ゼネコンに将来性はある?気になる今後の動向や課題もあわせて紹介


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こちらの記事では、ゼネコンの将来性についてご紹介いたします。
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目次
ゼネコンとは?
ゼネコンとは大手の総合建設会社で、総合請負業者として土木工事や建設を請負契約で受注を受けています。建設するものは主に、ダムや橋梁、トンネルなどの土木工事、オフィスビルなどの大きな建築物です。
ゼネコン業界の3つの変化
2021年夏までのゼネコンのトピックは、東京オリンピックの特需景気でした。しかし、それ以外にも近年のゼネコン業界に大きな影響を与えているのが、労働環境の改善です。
さらに2020年からのコロナ禍が、ゼネコン業界に大きな影響を与えようとしています。このような状況下での、ゼネコン業界の3つの変化についてみていきましょう。
1:不景気からの回復
ゼネコン業界は、2008年のリーマンショックの不景気、さらに2011年3月の東日本大震災のあとは収益が減少する状況でした。
その東日本大震災からの復旧、復興、さらにオフィスビルなどの建設需要が、2012年12月に発足した第2次安倍政権の「アベノミクス」による景気回復により好調に転じました。
さらに、東京オリンピックによるインフラ整備と都心の再開発に加え、民間ホテルの整備などの建設投資が多くあり、ゼネコン業界の景気回復につながったのです。
2:コロナによる業界内のバランスの変化
コロナ禍によってテレワークが普及してきているため、ゼネコンが注力してきたオフィスビルの建設需要が減少してきています。そのような中で予想されるのが、業界再編の流れです。
先駆けとなったのがコロナ禍になる前、とある大手企業が行ったゼネコン準大手の買収でした。さらに、いち企業と別企業をグループ化し、連結子会社としました。
このように、企業規模が大きいハウスメーカーが需要減少のゼネコンを買収する動きがある中でコロナ禍となったため、さらにこの動きが加速すると予想されています。
3:受注目標達成のための競争の激化
ゼネコンは年間での受注金額の目標を定めています。それに対して問題となるのが、民間の建築物の建設需要が減少してきていることです。さらに、コロナ禍によってオフィス需要が減少している点もあげられるでしょう。
そのため、受注金額の目標を達成するための競争が激化しています。また、受注競争が激しくなった結果、準大手ゼネコンが受注する規模の入札にまで、大手ゼネコンが参加するというケースが出てきており、見積金額の低下や利益率の低下という問題が起きています。
ゼネコン業界の売上高
大手ゼネコン4社の2021年3月期決算では、鹿島が約1兆9,000億円、大林組が約1兆7,700億円、大成建設が約1兆4,800億円、清水建設が約1兆4,400億円の売上高となりました。前年比では、鹿島が約95%、その他3社が約85%落ち込んで切るという結果になっています。
ゼネコン業界の今後の展望と将来性
ゼネコン業界は、東京オリンピック、パラリンピックの大規模な建設は終えたものの、2025年には大阪万博があり、さらなる需要が見込まれます。
さらに世界に目を向けて経済発展を続け、将来性のあるアジア各国へのインフラ輸出といった技術の輸出も有望でしょう。このようなゼネコン業界の4つの展望について、見ていきます。
1:大規模プロジェクトの施工
2025年の大阪万博は5月3日から11月3日まで、大阪の夢洲を会場として行われます。この会場の開発費は約2,000億円と言われており、ゼネコン業界に大きな売り上げが見込まれるでしょう。
さらに2027年には、東京と名古屋を結ぶリニア中央新幹線が開業予定です。その総工費は約5兆5,000億円と言われ、大手ゼネコンが工事を進めています。中央新幹線開業に伴う都市開発も見込まれるでしょう。
出典:万博概要情報 | OSAKA,KANSAI EXPO 2025|2025日本万国博覧会誘致委員会
2:維持・修繕・建て替え工事の施工
道路や橋梁などの維持・修繕・建て替え工事は公共工事に該当するため、年度の予算による影響があるものの、確実に需要が見込まれるものです。
例えば、名神高速道路は開通して56年が経過しており、老朽化した箇所の修理が必要になります。その費用は約3兆円とされているため、ゼネコン業界の受注につながることでしょう。
出典:名神高速道路開通経緯|高速道路・高速情報はNEXCO 中日本
3:外国へのインフラ技術の輸出
ゼネコンは、新幹線や高速道路の技術のみならず、火力発電や原子力発電といったインフラ技術により、日本国内の経済発展に貢献してきました。
それをさらに活かすのが、経済発展をしていて将来性のある東アジアの国々への技術輸出です。特に高速道路では技術輸出のみならず、現地の子会社を作っての施工や管理まで引き受けています。
4:他業界の進出
今、大手ゼネコンが進めているのが、AIや3Dプリンターなどのベンチャー企業への投資です。将来、建築業が資材を3Dプリンターで作成し、AIで組み立てるという時代に備えています。
また、AIや3Dプリンターの導入を進めることで、人手不足や社会環境の変化に備えていると言えるでしょう。
ゼネコン業界の3つの課題

ゼネコン業界は、景気の変化に左右されやすく、オリンピックなどの需要期には人出不足が発生するのが課題です。
また、工期に間に合わない場合には、休みを取れないのではないか、あるいは長時間労働となるのではないか、という問題もあります。ここでは、ゼネコン業界の働き方改革や生産性向上について見ていきましょう。

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1:人手不足や高齢化
現在、ゼネコン業界で活躍する人々の高齢化が問題となっています。約10年後には、団塊の世代の人々が現役を引退するため、建設業の持続が課題です。
そこで、技能にふさわしい給与の実現や社会保険の加入について国土交通省が「建設業働き方改革加速化プログラム」を進めています。その中で、取り上げられているのが週休2日制の導入や、罰則付きの時間外労働規制です。
これらの施策により、将来性のある魅力的なゼネコン業界を実現し、人手不足という問題を解決しようとしています。
出典:建設業働き方改革加速化プログラム 長時間労働の是正|国土交通省
2:生産性の向上
業界での生産性向上につながる施策として推進しているのが「i-Construction」です。人口減少や高齢化が進む中でも、建設業が役割を果たすためには生産性の向上が不可欠であり、ICTなどの導入で生産性の2割向上を目指します。
「i-Construction」とは、ドローン等による測量、情報通信の技術を用いたICT建機による施工、パソコンで3次元データを確認することによる検査、といった内容を行うことです。これらの技術によって、建設業の生産性向上につながると期待されています。
3:企業の独自性の発揮
ゼネコン各社は、それぞれの企業ごとに得意分野があり、独自性を発揮しています。大成建設は、全国約1,000件の地区で行われている市街地再開発の事業に対し、約200件の地区の事業に関わってきました。
大成建設による月島1丁目西仲通り地区の開発では、地下1階、地上32階の住宅および商業施設を建設、地区全体の不燃化を行い、防災に優れたものとしています。
また清水建設は、1804年の創業が宮大工から始まっている企業です。そのため、数多くの寺院や神社の建設、耐震改修、リニューアルを手掛けています。代表的なものに史跡高松城跡桜御門復元工事が挙げられます。
ゼネコンの採用状況
現在ゼネコン業界において、東日本大震災からの復興や東京オリンピックの人手不足があり、さらに今後、建設業で働く人々の高齢化による離職が問題となっています。
さらに、コロナ禍によってリモートワークが普及し、オフィス需要が減少してきていることなどから、ゼネコンの採用数が減少するなどの影響を受ける可能性があるでしょう。ここでは、今後のゼネコンの採用状況について、見ていきます。
コロナによる採用への影響
厚生労働省によると、令和2年の平均有効求人倍率は1.18倍と、前年に対して0.42ポイント下回る状態でした。
その中で、令和2年12月の建設業の求人状況は、前年同月比で6.5%増と上向いています。全産業の合計が-18.6%と大幅に低下する中で、いち早く求人が伸びている業界と言えるでしょう。
出典:一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)|厚生労働省
IT人材の登用
ゼネコンのICT化により、建築や土木だけでなく、将来性のあるIT・ICTの技術を持った人材を登用しようという動きが出てきています。
しかし、「i-Construcsion」の普及に関する活動の情報が多くの人に認知されておらず、IT・ICTの技術を持つ人材の確保には、時間がかかる可能性があるでしょう。
ゼネコンの平均年収
ゼネコンの平均年収ですが、スーパーゼネコンと言われる会社がおおよそ950万円となっています。
準大手ゼネコンとなるとばらつきがあり、多いところでは900万円越えとスーパーゼネコンに近いレベルですが、低いところでは800万円半ばになるため、売上高や利益によって変わるところと言えるでしょう。
将来性のあるゼネコンに就職するには
ゼネコンに就職するためには、大卒以上の学歴が必要なことや、現場で作業する場合には一定の知識や資格が求められます。どういった環境で仕事したいのかを考えて、その仕事内容に基づいた準備をしておきましょう。
また、就職を希望する場合は、コーポレートサイトにある採用ページでエントリーできます。一般的な流れとしては、書類選考と筆記試験を経て、面接を2回程度行った後に内定という流れです。
ゼネコンの将来性について知ろう
ゼネコンは、大阪万博やリニア中央新幹線といった大型案件のみならず、災害復旧工事や高速道路をはじめとする道路の修繕工事など、今後も高い需要があるものと想定されています。
また、建設業の週休2日制を一般社団法人日本建設業連合会が推進し、働き方の改革を推進中など、以前と比べると働きやすい環境が整ってきています。将来性や働き甲斐のあるゼネコン業界に、ぜひチャレンジしてみましょう。
出典:週休二日がつくる建設業の未来|一般社団法人日本建設業連合会
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