この記事では、施工管理者が知っておくべきコベルコの歴史を紹介していきます。
定番重機の販売から、最新技術を採用した重機の開発にも力を入れている重機メーカーがコベルコです。
今後はハイテク化の進展に伴い、コベルコのハイブリッド技術が建設現場に取り入れられていくと予想されるため、施工管理者はコベルコへの理解を深めておくと良いかもしれません。
ここでは、コベルコの歴史について紹介します。

重機メーカーコベルコとは

100年以上の創業実績を持ち、神戸製鋼所の子会社として誕生した重機メーカー「コベルコ」のメイン事業は、油圧ショベルやホイールローダー、クローラークレーンといった建設・運搬機械の開発と販売です。
特に主力商品である油圧ショベルは、大型からミニショベルまで幅広いシーンに適した重機が開発されています。
国内での重機シェアはコマツや日立建機に並び、大手の重機メーカーと言えるでしょう。

世界最新技術を作り出すコベルコ

コベルコの事業では、定番の重機製造だけでなくハイブリッド技術の分野で積極的に挑戦し、現場に効果的なものを採用しています。
1999年の秋、知識も技術もない状態からハイブリッド技術の研究をスタートしています。
7年後の2006年春には、世界初となる燃費大幅削減（40%）を実現したハイブリッド油圧ショベルが誕生しました。
さらに、2016年には業界初となるリチウムイオンバッテリー採用の大型発動電動機「SK200H-l0」が誕生し、今なお人気の商品です。リチウムイオンバッテリーが採用されたことで、エンジンの負担軽減や燃費効率と作業量の増加を実現しました。

コベルコの歴史

コベルコの主要株主は、100年以上の実績を持つ大手企業「神戸製鋼所」です。
長年培った技術力のほか、第二次世界大戦や阪神淡路大震災などを乗り越えた神戸製鋼所の豊富な経験と実績を受け継ぎ、1999年に（株）神戸製鋼所の建設機械部門、油谷重工（株）、神鋼コベルコ建機（株）が統合してコベルコ建機（株）が誕生しました。
コベルコは日本国内での開発・生産・販売だけでなく、中国・アメリカ・インド・シンガポール・オランダ・ドイツなど、世界各国にも会社を設立し事業を展開しています。
2006年には超大型ビル解体専用機「SK3500D」が65mの世界一高い作業を可能とし、ギネス記録に登録されています。

大型重機を開発・生産する反面、ミニショベルの製造やハイブリッド重機の開発にも力を注ぎ、様々な現場で活躍できる重機を世界各国に送り出しているのです。
コベルコ建機日本（株）が誕生したのは2019年です。
東日本コベルコ建機（株）と西日本コベルコ建機（株）が統合し発足しました。

積極的な地球環境保全活動

建設業界や重機業界で長い歴史を持ち、世界にも進出しているコベルコですが、地域環境保全活動にも積極的に参加しています。
2006年に誕生した世界初のハイブリッドショベルモニターや、2009年のハイブリッドショベル「SK80H」などの最新技術を採用した重機の開発が注目を集めました。
2010年には、ハイブリッドショベルでは初受賞となる技術開発・製品化部門で、地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞しました。
また、地球温暖化防止や森林整備貢献の一環である「カーボン・オフセット」プログラムを主催しています。
環境省・経済産業省・農林水産省が行う「カーボン・オフセット大賞」では、2015年に農林水産大臣賞を、2018年には東北支援賞を受賞しています。
さらに、東京本社において近隣のゴミ拾いや花壇の手入れ・目黒川の雨水を使った水撒きなど定期的に行なっています。
ほかにも地域貢献努力が認められ、「しながわ環境大賞」を受賞するなど、地球環境の保全にも力を入れています。

ハイブリッド技術開発が期待されるコベルコ

大手企業である神戸製鋼所の確かな技術力と経験を引き継いで誕生した重機メーカー・コベルコ。国内外での重機開発・生産・販売をメイン事業とし、大型重機からミニショベルまで幅広い展開を見せています。
近年はハイブリッド技術を用いた機械の開発にも力を入れており、時代の流れと顧客のニーズに応えています。
メイン事業以外にも、社会貢献の一環である地球環境保全活動に積極的な姿勢も大切にしているのがコベルコなのです。

出典：コベルコ建機株式会社・沿革