現場代理人の責任とは?万が一事故が起こった場合どうなるの
どれだけ安全第一で仕事をしていても、建設工事現場ではどうしても労働災害事故が発生してしまいます。ケガをしたり病気を発症したりするだけでなく、最悪、死亡してしまうこともあります。
労災事故が発生すると、たとえ原因に関与していなくても「建設現場の最高責任者」である現場代理人は責任の一端または全部を担うことになります。事故が発生したとき、現場代理人は何をしなければならないのでしょうか。
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誰が現場の安全の責任者なのか
建設工事現場の安全や労災事故の第一義的な責任者は、統括安全衛生責任者です。そのほか元方安全衛生管理者や安全衛生責任者といった役職の人も安全や事故の責任者です。
そして国土交通省は、監理技術者が統括安全衛生責任者を兼務することができるとしています。つまり、現場監督である監理技術者も、安全や労災事故の第一義的な責任者になるということです。
ただ、そもそも現場監督は工事を安全に遂行する責務があるので、統括安全衛生責任者を兼ねていなくても労災事故が発生したときに指導的な役割を果たさなければなりません。
そして、現場管理人と監理技術者は兼務することができます。したがって現場管理人も労災事故が発生したときの責任者のひとりになります。
労災事故が起きたらどうするのか
建設現場で労災事故が発生したら、現場管理人たち責任者は次の手順で対応していくことになります。
・労災発生
↓
被災者の救護、病院搬送、家族への連絡
↓
2次災害への予防
↓
(★死亡事故など重大な労災の場合は警察と労働基準監督署に通報)
↓
事故状況の調査と原因の究明
(★警察や労働基準監督者の現場検証や事情聴取への対応)
↓
労働基準監督署への届出(★で労働基準監督署に通報などしていない場合)
・被災者の休業日数が1~3日:3カ月に一度の定期的な労働基準監督署への報告でよい
・被災者の休業日数が4日以上:すみやかに労働基準監督署に報告
↓
再発防止策の検討と実施
(現場ミーティングの開催、設備や装備などの変更、作業手順の見直し、安全衛生教育の徹底)
労働安全衛生法で義務化されている労災防止対策
労働安全衛生法は、現場代理人たち工事現場の監督者に次のような労災防止対策を義務付けています。
- 機械等、爆発物等、エネルギーによる危険防止措置(第20条)
- 作業方法、場所から生じる危険防止措置(第21条)
- 健康障害防止措置(第22条)
- 作業場の衛生環境整備(第23条)
- 作業行動から生じる危険防止措置(第24条)
- 危険時退避措置(第25条)
- 救護措置(第25条の2)
- 雇入れ時教育(第59条第1項)
- 特別教育(第59条第3項)
- 職長等教育(第60条)
- 定期自主検査(第45条)
- 就業制限(第61条)
- 作業環境測定(第65条)
- 一般健康診断(第66条第1項)
- 特殊健康診断(第66条第2項)
まとめ
労災事故が起きたときは、責任者の行動と対応できる者による行動の「2方面対応」が大切です。現場代理人などの責任者は、ほかに作業員などがいるときは自ら応急措置や救急車の手配に当たるのではなく、周囲の者に適確に指示する必要があります。
そして、労災事故は現場代理人たちが居ない場所で発生することが多いので、現場の作業員一人ひとりが「労災が発生したときの行動」を理解して、速やかに対応しなければなりません。
労災事故の対応が素早い現場は、労災事故を発生させにくい現場になります。
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