地盤調査とは何か? 調べる方法や転職に役立つ関連資格について解説


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目次
地盤調査とは何か
住宅を建築する際に、建物の安全性を担保するために地盤調査(ボーリング調査)が必要となります。耐震性にどれだけ優れた建物を建築しても、地盤調査を怠ってしまった場合は、家が傾いたり地盤沈下したりと建物の根本を揺るがす事態が発生してしまう可能性があります。そのため、取り返しのつかないことになってしまいます。
今回は、「地盤調査(ボーリング調査)」に関する目的や方法などを解説し、転職にも活用できる関連資格を紹介していきます。
地盤調査を行う目的
地盤調査とは、地盤の強度を正確に測定するために行う調査です。調査は、住宅の場合、建物を着工する前の土地が更地状態で行います。調査結果に応じて、基礎方法や地盤改良などが必要となるため、結果として建築計画に影響を及ぼします。
そもそも、「地盤」とは、建物が建つ土地のことを指します。地盤の強さは目視では確認できず、従来まで問題なく建っていた土地であっても、実際に地盤調査尾を実施してみなければ本来の強度は測定することはできません。
地盤調査自体は、設計者あるいは、工事施工者が調査会社へ依頼をして行います。調査結果とそれに対応する計画の提示は、設計者や工事施工者から建築主に説明を行います。
地盤の主な調査方法5つ
地盤調査には、主として5つの調査方法が挙げられます。「標準貫入試験(ボーリング調査)」・「スクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)」・「スウェーデン式サウンディング試験(SS試験・SWS試験)」・「平板載荷試験」・「表面波探査法(レイリー波探査)」です。
以下からは、これらの調査方法の特色やデメリットについて解説していきます。また、どのような局面においてどの調査方法を用いるのが適しているのかについても触れていきます。
1:標準貫入試験(ボーリング調査)
標準貫入試験(ボーリング調査)は、基本的試験で小規模建築から大規模建築といったさまざまな建設現場で採用されています。
試験方法は、調査を行うポイントにやぐらを組み立て、中空鋼管を掘削しながら沈めていきます。鋼管へ衝撃を与えて、地盤の抵抗値(N値)を測定しながら、中空鋼管の中に土を採取し、その採取した土質を確認することも可能となります。
地耐力と土質を同時に調査することができるため、信頼性が高い調査方法といわれています。しかしながら、調査にあたって、やぐらなどを組み立てなければならないため、ある程度のスペースが建設現場に必要となります。
また、調査で用いる機械が他の方法と比較すると大がかりであるため費用などもかさんでしまうといった点が挙げられます。
2:スクリュードライバーサウンディング試験
「スクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)」は宅地の地盤調査の主流といわれる地盤調査方法の1つです。
調査で用いる試験機械は、コンパクトであり、機動性の良さに特徴があります。また、半日で4か所以上の調査が可能であるため、調査の迅速性もメリットの1つです。
デメリットとしては、音感や振動をもとに調査を行うため、騒音・振動といった騒音が挙げられます。また、調査員の技量によっても左右されるため、貫入量の増加とともに周面摩擦も増加し深い位置にある軟弱層を課題に評価してしまうといった課題も挙げられます。
3:スウェーデン式サウンディング試験
「スウェーデン式サウンディング試験」は住宅地の地番調査において、多く採用されている地盤調査方法です。SS試験やSWS試験などとも呼ばれます。
地盤の鉄棒を機械で回しながら差し込んでいき、棒の沈み方の緩さ・硬さによって、地盤の強度を測定していきます。一般的には敷地の4隅と中央の1点の合計5点において調査を行います。
スウェーデン式サウンディング試験は、だいたい半日程度で作業を完了することができ、費用も安価なことが特徴です。注意点としては、地耐力の測定は可能ですが、土質を調査することができないといった点です。
この注意点については、SS試験に土質調査を追加することによって解消することができます。

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4:平板載荷試験
平板載荷試験は、調査を行う地盤に平板を敷いて、そのポイントに実際の建物重量に模した荷重をかけて、地盤の地面耐力を測定します。地盤に直接的に圧力を加え、その反力で地盤の強度を正確に測定することが可能となります。信頼性の高い調査方法の1つです。
調査時に騒音や振動が出にくいため、隣接した住宅地などで多く採用されています。また短時間で測定することができることもこの調査方法の特性です。
デメリットとしては、敷いた平板付近の地耐力に限って測定することしかできないといった点です。また調査できる地盤深さも浅いといった課題も有しています。
5:表面波探査法
「表面波探査法」は物理探査の一種で、地盤に人がわずかに感じ取れる程度の微小な地震を起振機によって人工的に発生させることで調査を行います。地面の中を伝わる表面波(レイリー波)の速さを2つの検出器を用いて計測を行います。
地盤状況を高い精度で把握が可能であり、的確な補強工事を実践することができます。設計者や工事施工者も安全で安価な建設設計を提案しやすくなります。
課題としては、深層部分の調査精度が低いといった点です。とりわけ、地表近くに比較的厚い軟弱層が存在する場合は、振動が深部まで届かないため、正確なデータを算出することができなくなることがあります。このことから、重量のある建物の地盤調査にはあまり適していません。
地盤調査に関連した資格:地質調査技士
地盤調査の仕事に就くだけであれば、特別な資格などは必要ありません。
しかし、「地質調査技士」の資格を取得しておくと、現場で活躍できるだけでなく、就職や転職の際有利になります。
地質調査技士とは、工事現場におけるボーリングや各種計測、試験といった地質調査業務を行う技術者の知識や技能を認定する資格となります。
一度、資格を取得すれば5年間登録されます。
その後、更新するためには、「登録更新講習会」を受講するか、「CPD単位」の取得(12月まで受付)をすることで資格の更新を行う必要があります。
試験の難易度はそれほど難しくはありません。
必要な得点率の目安は、現場調査部門で約60%半ば以上、現場技術、管理部門においては70%前後、土壌地下水汚染部門では約70%前後となっています。
ボーリング作業については、現場経験を積む必要がありますが、資格を取得するだけであれば参考書で勉強する程度でも問題ないでしょう。
この資格を取得することで、建築関連の会社に就職しやすくなります。
主に、地質調査業や公的工事における現場代理人として仕事に従事できるため、比較的将来性も高い資格といえるでしょう。
また、企業によっては、資格を取得することで手当が支給されるケースもあるようです。実際には、ハウスメーカーや官公庁などへの地質調査以外にも、設計施工管理などの仕事も行います。
出典:地質調査技士資格検定試験制度の概要
参照:https://www.zenchiren.or.jp/geo_comp/
地盤調査の仕事はきつい?
地盤調査の仕事はきついという噂もあるようですが、実際に調査業務だけであればそれほどきつくはありません。
調査の結果、地盤改良が必要になった際に、地盤改良工事を行うのですが、そちらについてはきつい仕事もあると思います。
したがって、地盤調査の仕事をするだけであれば、それほど心配する必要がないでしょう。
地盤調査について理解しておこう
地盤の強度は地盤調査を行わなければわかりません。地盤調査をするためには、土地のどのような部分にどのような建物が建てられるかが把握している必要があります。土地を購入し実際に設計した後、初めて地盤調査が可能となるのです。
つまりは、正確な地盤の強度を把握できていない状態で、土地を購入することとなります。土地を購入する際に、地盤強度を知っておきたいといった方は、土地のある地方自治体の役所で資料を閲覧することもできます。
住宅建設をする場合は適格な情報の理解や特性を抑えておくことをおすすめします。
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