亜鉛メッキ鋼板の種類は?4つのメリットや使用用途を詳しく紹介!
こちらの記事では、亜鉛メッキ鋼板についてご紹介いたします。
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亜鉛メッキ鋼板とは何か?
亜鉛メッキ鋼板は鋼板に亜鉛メッキ加工を施した板のことを指します。
ただの鋼板と比べて防錆性と耐食性に優れているとされています。
そのため屋内だけでなく屋外にも多く使用されています。
建築資材としてはもちろん、自動車や輸送機器、電気機器などにも使用されている資材です。
亜鉛メッキ鋼板の定尺
世の中に流通している亜鉛メッキ鋼板は、基本的に定尺(決まったサイズの材料)です。
定尺にはいくつかの種類があり、それぞれ既定のサイズに板が加工されています。
ごく一般的な定尺は、3×6と4×8です。
これらの定尺は流通量が多いため、取り扱うメーカーは数多くあります。
しかし、その他の定尺はメーカーによって取り扱いがない場合もありますので注意が必要です。
また、縦〇センチで横〇センチの板などと説明するのは手間なので、サイズごとに通称があります。
定尺のサイズにない特定の大きさで亜鉛メッキ鋼板を用意したい時は、欲しいサイズより大きい定尺の中から最も近い大きさのものを選びます。
その定尺材をカットして、欲しいサイズに仕上げます。
定尺材から欲しいサイズにカットするにあたり、廃棄量が最も少なくなる定尺を選びましょう。
定尺の種類
・3×6(サブロク)914mm×1829mm
・3×8(サンパチ)914mm×2438mm
・4×8(シハチ)1219mm×2438mm
・5×8(ゴハチ)1524mm×2438mm
・5×10(ゴトウ)1524mm×3048mm
・5×20(ゴニジュウ)1524mm×6096mm
・1×2(メーターバン)1000mm×2000mm
亜鉛メッキ鋼板の4つの種類
亜鉛メッキ鋼板には、溶融亜鉛メッキ鋼板と電気亜鉛メッキ鋼板があります。
そして、これらを合金化した種類も存在します。
以下、各種類の特徴などをご紹介していきます。
亜鉛メッキ鋼板の種類1:溶融亜鉛メッキ鋼板
亜鉛メッキ鋼板の種類1つ目は、溶融亜鉛メッキ鋼板です。
鉄素地(鋼板)を亜鉛メッキ槽(高温溶解したメッキ液が入った槽)に浸して、亜鉛を鉄素地の表面に付着(コーティング)させた後に冷却する工程で製造されます。
製造の様子から、ドブづけメッキ・てんぷらメッキとも呼ばれています。
この手法は、1742年にフランスの科学者が発明しました。
鉄を錆びない腐食しない素材に変化させるため、地球資源を守るエコな技術と評価されています。
コーティングによって作られる皮膜は膜厚28~100μmほどで、比較的に厚みがあります。
メッキの厚みは防錆・防食の効果に結び付くため、溶融亜鉛メッキ鋼板は耐腐食性が高い種類として知られています。
最も代表的な用途は送電用鉄塔で、負傷防止の目的で採用されています。
亜鉛メッキ鋼板の種類2: 電気亜鉛メッキ鋼板
亜鉛メッキ鋼板の種類2つ目は、電気亜鉛メッキ鋼板です。
鋼板を亜鉛を含む溶液に浸してから電気を通し、亜鉛の被膜を形成する方法で製造されます。
亜鉛メッキ液は電気が通ると電気分解されるため、鋼板の表面に亜鉛が原子レベルで蓄積されます。
蓄積された亜鉛が皮膜を生成し、板を守るための効果を生みます。
具体的には、鋼板をメッキ層で赤錆から守ります。
しかし、そのままでは防錆性が不足しているため、メッキ後にはクロムを使用したクロメート処理を施します。
この処理によって、鋼板の赤錆防止だけでなくメッキ皮膜の白錆防止も可能となります。
防錆性や外観の他、メッキの均一性や寸法の精度にも優れています。
膜厚は2~25μmと薄いため、自動車部品やコンピュータ等精密機器の部品に用いられることが多いです。
ただし、常温での防錆に優れるため薄いこともあり、屋外用途には不向きとされます。
屋内利用時の寿命は屋外利用時と比較して5倍以上にもなるため、亜鉛メッキ鋼板は用途環境に応じて使い分ける必要があると言えます。
亜鉛メッキ鋼板の種類3: 電気合金亜鉛メッキ鋼板
亜鉛メッキ鋼板の種類3つ目は、電気合金亜鉛メッキ鋼板です。
メッキを施す際に、Fe2+イオンとZn2+イオンを含んだ酸性メッキ槽を使うことが特徴として挙げられます。
電気合金亜鉛メッキ鋼板に使う鋼板はJIS企画にあるものを使うため、メッキ部以外の成分は鋼板の規格によります。
製造の中で合金化を行う種類ですが、この合金化によって加工性・溶接性・塗装性が向上しています。
溶接性に関しては、特にパウダリング(皮膜の剥離)を起こす可能性を抑えることができます。
熱処理を要さない製法のため、板材そのものが有する機械的性質に変化が出ないことも利点です。
電気合金亜鉛メッキ鋼板ではメッキ槽を薄く均一にすることが可能ですが、厚みのあるメッキ層を作ろうとする場合にはその分だけ時間と費用がかかります。
厚みのあるメッキ層を必要とする場合には、溶融亜鉛メッキ鋼板など別の種類を検討した方が良いでしょう。
条件が揃う環境であれば大量生産できるため、産業や工業で用いられることが多いです。
また、錆や腐食に対する強度に加え、メーカーごとに多様な付加価値を加えているメーカーも多くあります。
亜鉛メッキ鋼板の種類4: 合金化溶融亜鉛メッキ鋼板
亜鉛メッキ鋼板の種類4つ目は、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板です。
溶融亜鉛メッキ鋼板では、プレス加工などによって亜鉛メッキが金型にくっつくという問題点がありました。
金型に亜鉛が付くと摩擦抵抗が増加するため、加工に支障が出てしまうのです。
この問題を解決する目的で合金化の手法を取り入れたのが、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板です。
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する時には、鉄と亜鉛を合金化させる工程を踏まえます。
合金化は、冷間圧延鋼板を溶融した亜鉛でメッキ処理を施し、その後に熱処理を方法で行なわれます。
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板は比較的、加工性・溶接性・塗装性に優れています。
もともと一般的な溶融亜鉛メッキ鋼板に工夫をこらして誕生した種類なので、使用するにあたってのメリットは豊富です。
しかし、製造するためには専門のノウハウが必要で、特に熱を加える際の調整作業が難しいと言われています。
そのように簡単に製造できるわけではないといった生産性の難点はありますが、実際に使用する上では優れた点の多い種類です。
亜鉛メッキ鋼板の4つのメリット
亜鉛メッキ鋼板のメリットは、優れた防錆性・耐食性・密着性です。
そして、それらが長期的に維持されることもメリットとして挙げられます。
以下に各メリットについてご紹介しますので、確認しておきましょう。
亜鉛メッキ鋼板のメリット1:防錆性が優れている
亜鉛の不動態皮膜によって、特殊な環境以外では通常の鋼板や塗装品より優れた防錆性を長期的に発揮します。
不動態皮膜とは、メッキの亜鉛が空気中の水分や酸素と反応することで酸化亜鉛になり、それがメッキ表面全体に安定状態で形成されることを言います。
酸化亜鉛は水や空気を通しにくい性質を持ち、亜鉛の状態で存在する時よりも劣化への耐性が強化されます。
そのように亜鉛の皮膜(メッキ部分)が空気に触れて酸化亜鉛の皮膜になることで、鉄素地を錆や腐食から守っています。
亜鉛メッキ鋼板のメリット2:耐食性が優れている
防錆性と同様に亜鉛の不動態皮膜も関係しますが、耐食性には犠牲防食と呼ばれる保護効果も影響しています。
犠牲防食とは、メッキに傷ができた時に素地の鉄よりも先に亜鉛が溶けだして、鉄が空気に触れることを防ぐ作用です。
亜鉛は鉄よりもイオン化しやすいため、比較的に早く溶解されます。
徐々に溶解された亜鉛は傷部分に溶け出て、鉄が空気に触れることで起きる錆や腐食を防ぎます。
犠牲防食の効果時間は、鉄素地に付着した亜鉛の量(コーティング量)によります。
付着した量が多いほど亜鉛のメッキ層が消えるまでの時間が長くなるため、それと比例して耐食性も向上します。
そのため、メッキ層の厚みが比較的厚い溶融亜鉛メッキ鋼板はより防錆性に優れ、腐食も起きにくいと言われています。
亜鉛メッキ鋼板のメリット3:密着性が優れている
鉄素地と亜鉛メッキの間で合金反応が起き、鉄と亜鉛は強く密着しています。
その影響で衝撃や摩擦に強く、外部刺激によって剝がれにくい傾向がみられます。
メッキは素地を保護する存在なので、剥がれない期間は防錆・防食の効果の持続時間に直結します。
経年で剥がれる可能性も比較的少ないため、長期的に状態を保持することが可能です。
亜鉛メッキ鋼板のメリット4:長時間の耐食性と防錆力が保つ
密着性の高さから、耐食性や防錆力など素地を保護する効果は長期的に維持されます。
衝撃や摩擦で剥がれにくい上に、もし傷が出来てしまっても亜鉛の不動態皮膜や犠牲防食の作用によって素地は守られます。
鋼板を使う上で重要になるのは、板の本体(鉄素地)です。
そこが錆や腐食などによって劣化すると、板そのものが使えない状態になってしまいます。
現時点で取り付けているものであれば、危険を防ぐために交換・破棄しなければなりません。
この交換や破棄には費用・労働・手間といったコストがかかるため、できるだけ劣化しない期間が続く方が経済的にもメリットがあります。
つまり、長期にわたり鉄素地を保護する効果が続く亜鉛メッキ鋼板は、性能・機能的にも経済的にも幅広いメリットがある優れた鋼板なのです。
亜鉛メッキ鋼板の用途8選
亜鉛メッキ鋼板は、生活に関するさまざまな場所で使用されています。
亜鉛メッキ鋼板の用途1:屋根
戸建て住宅や大型建築の屋根などに使用されています。
カラー銅板は高気密・高断熱住宅に対応しており、軽量なのが特徴です。
亜鉛メッキ鋼板の用途2:外壁
戸建て住宅やビルなどの外壁に使用されています。
一般住宅は金属サイディング、ビルにはウォールパネルなどが用いられることが多いです。
亜鉛メッキ鋼板の用途3:内装
内装材や間仕切りなどに使用されています。
亜鉛メッキ鋼板の用途4:物置
物置や車庫などにも使用されています。
デザインや機能性に優れており、組み立てが簡単なため屋外収納用として多く用いられています。
亜鉛メッキ鋼板の用途5:土木
ガードレール、標識、防音壁などに使用されています。
風雪や荷重に耐える強度を要求され、それに適した亜鉛メッキ鋼板が選ばれています。
亜鉛メッキ鋼板の用途6:シャッター
店舗、車庫、倉庫、工場などのシャッターに使用されています。
亜鉛メッキ鋼板の用途7:構造材
軽天・床下地、デッキプレート、骨材などに使用されています。
軽量で耐震性のある素材として注目されています。
亜鉛メッキ鋼板の用途8:自動車
車体の外板・内装・足回り・マフラー・タンクなどに使用されています。
また、SPFC(自動車用冷間圧延高張力鋼板)の原板には、電気亜鉛メッキ鋼板を用いることが多いです。
亜鉛メッキ鋼板は生活に欠かせない!
亜鉛メッキ鋼板には4つの種類があり、それぞれに特徴があります。
各特徴は人間の生活に関わるものに有用として、さまざまな用途・場所に用いられています。
亜鉛メッキは鋼板の良し悪しを知り、用途に応じて使い分けましょう。
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