施工管理は派遣禁止?理由や建築・土木作業工事に関する禁止業務を紹介


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建築業務は派遣禁止業務の一つです。しかし、全ての建築業務が派遣禁止業務に該当するのでしょうか。
本記事では、派遣が禁止されている建築業務について詳しく説明しています。禁止の理由も紹介しているため、派遣禁止業務について理解が深まるでしょう。
また、派遣禁止業務に該当しない建築業務について紹介しているため、派遣労働者として施工管理の職に就きたいと考えている人は是非参考にしてください。
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目次
- 施工管理は派遣禁止業務に該当する?
- 派遣禁止業務について
- 派遣が禁止されている業務がある理由
- 施工管理以外にもある派遣禁止例外業務
- 派遣が禁止されている業務14選
- 1: ビルや家屋などの建築現場における資材の運搬や組み立て
- 2: 工事現場での掘削・埋め立て・組み立て・資材の運搬
- 3: 建築や土木工事現場の様々な準備作業
- 4: 建築や土木工事でのコンクリートの合成や建材の加工
- 5: 建築や土木工事現場の中での資材や機材の配送
- 6: 電飾版や看板などの外壁への設置・撤去
- 7: 建具類等の天井や壁・床への固定・撤去
- 8: 天井や壁・床の塗装や補修
- 9: 建築や土木工事現場への車両出入りの管理・誘導や入口の開閉
- 10: 建築や土木工事現場内における配電・配管工事や機器の設置
- 11: 建築や土木工事現場の整理・清掃(内装仕上げ)
- 12: プレハブ住宅など仮設住宅の組み立て
- 13: 大型仮設テントや大型仮設舞台の設置
- 14: 家屋や建造物の解体
- 派遣禁止業務をしてしまったときの罰則は?
- 派遣が知っておきたい業務以外に禁止されている事項
- 建築業務以外の派遣禁止業務
- 派遣禁止業務についてきちんと理解しておくことが大切
施工管理は派遣禁止業務に該当する?
労働者派遣法によって、建設業務は労働者派遣ができない業務と定められています。
労働者派遣法とは、収入や雇用期間が不安定になりやすい派遣労働者を守るための法律です。
建設業務における労働者派遣ができない業務とは大まかに言うと、建設・土木の現場で直接作業に従事することです。
しかし、現場で直接作業に従事しない工程管理や安全管理、品質管理などの施工管理業務は派遣でも従事することが可能です。
そのため、施工管理でも禁止事項に該当しない業務であれば、派遣で従事することができます。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律| e-Gov法令検索
派遣禁止業務について
前述の通り、建設業務には労働者派遣できない業務があります。
労働者派遣法には、「土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務」は労働者派遣事業を行ってはならないと記載されています。
禁止業務に該当する事例としては、建設現場での資材の運搬・組み立て、施工作業、コンクリートの合成、建材加工、解体・撤去作業などです。
また、工事現場内で資材・機材を配送することも禁止されています。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律| e-Gov法令検索
派遣が禁止されている業務がある理由
建設業務で派遣が禁止されている業務がある理由は、建設業の特殊性にあります。
建設業は、受注生産、総合生産など、その特殊性によって雇用が不安定になりやすい業種です。
そのため、建設労働者の雇用の安定を図る目的で派遣を禁止する業務が設けられています。
施工管理以外にもある派遣禁止例外業務
施工管理以外にも、建設現場で派遣として従事できる業務はあります。
ここからは、建設業でも労働者派遣が可能な業務について紹介しますので、派遣として建設現場で働きたいと考えている人は参考にしてください。
CADオペレーター
CADオペレーターは直接現場で作業する業務ではなく、労働者派遣法に該当しないため、派遣でも業務を行うことができます。
CADオペレーターは、CADソフトを使って設計者の図面を基に施工図や詳細図などを作成します。
派遣での求人募集も多い傾向にあるため、派遣として建設現場で働きたい人におすすめです。
※参照:https://tobcolumn.yumeshin.co.jp/cat-3/508/
現場事務所における事務業務
現場事務所の事務員として事務の業務を行うことも労働者派遣法に該当しないため、派遣でも業務を行うことができます。
契約や書類整理、電話や来客の対応、請求書のチェックなどが現場事務所の事務員の仕事です。
ただし、現場内の整理・清掃を行うと労働者派遣法に該当してしまうため、注意が必要です。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律| e-Gov法令検索
施工管理業務にのみ従事する現場代理人
工程管理や品質管理、安全管理など、施工管理業務にのみ従事する現場代理人は、派遣でも業務を行うことができます。
監理技術者や主任技術者の場合は、建設会社との「直接的かつ恒常的な雇用関係」が必要なため、派遣で業務に就くことはできません。
しかし、現場代理人の場合はそのような決まりがないため派遣でも可能です。
ただし、公共工事の場合は現場代理人の直接雇用関係を求めることが多く、注意が必要でしょう。
派遣が禁止されている業務14選
建設業務には労働者派遣できない業務があることを理解したところで、さらに具体的な業務事例を14選紹介します。
現場で指示されたからといって、これらに該当する業務を行ってしまうと違法になってしまう可能性があるため、よく確認しておきましょう。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律| e-Gov法令検索
1: ビルや家屋などの建築現場における資材の運搬や組み立て
建設現場内で資材を運搬したり組み立てたりすることは、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
現場作業員の手助けをしようと、運搬や組み立ての作業を手伝ってしまうと違法になる可能性があるため注意しましょう。
2: 工事現場での掘削・埋め立て・組み立て・資材の運搬
建築工事だけでなく、道路や河川、橋などの土木工事においても、掘削・埋め立て・資材の運搬・組み立てなどを行うことは、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
ただし、それらに関わる施工計画の作成や工程管理、品質管理、安全管理などの業務は含まれません。
3: 建築や土木工事現場の様々な準備作業
建築・土木工事現場において作業を行うための様々な準備も、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
工事に必要な機材や工具を準備することや養生なども、作業を行うための準備になります。
4: 建築や土木工事でのコンクリートの合成や建材の加工
現場では施工の際に建材の加工を行ったり、場合によってはその場でコンクリートの合成が必要になったりします。
そのような作業は労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当するため、派遣労働者は行うことができません。
5: 建築や土木工事現場の中での資材や機材の配送
建築・土木工事の現場内で資材や機材を配送することは、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
ただし、現場内での配送に限られているため、倉庫や工場などから現場まで配送することは問題ありません。
6: 電飾版や看板などの外壁への設置・撤去
外壁に電飾版や看板などを設置、あるいは撤去することは、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
安全管理として注意喚起の看板などを外壁に設置することがありますが、このような作業も禁止となっているため注意が必要です。
7: 建具類等の天井や壁・床への固定・撤去
建具類等を建築物に固定、撤去することも、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
建具の建付けを直したり修繕したりすることも、作業の一環になるため気を付けましょう。
8: 天井や壁・床の塗装や補修
天井や壁・床などの塗装や補修も、ほんの少しだからと言って派遣労働者が行ってしまうと、労働者派遣法違反になるため注意してください。
補修が必要な箇所を見つけた場合は、担当作業員に修繕してもらいましょう。
9: 建築や土木工事現場への車両出入りの管理・誘導や入口の開閉
建築・土木工事の現場では様々な工事車両が出入りします。
安全管理のために車両出入りの管理や誘導を行うことがありますが、これも労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
10: 建築や土木工事現場内における配電・配管工事や機器の設置
建築・土木工事の現場内で、配電・配管工事やそれらに関連する機器の設置も、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
特に、電気や設備の配電・配管工事は資格が必要な場合があるため、注意してください。
11: 建築や土木工事現場の整理・清掃(内装仕上げ)
建築・土木工事現場内の整理・清掃も、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
施工管理者が品質管理のために現場写真を撮る際に、現場内を掃除することがあります。

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そのような行為も、労働者派遣法において禁止業務となるため気を付けましょう。
12: プレハブ住宅など仮設住宅の組み立て
大規模改修工事をする際の仮住まいのためのプレハブ住宅や、災害の際などに建てられる仮設住宅の組み立ても、労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
工事現場の事務所用プレハブなども該当するため、注意してください。
13: 大型仮設テントや大型仮設舞台の設置
仮設の大型テントや大型舞台は建築物ではないと考える人もいる可能性がありますが、これらの設置も労働者派遣法の禁止業務の範囲に該当します。
ただし、簡易テントやパーティションは禁止業務の範囲には含まれません。
また、大型テント内に設置する椅子の搬入や舞台装置、大道具や小道具の設置なども同様に含みません。
14: 家屋や建造物の解体
労働者派遣法の禁止業務の範囲には「破壊若しくは解体の作業」も含まれているため、家屋や建造物の解体も派遣労働者が行うことはできません。
解体したものの運搬や清掃も該当するため、注意してください。
派遣禁止業務をしてしまったときの罰則は?
万が一派遣禁止業務をしてしまった場合、どのような罰則があるのでしょうか。
労働者派遣法の第6章第59条によると「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」とされています。
また、許可の取消しや業務停止命令、改善命令などの行政処分が下される可能性があるため、間違って派遣禁止業務を行わないようにしましょう。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|e-Gov法令検索
派遣が知っておきたい業務以外に禁止されている事項

労働者派遣法では、業務以外にも雇用形態や派遣先などについて禁止されていることがあります。
ここでは、業務以外に禁止されている派遣について、詳しく説明していきます。
派遣労働者を別の企業へ派遣する「二重派遣」
派遣先が派遣労働者を別の企業へ労働力としてさらに派遣させる「二重派遣」は、職業安定法の第44条と労働基準法第6条において禁止されています。
二重派遣を禁止する理由には、
- 派遣先の仲介が入るため派遣労働者にとって不利益となる
- 本来の派遣元で契約された労働条件や待遇と異なる場合がある
- 労働災害などが起こった場合責任の所在が曖昧になってしまう
などがあります。
条件に当てはまらない「日雇い派遣」
労働者派遣法第35条の4において、日雇い労働者(日々又は30日以内で雇用する労働者)の派遣を原則禁止としています。
ただし、例外として
- 60歳以上の人や雇用保険の適用を受けない学生
- 生業収入が年500万円以上あり副業で従事する人
- 世帯収入が年500万円以上ある主たる生計者以外の人
は、日雇い派遣が認められています。
また、ソフトウェア開発や通訳、事務用機器操作など一部の業務で日雇い派遣が認められているものがあるため、確認してみてください。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|e-Gov法令検索
元従業員の「離職後1年以内の派遣」
労働者派遣法第40条の9において、派遣先は従業員が離職した日から起算して1年を経過する日までの間は、当該従業員を受け入れてはならないとしています。
これは、労働者にとって派遣になることで条件が引き下げられるのを防ぐためです。
たとえ労働者自身が希望したとしても受け入れは不可で、同企業の就業場所などが異なる場合でも同様です。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|e-Gov法令検索
建築業務以外の派遣禁止業務
派遣禁止業務は建設業務以外にも、港湾の運送業務、医療関連の業務、警備に関わる業務、弁護士や司法書士など「士」の業務があります。
ここでは、それらの派遣禁止業務について具体的に説明していきます。
港湾の運送業務
港湾の運送業務とは、港湾における船内荷役、沿岸荷役やいかだ運送、はしけ運送、船積貨物の鑑定・検量等の業務です。
禁止の理由は、その日の入出港数や荷物の量によって仕事量が変動する、港湾の運送業務特有のものによるためです。
出典:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律|e-Gov法令検索
医療関連の業務
医療関連の業務とは、病院や診療所等における医師、歯科医師、看護師・准看護師、助産婦、保健婦、薬剤師の調剤、栄養士などの業務です。
介護医療院への派遣も原則禁止となっています。
ただし、紹介予定派遣やへき地・離島の病院、社会福祉施設等における医師、看護師などの一部業務など、派遣が可能な業務もあります。
禁止の理由は、適正な医療を行うためにはチームワークが重要で、派遣元が労働者の決定・変更をする派遣では十分な意思疎通が図れず、チームワークに支障が生じる可能性があるためです。
警備に関わる業務
警備に関わる業務とは、住宅、事務所、駐車場、興行場、遊園地等における、盗難や事故の発生を警戒し、防止する業務です。現金輸送や、雑踏での警備業務も含まれます。
また、販売業務で派遣されている労働者が客に整列をお願いしたり、受付業務で派遣されているものが付近を徘徊する人に声をかけたりするなどが繰り返し行われると、警備に関わる業務とみなされる場合があるため注意が必要です。
禁止の理由は、警備業務は請負形態によって業務を処理することが警備業法上決められているためです。
弁護士や司法書士など「士」の業務
「士」の業務とは弁護士や司法書士の他に、外国法事務弁護士、土地家屋調査士の業務や、管理建築士の業務などのいわゆる「士業」と言われるものです。
ただし、公認会計士、弁理士、税理士、行政書士、社会保険労務士等の一部業務で労働者派遣が可能な場合があります。
禁止の理由は、個人で資格を有し指揮命令を受けず業務を行うためです。
派遣禁止業務についてきちんと理解しておくことが大切
施工管理が派遣禁止業務に該当するのか、派遣禁止業務とはどのようなものが該当するのかなど解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
派遣先から指示されたからや、ほんの少し手伝うだけだからといって、派遣禁止業務を行ってしまうと、違法派遣とみなされる可能性があるため注意してください。
施工管理で派遣として働くことを目指している人は、派遣禁止業務をきちんと理解しておきましょう。
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