プレボーリング杭工法に関する基礎知識13選|プレボーリング以外の杭工法3つ

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プレボーリングとは?
プレボーリングとは杭工法の1つで、あらかじめ掘削しておいた地盤に対して杭を指し込み、ハンマーによって打撃を与えて施工するというものです。
杭工法とは、地盤に杭を打ち込んで基礎を作る工法です。
プレボーリング杭工法は既成のコンクリートパイルを使用する打ち込み工法で、打撃回数、騒音、振動などを軽減するために支持層の直前まで行い、その後は油圧ハンマーやディーゼルハンマーなどによって打撃貫入していきます。
プレボーリング杭工法の特徴5つ
プレボーリング杭工法の特徴についてご紹介します。
杭打ちにはさまざまな種類がありますが、その中でもプレボーリング杭工法は一般的に採用されている杭工法とされています。しかし建築関連の知識がない方の場合、どのような工法なのかわからないという方がほとんどでしょう。
ここではプレボーリング杭工法の特徴5つをご紹介していきますので、どのような特徴を持った打ち込み工法なのか理解を深めてみてはいかがでしょうか。
プレボーリング杭工法の特徴1:標準的な工法である
プレボーリング杭工法は建築現場では標準とされている一般工法です。
プレボーリング杭工法は既製のコンクリートパイルを使用した杭工法となっており、国土交通省告示第1113号に規定されている工法です。
建設現場などでは標準的な杭工法として用いられていることから、実績がもっとも多い施工方法となっています。建築作業員として従事している方であれば、経験したことがある方も多いでしょう。
プレボーリング杭工法の特徴2:騒音・振動が少ない
プレボーリング杭工法は比較的騒音や振動が少ない一般工法です。
プレボーリング杭工法は地盤の支持層の手前まで穴を掘り、その中に杭を打設することで、打ち込み工法よりも打撃回数や騒音、振動などを少なくしています。
そのため、打撃の工程ではある程度の騒音や振動は発生してしまいますが、最初から杭を打ち込んでいく打ち込み工法よりも振動や騒音を低減することが可能となっています。
プレボーリング杭工法の特徴3:経済性が高い工法である
プレボーリング杭工法は経済性が高い一般工法です。
プレボーリング杭工法は掘削ビットなどを使用して地盤の掘削を行い、油圧ハンマーなどによって既成のコンクリート杭を打設していきます。
このように他の工法よりも使用する機械が少ないことからコストを抑えることができるため、経済性が高い工法であると言えます。
プレボーリング杭工法の特徴4:信頼性が高い工法である
プレボーリング杭工法は信頼性が高い一般工法です。
プレボーリング杭工法では打撃の際に1打撃あたりの貫入量、リバウンド量などを測定記録しています。そのため、施工時に杭の支持力を目で見て客観的に確認しながら作業を進めていけることから非常に信頼性が高い工法であると言えます。
また、建設現場での採用実績の多さからも信頼性は高いと言えるでしょう。
プレボーリング杭工法の特徴5:環境に優しい
プレボーリング杭工法は環境にも優しい一般工法です。
プレボーリング杭工法では事前に掘削装置を使用して地盤に所定の深さまで掘っていることから、杭を打設する際にも打ち込み工法のような大きな騒音や振動が発生しません。そのため、周辺環境にも優しい工法だと言えます。
プレボーリング杭工法の手順8つ

プレボーリング杭工法の手順についてご紹介します。
プレボーリング杭工法では鉄筋などにコンクリートを流し込むのではなく、既製杭を使用します。それでは実際にプレボーリング杭工法を施工する場合、どのような手順で行われるのでしょうか。
ここではプレボーリング杭工法の手順8つをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
プレボーリング杭工法の手順1:杭心のセット
まずは杭心を地盤の上にセットしましょう。
杭心とは杭の中心のことで、杭芯の間隔は打ち込み杭の場合は杭径の2.5倍かつ75cm以上とされています。
杭工法の際に杭心をセットする場合、位置の精度を確保するために、杭心の位置より返り心を直交2方向に打ち込んで、定尺棒を使って杭心に掘削ビットの中心を合せます。
プレボーリング杭工法の手順2:掘削作業
掘削攪拌装置を使用して地盤の掘削作業を行いましょう。
掘削を行う場合、水などの掘削液を掘削ビットの先端から定期的に吐出することによって、掘削抵抗を減少させることができます。また、掘削した孔を泥土状にすることによって穴の壁部分が崩壊することを防ぐことができます。
このようにして掘削し、掘削孔を作成していきましょう。
プレボーリング杭工法の手順3:根固め液の注入
所定の深さまで掘削作業が終わったら、根固め液を注入していきましょう。

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掘削ビットの先端から吐出していた掘削液を根固め液に切り替えて、掘削した穴の先端から注入していき、ゆっくりと引き上げます。さらに根固め部の区間で数回上下反復を行っていきます。
プレボーリング杭工法の手順4:杭周固定液の注入
根固め液の注入が終わったら、杭周固定液を注入していきましょう。
今度は根固め液を杭周固定液に切り替えて注入し、1回以上上下反復を行いながら掘削撹攪拌装置を引き上げていきます。これにより、掘削孔の底の方には根固め液、その上部から地面の表面近くまでは杭周固定液によるソイルセメント柱ができあがります。
プレボーリング杭工法の手順5:杭の建込み
掘削孔の中に杭を建込んでいきましょう。
これで既製杭を建てられる状態になったため、ソイルセメント柱を造成した掘削孔の中に、杭頭部や先端部に金具を取り付けた既製杭を建込む作業を行います。また、建込みとは柱などを縦にして所定の位置に据え付けることを意味します。
プレボーリング杭工法の手順6:杭の沈設
既製杭の沈設を行いましょう。
杭を鉛直性を保ちながら掘削孔の中心部に建込み、そのまま沈設します。沈設とは、一般的に水中などに対象物を沈めて敷設することを意味します。この場合、セメントなどの杭周固定液が掘削孔に満たされているため、沈設と表現します。
プレボーリング杭工法の手順7:杭の定着
既製杭を掘削孔に定着させましょう。
掘削孔への杭の建込みを行ったら、地面から出ている杭の先端部分に回転キャップを取り付けます。さらに杭の重さによる自沈、もしくは回転させながら圧入することで、掘削孔の中のソイルセメント柱の中に杭を定着させます。
掘削孔の下端には根固め液が注入されていることから、柱を定着させることができます。
プレボーリング杭工法の手順8:杭の保持・仕上げ
杭を所定の位置まで沈めて、一定時間保持することで作業は完了です。
自沈もしくは回転圧入によって杭は掘削孔の中へと入っていきますが、深く自沈し過ぎてもいけないため、所定の位置で杭を定着させる必要があります。また、杭が安定の深さよりも自沈していかないように、一定時間所定の位置で杭を保持することによって固めます。
このような作業によって、地面の中で杭を定着させることができます。
プレボーリング以外の杭工法3つ
プレボーリング以外の杭工法についてご紹介します。
建設現場で実施される杭工法にはさまざまな種類があり、プレボーリング杭工法以外にも「中堀り杭工法」「打ち込み杭工法」「埋め込み杭工法」などの工法があります。
いずれも既製杭を使用した杭工法となっていますが、それぞれ施工方法や支持力なども異なります。ここでは最後にプレボーリング以外の杭工法3つをご紹介していきますので、他の杭工法についても理解を深めてみてはいかがでしょうか。
プレボーリング以外の杭工法1:中堀り杭工法
中堀り杭工法とは、地面を掘りながら杭を打設していく工法です。
中空になっている杭の中にアースオーガーなどを入れ、杭先端から出ているアースオーガーによって地盤を掘削していくことで、掘り進めながら杭の打設ができます。
主に径500mm以上の杭を使用する場合に多く採用される杭工法で、騒音や振動が少ないことから公害防止にも役立つ工法とされています。
また、掘削安定液を使用しないことから経済性にも優れています。掘削した土砂は杭頭部から排出することができますが、装置が複雑になるというデメリットもあります。
プレボーリング以外の杭工法2:打ち込み杭工法
打ち込み杭工法とは、地面を掘削せずに打撃などによって杭を地盤に打ち込んでいく工法です。
プレボーリング杭工法や埋め込み杭工法などと違い、地面を掘削せずに重機などを使って杭を地面に打ち込んでいくことから、非常に騒音や振動が大きい工法になります。
そのため、近年ではあまり採用されていない工法ですが、埋め込み杭工法よりも支持力が高く、地面を掘削しないことから排土もなく環境に優しいといったメリットもあります。
プレボーリング以外の杭工法3:埋め込み杭工法
埋め込み杭工法とは、掘削装置を使用して所定の深さまで地面を掘削し、できた穴に杭を建て込む工法です。
杭工法は大きく分けると打ち込み杭工法、埋め込み杭工法などに分けることができます。埋め込み杭工法は、現在の既製杭を使用した施工方法として主流とされている工法です。
本記事でもご紹介しているプレボーリング杭工法や前述の中堀り杭工法も、先に地面を掘削しているため埋め込み杭工法に分類されます。
プレボーリング杭工法の特徴と手順を理解しよう
プレボーリング杭工法は埋め込み杭工法の1種で、既製杭の施工方法としては現在もっとも一般的に用いられている工法です。
建設現場で現場監督などとして働く場合、プレボーリング杭工法の施工に携わることもあるでしょう。
ぜひこの記事でご紹介したプレボーリング杭工法の特徴やプレボーリング杭工法の手順、プレボーリング以外の杭工法などを参考に、建設現場で用いられている杭工法について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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