建設現場の安全に欠かせない!安全衛生計画書の書き方
建設現場において欠かせないものの一つが「安全衛生計画書」です。
建設現場では、労働災害を防ぐためさまざまな対策が行われており、安全衛生計画書もその一つです。
この安全衛生計画書は安全な工事をスムーズに行うために必要な書類ですが、書き方が複雑な面もあります。
本記事では安全衛生計画書とはなにか、安全衛生計画書の作成方法、記入する内容などを紹介します。
目次
安全衛生計画書とは
安全衛生計画書とは、作業所ごとに作成する安全書類の一つです。
この安全衛生計画書は下請企業が作成します。
安全衛生計画書は、安全衛生水準の向上や労働災害の防止、安全意識の向上などの目的で作成されます。
1年ごとに作成し直す
安全衛生計画書は年度更新型の書類のため、年度ごとに新たに作成します。
たとえば数ヶ月で工事が終わる工事は一度作成するだけですが、数年にわたって工事を行う場合は年度ごとに再作成が必要です。
安全衛生計画書の作成手順
ここでは安全衛生計画書の作成手順について紹介します。
チェックシートを利用してみる
安全衛生計画書は、さまざまな記入項目があるので複雑な部分もあります。
そのため作成に慣れるまではチェックシートなどを利用することが推奨されています。
チェックシートは現状を把握するために使用するものです。
チェックシートはWebでダウンロードできます。
チェックシートに記入する
チェックシートでは「責任者」「災害件数」「方針・目標」「検討項目」「実施項目」などの項目が挙げられます。
自社の問題点やチェックポイントを検討し、チェックシートに記入しましょう。
1.責任者
一定規模以上の事業場には、安全衛生業務を担当する者を定めなくてはいけません。
これは各事業場の労働者の数によって、定める者に違いがあります。
そのため選任義務があるかどうかまず確認しましょう。
2.災害件数
過去3年間の労働災害発生状況を記入します。
3.方針・目標
基本方針と目標を設定しましょう。
基本方針には経営者や経営トップなどの安全衛生に関する考え方や方針などを記入します。
この方針は簡潔に記します。
目標は基本方針に従い、具体的に設定しましょう。
4.検討項目
検討項目には、自社が理想とする安全衛生かつ都合について書き出します。
この項目は活動の種類によって6種類に分類されています。
5.実施項目
3で定めた目標に沿って、緊急性の高いものや防災効果の高いものを重要事項とします。
それを改善するための具体的な活動を記入しましょう。
実施項目、解決可能な範囲かつは具体的なものを記入することが大切です。
あまり高い目標を設定したり、具体性に欠けたりしているものは実現が難しく、計画を立てただけで終わってしまうことがあります。
安全衛生計画書を作成しそれを実施する
安全衛生計画書に内容を記入します。
安全衛生計画書は、Webでダウンロード可能です。
記入する具体的な内容は次の項目で紹介します。
記入した後は安全計画に従い、安全衛生計画を実施しましょう。
安全衛生計画書の評価と改善を行う
安全衛生計画書は1年間有効の書類です。
記入から1年間は、計画の評価や翌年に向けての改善点などを検討しておきます。
安全衛生計画書に記入する内容
安全衛生計画書には以下のような内容を記入します。
1.安全衛生方針
安全衛生水準の向上を目指し、管理者や作業者が意識すべき姿勢や方針などを記入します。
たとえば以下のような内容です。
- 労働安全衛生関係法令や安全衛生管理規定などを遵守
- 従業員の協力のもとで安全衛生管理活動を行う
2.安全衛生目標
特定の危険や有害な原因に対してどう取り組むのか、取り組んだ結果どんな目標を目指しているのかなどを記入します。
ここは具体的に記入するので、数値目標なども入れましょう。
たとえ以下のように記入します。
- 安全衛生の達成率は80%
- ヘルメットや安全帯は必ず着用し、不使用をゼロにする など
3.安全衛生上の課題や特定した危険性・有害性
前年度の工事の状況や過去の似た状況の工事を検討し、安全衛生に関する課題や危険性などを記入しましょう。
たとえば以下のような内容を記入します。
- 足場から落下する災害が発生した
- 安全衛生パトロールなどで指摘された事項の改善が行われていなかった
- 作業手順書によるリスクアセスメントが行われていなかった
4.安全衛生計画
ここでは安全衛生目標を達成するための具体的な取り組みについて記入しましょう。
5.作業所共通の重点対策と実施事項
安全衛生目標を達成に向けた、現場指導の具体的な内容と対策、実施事項などを記入します。
6.安全衛生行事
月ごとに実施する安全衛生関連行事を記入します。
工事が始まる月に合わせて記入しましょう。
7.安全衛生管理体制
自社の安全衛生担当者の役職名や氏名を記入します。
常時働く労働者の数によって記入の有無の欄が変わる場所があるので注意しましょう。
・安全衛生推進者
常時10人以上50人未満の労働者がいるとき
・安全管理者、衛生管理者、産業医
常時50人以上の労働者がいるとき
・統括安全衛生管理者
常時100人以上の労働者がいるとき
出典
一般社団法人 安全衛生マネジメント協会「安全衛生計画書の作成と活用」
一般社団法人 安全衛生マネジメント協会「【手順2】チェックシート作成」
一般社団法人 安全衛生マネジメント協会「【手順3】安全衛生計画書の作成と実施」
一般社団法人 安全衛生マネジメント協会「【補足】安全衛生計画書の必要性について」
現場の安全を守るために欠かせない書類
安全衛生計画書は、現場の安全や労働者を災害から守るために必要とされる書類です。
記入する場所が多いですが、1年(年度)に1度だけなので、しっかり覚えておきましょう。
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