転職者が理解すべき建設キャリアアップシステムの詳細3つ|仕組みや料金など


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目次
建設キャリアアップシステムとは
建設キャリアアップシステムとは、少子高齢化社会における労働者の高齢化と若者の減少という課題解決のため、優秀な労働者育成のための環境や仕組みのことです。
そのために、個々の労働者の持つスキルと、それに見合った職責や待遇がマッチングされる環境作りが必須とされています。
建設業においては、労働者がさまざまな現場で経験を積むことが多いため、個々の経験やスキルを統一的に評価することが困難です。そのため、適切な処遇への反映が難しいというのが現状なのです。
このような状況に対して、労働者の現場経験の履歴や資格といった個人情報を、ICカードを用いて業界統一フォーマットで蓄積していくことで、労働者の処遇改善やスキルアップにつなげる取り組みが建設キャリアアップシステムです。
出典:国土交通省 建設キャリアアップシステム
参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000033.html
建設キャリアアップシステムの登録状況について
現在、建設キャリアアップシステムに登録している技能者は46万3千人程、事業者は9万程(2021年1月31日時点)です。2020年に入ってからの登録が半数以上を占め、今後さらに登録、運用が活性化されていくものと予想されます。
また、建設キャリアアップシステムを使っての就労実績も、2021年2月1日現在、800万人を超え、そのほとんどが2020年1月以降の就労となっていることから、今後、建設業関係者の就労の大きなファクターになっていくと考えられます。
また、登録技能者、事業者が増えることで、マッチングサービスとしての機能が向上し、より飛躍的に利用者が増大することも予想されます。
以上のことから、建設キャリアアップシステムは今後、建設業関係者にとって必要不可欠なシステムとなる可能性が高まっています。
建設キャリアアップカードの種類
建設キャリアアップシステムでは、技能者の能力を4段階に評価しており、段階によってカードの色が異なります。
大まかにはレベル1が「初級技能者(見習いの技能者)」、レベル2は「中堅技能者(一人前の技能者)」、レベル3が「職長として現場に従事できる技能者」、レベル4が「高度なマネジメント能力を有する技能者(登録機関技能者等)」となります。
カードの色はレベル1から順にホワイト、ブルー、シルバー、ゴールドとなっています。
技能者の評価は「経験」、「知識・技能」・「マネジメント能力」の3項目で評価されており、より高いレベルに達することにより、現場でより責任ある仕事に従事する能力の証明になります。
建設キャリアアップシステムを利用することにより、技能者はより高いレベルを目指して経験を積んで知識や技能の習得に励むことができ、事業者はより高いレベルの技能者を効率的に探せます。
双方にとってメリットのあるこのシステムで、現場の処遇改善と効率的な現場運用に多大な効果をもたらすことが期待されています。
転職者が理解すべき建設キャリアアップシステムの詳細3つ
ここまでは、建設キャリアアップシステムが今後の現場労働者の雇用と大きく関係していることを紹介しました。
では、実際に建設キャリアアップシステムを利用する場合に、どのようなことを知っておくべきなのかという点を、3つのポイントに絞って紹介していきます。
1:建設キャリアアップシステムの仕組みとは
建設キャリアアップシステムを利用する場合、まず労働者が、個人情報や現場経験の履歴、保有資格といった各種情報を登録します。
また、建設会社なども、会社の情報や、建設業許可情報などを登録していきます。登録者にはICカードが配布され、現場で働く際、設置されたカードリーダーに通すことで、都度情報が蓄積されていく仕組みとなっています。
本システムを利用するメリットとしては、労働者の現場経験やスキル、保有資格などが業界統一ルールでシステム上に蓄積されるため、適正な評価がしやすくなり処遇改善につながる点です。
さらに、建設業退職金共済制度の証紙貼付状況を確認しやすく、労働者が自分の経験や資格の履歴を閲覧することで、さらなるスキルアップを目指しやすくなっています。
また、離職して復帰する際にも、経験やスキル、資格を客観的に証明しやすいというメリットもあります。
このように、技能者と事業者が各々の情報を登録・蓄積していくことで、さまざまな部分での効率化、モチベーションが向上を期待でき、双方にとって大きなメリットがあるとされています。
2:登録する情報とは
建設キャリアアップシステムに登録する際に入力する情報は、「個人情報」、「所属事業者名」、「加入している社会保険・年金保険の種類」、「職種」「保有する資格」、「研修等の受講歴」、「表彰等の履歴」があり技能者を客観的に評価できる情報はすべて入力できるようになっています。
登録事項の数が多く、また資格や研修の受講歴を登録する際には証明書類の提出も必要なため、事前に準備しておく必要があります。手元に必要書類がない場合などは、早めに取り寄せ、申請までに揃えておくようにしましょう。
3:登録料金はどれくらい?
建設キャリアアップシステムへの登録料金は、技能者と事業者によって異なります。また、技能者登録か事業者登録か、事業者登録ならば一人親方なのか、会社なのか、会社ならば規模はどのくらいなのかによって料金が異なり、登録料金に関わる仕組みは少し複雑です。
技能者登録をするのか事業者登録をするのか、事業者ならば規模はどのくらいなのかを事前に明確にし、登録時に混乱のないよう、備えておきましょう。
新規登録時と更新時にかかる料金
技能者が登録する場合、インターネット申込なら2500円、認定登録機関への申込なら3500円となっており、新規登録時と10年毎の更新時に負担が必要です。
事業者が登録する場合、登録料は事業者の規模(資本金)によって異なり、公表されていませんが、利用料は「管理ID利用料」として、1IDごとに11,400円、一人親方の方は2,400円となっています。
さらに、事業者が元請け業者として工事する場合、現場利用料として、就業履歴1件につき10円がかかります。
インターネットで登録する方が登録料も安くおすすめですが、本人確認書類の種類によっては認定登録機関で登録しなくてはならない等の違いもありますので、どちらで登録すべきか、あらかじめ調べておく必要があります。
出典:ご利用方法・料金|一般財団法人建設業振興基金
参照:https://www.ccus.jp/p/use
建設キャリアアップシステムを利用するメリット6つ
建設キャリアアップシステムは技能者・事業者がともに自らの情報を登録することによって、効率的な現場運営と技能者の適正な評価を得るためのシステムだということは紹介しましたが、これらの情報を共有することにより、今までになかった様々なメリットがあります。
ここでは、建設キャリアアップシステムを利用することによって得られるメリットについて、6つに分けて紹介していきます。
より効果的に利用できるよう、システムの長所については正確に理解しておきましょう。

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1:処遇が改善できる
技能者が自らの経歴や資格を明らかにすることによって、同様の技能者と同等以上の評価、処遇を受けられているかが分かります。
自分が適正な処遇を受けられていない場合、他の会社に転職したり、会社に処遇改善を求めるきっかけになったりしますし、事業者の方も、適正な処遇を行う上での指標を得られます。
2:スキルアップが容易になる
技能者は、どういった資格や経歴が求められているかを知ることができます。現場で重宝される人材になるために必要な資格・経歴が分かれば、「自分が今何をすべきなのか」が明確になり、最短距離でキャリアアップへの道を歩めます。
また事業者側も、技能者のスキルを客観的に把握できますから、適材適所の現場運営を行う上で、役立てることのできるシステムだと言えます。
3:離職して復帰する際に役立つ
一度は現場を離れた技能者が新たに職を求める際、面接や職務経歴書で自分の技能・資格をアピールしなければなりませんし、事業者の側も、求職者の能力を正確に評価したいと思っています。
建設キャリアアップシステムを利用すれば、技能者の現場経験や資格、講習履歴などが詳細に分かりますから、企業は客観的な情報を正確に把握し、正しい評価・処遇での採用を実現できます。
また、現在離職している技能者も、自分のスキルを求めている会社に再就職できる可能性が高まりますし、自分の価値をより高められる資格などを取得してから就職活動を行うといった選択肢が生まれる可能性も生まれます。
4:外国人の方でも登録できる
建設キャリアアップシステムには外国人の方でも登録できます。
日本人の技能者に比べ、外国人の技能者は言語の面でも、自分の能力を職場にアピールするのが難しいケースが多々ありますが、客観的な能力の証明をしてくれるこのシステムを使えば、正確な能力の評価を受けられます。
国籍や言語に関わらず、資格や技能で個人を評価できる点も、建設キャリアアップシステムを利用するメリットであると言えます。
5:モチベーションが向上する
ただ漠然と「現場経験を積んで、資格を取れば給料があがるかもしれない」と考えるより、具体的に「どんな現場でどれくらい経験を積んで、こういう資格を取ればいくら給料があがる」と考える方が、日々の仕事や資格学習に身が入ることは言うまでもありません。
建設キャリアアップシステムで客観的な情報を登録することは、この基準を明確にすることであり、各々の技能者のモチベーションを向上することにも役立ちます。
高いモチベーションで仕事に臨めば、その時点での能力が同じだとしても、質の高い仕事ができる可能性があり、それだけで現場や従業員の質が高まる可能性すらあります。
6:企業側にとっては書類事務が大幅に軽減できる
主に公共事業などで企業が工事を受注する際、企業の建設業許可証や責任者の資格証の提出など、許認可や資格に関する大量の書類を提出することがあります。
特に中小企業などでは工事担当者が書類の作成や提出も行うことが多く、専門ではないので手間もかかり、現場作業の大きな負担となることも多い仕事となってしまっています。
建設キャリアアップシステムに事業者、技能者の情報を登録し、該当工事がこのシステムを使用していれば、企業の許認可状況や責任者となる技能者の資格を書類の提出なしに確認できるので、書類事務を削減でき、現場作業に集中できるようになるというメリットがあります。
建設キャリアアップシステムの登録方法
建設キャリアアップシステムへの登録方法は、インターネット上で行うものと、認定登録機関に申請するものの2種類があります。入力内容に違いはありませんが、インターネット申請では利用できない本人確認の方法もありますので、事前に調べておきましょう。
この項目では、システムへの登録方法と、必要書類についてまとめています。手元にない必要書類などがあれば、早めに準備しておきましょう。
必要な書類は?
登録を希望するすべての方が提出しなければならない本人確認書類として、日本国民の場合は運転免許証またはマイナンバーカードの写し、額国籍の方は特別永住者証明書または在留カードを提出します。
運転免許証及びマイナンバーカードを持っていない場合、パスポートの写しと住民票の写しで代用することができます。
それらも持っていない場合は、住民票の写しと健康保険証の写しで代用することもできますが、この方法は認定登録機関での申請でしか使うことができないので注意してください。
その他に、技能者の資格を証明する際に必要な書類として、「通称名証明書類(住民票等)の写し」、「加入社会保険等証明書類」、「外国籍証明書類の写し」、「雇用保険の加入を証明する書類の写し」、「主任技術者になるために必要な学歴を証明する書類」、「登録基幹技能者証明書類の写し」、「保有資格証明書類の写し」、「研修受講証明書類の写し」、「表彰証明書類の写し」があります。
多くの資格を持っている場合など、人によっては数多くの書類を提出しなくてはなりませんが、正確で詳細な情報を登録するため、手元にないものは早めに申請するなどして準備し、もれなく書類を提出しましょう。
申請するための手段
建設キャリアアップシステムへの申請の方法には、インターネット上で行う方法と、認定登録機関で申請する方法の2種類があります。
インターネット上で申請は、建設キャリアアップシステムのホームページより必要情報を入力し、申請します。
認定登録機関での登録は、こちらに記載の機関で申請書類を提出し、行います。
ほとんどの場合、インターネット上で登録する方が便利で登録料も安いのですが、認定登録機関でしかできない申請方法もあるので注意してください。
建設キャリアアップシステムを利用しよう
建設キャリアアップシステムは、技能者が自らのスキルを客観的に評価してもらい、適正な処遇を求められるだけでなく、事業者も必要な技能を持った技能者を採用し、効率的な現場運用ができるという、双方に大きなメリットを持ったシステムです。
今後、民間を含めた多くの現場で導入されていくことが予測され、より早い段階でシステムを利用することで、先んじて理解度を高め、会社の業務を削減し、利益率を向上させる要素にもなります。
インターネットの利用について、特に中小企業は他の業種と比べて何かと後れを取ってしまいがちな建設業ですが、その利便性から、今後導入が進んでいく可能性はとても高いと言えます。
建設キャリアアップシステムを利用し、技能者、事業者双方が効率的で納得いく仕事を進めていきましょう。
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