研削砥石を取り扱う上で必要な特別教育2種類!対象者や講習内容も紹介
目次
研削砥石とは
研削砥石とは砥石を高速回転することによって加工物を削る切削工具です。
研削砥石は丸い円盤状の砥石をグラインダーなどの工具に取り付けて回転させ、砥石表面に無数についている鋭い粒によって加工物を削ります。そのため、加工物を正しい寸法で美しく仕上げることができるものです。
研削砥石を使用する場合、決まっている使用面を加工したい素材にあてて使用します。
研削砥石で削ることができる理由
研削砥石は自生作用によって削ることができます。
砥石についている細かい砥粒は、加工物に触れて削っていくことによって摩耗していきます。しかし摩耗して削れなくなった砥粒は自然に欠けていき、常に新しい切刃を出すことから、いつでも同じ状態で削ることができるようになっています。
この作用を自生(発刃)作用と呼びます。
研削砥石を扱うには特別教育が必要
研削砥石を行うには特別教育を受講する必要があります。
研削砥石はグラインダーと研削盤を機械に取り付けて高速回転することで対象物を切断するため、作業者が正しい知識を身につけていなければ非常に危険です。
そのため、労働安全衛生法によって砥石の取り換え作業や試運転などの危険が伴う業務に関しては、作業者の特別教育の受講が定められています。
受講せずに作業をした場合の罰則
特別教育を受講せずに作業を実施した場合、作業者には50万円以下の罰金が課せられます。
また、従業員などに特別教育を受講させずに危険を伴う作業をさせたとして、事業者には6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が処されます。そのため、作業従事者は必ず特別教育を受講を受ける必要があります。
研削砥石の特別教育2種類
研削砥石の特別教育には「自由研削砥石特別教育」と「機械研削砥石特別教育」の2種類があります。
特別教育は研削砥石に使用する工具によって受講する講習が変わります。また、受講する特別教育の種類によってそれぞれカリキュラムなども異なるため、事前に特別教育の内容について知っておきましょう。
ここでは研削砥石の特別教育2種類をご紹介しますので、どのような内容なのかぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
自由研削砥石の特別教育
自由研削砥石の特別教育は、自由研削砥石の取り換えや、取り換え時の試運転に従事する方が受講するものです。
自由研削砥石とは切断機や高速カッター、携帯用グラインダー、卓上グラインダーなどのグラインダー類が該当します。自由研削砥石は溶接によって発生した盛り上がりを削ったり、バリ取りなどで用いられます。
また、自由研削砥石の特別教育は後述する機械研削砥石の特別教育よりも受講時間が短い点が特徴になります。
対象者
自由研削砥石の特別教育の対象者は、自由研削用砥石の取替え、または取替え時の試運転の業務に従事する作業者です。
切断機や携帯用グラインダー、卓上グラインダーなどの電動工具を使用し、自由研削砥石の取り換え作業や試運転などを実施する場合に自由研削砥石の特別教育を受ける必要があります。
講習内容
自由研削砥石の特別教育では計6時間の講習を受けます。
教育科目は「自由研削用研削盤、自由研削用砥石、取付け具などに関する知識」「自由研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法に関する知識」「関係法令」さらに実技として「自由研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法」を学びます。
具体的には、自由研削用研削盤や砥石の種類や構造、取り扱いについて学んだり、取り付け具の締め付け方法などを学びます。
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機械研削砥石の特別教育
機械研削砥石の特別教育は、機械研削砥石を使用する作業従事者が受講するものです。
機械研削砥石とは工作機械に取り付けるタイプ砥石で、円筒研削盤や内面研削盤、平面研削盤などの研削盤が該当します。機械研削砥石は工作機械に取り付けることが難しく、手で持って加工できない加工物に用いられます。
また、機械研削砥石の特別教育も自由研削砥石の特別教育と大きな違いはありませんが、受講内容や講習時間が異なってきます。
対象者
機械研削砥石の特別教育の対象者は、機械研削用砥石の取替え、または取替え時の試運転の業務に従事する作業者です。
円筒研削盤や内面研削盤、平面研削盤などの工具機械を使用し、機械研削砥石の取り換え作業や試運転などを実施する場合に機械研削砥石の特別教育を受ける必要があります。
講習内容
機械研削砥石の特別教育では計10時間の講習を受けます。
教育科目は「機械研削用研削盤、機械研削用砥石、取付け具などに関する知識」「機械研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法に関する知識」「関係法令」さらに実技として「機械研削用砥石の取付け方法及び試運転の方法」を学びます。
自由研削用研削の特別教育よりも機械研削用砥石の取り扱いや実技などに講習時間が長くとられている点が特徴です。
研削砥石の3要素とは?
研削砥石はどのような要素で構成されているのでしょうか。
一般的に研削砥石は3つの要素によって構成されており、「砥粒」「結合剤」「気孔」の3つを研削砥石の3要素と呼びます。
ここでは最後に研削砥石の3要素についてそれぞれご紹介しますので、どのような要素によって構成されているのか参考にしてみてはいかがでしょうか。
研削砥石の要素1:砥粒
砥粒とは切ったり削ったり磨いたりするために使用する、硬度の高い粒状もしくは粉末状の物質です。
研削砥石で使用されている砥粒は研削材の粒で、要素の1つである結合剤によって固定されています。砥粒は加工物を削り磨くことができる切れ刃として働くもので、砥粒の量は研削砥石の加工性能に大きな影響を及ぼすものとなっています。
砥粒はその硬さや靱性、破砕性、形状などを考慮して選定します。
研削砥石の要素2:気孔
気孔とは研削砥石にできる小さな穴のことです。
気孔は砥層内部に残留した気泡のことで、意図的に作られています。気孔は研削砥石の研削時の熱を発散させたり、砥石の中の切り屑を取り除いたり、新しい砥粒に代わることを間接的に助ける役割を持っています。
また、気孔を増やすことによってソフトな砥石にしたり、砥石の硬さを調整することもできます。スポンジ状のポリビニールアルコール砥石にも多くの気孔が含まれています。
研削砥石の要素3:結合剤
結合剤とは砥粒を保持する接着剤です。
結合剤の役割は砥石の中にある砥粒を結合保持することです。
結合剤にはガラス質や粘土、長石などを原料とするビトリファイド、フェノール樹脂などの合成樹脂やエポキシ樹脂でできたレジノイド、合成ゴムや天然ゴムを主体としたラバー、高い保持力が特徴の流し込みタイプのエポキシなどの種類があります。
研削砥石を扱うために特別教育を受けよう
研削砥石の取り換えや試運転を行うためには特別教育を受ける必要があります。
研削砥石は丸い円盤状の砥石を高速回転させて使用するため、正しい知識を持っていなければ非常に危険です。
ぜひこの記事でご紹介した研削砥石の概要や研削砥石を扱うための特別教育2種類、研削砥石の3要素などを参考に、研削砥石を取り扱うために必要な特別教育について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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