クラッシャランの種類4種とは|再生材とバージン材の特徴の違いも解説
この記事では、クラッシャランの種類について主に解説します。
合せて再生材とバージン材の特徴の違いについても触れますので、ぜひ参考になさってください。
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目次
クラッシャーランとは
クラッシャーランとは、砕石の一種で、クラッシャランと呼ばれることもあります。
主に道路の下層路盤を作る際に使用されます。
岩石か玉石を破砕機で砕いたものです。
砕いただけなので、大きさがバラバラのものが多いです。
石を砕いたものが主流ですが、コンクリートの廃材などを再利用して作られるものもあります。
そもそも砕石とは
砕石とは、破砕機によって砕かれた石やコンクリートの廃材などのことです。砕石は基礎の下に敷かれることが多いです。
地盤面に砕石を敷き詰め、その上に捨てコンクリートを敷くことでフーチングを作ります。
基礎の下に砕石を敷く理由としては、地盤の安定化などが挙げられています。根切りを行うと、根切り底が乱れることが多いです。乱れた地面は土が沈下しやすいとされているので、砕石をひくことで安定化・平滑化させるのです。根切り面が安定しないと、基礎が傾く可能性があります。
基礎の締固めは、ランマーや振動コンパクター、振動ローラーなどで行われることが多いです。
基礎下に使われる砕石は、公共建築工事標準仕様書などによれば、再生クラッシャーラン、切込み砂利、切込み砕石などが多いとされています。
粒調砕石との違い
粒調砕石とは、クラッシャーランと同じく道路の路盤材に使われる砕石の一種です。
クラッシャーランは粒の大きさがバラバラのものが多いですが、粒調砕石はふるいにかけることで粒の大きさ一定に揃えています。
そのため価格はクラッシャーランよりも高くなります。
どちらの道路の表面や路盤材、土間コンクリートの路盤などで使用されることが多いです。
クラッシャーランと比べ、締め固めた際に支持力が強いとされています。
クラッシャーランは下層路盤、粒調砕石は上層路盤の材料として良く使用されます。
クラッシャーランの種類4種
砕石の1種であるクラッシャーランですが、クラッシャーランの中にもさまざまな種類があります。
一般的な道路工事などで使用されるクラッシャーランは「C-40」という種類のクラッシャーランで、「C-40」の「40」は「粒度0~40mmの砕石」という砕石のサイズのことを指します。
「C-40」には40mm~0mmまで石の粉から異なるサイズの石が混ざっているため、ローラーで転圧した際にしっかりと踏み固めることができます。
また、クラッシャーランの中には「RC-40」などの種類もあり、「RC」は「再生クラッシャーラン(再生砕石)」のことです。
再生砕石には岩石や玉石だけでなく、セメントコンクリート、アスファルトコンクリート、レンガといった解体工事、土木建設現場から出る建設廃材が混ざっています。
ここでは再生クラッシャーランの種類についてご紹介します。
1:RC-40
「RC-40」は「再生クラッシャーラン」のことで、「R」は「リサイクル」という意味になります。
「RC-40」は「C-40」と同様に粒度0~40mmの砕石が含まれていますが、採掘場で取れた硬質砂岩だけでなく、コンクリートやレンガなどの建設廃材を破砕したものも混ざっています。
そのため、見た目は「C-40」の方が美しく見えますが、国の公共工事の場合はリサイクルを推進するという意味を込めて、多くのケースで「C-40」よりも「RC-40」が使用されています。
また、主に下層路盤材として使用されています。一般的には「C-40」よりも「RC-40」の方が価格的にも安価になります。
2:RM-40
「RM-40」も「RC-40」と同様に、粒度0~40mmの砕石やコンクリートやレンガといった建設廃材を破砕したものが混ぜられた再生クラッシャーランです。
しかし「RM-40」の場合は他にも新材などを加えることによって粒度を調整しており、粒度分布のバランスが良くなっています。そのため、「再生粒度調整砕石」と呼ばれています。
「RM-40」は主に上層路盤材などに使用されています。
3:RB-40
「RB-40」も他のクラッシャーランと同じく再生クラッシャーランの1つですが、主にコンガラやレンガ、タイルなどの廃材から作られています。
「RB」の「B」は「ビーズ」を意味しており、「RB」で「再生ビーズ」という意味になります。
「RB-40」は一般的な道路舗装や公共工事には使われるケースは少なく、民間工事における駐車場の路盤材や、仮設道路などに使用されることがあります。
4:割栗石
割栗石(わりぐりいし)とは岩石を砕いたもので、サイズ100~200mm程度の比較的大径のものを指します。
一般的に砕石と呼ばれるものは、割栗石よりも径が小さいものを指します。
割栗石の原石は、「花崗岩」「安山岩」「砂岩」「凝灰岩」「石灰岩」「けい岩に準じる岩石」としています。
ただし、割栗石1つあたりの重量や細長いものは割栗石ではないと言われています。砕石の中でも割栗石が一番高価と言われています。
再生クラッシャーランの特徴
解体工事や建設工事では多くの建設廃材が出ますが、近年では埋め立てなどによる処理が難しくなってきていることから、これらの建設廃材をできるだけ建設資材としてリサイクルする必要性が増してきています。
そのため、建設廃材であるセメントコンクリート、アスファルトコンクリート、レンガなどを破砕して作った再生クラッシャーランは、近年では非常に重要な建設資材として注目されています。
それでは再生クラッシャーランには具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは再生クラッシャーランの特徴についてご紹介します。
安価である
再生クラッシャーランはコンクリートなどを使用したリサイクル製品となっているため、「C-40」などの玉石などを破砕して作ったクラッシャーランよりも価格が安価です。
そのため、建設工事などに使用することで工事費用も抑えることができます。
また、一般的なクラッシャーランよりも市場でも手に入りやすくなっています。
再生クラッシャーランであればコストも抑えられることから、駐車場の整備などにも活用されています。
環境にやさしい
前述のとおり、解体工事や土木建設現場では日々多くの産業廃棄物が出ます。
しかし産業廃棄物をそのまま埋め立てで処理することは近年では難しくなってきているだけでなく、環境にも悪影響を及ぼします。
再生クラッシャーランに使用している原料は、このような解体現場や土木建設現場から出ているコンクリートやレンガのなどの建設廃棄物です。
建設廃棄物から異物などを除去し、砕くことによってまた幅広い建設現場で使用できるように生まれ変わらせています。
このことから、再生クラッシャーランは循環型社会となった現在において、非常に環境にやさしい資材だと言えるでしょう。
バージン材クラッシャーランの特徴
クラッシャーランの中には本記事でご紹介した「再生クラッシャーラン」だけでなく、「バージン材クラッシャーラン」と呼ばれるものもあります。
「バージン材」とは新品の素材のみを使って製造した製品のことを言う言葉で、バージン材を使用した製品は一定の性質が保たれていることから、品質も均一になります。
ここではバージン材クラッシャーランの特徴についてご紹介します。
新品の材料である
バージン材とは、再生砕石や再生骨材ではない新品の材料のことを言います。
バージン材クラッシャーランの場合も、鉱山などから切り出してきた新品の材料を使用したクラッシャーランです。
再生クラッシャーランの場合はコンクリートやレンガなどの再生砕石や再生骨材などを使用していますが、バージン材クラッシャーランの場合は山から切り出した砕石や砂利、骨材などを使用しているという特徴があります。
異物がない
バージン材クラッシャーランは新品の材料のみを使用しているだけでなく、異物が含まれていません。
バージン材クラッシャーランは原石をグリズリフィーダなどで振るい、サイズが大きいものをクラッシャーで砕き、振るいにかけることによってサイズごとに分け、改めて配合することで製造されています。
このようにバージン材と名前がつく製品では使用した材料が全て把握されているため、不純物などの異物が混入することがありません。
再生クラッシャーランが推奨される理由
近年では解体工事現場などで出た産業廃棄物の量も増大しており、最終処分場がひっ迫しているだけでなく、産業廃棄物の不正処理などの問題が深刻化してきていることから、従来のように埋め立てて処分することも難しくなってきています。
また、建設工事の廃棄物にはコンクリートやアスファルト、建設発生木材などの建設廃棄物が全体の2割程度を占めていることから、これらの建設廃棄物を捨てるのではなく、建設資材として再利用する必要性が増してきています。
このような事情から、近年では「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」が制定され、平成22年度の再資源化等率を95%に設定したり、国の直轄事業での特定建設資材廃棄物の最終処分量を平成17年度までに0とするといった目標を掲げたりしました。
そのため、国を挙げて再生クラッシャーランの利用が推奨されています。
クラッシャーランの種類や特徴を学ぼう
クラッシャーランとは主に道路舗装での下層路盤を作る際に使用される砕石です。クラッシャーランには岩石や玉石の砕石の他にコンクリートやレンガの砕石を混ぜた再生クラッシャーランなどの種類があり、現在ではリサイクル製品である再生クラッシャーランの利用が推進されています。
本記事でご紹介したクラッシャーランの概要やクラッシャーランの種類、再生クラッシャーランの特徴、バージン材クラッシャーランの特徴などを参考に、クラッシャーランについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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