建設業の休みが少ない理由7つ|労働環境を見直すポイントや今後の課題を紹介
こちらの記事では、建設業の休みが少ない理由についてご紹介いたします。
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目次
建設業界の休みの現状は?
建設業界は長年、休みが少なく長時間勤務が常態化していると指摘されてきました。
近年では働く人の意識の変化や働き方改革など国の取り組みもあり、従来よりも労働時間や労働日数に敏感な人が増えています。
これから建設業で仕事しようと考えている人にとっては、労働時間が長すぎないか、休日がきちんととれるかは気になるところです。
現在の建設業界はどうなっているのか、本項で詳しく紹介します。
建設業の労働時間や労働日数について
一般的に労働時間は、労働基準法において1日の中の8時間、1週間で合計40時間までと定められています。
取得する休日においても毎週1日、また4週間で考えると4日以上の休日を労働者に与える必要があります。この法律に基づいて、週休2日制を取り入れている企業は多くあります。
しかし、建設業では全体の少数しか週休2日制を取り入れることが難しく、休日をなかなか取得できずに働いているのが現状と言えるでしょう。
建設業の休日数について
2016年度においての建設業の休日数は、年間114日となっています。これは厚生労働省の「毎月勤労統計調査」から計算できるもので、建設業者の年間出勤数である251日から知ることが可能です。
この年間114日の休日数を1カ月で計算すると、平均で9.5日程の休日があることになります。
しかし、休日をどのタイミングで取ることができるかは、仕事の区切りや個人の事情によっても違いがあり、ゴールデンウィークや年末年始なども視野に入れると、毎週2日の休日を取り入れるのは難しいのが現状と言えるでしょう。
出典:実労働時間及び出勤日数の推移(建設業と他産業の比較)|国土交通省
建設業における働き方改革
時間外労働に関する上限は、36協定(労働基準法36条に基づく労使協定)に定められています。この協定を締結することで、労働者に月の45時間、年間で360時間までの時間外労働をさせることが可能ですが、建設業はこの36協定の適用除外業種になっているのです。
これは、工期などを考慮すると、建設業が36協定を締結するのは難しいことによるものと考えられていたためです。
しかし、2019年における労働基準法の改正によって、2024年から建設業も36協定が適用されることになりました。つまり、2024年から建設業でも時間外労働の上限が定められるということです。
建設業の休みが少ない理由7つ
建設業において、休日を取ることが難しいと言う現状を知ることができました。
しかし、建設業における長時間労働や休日出勤などの問題は、最近になって発生したものではなく、以前からある問題です。
仕事内容によるものや人によるもの、金銭面によるものなど、様々な理由が考えられます。中には、労働者にはどうすることもできない理由もあるでしょう。
ここからは、建設業において休みが少ない理由について7つ紹介していきます。
1:納期が短い
休日が少ない理由の1つとして、納期が短いことが挙げられるでしょう。工事の依頼主は短い納期を希望する場合があり、任された建設業者は信頼のためにその納期で工事を行います。
希望された納期に間に合わせるためには、労働者の長時間労働や土曜日・日曜日など関係なく出勤をする必要が出てくるでしょう。
そのため、休日を増やしてしまうと工事に必要な工期が伸びてしまい、結果、依頼者の希望する納期には間に合わないという事態に陥ってしまうのです。
2:建設業界の人手不足
休みが少なくなる大きな理由に、建設業界の人手不足があります。近年の社会は高齢化社会になっており、建設業界でもその傾向が見られていると言えるでしょう。
建設業を担う若者の数が少なくなったことで、その建設業に在籍する年配の労働者だけで工事を担い、納期に間に合わせなければならなくなっています。
この人手不足によって、1人1人の仕事量が増えてしまいます。その結果が、長時間労働や土日における休日出勤につながってしまうと言えるでしょう。
3:古い文化が払拭されない
古い文化が払拭されないことも、休日の少なさにつながっていると言えます。昔は多くの企業において、長時間労働や休日の少なさは珍しくありませんでした。
それに対し、週休2日制が導入されるようになったのは最近のことであるため、年配の労働者には慣れない場合もあるでしょう。
建設業の就業者は、昔から働くベテランが多く、若い年代が少ない傾向にあります。そのため、昔からの文化や風土が根付いているベテランの方々は、建設業全体を通して休日を増やすことがなかなか難しいと言えるでしょう。
建設業でも週休2日制を取り入れところはありますが、その数はまだまだ少ないと言えます。
4:下請け企業は休みでも他の現場で働くことがある
働ける現場があるなら休日でも関わらず働いて収入を増やしたい、と考えている労働者が多いことも理由の1つでしょう。
建設業の中でも下請け企業の場合、自分がいつも働いている現場が休日でも他の現場は開いているということがあり、休日はそちらで働くというケースがあります。
土日に現場を閉所しても、他が開いていればそちらで働いてしまう人が多いため、結果的に労働時間が長く、休日が少なくなることにつながってしまいます。
5:工期が長くなり経費がかかる
休みを入れると工期が長くなり、経費がかかってしまいます。
労働者が多ければ、休日を取り入れても代わりの人に工事へ入ってもらうなど、シフトを融通することが可能です。しかし、建設業では人手不足に悩まされています。休日を増やすことで稼働日が減り、工期が長くなってしまうのです。
それにより、人員を増やす必要が生まれ、人件費などの経費がさらに増えてしまいます。会社としても、休日を取り入れることで人件費の増加につながることが耐えられない、という現状もあるでしょう。
6:日当の人は給料が減る不安がある
日当の人には、休日を増やすことで給料が減る懸念があります。雇用形態は人によって違い、休みを取り入れると正社員よりも日当の労働者に影響があるのです。
日当の人は働いた日数だけでなく、時間外労働や休日出勤によって収入を得てきた面があります。
週休2日制によって休みが増えるのは喜ばしいことですが、それにより収入が減るのは困るという方は現在でも多く、建設業の休日の少なさに影響していると言えます。
7:若手の技術者が業務をこなせない可能性
若手の技術者だと、まだ経験が浅い場合は業務をこなせない可能性も出てきます。最近の建設業において、若手の技術者は少ないでしょう。
これは新規高校卒業就職者の離職の多さが原因の1つになっており、労働時間や休日などの条件に対しての不満が離職につながっているのです。
このようなことから、経験の浅い若手の技術者が増え、若手の技術者だけでは週休2日制にすると、業務をこなせない可能性があるでしょう。そして結局、ベテランの技術者が休日出勤をすることになってしまうのです。
出典:建設業における若年労働者確保の課題について|厚生労働省
建設業の労働環境を見直すポイント
労働環境を整えることは労働者を守ることにつながります。どんなに素晴らしい工事を行ったとしても、労働者の心身を大切にしなければ離職につながったり、仕事に集中できずにミスをしてしまったりすることもあるでしょう。
そのため、労働環境を整えておくことで、建設業に限らず長く働くことができ、若手の人材育成においても貢献することになります。
そこで建設業の労働環境を見直すにあたり、ポイントを紹介していきます。
年間の休みを明確にする
ポイントの1つは、年間の休みを明確にすることです。
建設現場において、週休2日制を導入するにあたり、労務費や共通仮設費などの見直しを行います。工期においても、週休2日の休日を取り入れた上でのスケジュールを組み立て、無理のない工期設定を行います。
また、実際に週休2日制を取り入れていることを分かるように可視化することで、若手の労働者に労働環境への安心を与えることにもつながるでしょう。
有給休暇の消化率を上げる
有給休暇の消化率を上げることも、ポイントの1つになります。有給休暇は勤務を6ヶ月以上継続し、さらに全ての労働日の8割以上出勤している労働者に与えられるものです。
基本的に労働者が希望する日に与えられますが、仕事の都合や仕事に影響がある場合は変更可能になっています。
また、有給休暇を取得した労働者に対し、賃金を支払わない、または減額するなどの不当な対応をしてはなりません。このようなことに気をつけて有給休暇の取得を推奨し、労働者の心身をいたわることが大切なポイントと言えるでしょう。
出典:年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています|厚生労働省
建設業界の課題
建設業界における重要な課題は、若者の技術者を確保することです。社会全体で若者の労働力不足が問題となっている中で、建設業においても若者の技術者を育てあげることが大きな目標となっています。
建設業界の労働環境は、段々と改善されてきてはいますが、週休2日制が取り入れられているところはまだ少ないのが現状と言えるでしょう。
若者技術者に建設業界へ来てもらうためにも、労働環境の見直しやサポート体制などを整えておく必要があるでしょう。
建設業の休みが少ない理由を理解しよう
どうして建設業の休日が増えないのか、その理由はこれまでの古い慣習が今も根付いていることや、なかなか新しいことに転換できない、労働者自身の意識が変わらないなどが挙げられます。
しかしこのままでは、いずれ建設業が人手不足で行きづまることが懸念されます。
建設業では今後、労働時間の短縮や休日を増やすことが必要不可欠です。
そのためにも、現在抱えている課題を少しずつ解決していくよう努めていきましょう。
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