インダクタンスとは?インダクタンスの計算方法や詳細4つをご紹介!
目次
インダクタンスとは
コイルなどに電流を流すと電流量の変化で磁場が発生して起電力が発生します。インダクタンスとは、「コイルに流れる電流の変化で発生する電磁誘導電力の度合い」を数値化したものです。
発生する起電力はファラデーの法則で求められます。また、起電力の方向はレンツの法則で求められます。
インダクタンスの種類2つ
インダクタンスには自身のコイルに起こる起電力の計算に使う自己インダクタンスと、2つのコイルの相互作用の計算で使う相互インダクタンスの2種類があります。
自己インダクタンスは自身の起電力を表します。相互インダクタンスは一方のコイルが他方のコイルにどのように作用して電力が発生するかを表すもので、変圧器などの特性を示します。
自己インダクタンスと相互インダクタンスのそれぞれの計算方法は異なります。
自己インダクタンス
コイルに電流を流すと磁場が発生します。流す電流の大きさが変化すると磁場の大きさである磁束も変化して電磁誘導作用が起こり、コイルに起電力が発生します。
自己インダクタンスとは、「コイルに流す電流量の変化で生じる起電力の量」です。自己インダクタンスは比例定数で表し、単位はH(ヘンリー)です。
コイルは自己インダクタンスの働きにより交流電流には抵抗のように作用し、周波数が高くなると電気を通しにくくなります。
自己インダクタンスの計算方法
自己インダクタンスはコイルの巻き数、磁束、流す電流の3つの要素で計算できます。
コイルの巻き数をN、磁束をϕ(ファイ)、流す電流をiとすると、自己インダクタンスLはNϕ/iで表せます。
また、「N巻のコイル全体を貫く磁力線の本数」として、磁束交差数があります。磁束交差数はψ(プシー、プサイ)で表し、LiまたはNϕで算出します。
相互インダクタンス
並べた2つのコイルの片方のコイルの電流が変化することで、他方のコイルに起電力が発生します。これは相互誘導と呼ばれています。
相互インダクタンスとは、「相互誘導で発生する起電力の大きさ」です。相互インダクタンスは自己インダクタンスと同様に比例定数で表し、単位はH(ヘンリー)です。
相互インダクタンスの計算方法
相互インダクタンスはそれぞれの自己インダクタンスと結合係数で計算します。結合係数とは、それぞれのコイルの磁気的な結合の度合いを示したものです。一方のコイルで発生した磁気が100%他方のコイルを貫くときは1になり、磁気の90%が貫くときは0.9となります。
それぞれの自己インダクタンスをL1とL2、結合係数をkとすると、相互インダクタンスはkにL1L2の平方根を取った値を掛けることで求まります。
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インダクタンスの詳細4つ
コイルに電流を流すと磁場が起こり、起電力が発生します。コイルに起電力が発生する原理、大きさ、電気の方向はファラデーの法則とレンツの法則で説明できます。
ここではインダクタンスの基本的な計算方法と単位、ファラデーの法則との関係、起電力の大きさ、起電力の発生方向についてみていきましょう。
インダクタンスの詳細1:インダクタンスの単位
インダクタンスの単位は「H」でヘンリーと読み、米国の物理学者ジョセフ・ヘンリーからとっています。
インダクタンスはコイルの巻き数と磁束に比例し、電流に反比例します。コイルの巻き数をN、磁束をϕ(ファイ)で表し、流す電流をiとすると、インダクタンスはNϕ/iで表せます。
磁束の単位はWb(ウェーバー)で、式から導出されるインダクタンスの単位はWb/Aですが、現在ではSI組立単位の「H」が使われています。
インダクタンスの詳細2:ファラデーの法則との関係性
ファラデーの法則とは、「磁場が時間的に変化すると回路に起電力が生じる」ことで、「コイルに流す電流の変化で磁場が変化し、起電力が生じる」という一連の流れの基礎のなるものです。
ファラデーの法則はローレンツ力で説明できます。ローレンツ力とは、「電荷を持つ粒子や荷電粒子が磁場の中で運動すると力を受ける」ことです。これを言い換えると「電流が磁場から受ける力」で、コイルの誘導起電力の原理です。
インダクタンスの詳細3:誘導起電力の大きさ
コイルの誘導起電力はファラデーの電磁誘導の法則によって計算でき、「コイルの巻き数と磁力線の量である磁束に比例し、変化の時間に反比例」となります。
コイルの巻き数が多いほど、またコイルを貫く磁束が多いほど起電力が大きくなります。また磁束の変化が短時間であるほど起電力は大きくなります。また、磁束の変化がないときの起電力は0になります。
インダクタンスの詳細4:起電力の発生方向
コイルの特性を知るときに欠かせないレンツの法則は「磁界の変化を妨げる方向に磁界が作られ、その磁界に応じた方向に電流が流れる」というものです。
コイルに流れる電流量が変化するときの起電力の方向は、電流が増えると磁束も増えるため磁束を減らす方向に、電流が減ると磁束も減るために磁束を増やす方向になります。
つまり、起電力は電流変化を妨げる方向に発生するため、起電力の計算式には逆方向を示すマイナスが付きます。
インダクタンスについて理解して計算方法をマスターしよう
インダクタンスの計算方法は自己インダクタンスと相互インダクタンスで異なります。また、コイルの巻き方、鉄心の有無、環状コイルなどの形状によってそれぞれの計算方法がありますが、基本となる計算式を応用して算出できます。
「インダクタンスがどんなものか」を理解すれば計算方法もマスターできるでしょう。
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