【施工管理技士が覚えておきたい解体工事の工法】転倒工法の概要とメリット

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解体工事ではいかに周辺への粉塵飛散を少なくするかということが、重要な課題のひとつとしてあります。
今回説明する「転倒工法」は、解体時に出る粉塵飛散防止にも有効な工法ですが、作業には高度な技術が求められます。
施工管理技士として、工事に着手する前にきちんと工法の概要について学んでおきましょう。
転倒工法とは
「転倒工法」とは、建物の柱や外壁を内側の敷地に倒して解体する工法です。
解体案件のなかには、高い外壁や柱、煙突などがついているものもあります。
転倒工法では、そういった部分を初めに地面に引き倒し、倒したコンクリートを運搬しやすいサイズに解体してから運び出します。
作業内容は、解体案件や機械などの諸条件によって変わっていきますが、今回は2つの方法について説明します。
1つ目は、ワイヤーを使った方法のフローを説明していきます。
- 独立させた壁や柱などの上部に2本以上のワイヤーを取り付けます
- 下部のコンクリート部分を崩して鉄筋を切断後、ワイヤーを引っ張って倒します
2つ目は、重機とガス溶断によって鉄骨を切断し、外壁を引き倒す方法です。
- 重機で鉄骨の梁を鉄骨カッターで切断します
- 屋根を落として外壁だけが独立して立っている状態にします
- 外壁柱の根元にガス溶断で倒す側に鋭角に切り込みを入れます
- 重機でゆっくりと倒していきます
解体案件の状況に応じて、適切な作業方法を選べるようにしましょう。

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転倒工法のメリットと活用シーン
続いて、「転倒工法」のメリットを挙げていきます。
- 粉塵の飛散量が少ない
- 作業する敷地を最小限にできる
- 高所作業など危険な作業が減らせる
このように、転倒工法は作業員や周辺への危険を最小限に抑えることが可能です。
そういったメリットから転倒工法は、高い外壁や煙突のついた建物の解体時に活用されます。
通常、そういった建物の解体は高所での危険な作業が必要になってきます。
また、高い外壁や煙突のついた建物の解体は、周囲に被害を与える危険性も高まります。
そこで転倒工法を用いれば、高所作業をせずに解体を進めることが可能です。
ですが、転倒工法の作業には熟練した高度な技術や経験が要求されることも確かです。
安全な工事のために
施工管理技士として、建物の解体工事にかかわるとき、気をつけなくてはいけないことはいくつもあります。
作業員の安全面もさることながら、周囲への影響にも気を配り、工事を進行させなくてはなりません。
そのためにも、常日頃技術の向上を怠らず、解体工法についての知識と経験を増やしていきましょう。
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