施工管理における品質管理について解説|安全管理との違いや必要とされる能力5つ

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目次
施工管理における品質管理とは何か
品質管理は、品質に問題はないか、改善すべき点はないかなど、工事の品質を確認する施工管理の一環です。
設計図や仕様書通りの品質が満たされているかなど、定められた品質試験を行います。
安全管理との違い
施工管理における「4大管理(他、工程管理・原価管理が含まれます。)」として「品質管理」と「安全管理」が挙げられます。
「品質管理」とは、設計図書通りの品質を満たしているかどうかの品質試験を実施し、作業ごとに品質を適宜確認しながら進めていく業務を指します。そのため、各建設現場において写真などを用いながら、施工記録を残していきます。
これに対して「安全管理」とは、建設現場において事故が発生しないよう安全に施工を進めるための環境整備業務を指しています。手すり・消火設備の設置や随所実施する安全点検などが安全管理に含まれます。
品質管理の目的
品質管理は、品質における問題点や改善点などを早期発見するための工事品質の確認業務として、施工管理の一環として位置づけられています。
品質管理の主たる目的は、その建物の品質(デザイン・強度・寸法・材質・機能など)が設計時や仕様書・地方自治体などが定めた条件を満たしているか否かを確認することにあります。それぞれ品質評価対象の項目が分類化されており、品質試験を通して作業ごとに確認を行います。
ここでいう「品質」とは、主に建物の強度や密度を指します。長期間にわたって高品質を維持することを課題とし、施工管理者はその課せられた品質を守ることが責任となります。
以下からは、主たる目的のなかでも、「安定した工程の確保」と「業務内容」に焦点を当てて、解説を加えていきます。
安定した工程の確保
品質管理は、その他管理業務の工程管理・出来高管理などと共に行います。
これらを行うことで、工事の品質や安定した工程などを確保できるようになります。
冒頭でも紹介した通り、施工管理の中には、「工程管理」といった要素が含まれています。品質管理の側面の1つとして、これと密にかかわりを有していることになります。
決められた工期までに、建築物を完成させるためには作業日程を調整しかつ無駄のない工程が必要不可欠です。スケジュールを俯瞰的に管理するのが「工程管理」の側面であり、それを細分化し適材適所で実施するのが品質管理の意義と目的といえます。
業務内容
品質管理では、主に工程毎の写真を取り証拠を残す作業などを行います。設計図通りに作業が行われているのか、品質をちゃんと満たしているのか確認し、その証拠として写真を撮ります。
たとえば材料の荷姿やコンクリートを打つ前の鉄筋の状態、配筋の状況などを写真に残します。一つの工程が終わるごとに繰り返し、工期内に作業を完了させます。
写真を撮影する際には、「品質証明ができる写真」でありなおかつ、「設計書・仕様書に設けられた条件を満たしていることがわかる写真」であることが条件となります。
施工管理における品質管理のメリット2つ
施工管理における品質管理は、発注者が所望する品質の建物を完成させることで期待に応えることができます。
これによって、会社の評判に良い影響を与えたり、施工した建物の安全性を担保したりできることが品質管理のメリットといえます。以下で詳しく解説します。
会社の評判に影響する
発注者の期待通り、もしくは期待以上の物件を完成できれば、建設現場の品質管理者やその会社の評判はプラスに作用します。会社の評判が上がれば、さらなる顧客の獲得が期待できるといった好循環が生まれるでしょう。
ただしこれらは、諸刃の剣でもあります。定められた基準を遵守できなければ契約違反となり、会社の利益を損ねてしまう可能性があります。
手抜き工事や期待を下回る品質管理を行った場合には、会社の評判に直結し、反対に悪循環に陥ってしまう可能性があることに注意が必要です。
物件の安全性の確保
日本では地震が多いことから、耐震性に関して強いニーズがあります。その他の設備と加えて、高い耐震性・安全性を確保した物件の建築は、会社として信用力が高まるといわれています。
物件の安全性は目に見える場所に起因するものではなく、瑕疵的もしくは専門的な領域となるため、建設現場における品質管理意識の周知・徹底が必要不可欠となります。これらの責任を負う立場にあるのが、品質管理者です。
品質管理に必要とされる能力5つ
品質管理は、建設における品質や計画的な工程の確保のなかで欠かすことのできない業務の1つです。
そのため品質管理を実施するには、専門的な知識・技術、能力が必要となります。その中には、「写真撮影技術」や「マネジメント能力」・「コミュニケーション能力」・「分析能力」・「数学的知識」が挙げられます。
ここではこれら5つについて解説を加え、品質管理に求められるスキルについて紹介していきます。
1:写真撮影の技術
工事写真の撮影における基礎は、「欲しい情報・内容を明確に想像する」ことにあります。
そもそも工事写真は、工事工程を記録し、使用された材料を確認するための資料として用いられます。このことを理解したうえで撮影しましょう。
撮影前の使用機材を確認し、いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのようにといった5W1Hの情報を盛り込んだ写真を撮影することが大切です。また、黒板や縮尺によって数値を示す際は、その数値や内容が読み取れるように意識しましょう。
2:マネジメントスキル
施工管理における「マネジメントスキル」は、品質を満たしているか、工程表通りに工事が進捗しているのかなどの管理・確認を行う能力をいいます。とりわけ、この任を負うのが「施工管理技士」であり、工事現場全体の統括的存在です。
各工期において、携わる人員の把握や保有資格などを確認しながら適切な施工業務を遂行するための管理能力が求められています。この能力が欠如していると、人身事故や工期遅れなどが発生してしまう可能性もあることから、重要な能力といえます。
3:コミュニケーションスキル
マネジメントスキルと合わせて必要とされる能力が「コミュニケーションスキル」です。工事現場では、施工を請け負った会社だけではなく、さまざまな工事関係者がいます。
それら多くの人員とつねに連携を取り合うことが必要不可欠です。たとえば、当日の作業内容の確認や資材搬入時間の設定など、決められた工期のなかで現場全体を動かし確認するためには、コミュニケーションスキルや統率力・交渉力が必要となります。
4:分析能力
品質管理には、「分析能力」も求められます。建設現場には、トラブルがつきものといえます。新たな工事工程が必要になってしまった場合や、機材などに問題が生じ、当初立てていた工程通りに進捗が進まなくなってしまった場合などには、柔軟な対応が求められます。
それらのトラブルを瞬時に分析し、リーダーシップを発揮しながら、施工工程を修正する対応力が必要です。この能力と付随して、トラブルを先に察知する「危機管理能力」も品質管理において求められる能力でしょう。
5:数学の知識
品質管理には、ある程度の数学知識も求められます。前述した分析能力にも付随しますが、さまざまな方法を用いて論理的分析を実践する為です。
品質管理において用いる量的な分析としては主に7つ挙げられます。「連関図法」・「親和図法」・「系統図法」・「アローダイアグラム法」・「マトリックス図法」・「マトリックスデータ解析法」・「PDPC法」です。
これらの分析法を駆使するためには、高校数学、あるいはそれ以上の知識(積算・測量などの知識)が必要となるため、検定や資格試験などで知識を培いましょう。
品質管理業務に向いている人の特徴2つ

ここからは、品質管理業務における適性人材を解説していきます。
ここで取り上げる主な適性は「細かい作業を得意としている人材」・「ソリューションを得意としている人材」の2つです。これらに該当する方々には、おすすめの仕事であるといえます。

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また、これら2つ以外にも適性・能力を求めている施工管理会社は多くあるため、ある1つの指標として目を通してみてください。
細かい作業が得意である
品質管理業務は主に「調査」「実験」「分析」といった建設現場での地道な業務が欠かせません。
細かい作業が求められる場面が多々あるため、大雑把に物事を進めるのではなく、1つ1つの業務に対して、丁寧かつ正確に思案し、的確に行動に移すのが苦にならない人に適しているといわれます。
品質管理は主として裏方的役割であるため、自分の業務に留まらず、周囲の変化を観察し敏感である人も求められる適性の1つとされています。
解決策を見つけるのが得意である
品質管理業務の中で、製品などが不良品となる場面も発生します。そのような局面において分析をし、対策・解決策を見出すことも施工管理業務の1つです。業務工程における「分析」のプロセスに該当します。
問題点を徹底的に論理的かつ統計的に解析し、「改良方法」あるいは「問題点の再発防止策」などを追い求めることにやりがいを感じることのできる人には、適性があるといえます。
品質管理業務の際に必要となる資格7つ
品質管理業務は前述した通り、専門的領域分野が存在します。そのため、資格や試験に合格する必要があります。
ここでは、品質管理において必要となる資格を7つ紹介し、どのような場面でこれらの資格を活かすことができるかについて解説を加えていきます。
また、これらの資格は「品質管理」の分野に限らず、俯瞰的な施工管理においても通ずる分野であり、幅広い知識・知見を得ることができるため、資格・試験の勉強は有意義なものといえるでしょう。
1:1・2級土木施工管理技術検定
土木施工管理技術検定は、建設業法規定に基づく、国土交通大臣が指定した指定試験機関である財団法人全国建設研修センターによって実施されています。
土木施工管理技術検定は道路や橋などのインフラ建設に必要となる土木分野の施工管理の仕事に生かすことのできる資格です。1級と2級の2種類があり、1級土木施工管理技士になると、さまざまな土木工事現場で活躍することができます。
主として4大管理や施工計画の作成、用地の確保から役所への手続き・周辺住民への説明などが任されます。また、1級土木施工管理技士は、建設現場における「主任技術者」・「管理技術者」の両方に選任されることができます。
資格を取得するには1次検定(学科試験)と2次試験(実地試験)に合格しなければなりません。
出典:1級土木施工管理技術検定|一般財団法人全国建設研修センター
2:建築施工管理技士
建築施工管理技士は、建設業法第27条の規定に則り、指定試験機関として一般財団法人建設業振興基金によって実施されています。
建築施工管理技士とは、現場での工事の進捗について指揮・監督する立場にあり、施工管理を行うために必要な専門家として位置されています。鉄筋工事や大工工事、内装仕上げ工事などを含む建設工事の場合では、施工計画も作成します。
土木・建設系企業にニーズが高く、資格手当や給与面においても待遇を受けられる可能性のある国家資格です。
3:建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士の資格試験は、国土交通省が管轄する国家試験です。建設機械施工管理技士は、建設機械を取扱う作業員を統括し、工事を円滑に進めるための現場監督のような役割を担います。
建設現場においては、大小さまざまな機械を用いりますが、このような機械は規模が一定上の工事であって、専門的な機械を扱う際には、現場への建設機械施工管理技士の設置が義務付けられています。
なお試験は、1級と2級に大別されており、それぞれにおいて、学科試験と実地試験が行われます。
出典:1・2級建設機械施工管理技術検定試験|一般社団法人日本建設機械施工協会
4:1・2級管工事施工管理技術検定
管工事施工管理技術検定とは、国土交通省の指定機関である一般財団法人全国建設研修センターによって実施される技術検定です。
管工事施工管理技士は、「施工管理技士」において分類される項目の1分野です。施工管理技士には、取扱う工事種別に応じて「管工事」・「建設」・「土木」・「電気工事」・「造園」・「建設機械」・「電気通信工事」の7種目があります。
1級・2級の区分が設けられており、実務経験年数によって受けられる等級が異なります。1級を受験するためには、実務経験年数を満たす必要があり、2級にはこのような制限は設けられていません。
出典:1級管工事施工管理技術検定|一般財団法人全国建設研修センター
5:1・2級造園施工管理技術検定
施工計画から安全管理まで、造園工事の総合的責任者として造園工事に関する専門的な知識を有するのが、造園施工管理技士です。
屋上緑化や公園・庭園・造園工事における適正な施工を目的としており、主任技術者や管理技術者育成のために設置された国家資格です。
1級・2級と分類されており、1級を有すると、自治体から発注される造園工事などを請け負った工事に携わることができます。
出典:1級造園施工管理技術検定|一般財団法人全国建設研修センター
6:電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事におけるスペシャリストとして認定される国家資格です。資格取得者は、建設現場において、電気工事の施工計画から工程・安全管理を担うことができます。
電気工事の施工管理は、電気工事施工管理技士資格保有者でなければ行うことができません。
また、1級・2級といった区分が設けられています。1級では、特定建設業の営業所ごとに設置することが義務付けられている専任技術者・主任技術者・監理技術者を担うことができます。2級では、一般建設業の専任技術者あるいは、主任技術者を担うことができます。
出典:令和3年度 1級 電気工事施工管理技術検定のご案内|一般財団法人建設業振興基金
7:1・2級電気通信工事施工管理技術検定
電気通信工事施工管理技術検定は、合格することで電気通信工事施工管理技士と認定されます。建設業法上において営業所の専任技術者や電気通信工事における主任技術者・監理技術者を担うことができます。
この資格が新たに設けられた背景として、インターネットの高速化・複雑化にともない、電気通信工事分野の高度かつ専門的な知識が求められるようになったことがあります。
資格取得によって、インターネット回線や固定電話・携帯電話といった電気通信系設備の建設現場における施工管理者を担うことができます。
出典:1級電気通信工事施工管理技術検定|一般財団法人全国建設研修センター
施工管理における品質管理の手順
ここでは品質管理を実際に行う際の手順を紹介します。
工事内容などによって手順は異なる場合がありますので、ここで紹介するのはあくまで一例です。
1.品質管理のための「品質特性」を決めます。
たとえば圧縮強度などを先に決めておきます。
2.設計図に定められた規格に合うような「品質標準」を定めます。
品質標準は品質の平均とバラつきの幅で示されます。
3.品質標準を守るための「作業標準」を定めます。
この作業標準は施工計画書に記載します。
4.作業標準に従い工事を行いデータを取ります。
5.データが品質標準を満たしているかを確認します。
判定にはヒストグラムなどを用います。
6.品質標準を満たしていた場合、管理図などを使い工程が安定しているか判定します。
7.品質標準を満たしていない場合や、工程に異常があった場合は、原因を究明し、再発しないような処置を取ります。
8.工程が安定していた場合、管理限界を延長し、作業を続けます。
4~8を繰り返し行い、工期中に作業を完了させます。
施工管理における品質管理について理解しよう
品質管理は、工事の品質や安定した工程、出来形を確保と共に欠かせないものですので、施工管理技士は覚えておきましょう。
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