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ブリーディング水とは?コンクリートのひび割れの原因を徹底解説!

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公開日時 2023.02.13 最終更新日時 2023.02.13

ブリーディング水とは、フレッシュコンクリートの内部で固体材料が分離・沈降した際に、内部の水の一部が遊離し、表層まで上昇する現象のことです。
もしくは上昇してくる水のことを差します。
このブリーディング水によってコンクリートの強度は低下してしまいます。
亀裂などが起こりやすくなってしまうため、打設直後から発生を抑えなくてはいけません。
もしブリーディング水が発生した場合には迅速な処置が求められます。
本記事では、施工管理技士なら知っておきたいブリーディング水の概要やメカニズムなどについて紹介します。

ブリーディング水とは?

ブリーディング水とは、フレッシュコンクリートで発生する現象です。
内部で骨材やセメントなどの固体の材料が分離・沈降することによって起こります。
分離・沈降すると、コンクリート内に含まれていた水の一部が遊離してしまいます。
するとその水がコンクリートの中を上昇し、コンクリートの表層に表れるのです。
この現象、もしくはその上昇してきた水のことをブリーディング水といいます。

コンクリートの強度が低下する

このブリーディング水が起こると、コンクリートの強度が低下してしまいます。
このため打設直後から速やかに水を吸引するなどの作業を行い、ブリーディング水の発生を抑えなくてはいけません。
また万が一ブリーディング水が発生した場合は、速やかに除去します。

ブリーディング水によるひび割れのメカニズム

ブリーディング水が発生すると、コンクリートにひび割れが発生してしまう可能性があります。
ブリーディング水が原因で起こるひび割れは、打設後数時間で起こるとされています。
一般的に、水平鉄筋の上に直線状のひび割れが発生することが多いです。
また型枠面のセパレータや、壁、柱、梁、スラブの接合部など、高さに差のある場所にも発生しやすいといわれています。
さらに、鉄筋のかぶり不足が起こっている場所でも発生しやすいとされています。

ひび割れの原因

コンクリートのひび割れが発生できる原因は、材料や施工方法にあるとされています。
・材料が原因の場合
骨材の粒度が合っていなかったり、施工作業に必要なセメント水和に使用されなかったりした分のブリーディング水が過剰に発生することで起こるといわれています。
フレッシュコンクリートは、密度の違う材料を混ぜ合わせます。
コンクリートは練り混ぜられる最中、セメントペーストがバインダーの役割を果たします。
それが細骨材、粗骨材の間に入ることで、「水和」と呼ばれる現象が起きるのです。
この水和が徐々に進むことで、コンクリートが固まっていきます。
一般的に、水和反応に必要な水は、セメントの約30%とされています。
この水の量を、施工に問題のない範囲で少なくすることが望まれます。
ただしコンクリートはあまりに水を少なくすると、流動性が低く施工しづらくなるのが特徴の一つです。
そのためあまりに少なくならないように計算する必要があるでしょう。

・施工方法が原因の場合
打込み速度や打込み高さに問題が合った場合も、ひび割れが生じやすいとされています。
打込み速度が速く、高い所から落下させた場合も、ブリーディング水が出やすくなりひび割れの原因になるとされています。
さらに壁、柱、梁、スラブの接合部は、高さの違う部分を一度に行うと、沈下量は打設高さに比例し大きくなるのです。
これもひび割れ発生に繋がる大きな原因とされています。

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ひび割れが起こるメカニズム

ではなぜそもそもブリーディング水が多いと、ひび割れの発生頻度が増えてしまうのでしょうか。
ブリーディング水は、打設後に数時間かけてコンクリートの表面に上昇します。
この時コンクリートの表面高さは、全体的に元の高さより下がるとされています。
これは、ブリーディング水が表面に上昇後、蒸発する際に、体積が減ってしまうためです。
しかし、鉄筋上部にあるコンクリートは、鉄筋によって沈下が高速されます。
このため、表面が固まり収縮していく段階で段差が生じ、引張力が発生します。
コンクリートはこの時完全に固まっておらず、引張に対する強度が十分ではないため、鉄筋に沿ってひび割れが生じてしまうのです。
また型枠内部も、ブリーディング水によりセパレータの周囲にひび割れが残ってしまう可能性があります。

ブリーディング水によるひび割れの対策方法

ブリーディング水によるひび割れの対策方法

ひび割れの発生を防止するには、ブリーディング水を少なくする必要があります。
まずブリーディング水が少ないかつ、材料分離抵抗性の高いコンクリートを使用します。
さらに打込み速度の速さや高さなどに気を付けることも大切です。
またひび割れが発生した場合には、迅速に対応しなくてはいけません。
ひび割れの多くは、打設後数時間で収束するとされています。
このため、表面に出たブリーディング水を取り除き、沈下した場所にコンクリートを足して再びならします。
またタンピングなどの処理を行い、再振動を与えればコンクリートは柔軟性を取り戻し、ひび割れを修復しやすくなります。
発生初期の段階でひび割れの修復を行えば、後から問題になることは少ないでしょう。
また打設の打ち継ぎがある場合、高圧洗浄機などでブリーディング水を除去します。
その後次のコンクリートを打設します。
こうすることで、前のコンクリートと付着性が良くなるとされています。

打設の際に材料分離を起こさないことが重要

また打設の際に材料分離を起こさないようにするのも重要です。
コンクリートの打設で斜めシュートを使うと、材料分離を生じやすいとされています。
また打設高さの違うものを一気に打設するのもひび割れの原因とされているので、一気に行わないようにするのも大切です。

締め固めるには気泡を除去する

コンクリートを締固めるには、固練りのコンクリートを叩きこむと良いとされています。
しかしこれには時間も労力もかかります。
このため近年は高周波バイブレータなどが使用されることが多いです。
しかしこのどのくらいこのバイブレータを使用したら良いのか、難しいこともあります。
一般的には、余分な気泡を除去するまでとされています。
さらにこのバイブレータは、足らないよりは掛け過ぎぐらいの方が良いといわれています。

補強を行う場合もある

補強工法は、ひび割れが生じたコンクリート構造物の耐力回復のために行われます。
特に長大スパンの部材でひび割れなどが生じている場合、耐力の増大を行うため、引張応力を受ける部分を補強します。
この部分に鋼材や炭素繊維シートなどをエポキシ樹脂で接着したり、コンクリートの不増打ちを行ったりするとされています。

迅速に対応することが重要

ブリーディング水は、コンクリートの材料や施工方法によって発生しやすくなるといわれています。
他のひび割れと異なり、ブリーディング水によるひび割れは打設後比較的初期に発生するとされています。
そして迅速に対応すれば、修復も可能なことを覚えておきましょう。
また対策として、単位水量の少ないコンクリートを使用したり、最適な骨材を使用したりなどが挙げられています。
さらに高さの違うものを一気に打設しないことも大切です。
材料と施工方法の両方を考慮することで、多くのひび割れは防げるとされているので、気を付けましょう。
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