コンクリート打設の時のレイタンス処理とは?除去方法を4選紹介

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こちらの記事では、コンクリート打設の時のレイタンス処理についてご紹介いたします。
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目次
レイタンスの3つの基礎知識
レイタンスとは、コンクリート打設後にブリーディング水と共に浮き上がり、その後セメントの微粒子や骨材の微粒子などが堆積した脆弱な層のことです。
レイタンスとブリーディングは間違いやすいです。また、雨などの水分とコンクリート中の水酸化カルシウムが反応するエフロレッセンス(白華)は硬化後に発生する別の現象です。
レイタンスの基礎知識1:レイタンスがあるとどうなるのか
レイタンスはひび割れの原因となる事があります。
レイタンス層の形成メカニズムはコンクリートが固まる過程で重たい粒子が沈み、軽い微粒子が浮き上がるためです。コンクリートの加水が多いと発生します。
不純物であるレイタンスには強度がないため、除去せずにコンクリートを打ち継ぎすると接合部が弱くなるので、ひび割れの原因ともなります。
レイタンスの基礎知識2:ブリーディングと間違いやすい
レイタンスとブリーディングの違いは、構成物質です。
ブリーディングもコンクリート打設後に起こる現象です。レイタンスは微粒子による脆弱な層で、ブリーディングは水です。発生するタイミングも同じなので、混同されがちです。
レイタンスはブリーディング水と一緒に浮いてくるので、どちらも除去します。適確な処理を施さなければ、打ち継いだ新しいコンクリートが付着しにくく強度が弱くなります。
レイタンスの基礎知識3:レイタンス除去のおすすめは硬化前
レイタンス除去のタイミングは硬化前がおすすめです。
レイタンスは硬化前でも硬化後でも処理できます。硬化後のレイタンス処理は方法が少なく、作業もスムーズにできません。一方の硬化前の処理は複数の方法があり、効率良く作業を終えられます。
硬化前に除去する方が費用も少なく、全体の作業工程に与える影響も軽微で済みます。
グリーンカット(GC)とは?
グリーンカットとは、コンクリート硬化前のレイタンス処理作業を指します。
打設した新しいコンクリートの若い部分、すなわちグリーンな部分をカットすることが名前の由来です。Green Cutを略してGCと表記される場合もあります。
ダム工事の現場など、作業範囲が広い場合は、施工後はレイタンス処理が困難です。打設後のタイミングを見極めて、グリーンカットを行います。
レイタンス除去方法4選
レイタンス除去の主な方法は4種類です。
硬化前はブラシでこする方法や高圧洗浄機、レイタンス処理剤を使用します。硬化後はブラスト噴射で取り除く工法です。硬化状態を確認し、施工する範囲と作業環境に合わせて、除去方法を選び、慎重に作業を進めます。
コンクリートの打ち継ぎをする際、硬化後に同様の工法を行う場合もあります。その際はチッピングなどのハツリも効果的です。
レイタンス除去方法1:ブラシでこする
レイタンスは、ワイヤーブラシでこすると簡単に除去できます。
コンクリート打設後の1日~2日後程度であれば、作業可能です。ワイヤーブラシを使用します。範囲が広い場合には不向きで、鉄筋の周辺などは作業しづらい面もあります。「こて」を使って削り取る場合もあります。
費用を抑えられるメリットがあります。
狭い範囲は手でこするだけでも落ちる
極端に狭い範囲は手でこするだけでも、レイタンス除去できます。
ワイヤーブラシはステンレス製の持ち手が長いタイプを使用すると、力も入れやすく作業がはかどります。作業自体は簡単ですが、しゃがんだ姿勢の手作業なので、体に負荷がかかります。
コンクリート打設後翌日から、レイタンス発見時にすぐ対応できる手軽さも手でこする良さです。
ベビーサンダーを利用すると早い
部材のカットや研磨に使用するグラインダーやベビーサンダーにワイヤーブラシを取り付けるとレイタンス処理をスピードアップできます。
塗装の剥離に使用する電動工具用のカップブラシは、高速回転で微少な剥離作業に適しています。電源を準備できる場所なら利用可能です。コードレスタイプの工具は電源不要ですが、長時間作業はできません。
レイタンス除去する際は安全メガネや防塵マスクなど保護具を着用します。
レイタンス除去方法2:高圧洗浄で吹き飛ばす
高圧洗浄機でレイタンスを吹き飛ばす方法は、グリーンカットの代表的な工法です。
高圧洗浄機のメリットは、鉄筋などの突起物があっても均一に仕上げられることです。ダム工事では30MPa超の高圧洗浄機を使用しますが、建築現場では200MPaの機種を利用する場合もあります。
高圧になれば使用水量を減らし、短時間で効率良く作業できます。レイタンス処理と同時に鉄筋に付着したコンクリート除去も可能です。
打設後1~2日までに行う
高圧洗浄機によるレイタンス除去は打設後1日~2日に有効です。
硬化が進み過ぎると、水圧だけではレイタンス除去ができません。硬化前では使用する水分が内部にしみこむ可能性もあります。タイミングが早すぎると硬化を遅らせ、一層レイタンスやブリーディングを引き起こす原因にもなります。

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打設後の天候や気温にもよりますが、施工タイミングが限定された工法です。
広範囲の除去に最適
高圧洗浄機を利用したレイタンス処理は、ブラシでこするよりも広範囲を除去できます。
建設現場で使用する高圧洗浄機は移動可能な車輪付きです。ガソリンエンジン搭載で電源の心配もありません。吸水ホースが届く範囲に水槽や貯水槽など水源を確保できれば、どこでも作業可能です。防音型で市街地でも十分使用できます。
体への負担が少なく、一気にレイタンス除去が終わります。
レイタンス除去方法3:コンクリート打継面処理剤を使う
コンクリート打継面処理剤は、硬化状態をあまり気にせず作業を進行できます。
打継面処理剤のメリットは広範囲をムラなく仕上げられ、施工技量の影響が少ないこと、デメリットは他の方法と比較すると費用がかかる点です。
打継面処理剤は遅延タイプと硬化タイプがあります。その他、ポリマーセメント系(モルタル)の接着剤タイプは高圧洗浄機のレイタンス処理後、塗布し2週間以内に打ち継ぎます。
遅延タイプ
コンクリート打継面処理剤の遅延タイプは、コンクリート表面だけの硬化を遅らせてレイタンス処理時間を短縮できます。
コンクリート打設後すぐにレイタンス処理剤を電動噴霧器で散布します。乾燥や雨を避け、一定の環境を確保するためにシートやマットで養生します。散布後6時間~24時間程度に高圧洗浄機でレイタンス処理を行って打ち継ぎ可能です。
高圧洗浄機の低い水圧でもレイタンスだけを簡単に取り除けます。
硬化タイプ
コンクリート打継面処理剤の硬化タイプは付着性能の高い層を形成してレイタンス処理を省略できます。
コンクリート打設後、ブリーディングした後処理剤を散布してすぐに打ち継ぎします。硬化前に浸透してレイタンス層を樹脂化して固めます。新しいコンクリートと化学的に結合して、打継性能を高めます。
遅延タイプよりも高価格ですが、硬化状態によるスケジュール調整が無用です。
レイタンス除去方法4:ブラスト噴射で除去する
硬化後のレイタンス除去はブラスト噴射工法が一般的です。
ブラスト噴射工法は処理面に投射材を叩きつけて剥離します。建設現場ではコンクリートのレイタンス処理やアスファルト舗装のライン抹消に導入されています。処理する対象によって、投射材を変更し叩きつける強さを調整します。
投射材と剥離物を集塵機能で回収しながら作業するので、粉塵の心配もありません。
硬化後ならいつでも可能
ブラスト噴射工法によるレイタンス処理は、硬化後ならいつでも実行可能です。
ブラスト噴射は硬い物質に対して行う作業なので、表面の硬化状態を気にする必要がありません。硬化前の処理と比較して、手間がかかりますが、古いコンクリートに対しても有効です。
工期スケジュールに沿って遂行でき、広範囲の作業もできます。鉄筋等の突起物があっても作業に支障はありません。
分野によってレイタンス除去の必要性は異なる?

レイタンス処理はコンクリートの打ち継ぎの際に、必ず行われる作業ではありません。
現場の分野に応じて、レイタンスの必要性は異なります。打ち継いだコンクリートの強度不足で支障が出る場合は行い、完成後に影響のない現場ではレイタンス除去はしません。
コンクリートを使用する工事現場で代表的な土木分野と建築現場で違いを説明します。
土木分野
土木分野では基本的にレイタンス処理を行います。
ダムなど打継面の強度不足は水漏れの原因になるからです。広範囲の作業が多く、硬化前はレイタンス処理剤や高圧洗浄機を使用します。硬化後はブラスト噴射工法です。
擁壁は一般的な壁と異なり、ダムと同じように横方向から常に圧力を受けるので、強度を増すためにレイタンス処理を行います。ベビーサンダーにワイヤーブラシを装着した方法で除去します。
建築分野
建築現場ではレイタンス処理をしません。
住宅の基礎の均し(ならし)コンクリートの立ち上がり部分は、鉄筋が入って一体化されているので強度不足になることはなく、レイタンス処理は不要です。構造物の杭頭処理の際は、ベンナイト溶液の混ざった強度不足のコンクリートは、はつりで取り除きそのまま打ち継ぎます。
依頼主からの要望があれば対応しますが、多くではブリーディングを取り除くだけです。
レイタンス除去を適切に行ってコンクリートの完成度を高めよう
コンクリートの完成度を高めるために、適切なレイタンス処理は欠かせない工程です。
コンクリート打設後にできるレイタンスは微粒子が浮き上がったものです。残したままにすると打継面の強度不足と、水漏れの原因になるので除去します。硬化前に行うのが一般的で、処理方法は手作業や高圧洗浄機、薬剤を使用します。
建築現場では行われませんが、土木工事では構造物の強度を高めるための重要な工程です。
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