トランシットと光波の違いとは?それぞれの種類3選や持ち運びの注意点を紹介

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この記事では、トランシットと光波の違いについてご紹介いたします。
目次
トランシットで計測できるもの
トランシットとは、測量の際に角度を測定する計測器です。
測量においてより正確な値を求めるために、距離と角度を正確に計測する必要があります。トランシットでは、目標物をレンズで視準することで、基準からの水平角度と鉛直角度を計測します。
同じく角度を計測する機器としてセオライドと呼ばれるものがあり、トランシットと別の機器として扱われていましたが、現在ではトランシットも含めてセオライドと呼ぶのが一般的です。
光波との違い
光波は、トランシットとは違って基準点からの距離を計測できます。
光波では、基準点から目標点に光を発射して、反射して返ってきた光を電子的に解析して距離を計測しています。
光波によって基準点から目標点までの直接距離を計測できますが、水平距離を求める際には、距離だけではなく角度の計測も必要です。光波とトランシットを組み合わせたトータルステーションという計測器によって、水平距離を求められるようになります。
トランシットの種類3選
測量で角度を計測する際には、地形や測量方法などに合わせて、適切なトランシットを使用して、正確に計測できるようにすることが大切です。
ここでは、トランシットの種類を3つ紹介していきます。トランシットの種類には、光学トランシット、レーザートランシット、電子トランシットがあります。
1:光学トランシット
トランシットの種類の1つめは、光学トランシットです。
光学トランシットは、特殊なデジタルマイクロメーターを内蔵しており、レンズで目標点をとらえながら目標点までの角度の測定値を読み取ることができます。また、基本的に測定値が数字で表示されるので、測定値を読み取りやすく、誤読の心配もそれほどありません。
光学トランシットは、建築現場や地形測量などで使用されています。
2:レーザートランシット
トランシットの種類の2つめは、レーザートランシットです。
レーザートランシットとは、半導体レーザーダイオードが組み込まれたトランシットで、目標点にレーザーを照射して電子的に角度を計測します。レーザーの出力調整などによって、精度の高い計測が可能です。
レーザートランシットは、地下工事やトンネル工事における位置出しや方向制御、建築工事などで使用されています。
3:電子トランシット
トランシットの種類の3つめは、電子トランシットです。
電子トランシットとは、基準点から目標点の鉛直角と水平角を電子的に測定でき、デジタルトランシットとも呼ばれています。計測した値がデジタル表示されるので、素早く角度を読み取れるだけでなく、読み取り誤差が生じにくくなります。
電子トランシットは、地形測量や水平出し、勾配設定やカネ振りなどで使用されています。
光波距離計の種類3選
光波は距離の計測に利用されており、実際の測量の現場においては、状況に応じて適切な光波距離計を使用することが大切です。実際の現場で使用されている光波距離計には、さまざまな種類のものがあります。
ここでは、光波距離計の種類を3つ紹介していきます。光波距離計の種類には、トータルステーション、ノンプリズム、電子野帳搭載などがあります。
1:トータルステーション
光波距離計の種類の1つめは、トータルステーションです。
トータルステーションとは、光波距離計と電子トランシットを組み合わせた測量機です。プリズムと呼ばれるターゲットにレンズを合わせて視準し、ボタンを押すだけで基準点からの距離と角度を同時に計測できます。
トータルステーションは、地形の測量や建設現場の位置管理、起工測量や定点測量など、幅広い分野の測量で使用されています。
2:ノンプリズム
光波距離計の種類の2つめは、ノンプリズムです。
通常のトータルステーションでは、反射プリズムのようなターゲットからの反射を利用して距離を計測しています。しかし、ノンプリズムの場合、測定対象物に直接レーザー光を照射して距離を計測するので、ターゲットが必要ありません。
ノンプリズムは、通常のトータルステーションと同じ使い方だけではなく、法面や構造物の変位計側などにも使用されています。
3:電子野帳搭載
光波距離計の種類の3つめは、電子野帳搭載です。
電子野帳搭載とは、電子野帳のプログラムを内蔵したトータルステーションのことで、計測した値をデータとして保存できます。計測したデータは、USBメモリなどの媒体を通して測量ソフトへ転送でき、施工管理データとしても利用できます。
電子野帳搭載は、観測や杭打ち、面積計算など、プログラムが内蔵されていればあらゆる用途で使用できます。
トランシットの使い方4ステップ
測量で角度を計測する際には、計測器としてトランシットを使用することが多いので、トランシットの使い方について理解しておくことが大切です。

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ここでは、トランシットの使い方を4ステップで紹介していきます。トランシットの使い方の4ステップとは、水平になるように設置する、ネジで更に細かく調整する、赤外線レーザーをセットする、0セット後に測定地点を観測の4つです。
1:水平になるように設置する
トランシットの使い方4ステップの1つめは、水平になるように設置することです。
トランシットで正確な角度を計測するためには、機器が水平状態を保っている必要があるので、三脚の台座がおおよそ水平になるようにセッティングします。
トランシットの下の方にある水平器を見ながら、気泡が中心に来るようネジで大まかに調整します。細かな調整に関しては、後の工程で実施します。
2:ネジで更に細かく調整する
トランシットの使い方4ステップの2つめは、ネジで更に細かく調整することです。
トランシットの本体中央部には、下の方にあるものより精度の高い水平器が2つあるので、本体中央部の水平器を見ながら、3つのネジを回して正確に水平になるよう調整します。
正確に水平の状態にするためには、トランシットを水平方向に回転させながらネジで微調節して、どの位置でも常に水平を指し示すように調整します。
3:赤外線レーザーをセットする
トランシットの使い方4ステップの3つめは、赤外線レーザーをセットすることです。
トランシットのボタンを押して、角度を計測したい位置に赤外線レーザーを照射していきます。このとき、レンズを覗きながら予定の位置にレーザーが当たっているかどうかを確認します。
レーザーを当てるポイントがずれている場合には、トランシット本体を回転させながら調節していきます。
4:0セット後に測定地点を観測
トランシットの使い方4ステップの4つめは、0セット後に測定地点を観測することです。
最初に赤外線レーザーを照射した地点を0セットとするために、0SETのボタンを押して、0度の基準とします。
その後、次の観測地点にレーザーを照射することで、0セットの点を基準とした水平角度が計測できます。角度に関しては、0セットの点を基準にして時計回りに表示されます。
光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点4つ

光波やトランシットは精密機械なので、保管や持ち運びなどの取り扱いに注意する必要があります。
ここでは、光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点を4つ紹介していきます。
光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点には、天秤担ぎをしない、濡れた状態でしまわない、ケースのカギは必ず施錠をする、定期点検をするなどがあります。
1:天秤担ぎをしない
光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点の1つめは、天秤担ぎをしないことです。
光波やトランシットは、電子回路などを使用した精密機械なので、本体に衝撃や振動を与えてしまうと、事故や故障などの原因となってしまいます。
また、光波やトランシットを利用した機器を天秤担ぎしてしまうと、重量がアンバランスな状態になり、本体を傷つけやすくなってしまうので注意が必要です。
2:濡れた状態でしまわない
光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点の2つめは、濡れた状態でしまわないことです。
光波やトランシットなどの計測器を濡れた状態のままにしておくと、機器の内部の回路が不具合を起こしたりして、故障の原因になってしまう可能性があります。
水辺の近くや雨の中で機器を使用した場合には、本体についた水滴を拭き取って、乾燥させた状態でケースにしまうことが大切です。
3:ケースのカギは必ず施錠をする
光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点の3つめは、ケースの鍵は必ず施錠をすることです。
光波やトランシットなどの計測機器は、高価なものが多いので、盗まれたりしないように防犯対策を施すことが大切です。
計測機器をしまうケースに鍵を取り付けて、使わないときには施錠するなどして、厳重に管理しておくことが大切です。
4:定期点検をする
光波・トランシットの保管・持ち運び時の注意点の4つめは、定期点検をすることです。
光波やトランシットなどの計測機器は、時が経つにつれて部品が劣化して、計測の精度が悪くなってしまう可能性があります。
正確な値を計測するためにも、定期点検によって故障や不具合がないかどうかを調べ、精度の高い計測が可能な状態に保つことが大切です。
光波・トランシットの使い方を理解して正しい測量をしよう
ここまで、光波とトランシットの計測機器などについて紹介してきました。
光波は距離、トランシットは角度を計測でき、測量などの際に必要な計測機器です。
建設や施工管理などに興味のある方は、光波やトランシットの特徴や使い方を理解して、正しい測量が実施できるように準備しておきましょう。
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