そしてコンクリートと鉄筋の付着強度の低下です。
これらはコンクリート自体の強度劣化も招くことになります。
ブリージングがもたらす影響1:コンクリート表面の沈下
ブリージングは、打設することで生コンクリート内部の水分が他材料との分離を起こし、表面に浮き上がってしまうことを言います。そうなると、当然ながらコンクリートの質量が変化します。
構成材料であった水が染み出してしまい、表面に浮き上がれば蒸発してしまったりするからです。
構成材料の水が無くなれば、その分生コンクリートの質量は減少し、コンクリートの表面高さが全体的に元の高さよりも低くなってしまうのです。これが、コンクリート表面の沈下となります。
ブリージングがもたらす影響2:コンクリートの水密性低下
「ブリージングがもたらす影響1」で表面の沈下について説明しましたが、これらによってコンクリート表面のひび割れが生じることがあります。また、生コンクリートの材料分離によって、コンクリート内部に気泡が生じ、そこに空洞ができてしまったりするのです。
これらは雨天時などに、水の通り道となってしまい、これが水密性の低下ということになります。すでに乾燥して凝固したコンクリート内部に水が浸透すれば、コンクリートの劣化も早まってしまいます。
水密性の低下はコンクリートの劣化を招く危険性があるのです。
水密性とは
水密性とは、水の圧力に耐え、水漏れが起きないことを言います。
コンクリートには水密コンクリートといって、水槽やプールなどの水圧が作用する箇所に用いるコンクリートもあります。
水密性を高めるには、透水性(水を通す性質)を低くしなくてはなりません。その為に単位粗骨材量を大きくしたり、水セメント比を小さくしたりといった工夫がなされています。
ブリージングがもたらす影響3:コンクリートと鉄筋の付着強度低下
コンクリートは圧縮力には強いですが、引張力には弱いという弱点があります。その点を補う為に、コンクリート内部に鉄筋を入れて補強します。これが鉄筋コンクリートです。
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しかし、コンクリートと鉄筋は全く別の材料なので、生コンクリートの状態の時に、しっかりと鉄筋に付着させる必要があります。間隙なく付着させることで、コンクリートと鉄筋は互いを補い合うことができるからです。
ブリージングはこの付着を阻害することがあります。生コンクリート内部の水分が浮き上がることで、コンクリート内に空隙が生じ、せっかく付着していた鉄筋と離れてしまうからです。
これがコンクリートと鉄筋の付着強度低下となります。
鉄筋下端に空洞ができてしまうことも
コンクリートに対し、鉄筋が水平方向に入っていた場合、コンクリートと鉄筋の接触面は垂直方向に多くなります。そうなると、ブリージングによるコンクリートの表面沈下の影響がより多く出ることになります。
鉄筋がコンクリート内に存在することによって、骨材の重さでコンクリートが圧縮された場合、鉄筋が邪魔をしてコンクリートが沈んだ分の空隙ができてしまうのです。
これが、鉄筋下端に空洞ができてしまう原因になります。
ブリージング対策に用いられる混和剤
混和剤とは、コンクリートのワーカビリティを上げる為に、調合の際に使用される化学調合添加剤のことです。
ワーカビリティとは、言ってみればコンクリートの施工性のことで、ワーカビリティの良いコンクリートは、それだけ施工しやすいコンクリートということになります。
施工しやすいということは、それだけ柔らかい、流動性のあるコンクリートということですが、そういったコンクリートではどうしても水分の含有量が増えてしまいます。そうすると、ブリージングも発生しやすくなってしまうのです。
混和剤は、コンクリートの水分含有量を減らしつつ、コンクリートのワーカビリティを上げる為に用いられる薬剤、ということになります。
AE剤
混和剤にはいくつか種類があり、そのうちの一つがAE剤です。
AE剤は、コンクリートの中に微細な空気泡を混ぜ込む薬剤です。空気泡が入ることで、コンクリートのワーカビリティが向上する為、水分の混入を減少させることができます。また、微細な空気泡が含まれることにより、コンクリートの耐久性と耐凍害性も上げることができます。
減水剤
減水剤も混和剤の一種です。
減水剤は、コンクリート中のセメント粒子を分散させ、水との接触面積を増やすことで、水分使用量を減らすことができます。
一般的にセメントが水と接すると、多くのセメント粒子が互いに凝集して塊となってしまいます。そうなると、セメントペーストの流動性も低くなってしまうのです。水と接しても粒子が集まって塊とならないように分散させる為の薬剤が、減水剤となります。
ブリージングとともに発生しやすいレイタンスとは
ブリージングが発生した時に、表面に浮き出してくる水分のことをブリージング水と呼びます。レイタンスとは、このブリージング水に含まれる微粒子が水分と共にコンクリート表面へ浮き上がり、固まってしまうことで形成される薄膜のことをいいます。
レイタンスは、コンクリート中のセメントを構成する石灰石からなる微粒子や、骨材からの微粒分が主となって堆積し、そのままコンクリート表面で固まってしまいます。これを放っておけば、次のコンクリートとの付着率を著しく阻害する原因にもなります。
ブリージングの影響を知ろう
ブリージングとは、コンクリート打設後にコンクリート内部の水分が表面に浮き上がってきてしまう現象のことです。ブリージングが起こることによって、コンクリートには表面の沈下、水密性の低下、鉄筋との付着強度の低下といった悪影響が現れます。
また、ブリージング水と共に上昇する微粒子が成形するレイタンスも、施工現場では無視できない問題です。
混和剤を使用したり、ブリージングが起きた際には適切な処置をして、悪影響をなるべく封じ込めるようにしましょう。
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