【工事検査を徹底攻略③】工事検査の検査項目を再確認しよう
公共工事は国の定めた法律に基づいて行われます。
そのため工事請負者は、工事の完成時に工事請負契約や設計図書どおりに施工されているか、発注者による検査を受ける義務があります。
今回は、工事検査の項目と工事検査を受けるにあたっての注意点についてご紹介します。
工事検査の項目
国土交通省は工事検査官の検査の判断基準について、次のような項目を挙げています。
施工体制について
施工体制一般、施工体制台帳での作業分担確認などの評価、および配置技術者(現場代理人、監理・主任技術者など)の責務についての評価があります。
施工状況について
施工管理、工程管理、安全対策、対外関係(苦情・トラブル対応)などについての評価があります。
出来形・出来ばえについて
出来形管理、品質管理 不可視部分の工事記録写真などの評価があります。
高度技術について
施工規模、構造物や技術面の難易度、地盤条件や周辺環境の対応への評価があります。
創意工夫について
施工、品質、安全衛生、施工管理に関する工夫点への評価があります。
社会性について
地域への貢献、環境保全や周辺環境との調和への評価があります。
法令遵守について
入札時の虚偽の申告、外国人の不法就労者雇用などがないかの評価があります。
以上は代表的な項目を挙げていますが、項目は細分化されており、詳細な検査が行われることになります。
工事検査の注意点
工事検査に向けて書類の整理や準備は大変な作業ですが、効率的に行うためにも工事の過程でこまめに取り組んでおくと良いでしょう。
工事検査を受けるまでに社内検査を実施して、不備な点はないか確認しておくようにします。
検査で指摘されてからの改修では、納期に影響する場合があるので気をつけましょう。
工事検査では書類の検査と現地の検査が実施され、立ち会いには主任(監理)技術者と現場代理人が参加することになっています。
書類や現地の説明は主任(監理)技術者が主となって行い、施工過程で責任を持って関与してきたかという点も評価の対象になります。
現地の検査では測量も行われるため、交通状況も考えて実施できるようにします。
工事検査官などの発注者は、施工の工程や書類に記載されている内容についてさまざまに質問をしなければいけません。
そのため回答する主任(監理)技術者は、速やかに明確な状況を説明することが求められます。
主任(監理)技術者は、この検査を自社の施工技術や工夫の方法についてアピールできる機会と考えて臨むのもいいでしょう。
求められる公共工事の品質確保
公共工事は貴重な税金を使って行われるため、国民からも無駄を抑えた効率の良い施工と高い技術水準が求められます。
そのためには、公共工事を請け負う建設業者の適正な選定が重要です。
厳しい基準の工事検査や指導を行い建設業者が適正に評価されることにより、建設業界の技術の向上とますますの発展が期待されます。
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