地質調査(ボーリング調査)の目的5選|業務の流れや注意点を紹介
こちらの記事では、地質調査(ボーリング調査)の目的についてご紹介いたします。
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目次
地質調査(ボーリング調査)とは?
地質調査とは構造(地質)を解明するための調査であり、これらの調査は物理探査、ボーリング、センシングを含むものとなります。
ボーリング調査は調査を行いたい場所に行き、実際に現場作業として行います。なお現場内ではボーリング工と呼ばれる作業員が2人一組もしくは3人一組程度で試料採取を目指します。
条件によっても異なりますが試料採取は、地下の地盤を自然に近い状態で採取するため、技術が必要な仕事であると言えるでしょう。
地質調査(ボーリング調査)の必要性
家を新築するときや建て替えをするときに行われる地盤調査(ボーリング調査)ですが、ボーリング調査して土地の長所や欠点を知ることで、土地に適した建物を建てたり、建物を建てる前に土地を改良することができます。
もし地盤改良が必要な土地にも関わらず、地盤改良をせずに建物を建ててしまった場合、「地盤沈下」や「家が傾く」「家がゆがむことによって窓やドアが開閉できない」「外壁に亀裂が入る」というようなトラブルが起きる可能性が高くなります。このようなリスクを少しでも避けるために、地盤調査(ボーリング調査)は必要と言えるでしょう。
地質調査(ボーリング調査)に使われる機材
ボーリング調査では、ボーリングマシンという機材を使用する場合が多いです。
ボーリングマシンとは、地面に細長い穴を掘る機械です。先端にダイヤモンドなどを付けた鋼管を回転させながら掘るものや綱に吊るしたビットを落下させて衝撃を与えて掘っていくものなどの種類があります。
その他にも支持力計といったもので地盤上に自由落下させた時の衝撃加速度を測る機器なども使用します。
ボーリング調査はいろいろな機材を使用し、地盤の特徴を調べます。
地質調査(ボーリング調査)の目的5選
地質調査を行う目的は様々ですが大別すると「学術的分野」「資源開発分野」「建設事業分野」に分けることができます。
それぞれの分野によって現場内で行う試験内容や試料の採取方法
が全く異なります。それぞれどのような目的で地質調査が行われるのかをみていきましょう。
1:学術的分野
学術的分野では地質学的解明や地震予知として利用されています。
「地質学的解明」と聞いて興味を持つ方は少ないでしょう。ですが学術的分野のボーリング調査では「地震予知」ができると聞いたらどうでしょうか。
「活断層」という言葉をニュースなどで見聞きしたことがある方は多いのではないでしょうか。
この活断層が地震の原因であるとされており、活断層を発見することで地震を予知することが可能になります。
地球上の地面を掘り下げて行けばいつしか硬い「岩盤層」にあたります。この岩盤はいくつもの割れ目がありますが、通常はしっかりと噛み合っているためなんら影響はありません。
ですが、ここに大きな力が加わってしまうことで岩盤層にズレが生じます。このズレが生じることを「断層活動」と言い、ズレた衝撃と振動が地面に伝わる現象が「地震」です。
そして断層のうち将来に向かってまだ動く可能性がある断層のことを「活断層」と呼びます。
活断層は「活きている断層」と書きますがその名の通りです。ただ、活断層が発見されたからといって直ちに危険なわけではありません。
活断層は一定の周期で活動しており、数百年~数十万年に一度程度の周期です。
地震の予知のために行われるオールコアボーリングではこの「活断層」の発見を目指します。
つまり地下数百メートル先まで堀り、できるだけ自然に近い状態で地上まで上げてくるのです。
一般的にボーリング調査現場作業としては採取した試料を箱に入れ提出して終了です。
提出した試料はその後、活断層があるかどうかの観察作業に移り観察終了後は室内試験に移るのが一般的です。
なお日本は世界中で起こる10分の1もの地震が起こる地震大国であり、数え切れないほどの活断層が存在していると言われています。
2:資源開発分野
資源開発分野とは石炭や石油、鉱物資源、地熱などの地下資源開発を目的とした地質調査です。
ボーリング現場内での作業は「ノンコアボーリング」が一般的です。
ノンコアボーリングとはコアを採取せず、1mピッチでサンプルを採取するボーリング調査であり、地面に孔を掘ることのみを目的としています。
3:建設事業分野
ボーリング調査の中でもっとも需要があり、一番知られているものが「建設事業分野」です。
建設事業分野とは国土の開発や保全を目的とした調査であり、地質調査事業の約9割がこの分野で占められています。
建設事業分野では「標準貫入試験」を用いた試験を行うのが一般的であり、標準貫入試験を行うことで、地盤の強度を知ることができます。
そもそも建物は必ず「地盤」の上に建っていますが、田んぼのような軟弱地盤の上に建物が建っていたとしたらどうでしょうか。
一軒家程度の建物であればなんとか建てることはできるかもしれません。ですが、ちょっとした揺れで倒壊してしまうのは容易に予想ができます。
では田んぼの上にビルのような高層建物を建てようとしましょう。そもそも建築途中で倒壊してしまうことは予想ができます。
つまり安全に建物を建て、人々が安全に生活を送るために必要な調査が「建設事業分野のボーリング調査」です。
3地質調査(ボーリング調査)の調査方法 代表例
地質調査では「現場調査」と「室内試験」に大別できます。それぞれに専門家がおり、調査に特化した人材が調査を行います。
それぞれの調査方法について詳しくみていきましょう。
4:現場
試料採取を伴う調査の中で代表的なものとして、「標準貫入試験」「オールコア採取」「液状化調査」があります。
実際にはまだまだたくさんの試験が存在しますが、今回は代表的な3つに絞って紹介していきます。
標準貫入試験
標準貫入試験とは、地盤の工学的性質(N値)及び試料を求めるために行われる試験のことです。あらかじめ所定の深度まで掘進したボーリング孔を利用して行われます。深さ1mごとに、土の硬軟・締まり具合を判別するためのN値を求めることと土を採取して土の種類や地層構成を調べる試験です。
この試験はボーリング調査で行われる調査方法の中でも一般的なものになります。
そして、N値とは重量63.5(±0.5)kgハンマーでボーリングロッドを30cm貫入させるために必要な落下回数のことです。
オールコア採取
オールコア採取とは、ボーリング調査を行う際にコアを採取するボーリングのことです。
連続的にコアを採取し、採取したコアを連続的に確認していきます。そのため詳細に地質の状態を調べることができます。
採取したものをどのような地層なのか、活断層があるかなどを調査することができます。
オールコア採取とよく比較される調査方法がノンコアと呼ばれる調査で、ノンコアはコアを採取しないため、コア情報を調べるものではありません。
液状化調査
ボーリング調査の時に地下水位と土の締まり具合や土の構成(砂質土かどうか)を調べるものです。さらに代表的な地層は室内土質試験にかけて詳細に調べます。
この調査は想定される地震に対するリスク検討を行うことで、地震の規模(マグニチュード)と計画地での揺れの強さを設定し、計画地の各土層ごとに液状化発生がどの程度安全かを検討するものです。そして、各土層の安全性を検証後に地盤全体の危険性を判断します。
東日本大震災では液状化の被害も深刻でした。建物を建てる前にボーリング調査を行うことは命と財産を守るために非常に大切なことです。
5:室内試験
ボーリング試料の観察が終了したら、室内試験に移ります。室内試験では一般的に「粒度試験」「面せん断試験」「三軸圧縮試験」が行われます。
この他にも様々な室内試験が存在しますが、一般的な室内試験は上記の3種類です。それぞれの試験の目的についてみていきましょう。
粒度試験
土の粒度試験は土を構成する土粒子の粒径分布(粒度)を求める試験です。
粒径75mm未満の土粒子径の分布状態を質量百分率で表したもので、この調査により土の力学的性質を概略推定することができます。
一面せん断試験
一面せん断試験とは、土の強度を調べるせん断試験の一種です。
上下に分かれたせん断箱に土供試体を納め、垂直方向に載荷した状態で、上箱または下箱に水平方向の力(せん断力)を加えたときの試料に生ずる抵抗力を測定して、土のせん断の強さやせん断応力とせん断変位の関係を求める試験です。
比較的簡単な試験で試料の量も少しで済みます。
三軸圧縮試験
三軸圧縮試験とは、補強土壁に使用する盛土材の強度定数を求める試験のひとつで、施工条件や現場条件等とほぼ同一の条件で実施することで正確な強度定数(φ,c)を求めることが可能になるものです。
この試験はシリンダー(円柱)状の試料(供試体)をアクリル円筒容器の中に入れて水圧をかけて土の中の状態を再現します。
そのため自然状態での土の中の強さを正確に測定することができます。
地質調査(ボーリング調査)業務の流れ3選
地質調査を行なうためにもまずは「試料」を採取する必要があります。試料を採取するためにはボーリング工が採取地点まで行き、試料採取を目指します。
試料採取が無事に終了すればコア観察や室内試験に移ります。ですが、採取した試料があまりにも乱れていては観察もできませんし室内試験を行なうこともできません。
それぞれの業務の流れについてみていきましょう。
1:現場
ボーリング現場作業では資機材の搬入に始まり、ボーリングマシンの設置、試料採取、試料提出を繰り返します。
ただ、ボーリング作業は必要があれば地球上どこでも行なうため、様々な工夫が必要になります。それぞれの業務内容について詳しくみていきましょう。
資機材搬入
まずはボーリング調査に必要な資機材の搬入をします。
場所によっては大きなクレーンなどが入らないところもありますが、基本的にはトラックで搬入し、ユニッククレーンで荷下ろしします。
ボーリング調査は必要があれば地球上いたるところで調査が行われますが、資機材の搬入がトラックでは難しい場合も少なくありません。トラックが通れない場所であればヘリコプターやモノレールを設置して運ぶこともあります。
試料採取
ボーリング調査での試料採取の方法は様々です。標準貫入試験や2重管サンプラー3重管サンプラーもしくはシングルサンプラーで採取され、目的に応じて異なります。
目に見えないところを調査するため、採取には正しい知識や豊富な経験がなければ正確な調査結果を得ることができません。
また、足場を組んでの作業になるため安全面も考慮して慎重に行われます。
提出
現場内で採取した試料は試料瓶やコア箱に入れて提出します。提出した試料は観察を行い室内試験に回るのが一般的です。
ただ、採取したものはとてもカビが生えやすく、保存方法には十分注意する必要があります。
採取したものを試験するため、正確な結果を得られるよう細心の注意を払って取り扱うことが重要です。
ボーリング工としての仕事は提出して終了になります。
2:コア観察
提出された試料は観察を行いますが、これは通常オールコア採取時のみ行われるものです。
コア観察の目的はどういった地層であるのかを把握したり、スケッチしたりすることのみならず、「活断層」があるかどうかの判断をするためにも重要な役割を担っています。
活断層を確認する目的でコアを採取する際は、ボーリング工に対して最高クオリティのコアの採取を求められます。
なお採取されたコアはすぐにカビが生えてしまうため、保存方法にも注意しなければいけません。
3:室内試験
観察が終了した試料は室内試験を行います。
室内試験では先ほど紹介したような試験が行われ、試験結果を報告書にまとめます。まとめ終わった報告書を提出してすべての地質調査業務が終了します。
現場内では所定の深度まで掘進を行い、掘進が終了した時点で各種試験(必要ないこともある)を行い、足場の解体、資機材搬出を持って終了します。
5地質調査(ボーリング調査)行なう上で必要な資格
現場ボーリング調査を行なう上では様々な資格を有しておく必要があります。
必ず持っていなければいけない資格から、必須ではないが持っておいたほうが良いとされている資格、取得方法までそれぞれ紹介します。
地質調査(ボーリング調査)を実施する際の注意点
地盤調査(ボーリング調査)を実施する際に、作業員の安全確保と正確な調査結果を得られるように作業を進めていかなければいけません。
そのため、正しい知識と経験が必要になります。
例えば、足場をしっかり組まなければ、作業員を危険な目に合わせることになりかねませんし、ボーリング調査する位置や採取する土の保存方法が悪かったりすると、正確な調査結果を出すことができません。
場所や状況によってはボーリング調査だけでなく、他の試験も合わせて行うこともあります。
ボーリング調査を実施する上での注意点は複数あり、それぞれの現場によって異なります。
地質調査(ボーリング調査)技士の資格区分
地質調査(ボーリング調査)技師の資格区分としては、「現場調査部門」と「現場技術・管理部門」「土壌・地下水汚染部門」です。
それぞれの部門ごとに試験内容や合格基準が設けられています。
また現場調査部門に関しては、複数の条件がありますが、検定試験が免除され書類審査のみで合否を判定される免除科目があります。
1:現場調査部門
各現場仕事にはそれぞれに特化した資格が存在します。ボーリング調査では「地質調査技士」という資格です。
地質調査技士は地質調査業務に従事する主任技術者の資格試験です。
現場調査部門での受験資格は「現場経験5年以上」のみです。地質学に特化した大学を卒業した方であっても、現場調査部門の受験資格はえ得られません。
そして地質調査技士・現場調査部門での試験内容は「筆記試験」「記述試験」「口頭試験」の3種類があります。
それぞれの詳しい試験内容についてみていきましょう。
・筆記試験
筆記試験は四肢択一式問題80問出題されます。
筆記試験の選択問題ではA郡(土質問題)もしくはB郡(岩盤分野)のいずれかを選択することができます。
それぞれ約20問ずつ程度出題され、残りの60問は下記から出題されます。
◯社会一般、建設行政、入札、契約制度などの知識
建設産業関連法令や技術者制度、技術者論理など
◯地質、測量、土木、建築一般等の知識
地質や測量、土木建築一般など
◯現場・専門技術の知識
ボーリング機器の名称、運搬・仮設方法、掘進技術、サンプリング、原位置試験および孔内検層、岩や土の判別分類
◯調査技術の理解度
岩の性質、岩石試験の適用と解釈や結果のまとめ、土の性質、土質試験の適用と解釈や結果のまとめ
◯管理技法
法規、安全管理と工程管理、精算など
・記述試験問題
記述試験は1問もしくは2問出題されます。
ボーリング作業の工程や安全管理、品質管理に関して短い文章で簡潔に回答します。
・口頭試験
ボーリング調査を行なう上で必要な知識、経験を中心に問われます。なお「土質」もしくは「岩盤」のどちらか選択した方から問われます。
口頭試験では模範解答をしたからといって合格はしません。試験官は問に対する答えと同時に受験者の「態度や人物」についても見ています。
そのうえで総合的に「地質調査技士としてふさわしい人」であることが合格の条件になります。
つまりボーリング調査経験が10年あろうが20年あろうが合格しない人もいます。つまり、どれだけ豊富な知識を持ってたいとしても「ふさわしくない」と判断されれば合格できません。
もちろん試験官も人間であることから、人によって「地質調査技士としてふさわしいか否か」の判断は違います。
こういったことから、年齢が若い方はどれだけ豊富な知識を有していても、合格できないという噂も存在します。
さらに「一度で受かることは無い」とまで言われています。経験年数や知識が豊富であったとしてもです。
少し理不尽に思えるかもしれませんが、ボーリング調査とはそれだけシビアであり、難しい職業であると認識しておきましょう。
受験資格
地質調査技師の現場部門の受験資格は、「地質調査を目的としたボーリング機器等の操作を行う実務に関して、5年以上の経歴を有する者」か「中央工学校(土木建設科環境地盤専攻)を卒業して10年以内で、かつ地質調査を目的としたボーリング機器等の操作を行う実務に関して、2年以上の実務経歴を有する者」いずれかに該当する場合受験ができます。
出典:検定試験 受験資格|一般社団法人全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会
2:現場技術・管理部門
地盤調査(ボーリング調査)技師の現場技術・管理部門では、筆記試験のみの試験です。4肢択一式が100問で記述式が2問出されます。
社会一般の知識から入札や契約制度、現場・専門知識、調査技術などあらゆる知識が必要です。
現場技術・管理部門では、口頭試験は実施されませんが、その分正しい知識が必要になってきます。
出典:検定試験 受験資格|一般社団法人全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会
受験資格
受験資格には卒業した大学や短大、そして専攻により異なり、地質調査を目的とした調査・計測業務、現場技術管理業務等に関しての実績も必要になり、実績年数も各々異なります。
例えば、大学・高専(専攻科)・専修学校(高度専門士)の専門課程を専攻し、卒業して地質調査を目的とした調査・計測業務、現場技術管理業務等に関して、3年の実績がある者などの受験資格が必要になります。
他にも短期大学・高専・専修学校(専門士)で専門課程を専攻し、卒業して5年の実績が必要です。
もし、卒業大学や専攻が専門課程でない場合でも、実績年数によって受験資格が与えられます。
出典:検定試験 受験資格|一般社団法人全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会
3:土壌・地下水汚染部門
土壌・地下水汚染部門の試験に関しては、社会一般の知識から建設行政、地質、測量、現場・専門技術、管理技法などの知識が問われます。出題形式は、4肢択一式で100問と記述式が2問です。
土壌・地下水汚染部門に関しても現場技術・管理部門同様に筆記試験のみで口頭試験がありません。
試験の時間は4肢択一式が3時間で記述式が2時間となっています。
出典:検定試験 受験資格|一般社団法人全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会
受験資格
土壌・地下水汚染部門に関しても受験資格は、現場技術・管理部門と同様の受験資格が必要になります。
大学や高専などの専門課程とは、土木工学(農業・森林・海洋の土木を含む)、建築学、鉱山学、砂防学、治山学、地学、地質工学、岩石学、鉱物学、層序学、化学等環境(理工系の化学物質、農学系の土壌環境等)などを指します。
出典:検定試験 受験資格|一般社団法人全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会 全国地質調査業協会連合会
ボーリングマシン特別教育
ボーリングマシン特別教育はボーリングマシンを操作するために必ず保有していなければいけません。
対象者はボーリングマシンの操作業務に従事する者(チャック操作も含む)であり、機長のみならず助手も保有しておいたほうが良い資格です。
地質調査技士とは異なり、受験資格は「18歳以上であること」のみで、所定の時間以上の講習を受けることで取得することが可能です。
教育内容は下記の通り
◯講習内容
学科
1.ボーリングマシンに関する知識(4時間以上)
基礎知識や構造、運転、点検、整備
2.ボーリングマシンの運転に必要な一般事項に関する知識(2時間以上)
施工、力学と電気
3.関係法令(1時間以上)
関係法令、災害事例
実技
1.運転及び安全のための合図(4時間以上)
2.運転実技(1時間以上)
合計で12時間以上の講習を受けることで、ボーリングマシン特別教育を取得することが可能です。
ボーリング調査に必要なその他の資格6選
ボーリング調査に関する専門的な資格について紹介してきましたが、他にも持っておいたほうが良い資格がいくつかあります。
それぞれの取得方法やどのような資格なのかについてみていきましょう。
1:玉掛け技能講習(1t以上)
ボーリング作業では重量物を取り扱うため、玉掛け技能講習資格を取得しておく必要があります。
ボーリング作業において必須では無いですが、上記の理由から早めに取得しておくようにしましょう。
受験資格や講習内容についてみていきましょう。
◯受験資格
満18歳以上
◯講習内容(一般)
一日目(学科)
1.クレーン等に関する知識
2.関係法令
3.クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識
二日目(実技)
1. クレーン等の玉掛けの方法
2. 学科試験
三日目(実技)
1. クレーン等の運転のための合図
2. クレーン等の玉掛け
3. 実技試験
学科、実技それぞれの試験にて合格をしなければいけませんが、決して難しいものではありません。
2:小型移動式クレーン
一般的なボーリング作業現場ではユニッククレーン付きのトラックに資機材を積み込み搬出入します。
すべての業務をボーリング工が行なうため、玉掛け同様保有しておいたほうが良い資格です。
小型移動式クレーンの受験資格や取得方法についてみていきましょう。
◯受験資格
満18歳以上
◯講習内容(一般)
一日目(学科)
1. 小型移動式クレーンの知識
2. 原動機及び電気の知識
二日目(学科)
1. 原動機及び電気の知識(一日目の続き)
2. 関係法令
3. 力学の知識
4.学科試験
三日目(実技)
1. 運転のための合図
2. 移動式クレーンの運転
3. 実技試験
小型移動式クレーンも学科・実技で試験がありますが決して難しくはありません。
3:足場の組立て等特別教育
足場組立て等特別教育の受験資格や講習内容についてみていきましょう。
◯受験資格
満18歳以上
◯講習内容(通常講習)
1. 足場組立て及び作業の方法に関する知識
2. 工事用設備、機械、器具、作業等に関する知識
3. 労働災害の防止に関する知識
4. 関係法令
足場組立て等特別教育は一日(6時間)で取得することが可能です。なお足場組立て等経験者は短縮講習(3時間以上)を選択することが可能です。
4:フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
5メートル以上の高所で作業をおこなう際にはフルハーネス型安全帯の使用が義務付けられています。
ボーリング作業でも櫓の設置や解体など高所作業はあるため、フルハーネス型安全帯を使用する機会が多々あります。
そのためフルハーネス型安全帯の取扱いに関する「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」は必要な資格です。
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育の受験資格や講習内容についてみていきましょう。
◯受験資格
満18歳以上
◯講習内容(学科)
1.作業に関する知識
2.墜落制止用器具に関する知識
3.労働災害の防止に関する知識
4.関係法令
合計4.5時間以上
◯講習内容(実技)
1.墜落制止用器具の使用方法等
合計1.5時間以上
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育では学科・実技合わせて6時間以上の講習を受ける必要がありますが、一日で取得できます。
5:不整地運搬車運転技能講習(1t以上)
ボーリング調査は山中でも行なうことは前述しましたが、トラックでの搬入が無理でも不整地運搬車での搬入が可能であれば不整地運搬車を使用します。
滅多に使用するわけではありませんので、直ちに必要な資格ではありませんが、後のことを考えて早めに取得しておいたほうが良いでしょう。
不整地運搬車運転技能講習の受験資格や講習内容(一般)についてみていきましょう。
◯受験資格
満18歳以上
◯講習内容
学科
1. 走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識(4時間)
2. 荷の運搬に関する知識(4時間)
3. 運転に必要な力学に関する知識(2時間)
4. 関係法令(1時間)
5. 学科試験
合計11時間の学科講習
実技
1.走行の操作(20時間)
2.荷の運搬(4時間)
3.実技試験
合計24時間の実技講習
学科・実技合わせて35時間の講習が必要になり、通常は5~6日程度で取得できます。なお不整地運搬車運転技能講習は一部の自動車学校でも取得が可能です。
6:中型自動車免許
ボーリング資機材の運搬にはトラックを使用するため、中型自動車免許以上の運転免許が必要です。
◯受験資格
1.満20歳以上
2.準中型、普通、大特免許のいずれかを取得しており、経歴が通算2年以上
◯講習内容(普通車MT所有者)
第一段階
1. 技能講習(7時間以上)
2. 修了検定
第二段階
1. 技能講習(8時間以上)
2. 学科教習(1時間以上)
3. 卒業検定
中型運転免許は普通車MT所持者であれば、自動車学校にて合計16時間で取得可能です。
第一段階第二段階でそれぞれ検定がありますが、普通免許と同じような内容ですので心配はいりません。
地質調査(ボーリング調査)の必要性と調査について知ろう
今回、地質調査の目的や調査方法、必要資格について紹介しました。地質調査は地震の予知を始め、資源開発や建物を建てるための調査等、様々な目的で用いられます。
そして悪条件の中での調査も多く工夫を強いられることが多いです。ですが、今回紹介したように非常にやりがいのある仕事であることは間違いありません。
今回紹介しきれなかった調査方法や試験もまだまだたくさんありますが、大まかな流れは今回紹介した内容です。
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当サイトの記事は基本的には信頼性に足る情報源(公共機関や企業サイト、または専門家によるもの等)をもとに執筆しており、情報の正確性・信頼性・安全性の担保に努めていますが、記事によっては最新の情報でない場合や情報の出典元表記や正確性が充分でない場合があります。予めご了承ください。
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