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コンクリート舗装とは?主な種類12選|メリット・デメリットを紹介

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公開日時 2023.02.09 最終更新日時 2023.02.09

コンクリート舗装とは


「コンクリート舗装」は、道路の舗装法の一種で、セメントに砂や砂利を混ぜ合わせたコンクリートを主原料として用いる方法です。

一般的なコンクリートが圧縮強度によって管理されているのと違い、コンクリート舗装では曲げ強度を基準にして管理されています。

コンクリート舗装は1912年に日本ではじめて導入され、1923年の関東大震災以降、道路に使われるようになりました。

アスファルト舗装とは

アスファルトは、温度が下がればすぐに使用できるという特徴を持っています。

また、アスファルトは排水性がよく、雨が降ってもくぼみがなければ水たまりができにくいという性質もあります。しかし、素材自体が柔らかいため、耐久性が低くひび割れなどができやすいという難点もあります。

費用の面でも、アスファルト舗装はコンクリートに比べて手間が少ないため、安く抑えられるという利点もあります。

コンクリート舗装とアスファルト舗装の違い

コンクリートはセメント、砂、砂利、水を使って凝固させたもので、アスファルトは燃料を作る際の残留物と骨材を混ぜたものです。

コンクリートは非常に固く、衝撃にも耐えられる強度を持っており、夏場でも比較的高温になりにくい素材です。

一方、アスファルトは施工中も高温の状態で敷き詰められ、温度が50度を下回れば車が通れるようになります。しかし夏場は熱を持ちやすく、ガソリンが付着すると劣化します。

舗装の役割と必要性


舗装には人々が道路を快適に利用するための役割があり、豊かな生活や経済のために必要なものです。

路面を整備することで、砂塵や雨天時のぬかるみを防止します。また、平坦性や適度なすべり抵抗性により、車両が安全で快適に通行することができます。

道路は経済や産業の基盤となるインフラの1つです。道路の舗装は、物流や旅客の発展を支え、大きな経済効果をもたらしてきました。今や生活や社会に不可欠な存在といえるでしょう。

コンクリート舗装の主な種類12選


近年、コンクリートは多くの建築物に使用されており、道路舗装にも多用されています。コンクリート舗装にはさまざまな種類があります。

施工条件や現場の交通量・気候といった要因を考慮し、最適な種類を選ぶことが可能です。

ここでは、主なコンクリート舗装を12種類について紹介していきます。一見するとどれも同じに見えるコンクリートですが、種類によってその違いはさまざまです。各コンクリートの特徴を知りましょう。

1:普通コンクリート舗装

普通コンクリート舗装は、コンクリート舗装の中で一般的に用いられているものです。

普通コンクリート舗装は、JIS A 5308で規定されているコンクリート舗装を使って施工されます。一般的には、型枠内に人の手で敷きならし、振動機などで仕上げるセットフォーム工法が用いられることが多いです。

コンクリートの厚さは15cmから30cmほどで、ひび割れ防止のための横目地が設けられます。

2:転圧コンクリート舗装

転圧コンクリート舗装はアスファルト舗装と同じ施工機械を使用するコンクリート舗装です。

コンクリートを高締固め、アスファルトフィニッシャを使って敷きならし、タイヤローラーなどを使って締め固めて施工します。

アスファルトと同様の施工機械を使用することから施工性が高く、施工初期の段階で耐荷性の高いコンクリートになるため、比較的短期間での交通解放が可能です。

3:連続鉄筋コンクリート舗装

連続鉄筋コンクリート舗装は、連結した鉄筋を縦方向に配筋するコンクリート舗装です。

鉄筋によってひび割れを分散することで、ひび割れ幅を小さくしており、普通コンクリート舗装と違って横目地がありません。

そのため、走行中の騒音や振動などが軽減され、乗り心地が良いという特徴があります。また、ひび割れを抑えることで内部の鉄筋の腐食なども防止しています。

4:早期交通開放型コンクリート舗装

早期交通開放型コンクリート舗装は、コンクリート打設後1日で交通解放可能なコンクリート舗装です。

JIS A 5308などの一般的なコンクリートを使用していますが、流動性の高いコンクリートを用いることで打設後の養生期間を1日に抑えています。

1日で交通解放できるため、交差点の打ち替え工事など、長期の交通規制が難しい場所に適用されるケースが多く見られます。

5:ポーラスコンクリート舗装

ポーラスコンクリート舗装とは、コンクリートの内部に空隙があるコンクリート舗装のことです。

コンクリートを多孔質化することにより、コンクリートに排水機能や保水機能、さらに騒音低減機能などを付与した舗装になります。

保水機能を持つことから、他のコンクリート舗装よりも路面温度が低くなるという特徴があります。

6:生コン舗装

生コン舗装は、「生コンクリート舗装」全般を意味するコンクリート舗装です。

生コンクリートとは、施工現場に配達されるフレッシュコンクリートのことで、コンクリート舗装で使用されるコンクリートとは、ほとんどが生コンクリートのことです。

そのため、コンクリート舗装は全て生コン舗装だと言えるでしょう。なお、生コン舗装は道路だけでなく、生活道などの舗装にも使用されています。

7:コンポジット舗装

「コンポジット舗装」は、コンクリートとアスファルトのメリットを組み合わせたコンクリート舗装です。

下層にはコンクリート舗装を施工し、表層にはアスファルト舗装を施工する舗装です。コンクリート舗装の優れた耐久性とアスファルト舗装の高い走行性、さらに維持補修のしやすさを兼ね備えています。

また、一般的なアスファルト舗装よりも長い期間利用することも可能です。

8:ホワイトトッピング舗装

ホワイトトッピング舗装は既設のアスファルト舗装の補修のためのコンクリート舗装です。

コンクリート舗装ではなく、ひび割れやわだち掘れなどの不具合が発生したアスファルト舗装を修繕するための工法です。

ホワイトトッピング舗装ではアスファルトの表層を切削し、5cmから10cm程度の薄さのコンクリートの層を重ねることで補修します。

9:繊維補強コンクリート舗装

繊維補強コンクリート舗装は、繊維質補強材を混ぜた舗装です。

補強により、引っ張りや曲げに対する抵抗性やねばりなどが改善されています。靱性が向上し、ひび割れを抑制する効果があるため、薄層コンクリートの舗装に有効です。

繊維補強材には主に鋼材が使われますが、それ以外にもスチールファイバーや、ポリプロピレンファイバーなども使用されています。ポリプロピレンファイバーの場合、錆びないという大きな特徴が挙げられます。

10:プレストレストコンクリート舗装

プレストレストコンクリート舗装は、コンクリートに圧縮応力(プレストレス)を持たせた舗装であり、「PC舗装」とも呼ばれます。

あらかじめプレストレスを加えておくことで、引張力が作用した際にひび割れを防ぎます。版厚を増やさずに強化する、目地を少なくできるといった利点があります。

自動車や航空機の荷重に対応でき、空港の舗装にも使われています。

プレストレスコンクリート舗装の工法には2種類あり、場所打ち工法とプレキャスト工法が挙げられます。特にプレキャスト工法の場合、大幅に工期を短縮できる、というメリットもあります。

11:コンクリートブロック舗装

コンクリートブロック舗装はコンクリートブロックを使用した舗装であり、車道や歩道、公園・広場などの施設に使われています。

主なものとしてインターロッキングブロックがあり、かみ合わせ効果により荷重を分散することができます。豊富なデザインがあり自由に組み合わせ可能なため、汎用性や景観性に優れています。

植生用や遮熱性を持つコンクリートブロックもあり、ヒートアイランド現象の対策に有効です。

12:プレキャストコンクリート舗装

プレキャストコンクリート舗装とは、工場で製作したプレキャストコンクリート版を路盤に敷設する工法です。

あらかじめ用意したものを使うことで現場での養生が不要となり、工期を短縮できます。早期の交通開放が可能なため、空港のエプロンや滑走路、トンネルや交通量の多い道路の舗装に適しています。

また作業帯も狭くて済むため、車両の通行幅が確保しやすい、というメリットもあります。

コンクリート舗装のメリット5つ

コンクリート舗装のメリット5つ


ここまで見て来たように、コンクリート舗装はセメントや砂利を混ぜたものでできているため、非常に頑丈にできています。

また、耐久性が高く、アスファルトに比べて路面の温度を低くできるという性質も持っています。

ここからは、上記も含めたコンクリート舗装のメリット5つを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1:耐久性が高い

まず、コンクリート舗装には、耐久性に優れているというメリットがあります。

コンクリートは非常に頑丈な素材となっており、アスファルト舗装にはない耐流動性、耐摩耗性、耐油性、耐熱性を持ち、さらに耐荷力も備えています。

そのため、ある程度の衝撃には耐えられるようになっており、交通量が多く舗装に多くの負荷を与えるような道路でも、コンクリート舗装であれば、欠けやひび割れも発生しにくいでしょう。

2:維持補修費が安い

コンクリート舗装には、維持補修費があまりかからないというメリットがあります。

前述のとおり、コンクリートは耐久性が高いことから傷がつきにくく、メンテナンスで維持補修を行う回数は少なく済みます。

また、コンクリート舗装は頻繁に補修をしなくても長期供用が可能なので、維持補修のしにくい大型車両の交通量が多い道路やトンネル、急勾配の坂道、さらに空港やコンテナヤードなどにも採用されています。

3:暑さに強く表面温度の上昇が抑えられる

コンクリート舗装には、夏でも表面温度が高温になりにくいというメリットがあります。

路面温度は太陽光によって温められ、温度が上昇します。しかし、対象の色によって温度の上がり方は変わります。

白やグレーのコンクリートは、黒いアスファルトに比べて表面に熱を持ちにくく、表面温度が熱くなりにくいという特徴があります。

夏場であれば、コンクリート舗装の路面温度はアスファルトよりも10℃近く低いとも言われています。

4:走行抵抗が低く燃費が向上する

コンクリート舗装は走行抵抗が低いため、特に大型車の燃費が向上するというメリットがあります。

燃費性能には路面の転がり抵抗や平坦性が関係しており、転がり抵抗が僅少で、平坦性が保たれているほど燃費性能は向上すると言われています。

コンクリート舗装の道は剛性に優れていることから、転がり抵抗が小さいです。また、変形劣化なども少ないため、平坦性が保持されています。

5:照明費用が抑えられる

コンクリート舗装には、照明費用が低く済むというメリットがあります。

道路の照明は暗い道ほど必要になりますが、アスファルト舗装の場合は路面が黒色系なので、照明効率は良くありません。

一方、コンクリート舗装の場合は路面が白やグレーになるため、照明効率が良く、費用を抑えられると考えられます。

コンクリート舗装のデメリット5つ


コンクリート舗装のメリットについて触れましたが、コンクリート舗装にはデメリットもあります。

ここでは、コンクリート舗装のデメリットを5つ紹介します。デメリットの内容は、費用の問題や、施工性の悪さなどが挙げられます。また施工側のデメリットのみならず、走行時の不快感など、車を運転する側にとってのデメリットも挙げられます。

メリットだけではなく、これらのデメリットを把握することで、コンクリート舗装の理解をより深めていきましょう。

1:初期費用が高い場合がある

コンクリート舗装は、初期費用が高くつきやすいというデメリットがあります。

コンクリートには、初期の工事にかかる費用が高いという特徴があります。ただし、維持補修費が少なく済むことや長期間使用できるため、長い目で見ればそこまで高い金額というわけではありません。

また、近年ではアスファルトの価格が高騰していることから、アスファルトとの価格差自体は縮まってきています。

2:施工性が悪い

コンクリート舗装は施工性が良くないというデメリットがあります。

アスファルト舗装の場合は、温度が50度以下になれば車が通れるようになるのに比べて、コンクリート舗装はコンクリートを乾かさなければならず、車が通れるような硬さになるまでに数日を要します。

また、コンクリートは規模の大きな施工箇所が多いため、小規模工事に使用する汎用的な施工機械も少ないです。

3:走行時の不快感や走行音が大きい

コンクリート舗装は走行音が大きく、乗り心地がよくないというデメリットがあります。

コンクリートはひび割れしないように短い間隔で横目地が設置されているため、乗り心地にも影響しています。

短期的に見ればコンクリート舗装の道路はアスファルトに比べて走行音が大きく、乗り心地もあまり良くないと言えます。

4:補修性が悪く専門的知識が必要

コンクリートはデリケートな素材のため補修性が悪く、扱いには専門的知識が必要な面があります。

コンクリートの施工には、温湿度や積雪などの気候、交通量といった現場の環境が大きく影響します。補修工法には多くの種類があるため、破損の状態や現場の状況から最適な方法で補修しなければなりません。

軽度の破損であっても重大な欠陥に繋がる恐れもあるため、コンクリート舗装を正しく理解して対応する必要があります。

5:工事期間が長い

コンクリートの強度発現には時間がかかるため、工期が長くなります。

温湿度やコンクリートの種類によっても異なりますが、一般的なコンクリートの場合は28日目に完全に固まるとされています。普通乗用車の立ち入りには1週間前後、十分な強度を持たせる場合には数週間を要します。

近年では、早期交通開放型コンクリート舗装や転圧コンクリート舗装などの工法を導入することで工期の短縮が可能になりました。

コンクリート舗装の特徴を理解し知識を深めよう!


この記事では、コンクリート舗装の特徴やアスファルト舗装との違い、コンクリート舗装のメリットやデメリット、コンクリート舗装の主な種類などを紹介してきました。

コンクリート舗装には、非常に頑丈な道路に仕上げることができるといったメリットがありますが、一方で乗り心地が良くないといったデメリットもあります。

この機会に、ぜひコンクリート舗装についての理解を深めてみましょう。


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