ポットホールとは?ポットホールが発生する4つの要因や応急補修方法を解説
目次
ポットホールとは
ポットホールとは、アスファルト舗装の道路のくぼみやへこみ、穴です。ポットホールは世界中で発生し、事故の発生や道路の補修費用など各地で深刻な影響をもたらしています。
ポットホールの大きさは「直径0.1~1m」程度あります。
道路のポットホールと自然のポットホールの違い
道路のポットホールと自然のポットホールの違いは、できるまでの年月です。
道路のポットホールは、数か月程度でできます。自然のポットホールは長い年月をかけて、水の流れや打ち寄せる波の力で岩などに穴を作ります。水の直接の力と、水によって転がされた小石なども穴を大きくする要因です。
自然のポットホールは甌穴(おうけつ)と呼ばれ、天然記念物の指定を受けているものもあります。
ポットホールが発生する4つの要因
ポットホールが発生する要因は、大型車両などによる負荷や排水不良などです。
アスファルト舗装の劣化は、交通量の他、大型車両の比重が多いと早まり、排水不良も原因となります。カーブや道路の勾配など道路の形状による影響や、表面のひび割れや剥離からポットホールとなる場合もあります。
この他、アスファルト舗装の品質不良や工事施工中の締固め不足、路盤の支持力不足及び低下も原因となります。
ポットホールの発生要因1:大型車両などによる劣化
大型車両の重量と振動の繰り返しによる負荷はアスファルト舗装の劣化を早め、ポットホール発生の原因となります。
アスファルト舗装は路床と路盤、アスファルト混合物層で形成されます。ポットホールは表面の混合物層の損傷によるものです。路面の損傷にタイヤの衝撃や振動が繰り返し与えられて、ポットホールに成長します。
小型車両より大型車両のほうが重量も振動も大きく、タイヤ数が多いことも要因となります。
ポットホールの発生要因2:排水不良
道路の排水不良には、2つの要因があります。
まず排水不良によって、路面のひび割れや剥離など小さな損傷から雨水が侵入し、混合物層の結合を弱め、剥離を促進します。
もうひとつは、排水不良によってたまった水が、路盤や路床の不等沈下を誘引することです。部分的な段差が、車両の通行に伴う荷重の増幅や振動を大きくします。この場合、雨水の他、地下水や湧水、路床や路盤の凍結も関与します。
ポットホールの発生要因3:道路の形状
カーブなど道路の形状によって、ポットホールが多くできる場合もあります。
道路を通行する車両はわずかに異なる場所を通りますが、カーブでは同じ轍(わだち)上を通ります。荷重の増加によって路盤や路床の圧縮や変形が促進され、路面の損傷や劣化も早まります。
カーブの他、信号や交差点の近く、交通渋滞が頻発する地域など発進や停止が多い場所もポットホールが多発する場所となります。
ポットホールの発生要因4:ひび割れ
ポットホールの発生要因に、ひび割れも関係します。
路面のひび割れは、経年劣化と車両の通行による負荷が主な原因です。この他、路盤と路床、アスファルト混合物層それぞれの温度変化による伸縮も影響します。別々の動きによって、変形の影響が増大し路面のひび割れを作ります。
この他にひび割れの原因は、路面の施工の継ぎ目や補修のデコボコもあります。ひび割れは路床や路盤への雨水浸透のきっかけになります。
ポットホールによって起こる問題点
ポットホールには、車両などの損傷やバイクや自転車の転倒など事故を引き起こすという問題があります。
路面の穴は車両に振動を与えると同時に、剥離したアスファルト混合物が飛び跳ねて車両に損傷を与えます。バイクや自転車なども同様の損傷を受けます。また、ポットホールによって転倒リスクも高まります。
ポットホールの放置は損傷部分の巨大化や路面陥没など、道路の損傷を大きくします。
車両などの損傷
車両などの損傷は、アスファルト混合物の飛散と穴によってハンドル制御ができなくなる点が原因です。
ポットホール部分のアスファルト混合物の飛散は、その上を走行した車両や対向車、後続車両にも影響します。並走するバイクや自転車、歩道の歩行者、沿線の住宅も被害を受けます。
ハンドル制御の喪失は、追突や車線のはみ出し、路肩への急接近などの事故を引き起こします。
転倒リスク
ポットホールは自転車やバイク、歩行者の転倒リスクを高めます。
路面の穴でバランスを崩した2輪車両の転倒は、大事故につながります。自損事故の他、車道での転倒は後続車両との接触事故の危険性もあります。
歩行者もポットホールによって、バランスを崩して足の怪我や転倒のリスクがあります。転倒は頭部損傷の可能性や、高齢者の場合は身体能力低下を早める原因にもなります。
事故につながる可能性
ポットホールは世界各地で、深刻な事故の原因となっています。
バランスを崩した歩行者や2輪車両の転倒は、大きな怪我を伴います。車両からの石はねによって、対向車や2輪車、歩行者にダメージを与えることも多々あります。
インドでは、毎年生命にかかわる事故が複数発生しています。小さなポットホールでも大きな事故を引き起こす可能性があります。
ポットホールの応急補修方法とは?
ポットホールの応急補修は、アスファルト混合物層の加熱と穴を埋める作業です。
深刻な事故の原因になるポットホールは応急補修で対応します。本格的なオーバーレイ工法などを行わず、発見と同時に補修して被害の拡大を防止します。道路の維持管理者は、ポットホールのほうがひび割れより緊急性が高いと考えているからです。
補修材の進化により、応急補修もスピードアップしています。
加熱する
ポットホールの加熱は、応急補修でも大掛かりな工事です。
路面を加熱してから、既存の舗装をかき起こします。追加のアスファルト混合物を加えて均し、転圧します。路面ヒーター車を利用するので、交通規制が必要になりますが、ひび割れや轍補修もでき、広い範囲に適した工法です。
穴に加熱した混合物を流し込んで転圧するパッチング工法で補修する場合もあります。
穴を埋める
ポットホール応急補修材を利用すると、穴を埋めるだけで補修が完了します。
応急補修材は常温で袋詰めされ、締固めの必要がありません。接着剤も添加されており、散水と足で踏み固める程度で十分固まります。雨天時は散水も不要です。
道路管理の巡回中、発見と同時に短時間で補修が完了し、ポットホールが原因の事故防止に効果を発揮します。工事に伴う交通規制も不要で、補修費用も削減可能です。
寒冷地ではポットホールが発生しやすい?
寒冷地ではポットホールが発生しやすい条件が揃っています。
日本の広い地域では、梅雨などで降雨量が多いとポットホールができやすくなります。また寒冷地では、冬の雪による降水量の増加と融雪装置による継続的な散水で路面の水分が増えます。応急補修を行っても水分が多く数日で剥離する場合もあります。
寒冷地の気温差による路面の変形や、路盤や路床の凍結、除雪やタイヤチェーンによる路面の損傷もポットホールを誘発する原因となります。
ポットホールについて理解しよう
ポットホールは、アスファルトの表面がはがれてできる穴で、事故などの原因になります。
ポットホールは路面の劣化と排水不良が主な原因です。小さな穴でも大きな事故を引き起こすので、早期発見と応急補修が重要です。補修はパッチング工法と常温の応急補修材を活用します。
ポットホールに理解を深めましょう。
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