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こんなにある!ドアを通して見る製品確認試験

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公開日時 2022.09.05 最終更新日時 2022.09.05

建築分野におけるテクノロジーは進化を続け、現在の建材は非常に高性能な物となっています。それは各社の開発部門の成果と言えるのですが、その開発の舞台裏には製品の確認作業が隠れています。製品は単に作られるだけでは無く、厳しいチェックがされて、はじめて市場に投入されるのです。このチェックは材料の品質確認に始まり、生産技術の確認なども含まれます。そして、試作品が製品化して大丈夫かどうかの厳しいチェックが行われます。その手段が「試験」です。
試験は製品毎に規格が決められて行われますが、ここでは鋼製ドアを例に取り、「試験をなぜ行うか」からはじめて、ドアの要求品質と試験項目、そして試験方法などを紹介します。これにより、各種建材メーカーの開発の舞台裏が見えることでしょう。

試験をなぜ行うか


まずは試験を行う理由について述べたいと思います。製品の試験には様々な意味があります。ここでは試験の実施の理由について4点取り上げて説明します。

各種規格の適合確認のため

建築物に様々な法的規制がある様に、建材にも様々な規格が存在します。建材の規格は建築基準法だけでは無く、JIS規格や各種団体の定める物もあるのです。更には、その他にも各メーカーがそれぞれにおいて性能の規格を設けているところも少なくありません。試験はその様な規格に適合するかを確認するために行います。
例えばドアの場合、JIS等で様々な規格が決まっています。それは強度に関する性能規格であったり、操作に関する性能であったり、あるいは環境に関する性能であったりします。そして、その規格全部を満足出来る製品でなければ、製品の安全性などの確保だけでなく、市場での競争力が持てなくなります。また、火災などの防災に関係する製品であれば、企画に適合できなければ販売することも出来ません。
他にも、建材製品には独自の付加価値を付けている製品も多いです。ドアであれば、可動スピードを調節してバリアフリー性を高めた製品なども見られます。
建材の製品は、法令によって製品の材料とする素材などの条件を規定し、それを満たせば試験無しで販売出来る令示仕様の物もあります。しかし、試験を行って各種の規格に対する適合性が確認される物も多く、それだけに試験が重要となるのです。

性能の実力値測定のため

建材製品の多くは開発の段階で様々な試験が行われますが、試験では規格に対する合否が判定されるだけでは無く、その試験に対する性能実力値も測定されます。例えば後述する強度関連の試験では、単に外力に対する抵抗性が規格値を満たすかどうかを確認するだけでなく、どれくらいの変形があるか、あるいはどれくらいの外力で破壊するかなどが測定されます。
そして、その試験データは記録されて社内のノウハウとなります。
性能実力値は非常に参考になるデータです。例えば、鋼製ドアなどの場合はドアの内部に設置してある構造部材の位置によって、強度が違って来ます。そのため、必要な強度を保持するために構造材の配置などが工夫されます。そして、その配置が決まり、試作された段階で試験が行われ、規格を満たすかどうかの確認試験が行われます。それと同時に性能の実力値が測定されます。そして、性能値が規格を満足すれば商品の標準化に移り、そのデータは社内に蓄積されるのです。

ノウハウ蓄積のため

試験の結果は会社にとって貴重な資料です。
例えば、先に挙げたドアの場合にはドア全体の構造の強度計算が可能です。強度計算によって、部材を構成する素材の引っ張り強度や部材の断面形状などから、ドアに外力を加えた場合の破壊のタイミングなどの算出が、試験をしなくても出来るのです。
しかし、実際のところは部材に様々な加工がされているため、計算結果との相違が出てきます。そして、その相違は実際に現物に外力を加えるなどして確認しなければ分かりません。
また、材料レベルでの試験による検証も重要になります。例えば鋼製ドアは、構造材の形状や鋼板の厚さなどがJIS規格などで決まっています。しかし、先述の通り実際には材料の形状にもバラつきが発生しているため、試験結果と計算結果との相違が発生します。したがって試験が重要になるのです。
他にも、材料のメーカーによっても素材の強度が変わる場合もあります。A社製の鋼板とB社製の鋼板では、JISに規定されている強度はクリアしながらも、実力値が違うことも多いです。その実力値の確認は試験を通して分かります。
これらの試験結果は会社に蓄積され、次回の商品開発やクレーム発生時の対応などで生かされます。そして、試験結果を通して蓄積されたノウハウは、商品開発のスピードや、クレーム対応の早さにも関係します。そして、会社全体の信用や価値にも影響して来るのです。

その他

試験によって分かることはそれだけではありません。製品を作って実際に使用すると、思わぬ問題が発生する場合があります。そして、その様な問題は図面のレベルでは判断がしにくいです。
鋼製ドアの例で言えば、強度を出すために構造を頑丈にし、その結果ドア全体の重量が増した場合には、強度と別の要因で条件を満たさなくなる可能性も出てきます。そして、それらの不具合は図面レベルでは気づかれないことも多いのです。
これは試験を通してでないと、なかなか分かりません。試験の重要性を表す事象とも言えるでしょう。
鋼製ドアの場合、重量アップの弊害は、様々な点で現れます。例えば、開閉繰り返しの性能などを考える場合、ドアが重いと部品の摩耗などが著しく早くなることもあり、耐久回数なども悪くなる場合があります。
他にも、ドアの重量は施工性などにも大きく関わります。これも盲点になる場合が意外にあります。これも試験の際に分かる場合も多いのです。

鋼製ドアの要求品質


次にドアに求められる基本的な要求品質を述べたいと思います。ただし、ここに挙げるドアの品質は、一般的かつ基本的な物です。ドアには様々な用途があるため、特殊な用途に合わせて作られている場合には下記紹介する要求品質と異なることがあります。
ここでは代表的な性能を4つのカテゴリーに分類して紹介します。

強度関連

ドアについて述べる上で欠かせないのが、ドア自体の強度です。建材の製品開発や試験の知識、経験が無い方がドアの完成品を見ても、鉄板で作られた面材でしか無い様にも見えるかもしれません。しかし、実は単なる面材では無く様々な条件があり、強度面でも色々な要求項目をクリアしなければならないのです。
例えば、強度の性能の1つとしては鉛直荷重がありますが、この性能が十分に無い場合にはドアが歪んでしまう場合も考えられます。
また、ねじれに対する強度が十分に無いと建て付けが悪くなってしまい、ドアがきちんと閉まらなくなる事態も想定されます。
そして、耐衝撃性・耐風圧ですが、これらの性能が不足すると、何かがドアに衝突した場合や台風などの被害あった場合にはドアが破壊されたり変形したりする場合があります。
この様に、ドアの強度が十分で無い場合には、様々な破壊や変形が考えられます。これらの破壊や変形は、ドアの開閉や気密性、水密性などと言った性能にも大きく関わって来ます。
そのため、強度の各性能についてしっかりと確認しておくことが必要です。試験はそれらの性能を満足するかどうかの確認で、非常に重要な段階と言えるのです。

操作関連

ドアの性能の条件としては、スムーズな開閉が必要不可欠となります。また、開閉の途中の破損も致命的です。そのために、操作性や開閉の耐久性について十分にチェックする必要があります。
仮に操作性や開閉の耐久性が欠如している場合には、ドアが重くて開けるのが困難になりますし、開閉の途中で歪んだり変形したりする場合もあります。また、ドアは開閉させると全体に振動が走り、ネジなどが緩む危険性も出て来ます。
他にも、例えばバリアフリーを目的としたドアには、開閉のスピードなどが調節出来る商品もあります。開閉のタイミングを変えることで、歩行のスピードが落ちてしまった人でも、ドアに挟まれること無く安心して使用することが可能なのですが、商品化にあたっては、十分な開閉力の検証が不可欠となります。
この様に、人の力で安心して開閉や適切なスピードとすることが出来て、その上で十分な開閉耐久性を持つことがドアには必要です。

耐震・防犯関連

耐震性(ドアの場合は「面内変形追随性」と呼ばれます。)が十分でないと、地震発生時に建物が歪んでしまい、ドアが枠ごと変形することが想定されます。その際、ドアの開閉に支障が出ると、室内に残された人がドアから外に脱出出来なくなり非常に危険です。そのため、災害発生時をシミュレーションした試験を十分に行う必要が有ります。
また、防犯性については家財を侵入者から守る意味において重要です。特に、窃盗犯などの不法侵入者から被害にあった場合、ドアが弱いとドアを強引に突破して室内に入る場合もあります。そのため、防犯性に関しても、試験を行い性能が十分であるかを確認する必要があるのです。
耐震性や防犯性の試験は、大地震発生による建築関連の法改正や防犯に関わる社会的背景の変化への対応などもあるため、試験の重要性が更に増します。

環境関連

ドアには建物の内部環境を良好にする目的があります。内部環境が良好な状態を守らないと、居住性にまで影響するからです。
この場合、建物の内部環境は気密性や水密性、あるいは遮音性や断熱性などが挙げられます。
第一に気密性ですが、この性能が確保されていないことは、外の空気が室内に流れ込むことを意味します。気密性が確保されていないと冬などは冷気が入り暖房効果を落としてしまい、外気の侵入に伴い細かい粉塵なども入って来ます。したがって、空気の漏れを確認する必要があるのです。
第二に水密性ですが、これは主に台風などによる大雨から室内を守る性能です。水密性が保たれていない場合、室内の床や家財を雨水で汚してしまう恐れも出て来ます。そのため、水が実際に漏れていないかの確認が必要です。
第三に遮音性ですが、外の騒音から室内の静かな環境を守ると同時に、室内の会話を外部に漏らさない目的があります。そのため、試験によってどれくらい音が小さくなるかをチェックします。
最後に断熱性ですが、室内の温度環境を外気の気温から守る役割があります。そのため、ドアの断熱性が不十分の場合は、光熱費の負担が重くなる場合も考えられます。
この様に、ドアには建物内の環境を守る役割があり、試験はその確認手段となるのです。

強度試験関連

強度試験関連


ここでドアの強度に関する試験について説明したいと思います。強度に関する試験には様々な種類がありますが、代表的な物としては鉛直載荷試験、ねじり強さ試験、砂袋による耐衝撃試験、耐風圧性試験などがあります。それぞれの試験の概要について紹介します。

鉛直載荷試験

ドアの鉛直載荷試験の概要は、ドアを開いた状態でドア戸先に鉛直荷重を加えてドアに発生する変形や破壊などの有無の確認です。また、試験は単に荷重を加えるだけでは無く、ドア自体がどれくらい下に移動するかまで測定されます。そして、ドアに破壊や著しい変形が認められないことや、載荷後にドアが支障無く開閉出来るかによって合否が判定されます。
この試験方法や品質についてはJIS(日本産業規格)に規定されています。(「JIS A 4702 ドアセット」及び「JIS A 1524 ドアセットの鉛直載荷試験方法」)
その規格の中での試験の合否の判定規準は、「載荷荷重を500N(N:ニュートン)として、載荷した荷重を除去した後の残留変位が3mm以内で、開閉に異常が無く、使用上支障が生じてはならない」と定められています。(500Nという荷重は概略で51kgに相当します。)
ちなみに、鉛直載荷試験で残留変位が大きくなると、ドア自体が歪んでしまい、ドアがドア枠に当たってしまって、開閉が出来なくなる危険性が生じます。したがって、この試験は、鉛直方向の荷重と開閉状況との関係を表すとも言え、非常に大切な試験であるのです。

ねじり強さ試験

建築材料の寸法や形状として、図面通りに長さや角度がしっかりと出ていることが必要ですが、実は反りやねじれが発生していないことも重要な条件です。このことはドアに関しても同様です。ドアにねじれが発生しているとドアがドア枠に納まりにくくなり、閉まりにくくなります。つまり建て付けが悪くなるのです。
そのため、ドアの試験においては意図的にドアにねじれの外力を加えてやって、ドアがねじれて変形してしまうかを確認します。
具体的なドアのねじり強さの試験方法としては、ドア戸先の上端部分を固定してしまい、ドアの下部に横から荷重を加え、ねじれを人為的に発生させて、ドアのねじれに対する強度を確認します。実際の荷重の強さとしては、戸先下端に200Nの荷重を加えた後で荷重を除去し、その上で開閉状況のチェックを行います。
これもJISに規定があり、「JIS A 1523 ドアセットのねじり強さ試験方法」にて標準化されています。
そのため、製品のカタログなどに「JIS規格の試験をクリア」などの記載を見つけることが出来れば、この条件での試験で十分な性能値を持っていると分かるのです。

砂袋による耐衝撃性試験

ドアに要求されるのは鉛直載荷やねじれの力の様な静的な荷重だけではありません。人がぶつかる様な動的な力もあるのです。また、場合によっては、人が体当たりをするなどして、ドアを不正に破ろうとする事態も想定されます。他にも、ドアの耐衝撃性が不足すると、ドアに物が衝突した場合にドアが歪んでしまい、ドアが開かなくなる場合も考えられます。そのためにドアには十分な耐衝撃性が必要になるのです。
組み立てたドアの場合は砂袋を使って耐衝撃性を試験します。
試験の方法としては、直径が約350mmで総質量が30kgの砂袋で作った振り子を、試験体となるドアに衝突させて破壊や変形の状況を確認します。この時の重りは、振り子の高さを170mm上げた位置からドアに衝突させます。そして、砂袋を衝突させた後で、試験体のドアの変形の有無や開閉の状況を確認します。
尚、この耐衝撃試験のJIS規格は「JIS A 1518 ドアセットの砂袋による耐衝撃試験方法」となっています。

耐風圧性試験

耐風圧性試験は台風の様な風圧力をドアが受けた場合に、ドアの変形や破壊があるかを確認する試験です。試験の概要としては、この試験は実際に風を送って試験をするのではなく、ドアに対して人為的に発生させた気圧を掛け、その気圧によって風圧力を再現します。試験は「JIS A 1515 建具の耐風圧試験方法」に準拠します。
具体的な試験方法としては、最初にドアを特殊な箱状の試験装置に設置します。その上でドアをセットした試験装置内の気圧を上げて、ドアの内外に気圧差を生じさせます。その気圧差がそのままドアを押す力となり、風圧力の再現となるのです。
この試験は加える気圧によって、ドアの耐風圧強度をランク付けして判断します。加える気圧を800Pa(Pa:パスカル、1㎡あたりに1Nの静荷重が加わる状態を表します。)から3600Paまで強度区分を分けて等級を決めるのです。
ちなみに、この様な試験の概要だと、静的な気圧による載荷と台風などによる風荷重は違う様にも思われるかも知れません。しかし、静的な気圧による載荷と、動的な風圧力には流体力学的な関係式が成り立っています。そのため、気圧による載荷で台風の風圧力のシミュレーションが成立するのです。

開閉操作・耐震・防犯


一般的なドアは人の手で開閉させます。そして、開閉はスムーズである必要があり、力の弱い人でも開けられなければなりません。また、地震などが発生しても、開閉に問題が出ることは良くありません。また、その一方で、簡単に不法侵入を許してしまう製品ではいけません。
これらの性能は試験で確認されます。ここではその確認手段について見ていきたいと思います。

開閉力測定

ドアの開閉載力測定での荷荷重は50N で水平に引っ張った時に開かなければならないことが、「JIS A 4702 ドアセット」の中に定められていて、ドアの開閉力測定は、この水平方向の引っ張りでの確認となります。
試験の方法としては、ドアの引き手にロープを掛け、そのロープを滑車を介して張り、もう一方の先端に重りを取り付け、重りの重みでドアを重りで引っ張って開閉状況を確認します。この時の重りの掛け方は1Nずつ増やして行き、ドアが動く最小の力を記録します。そして、その確認を5回行い、5回とも戸が開く力をもってドアの開閉力とします。
尚、ドアの開閉は200mmの移動で1回開いたこととしてカウントします。
ちなみに、この試験をクリア出来ない場合には、特にお年寄りなどの力の落ちてしまった人にとって、開閉することが困難なドアとなってしまいます。そして、特に住宅のドアの場合はバリアフリーの意味からも、開閉力をしっかりと確認することが重要となるのです。

開閉繰り返し試験

ドアは長く使う必要があります。と言うのも住宅の法定耐用年数を考えると木造住宅であっても、22年と決まっている背景があるからです。
そのため、ドアの耐久性としては、強度や腐食などに対する性能の他に、開閉繰り返しでの耐久性を確認する必要があります。ドアの開閉は、仮に1日に10回開閉させたとすると、1年で3650回の開閉回数となり、22年で80300回の開閉回数となります。耐用年数は開閉回数に比例すると言えるのです。
ドアの開閉繰り返し試験はJIS規格(JIS A 1530 建具の開閉繰り返し試験方法)に沿って行われます。この規格では、ドアの引き手部分を機械を使って掴み、ドアを実際に開閉させて開閉状況の変化や破損の有無などを見る試験となります。
尚、ドアとしてはJIS規格においては、この試験で10万回の開閉繰り返しに耐えることが合格の条件です。しかし、ドアのメーカーにおいてはこの開閉繰り返しを20万回の条件で行っていて、その開閉耐久性をアピールポイントとしている場合も見られます。
ちなみに、ドアの開閉繰り返しを続けていると、ドアの可動部分が摩擦などによって擦り減ってしまい、ドアの建て付けが悪くなる場合や、振動によってネジなどが緩んで来る場合もあります。ドアの試験においては、ネジの状況などまで詳細に確認されます。そして結果は各部にフィードバックされ、ネジの仕様などに至るまで検討が更に加えられるのです。

面内変形追随性試験

ドアには「面内変形追随性」という試験項目もあります。これは、地震などの発生によってドア枠が歪んでしまった場合に、ドアが問題無く開閉可能かを確認する試験となります。試験規格は「JIS A 1521 片開きドアセットの面内変形追随性試験方法」です。
試験としては、機械を使ってドア枠が外力によって長方形から斜めに寄った並行四辺形に歪んだ状況を再現し、その様な場合であってもドアが問題無く開けられるかの確認となります。
そして、試験の評価としてはドア枠の歪む角度の量に応じて3段階の合格の等級が定められています。これが面内変形追随性試験におけるドアの品質とされるのです。

防犯試験

ドアが簡単に破られると、室内の家財の盗難に繋がるだけで無く、家の中の人も危険に晒されます。そのため、ドアには外部からの不正侵入に対する十分な抵抗性を持たなければならないのです。
ドアの防犯試験は、実際に試験のために選抜された試験員が攻撃して確認されます。
この試験規格はJISでは無く、警察庁が国土交通省・経済産業省・建物部品関連の民間団体と共に設置した「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」に規定する試験方法によります。
試験方法の要旨としては、人が実際にドアに対して器具を使用し攻撃を行い、破壊出来るかどうかを確認します。品質としては、実際の攻撃に対して5分の抵抗性を持てば防犯性が高いとされ、合格の判定となるのです。
この「5分の抵抗性」という数字は、警視庁の公表によるもので、泥棒が室内への侵入に掛ける時間が5分を超えると約7割が侵入を諦めるとされています。「5分」とされているのは、元泥棒に対して調査を行った結果によるものです。
尚、官民合同会議では、「侵入までに5分以上の時間を要する」など、一定の防犯性があると評価した建物部品を「防犯性の高い建物部品目録」に掲載して公表しています。

環境関連


快適な生活には、屋外からの日差しや新鮮な空気などが欠かせませんが、それらの影響は住生活に大きな悪条件になる場合もあります。そのため、住宅には外界からの影響をシャットアウトする性能も求められます。
ここで取り上げる、気密性、水密性、遮音性、断熱性はそれぞれが快適な生活のための条件となります。

気密性試験

住宅に隙間があると、そこから隙間風が入り込んで、内部の様々な環境が壊される要因となります。例えば冬の場合においては冷たい隙間風があると室内の暖房効率が悪いですし、花粉の季節などは花粉が隙間から入るケースもあります。そのため、ドアには気密性が必要です。
ドアの気密性試験は、ドアの隙間から漏れる空気の量を調べる試験です。試験は「JIS A 1516 建具の気密性試験方法」に沿って行われます。
具体的には、ドアの室内と室外に気圧の差を発生させて、圧力の高い方から圧力の低い方に漏れる空気の量を測定して気密性を確認します。この時の内外圧力差は10Pa(パスカル)、30Pa、50Pa、100Paとし、それぞれの段階での測定となります。そして、各段階における判定基準を専用の用紙にプロットして行き、合格の等級を決めるのです。
尚、気密性試験には、4段階の性能の等級が設けられており、空気の漏れる量がそれぞれの等級に定められた対応値(気密等級線)を超えていないか確認します。そして、この性能等級はJISにて標準化されているので、メーカーが異なっても性能を比較することが出来ます。

水密性試験

建物が台風などの暴風雨に襲われると、ドアは単に雨水が降りかかるだけでなく、風圧を同時に受けてしまいます。そして、風圧によってドアが動いたり歪んだりすると、ドアと枠に隙間が生じる場合もあり、その部分から雨水が侵入して来る場合があります。
この風雨によるドアの漏水の現象をシミュレーションするのが水密試験なのです。
試験としては、「JIS A 1517 建具の水密試験方法」に沿って行われます。試験は気密性試験の様に、ドアの内外に圧力差を生じさせ、それと同時にドア表面に散水し、その圧力によって漏水が発生するかをチェックします。また、この時の気圧差は単に圧力を掛けるのでは無く、圧力を一定間隔で強弱を付けながらの載荷となります。
この試験の合否判定は室内への水の侵入の状況によって決まります。水の侵入には、流れ出る場合や吹き出す場合もありますが、いずれも枠外への漏水が無ければ合格となります。
尚、水密性においても合格等級が設けられています。決められた等級によって、ドアに掛ける圧力が変わります。圧力が大きければ、それだけ高い水密性を持っているとされています。

遮音性試験

音は「高低」と「大きさ」によって聞こえ方が違います。そして、音の高低は周波数のヘルツ(Hz)、大きさはデシベル(dB)によって表現されます。ドアの遮音性を測定する場合には、「ドアによる音の減衰量」を測定するため、デシベルの測定となります。
試験方法は「JIS A 1416 実験室における建築部材の空気音遮断性能の測定方法」に準じます。試験としては、ドアの外側と内側で、片方にスピーカーを設置して音を発生させ、反対側でマイクに入って来るスピーカーの音の特性を拾い出してドアの遮音性能を確認します。
この試験では、音としては周波数の高い成分と低い成分を合成させた物を一定の大きさで発生させます。次に、ドアの反対側でマイクで拾います、そして、マイクで拾った音を周波数ごとに分けて、各帯域の音の量をデシベルで測定します。そして、発生させた音とマイクで拾った音での各周波数帯での減衰量が一定の値を超えた場合に合格となります。
尚、遮音性においても4段階の等級が決められているため、等級を見るだけで遮音性能を知ることが出来ます。

断熱性試験

ドアの断熱性試験は、試験体となるドアを恒温室と低温室の間に設置し、ドアを超えて出入りする熱の量を測定することによって性能を測ります。ドアの熱の移動は、熱貫流率(W/(㎡・K))によって表されます。この値はドア内外での温度差が1℃ある場合に、1㎡及び1時間あたりにどれだけ熱が熱量が通過するかを表した単位です。そして、試験の合否の判定としては、この熱貫流値が一定の値を下回った場合に断熱性が規格を満足するとされて合格となります。
この試験のJIS規格は、「JIS A 4710 建具の断熱試験方法」です。
尚、断熱性能においても性能の等級が決まっていて、それぞれの段階で判定基準となる熱貫流率も規定されています。そのため、メーカーを超えて断熱ドアを選ぶ場合でも、断熱性能を等級によって判断することが可能になるのです。

まとめ


建材の進化においては試験での品質確認は欠かせません。そして、品質確認以外にも、試験規格を覚えておけば、ドアを扱う上でも大きな参考になります。試験方法や品質規格の知識は大きな武器となるので、把握しておきましょう。


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