こちらの記事では、ユーティリティ設備についてご紹介いたします。

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ユーティリティ設備とは？

ユーティリティ設備とは、プラントを稼働させるために必要な電気や水、燃料などを供給する設備のことです。

プラントとは製造設備や工場を指す言葉で、一般的には工場地帯にある特殊な設備を持った工場のことをプラントと呼び、プラントでは特に電力や冷却水を多く使用します。

たとえば原子力発電のプラントの場合、ユーティリティ設備によって冷却水が供給できなければ、最悪の場合放射能の飛散などの事故が発生します。

ユーティリティの意味

ユーティリティとは、「用役」や「有益なもの」を意味する言葉です。

英語の「Utility」は一般的に「公共料金」を指すため、生活を送るための必需のサービスということになります。また、プラント設備におけるユーティリティ設備も、それと同じくプラントの稼働に必要不可欠なライフラインやインフラであることを意味しています。

ユーティリティ設備の主な種類7つ

ユーティリティ設備にはさまざまな種類があります。

社会生活でのインフラに相当するユーティリティ設備は用役設備とも呼ばれています。また、ユーティリティ設備には主に電力や冷却水、工業用水、空気、ガス、窒素、熱媒という7つの種類があります。

ここでは、ユーティリティ設備の主な種類についてそれぞれをご紹介しますので、どのような種類があるのか参考にしてみてください。

ユーティリティ設備の種類1：電力

ユーティリティ設備の種類の1つ目は、電力です。

ユーティリティ設備の電力は、プラントの照明や装置の駆動源、制御経路などに使用されます。

電力はユーティリティ設備によって供給されるものの中でもよく使用されるものの1つで、電力供給のユーティリティ設備は送電設備や変電設備、配電設備、非常用自家発電によって構成されています。

また、電力の供給元は自家発電もしくは外部の電力会社となっており、特に発展途上国にある海外プラントの場合は自家発電のケースが多いです。

ユーティリティ設備の種類2：冷却水

ユーティリティ設備の種類の2つ目は、冷却水です。

ユーティリティ設備の冷却水はプラント冷却器や凝縮器、潤滑油の冷却、回転機などに使用されます。

プラントで使用する冷却水は一般的に大量に使用することになりますので、使い捨てではなく循環させています。また、冷却水はプラントの各設備や回転機器などを通過することによって熱を奪うため温水です。

そのため、そのまま排水すると環境汚染につながることもあり、冷却塔などで再び冷却させて循環し、再利用しています。

ユーティリティ設備の種類3：工業用水

ユーティリティ設備の種類の3つ目は、工業用水です。

ユーティリティ設備の工業用水は、プラントのボイラー用水や冷却水、洗浄水として使用されます。

工業用水は貯留槽やタンク、ポンプ、ろ過設備などを通過し、配管供給によってそれぞれの機械に接続されたり、冷却水として使用されることになりますが、熱交換器を通じて温水利用されたり、冷却の用途でも使用されることになります。

ユーティリティ設備の種類4：空気

ユーティリティ設備の種類の4つ目は、空気です。

ユーティリティ設備の空気は空気圧シリンダーの作動や計装などに使用されます。

なお、計装とは、プラントにおいて生産工程の制御のために測定装置や制御装置を使用して測定を実施することです。

プラントに供給される圧縮空気や計装空気は供給元としてコンプレッサーを使用しており、サービスタンクや圧縮空気のオイル、水分のフィルターなどを経由してユーティリティ設備によって供給されます。

ユーティリティ設備の種類5：ガス

ユーティリティ設備の種類の5つ目は、ガスです。

ユーティリティ設備のガスは熱源の燃料などに使用されます。

燃料として使用するガスは、使用する機器の用途や発熱量、ランニングコストごとにさまざまな種類のものが使用されています。

また、前述の電力の供給元としてプラントで自家発電するための設備の中には、ガスタービン発電設備やガスエンジン発電設備もあり、産業プラント以外の小型設備では効率的なガスエンジン発電設備が多く採用されています。

ユーティリティ設備の種類6：窒素

ユーティリティ設備の種類の6つ目は、窒素です。

ユーティリティ設備の窒素は防爆やパージ用などに使用されます。

不活性な物性を持つ窒素は産業ガスとしても多用されており、保安やパージなどの安全性の向上目的や、酸化防止による品質保持目的で半導体からエレクトロニクス、石油化学、食品、飲料など幅広い分野で使用されています。

特に、半導体開発には高純度な窒素を安定的に供給する必要がありますので、半導体デバイスプラントでは窒素ガスのミニオンサイト供給が行われています。

ユーティリティ設備の種類7：熱媒

ユーティリティ設備の種類の7つ目は、熱媒です。

ユーティリティ設備の熱媒には、スチームや温水、熱媒油などがあります。

加熱用熱源はプラントの性能を決定する重要な要素の1つです。特に化学品のプラントでは、高温の熱媒体油を循環させて熱エネルギーを供給する、熱媒加熱システムの熱源ボイラーなどを使用しているケースも多いです。

また、スチームを加熱源として熱源油を循環するなど、さまざまな熱源がプラントでは使用されています。

正常なユーティリティ設備のために必要な管理項目4つ

ユーティリティ設備は正しく機能させておく必要があります。

プラントの運転に必要な電気や水、空気、燃料などを供給するユーティリティ設備はプラントのライフラインとなっており、常に正常に動作することが求められます。万が一供給が止まれば、大惨事になりかねません。

ここでは、最後に正常なユーティリティ設備のために必要な管理項目4つをご紹介しますので、どのような管理項目があるのか参考にしてみてはいかがでしょうか。

ユーティリティ設備に必要な項目1：機能や性能を維持する

ユーティリティ設備に必要な項目の1つ目は、「機能や性能を維持する」です。

ユーティリティ設備の管理には、設備機能や性能を維持するための整備を行う必要があります。

ポンプ設備や送電設備、発電設備など、プラントではさまざまなユーティリティ設備を稼働させておりますので、設備の機能が常に正しく機能できるようにメンテナンスを定期的に実施します。

ユーティリティ設備に必要な項目2：不具合や故障がないかどうか

ユーティリティ設備に必要な項目の2つ目は、「不具合や故障がないかどうか」です。

ユーティリティ設備の管理には、不具合や故障がないかどうか確認する必要があります。

プラントでは使用しているさまざまな設備を定期点検しています。また、点検などによって実際に故障や不具合が見つかった場合には、それらを改善するための修理も実施します。

ユーティリティ設備に必要な項目3：定期的な点検による診断

ユーティリティ設備に必要な項目の3つ目は、「定期的な点検による診断」です。

ユーティリティ設備の管理には、定期的な点検による診断を行う必要があります。

プラントではボイラー設備や吸収式冷温水機、高圧空気や高圧ガス設備などの重要な設備がありますので、日常点検業務や定期点検業務、法定点検業務、防災設備の点検管理などを実施し、異常がないか診断します。

ユーティリティ設備に必要な項目4：周辺環境の整備

ユーティリティ設備に必要な項目の4つ目は、「周辺環境の整備」です。

ユーティリティ設備の管理には、周辺環境の整備を行う必要があります。

プラント周辺のビル管法関連の環境衛生業務や清掃などを実施します。たとえば、クリーンルームの清掃によって、プラントで生産する製品の汚染リスクを低減することができます。また、室外機周辺の障害物を撤去することで、空調設備の節電効果を向上させることも可能です。

ユーティリティ設備について理解しよう

ユーティリティ設備は、プラントに必要な電気や冷却水、空気、燃料などのさまざまなものを供給するライフラインです。

ぜひ、この記事でご紹介した、ユーティリティ設備の概要やユーティリティ設備の主な種類、正常なユーティリティ設備のために必要な管理項目などを参考に、プラントにおけるユーティリティ設備の重要性について理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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