チョーキング現象を補修する時の手順3つ|確認する方法や起こる原因も紹介
目次
チョーキング現象とは
チョーキング現象とは、外壁が劣化しチョークのような白い粉が出てくる現象のことを言います。またチョーキング現象は、「白亜化現象」とも呼ばれています。
チョーキング現象は外壁が自然環境などにより劣化し、使われている塗料が粉状になって壁の表面に現れた状態です。施工後早い段階でチョーキング現象が起きたときは、施工不良の可能性もあります。
チョーキング現象の確認方法と、対処方法はどうしたら良いのでしょう。
チョーキング現象を確認する方法
チョーキングは、セルフチェックでも確認できます。
チョーキング現象は、外壁塗装をしてから5~10年以上が経過した家や、窯業サイディングやモルタルに外壁塗装して数年が経過した家にも起こりやすい現象です。
セルフチェックは外壁に触ったり、水をかけたりすると確認できます。それでは、チョーキング現象を確認する方法を詳しく説明します。
手で触ってみる
チョーキング現象を確認する方法として、手で触ってみると良いでしょう。チョーキング現象の現れた外壁を手で触ると、手に白い粉が付くので確認できます。
チョーキング現象が起こり始めた頃は、まだうっすらと粉が付く程度ですが、しっかりと粉が付くようになるとメンテナンスが必要だと言えます。
外壁の色によって粉の色に違いがありますが、手で触ってみると粉が手に付くのでチョーキング現象が起きているか判断できるでしょう。
水をかけてみる
チョーキング現象を確認するには、水をかけてみることも良いでしょう。
チョーキング現象が現れた壁は水で濡れると変色してしまいます。外壁の役割だった防水効果も、チョーキング現象が起きる頃には低下していることが多いでしょう。
ホースなどで水をかけるだけでなく、雨の日も外壁が水に濡れて変色するので確認できます。また、水が染み込むと外壁の損傷や変色などの原因になる可能性があります。
チョーキング現象を放置しない方が良い理由
チョーキング現象は、外壁が自然環境から家を守る力が弱まったサインなので放置しない方が良いでしょう。チョーキング現象を放置すると、雨などの水分が外壁に吸収され損傷やコケの原因にもなります。
これは防水機能が低下してきたために起きる現象ですが、外壁の劣化が進行し、新たな補修が必要になると余分なお金がかかります。そのため、劣化が進行してしまわないうちに、塗り替えの検討を始めると良いでしょう。
外壁にチョーキング現象が起こる原因3つ
外壁にチョーキング現象が起こる原因は、環境と立地と施工不良といった理由が考えられます。
紫外線や雨、立地条件などにより、塗装の合成樹脂がダメージを受けてしまうこともありますが、劣化が早いときは施工不良も考えられるでしょう。また、施工不良の場合、塗料の耐用年数よりも早くチョーキング現象が確認できます。
ここでは、チョーキング現象が起こる原因を詳しく説明します。
チョーキング現象の原因1:紫外線による劣化
紫外線によって劣化が起こるのは、塗料の塗膜が紫外線により分解されるからだと言われています。
塗料に含まれる合成樹脂により塗膜が作られますが、塗膜が分解されると塗料の中の顔料が粉になって現れてきます。また、太陽の熱でも塗膜にダメージを与えてしまいます。
チョーキング現象は紫外線が原因で起こりやすいので、日当たりの良い場所ほど外壁がダメージを受けやすくなるでしょう。
チョーキング現象の原因2:立地の環境
建物の立地が日当たりの良い場所や、風が良く当たる場所は外壁の劣化を早めてしまいます。
建物の方角も、南側だと長い間紫外線を浴びているため、チョーキング現象が起きやすくなります。そして次に、強い日差しを浴びる西側も紫外線の影響を受けやすい方角です。
また、風が強く当たる立地の場合、風で飛ばされた砂ぼこりなどが外壁の塗膜に傷を付けてしまいます。その結果、外壁が早く劣化してしまう可能性があります。
チョーキング現象の原因3:施工不良
外壁に使われた塗料の耐用年数よりも早く、チョーキング現象が起きてしまった場合は、施工不良の可能性があります。
塗装するときにしっかりと洗浄されていなかったり、塗料メーカーが推奨する環境で塗装していなかったりといった理由が考えられます。ほかにも、洗浄後の乾燥不足や塗料の撹拌不足といった理由もあるでしょう。
このような手抜き作業が起きないためにも、信頼できる施工業者を見つけて依頼する事が大切です。
チョーキング現象を補修する時の手順3つ
チョーキング現象の補修では、外壁をきれいに洗浄してから塗装します。しかし、それぞれの工程を怠ると施工不要の原因となり、塗装を無駄にしてしまいます。
また、塗装には専門的な知識や技術、高い場所で作業をします。素人のDIYは外壁の損傷や高い場所から落ちてしまうなどの危険が伴いますので、プロにお任せすると良いでしょう。
それでは、チョーキング現象の補修の手順を説明します。
チョーキング現象の手順1:洗浄作業をする
まず外壁についている汚れや、チョーキングの粉をきれいに洗浄します。汚れたまま施工してしまうと塗装がはがれたり、うまく塗装ができなかったりとトラブルの原因になります。
洗浄作業は簡単に見えますが、ブラシで強く擦ると外壁が傷んでしまったり、高圧洗浄機の強度を間違えても、同じく外壁を傷めてしまう可能性があるので素人には難しいでしょう。
そして、洗浄作業を行った後はしっかりと乾かします。
チョーキング現象の手順2:下塗りをする
洗浄作業が終わると、外壁にできた細かい傷の補修やコーキングの打ち替えをし、下塗り作業をします。下塗りは、上塗り材を定着させるためにとても大切な工程です。
また、下塗りには「プライマー」と呼ばれる材料を使います。下塗りをすると、上塗りで使う塗料の過剰な吸い込みを抑制する作用もあります。
なお、下塗りを怠ってしまうと、チョーキング現象が現れる時期を早めてしまいますので大切な工程です。
チョーキング現象の手順3:上塗りをする
下塗り作業をした後は上塗りをします。上塗りは仕上げ作業なので使用する塗料の種類の選択、量や乾燥時間の厳守が性能にも関係してきます。
上塗りで使用する塗料には種類もいろいろあり、種類によって発揮する性能にも違いがあるため、立地の環境によって塗料の種類を選択すると良いでしょう。特にチョーキング現象が起きにくいと言われるものに「ラジカル塗料」があります。
耐候性が高い塗料を選ぶ
耐候性が高い塗料を選ぶと劣化を遅らせ、美観や防水機能を長く保つことができます。塗料の種類には「シリコン塗料」や「ウレタン塗料」などがあります。
また「ラジカル塗料」には、劣化の原因となるラジカルを発生させる、酸化チタンを抑制する働きがあります。さらに酸化チタン抑制と光安定剤により、耐候性が高い塗料と言われています。
正しい知識を持つ施工業者を選び、建物診断してもらうと良いでしょう。
正確な建物診断を行う業者を選ぶ
チョーキング現象が現れたら、焦らずに安心して施工を頼める業者を探すなど検討を始めましょう。
チョーキングは誰でも確認しやすい現象なので、美観が損なわれてくると訪問で不安を煽る業者が現れることがあります。外壁を勝手に確認し、言葉巧みに契約につなげようとしても、その場での契約は見送りましょう。
自分自身でしっかりと建物判断を行ってくれる業者を確認してから、見積もりを依頼すると良いでしょう。
チョーキング現象について知ろう
紫外線によって塗料が粉状になってしまい、チョーキング現象が現れた外壁に触れてしまうと体についたり、服についたりします。また、チョーキング現象が起きているのは外壁だけでなく、屋根瓦や門扉、車でも現れます。
耐用年数はあくまでも目安の期間です。うっすらと粉が付くチョーキング現象が現れたら外壁が劣化したサインです。外壁塗装の検討を始め、しっかりとした施工業者を探して依頼することをおすすめします。
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