建設業界や施工管理の離職率とは?離職率を高める原因8つを紹介
こちらの記事では、建設業界や施工管理の離職率についてご紹介いたします。
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目次
建設業界の離職率
厚生労働省が2018年に発表した、2015年3月の新卒就職後3年以内の離職率は、調査対象の主要産業平均で大卒が31.8%、高卒が29.7%でした。
この中で、建設業界においては、大卒が28.9%、高卒が46.7%ということで、高卒に関しては全産業平均の水準を上回る結果となっています。
ここで、建設業の離職率を他の産業と比べてみると、大卒の上位から、宿泊業で50.4%、生活関連サービス業・娯楽業で46.6%、教育・学習支援業で45.9%、小売業で37.4%、医療・福祉で39.0%、サービス業で35.4%、不動産業・物品賃貸業で34.9%、学術研究・専門技術サービス業で32.9%という結果になっており、建設業界は9番目となります。
また、高卒の離職率は上から、宿泊業で62.9%、生活関連サービス業・娯楽業で58.0%、教育・学習支援業で58.0%、小売業で49.4%という結果で、建設業は5番目となっています。
建設業界の離職率が多い理由とは?
冒頭でも触れたように、建設業における現場監督の仕事は非常にハードです。
拘束時間も非常に長いため、家族や友人などと接する時間が少ないというのが現状です。
また、工事現場では一つのミスが命取りとなることもあるため、現場の安全や労働災害の危険性などを常に考えておく必要があり、その責任の重さに対するプレッシャーも相当なものです。
さらに、会社と現場の職人たちとの板挟みにあうだけでなく、近隣住民や関係省庁との折衝にも相当な時間と労力を費やします。
その結果、時には理不尽な責任を負わされることまであるそうです。
このように、体力的にも精神的にもきつい仕事であり、並大抵では務まらないことから、離職率も多くなってしまうのでしょう。
施工管理の離職率
1級の施工管理の離職率は通年で約5%、2級の施工管理の離職率は約10%と言われています。
離職率としては他の職種と比べると低いとも言われていますが、それでも1割以下の人が離職しているのが施工管理という仕事です。
また、就職後に3年程で退職する人が多いとされるのが施工管理です。
建築業を支える1つの業種ですが、経年の業務のなかで仕事に対して不満が生じたり、個々の致し方ない事情で離職したりするケースがあります。
建造物の建設に際し緻密な管理をしていく専門性の高い業務ですが、資格取得しても数年内に約1割が退職や転職している施工管理者には、いったいどういった離職理由があるのでしょうか。
さっそく見ていきましょう。
施工管理の離職率を高める原因8つとは?
年間で約1割が離職している施工管理という仕事ですが、辞める理由が8つあると言われています。
その原因を見ながら、施工管理という業務についても理解を深めてみませんか。
離職率は決して高くない施工管理ですが、なぜ仕事を辞めてしまう人が約1割存在しているのか把握しておけば、これから施工管理者になる人の心構えとなって仕事を快活に進める手立てにもなります。
「施工管理者を生涯の仕事としたい」と思う人は、より理解を深めておくとよいでしょう。
施工管理の離職率を高める原因1:残業時間
管理する書類が多いため、定時で帰路につける仕事ではなくて離職者が存在しています。
誰もが決められた時間内で働きスムーズに帰宅したいはずですが、目を通さなければいけない書類が尋常な多さです。
職場によっては1人で管理しなければいけない企業もあり、必然的に残業せざるを得ないために疲弊度が増すことがあります。
月に数時間程度の残業であれば無理なくこなせますが、毎日が残業ですと誰しも仕事への嫌悪感を抱き始めます。
ただ、作業を完了させなければ次々と新たな書類への対応もしなければならず、仕方なく毎日のように残業するケースもあります。
作業の効率化が図れず、誰にも相談できないまま時間のみがむなしく過ぎ、やがて退職を決意して仕事を離れる施工管理者が存在しています。
施工管理の離職率を高める原因2:家族との時間の減少
仕事と家庭をバランスよく維持させたい施工管理者には、残業や少ない休日では家族サービスもままなりません。
仕事に追われる毎日を過ごすことが多いため、家族との大切な時間を共有することが困難となって退職する施工管理者がいます。
とくに小さなお子さんがいる家庭の場合には育児問題も出てきますので、家庭不和ともなりかねません。
どれだけ高い報酬を受け取れたとしても家庭環境が悪化してしまえば、施工管理者として心地良い毎日の仕事を遂行することが困難となり、やがて離職するパターンがあります。
休日がやっと訪れても仕事で受けた疲労が蓄積しているため、施工管理者が家のなかでずっとゴロゴロしていれば、それはそれで家庭内で不和を生じさせる大きな要因にもなり得り、離職にも連結することがあるでしょう。
いずれにしても時間が効果的に使用できず、施工管理者を離職するケースが多いです。
施工管理の離職率を高める原因3:新卒者が定着しない
施工管理に関わる人が新卒者の場合では仕事を離職する確率が高まり、辞める時期も早まる傾向にあります。
新卒者は20代前半の人材が主ですので、社会生活に馴染めずに施工管理の仕事が嫌いになって辞めてしまうパターンが多いと言われています。
学生生活では、毎日好きな友人や付き合っている異性との楽しい生活が送れていましたが、施工管理者となれば責任のある仕事を毎日こなし、そのなかで実績を上げていかなければ上司から叱られてしまう人も多いでしょう。
学生気分が抜けきらないまま社会人となると、どうしても厳しいルールに馴染めずに仕事を辞めたくなってしまい、その気持ちが徐々に募ると離職する傾向にあるのが施工管理者という仕事と言われています。
施工管理の離職率を高める原因4:人間関係の築きにくさ
建設にまつわる施工管理という業務は、職場で良好な人間関係を構築しにくいと言われているため、経年で退職する人も存在しています。
事務作業が多い仕事ですので、施工管理の職場ではコミュニケーションはありながらも事務的な内容が多いです。
笑顔で対話する時間はほとんどないため、デスクワークに没頭できる人にとっては最適な職業ですが、明るく楽しく労働したい施工管理者を目指している人には不向きとも言われています。
施工管理者は緻密な計画や管理作業が重要な業務ですので職場では機械的に働くことが多く、快活な人間関係を構築して職場以外のプライベートでも同僚と接点を持てるケースは少ないでしょう。
施工管理の離職率を高める原因5:評価制度
仕事の実績によって待遇が評価される施工管理者は、システムに馴染めずに離職率を高めています。
ただ、他の職種と比べて決して離職率は高くはありませんが、それでも約1割の人のなかには評価制度が肌に合わず離職するケースがあります。
離職率1割と言われている施工管理者の退職理由はそれぞれ異なりますが、実績が思わしく伸ばせない人は制度に馴染めず、やがて退職意思が芽生えることがあります。
「仕事は結果がすべて」とも言われていますので仕方ない面ではありますが「人を評価する」という仕組みに不満を覚える施工管理者は少なからず存在しているため、離職率を上げている要因と言えるでしょう。
施工管理の離職率を高める原因6:仕事内容
多くの書類の管理や役所への手続きを行う施工管理者は、その仕事内容に対応できなくなって離職率を高める傾向にあります。
元々が少ない離職率ではありますが、建築に関する細部にわたって記載が必須な書類を作成したり管理したりという業務には適性が求められます。
いい加減でだらしない人であれば、施工管理者とは言え全うな業務遂行はできません。
細やかな作業が多いのが施工管理者が行う仕事ですので、仕事の多さや内容が理由で離職率を上げてしまっているという現状があります。
毎日、数時間を費やして書類と向き合い、適切な建造物を建てるために役所で手続きを行う日々は忍耐力も必要です。
それによって蓄積された目の疲れや心労もかさみ、施工管理者を辞職するケースが少なからず存在しています。
施工管理の離職率を高める原因7:給料への不満
給与が少ないために施工管理者の離職率を上げています。
施工管理者の平均年収は440万円と言われていますが、300万円を下回ることもあるため、生活苦になって転職をするケースが存在しています。
集中力を酷使するミスの許されない施工管理という仕事ですが、適性もあって給与に反映されないこともあるでしょう。
給与が少ないという問題は往々にして解決することがないため、辞職という選択をする傾向が高まります。
企業の規模にもより受け取れる給与は異なるため、そもそも勤務している会社が小さな規模であれば相応の給与しか支払われません。
給与への不満は、施工管理の離職率を上げている大きな要因の1つと言えるでしょう。
施工管理の離職率を高める原因8:個人の負荷の大きさ
1人当たりにのしかかる責任が重すぎて施工管理の離職率を上げています。
施工管理は少人数で行う業務ですので、数十人など大勢で行われることはありません。
そのために仕事内容が多岐にわたり、疲労困憊となりながら日々を過ごしている施工管理者も少なくありません。
かと言って誰でも対応できる業務内容ではなく、専門性がある仕事ですので誰かに任せることもできず、結局は自分自身がこなす仕事量が増大して不満が蓄積していくでしょう。
期日もあるため残業しながら労務をこなし、ようやく1つの案件が終了したと思えば新たに多大な書類の整理が舞い込んできます。
そうした日々を長期体感すれば、仕事への情熱や楽しみ方さえ忘却してしまう施工管理者は多いでしょう。
施工管理の離職率が低い会社とは?
建設現場を安全でスムーズなまま職人が働きやすい環境を整備するのが、施工管理者に求められる仕事です。
管理ができておらず現場で働く職人が仕事をしにくい環境に陥れば、おのずと不満が出て施工管理者も退職する可能性が生じるでしょう。
施工管理者の離職率を抑えることは企業の方針によっても改善されるケースがあるため、多方面の問題解決が重要と言われています。
優秀な施工管理者の離職は企業にとっても大打撃となりますので、働く環境を整えて施工管理者の離職率を軽減し、最終的には退職者が1人も発生しない働きやすい環境作りを進めてみましょう。
福利厚生が整っている
会社が福利厚生を取り入れて社員を雇うことで施工管理者の離職率を高めることはありません。
施工管理者の暮らしを充実させることは会社の責任の1つですので、福利厚生を無視した雇用をしてしまえば施工管理者は働きにくさを強く感じるでしょう。
将来、厚生年金を受け取れる環境があれば、末永い労働をしてくれるのが施工管理者です。
今後は「受け取れる金額も低迷傾向にある」とも言われている日本社会ですので、保険や年金制度をしっかりと取り入れている会社では施工管理者が退職する可能性は少ないです。
さまざまな働き方や雇用形態があるなか、福利厚生が整っている会社であることを事前に発信しておくことで施工管理者を目指して安心して就活することもできるでしょう。
社員の年齢層がバラバラ
社内で働く社員の年齢層が違い過ぎれば、爽やかな人間関係の構築が難しくなって話す機会が減るために、おのずと施工管理者の離職率を高めています。
施工管理者は、つねに建設に関することばかり行っているわけではありません。
社内メンバーとのコミュニケーションもしながら「楽しい職場環境のなかで働きたい」と思う人が多いですので、社員が20代から60代など分散傾向のあるなかで運営している職場では、それぞれが対話するきっかけをつかみにくいでしょう。
無理な対話は返ってストレスを生みますので、社員の年代が違いすぎると妬み・やっかみも発生しかねません。
現実的には難しさもありますが、社員の年齢層が近しい職場であれば施工管理者も混じって話に花が咲き、話題に事欠くことの少ない明るい職場となるでしょう。
勤務時間の管理がされている
無理な残業がなく、定時内で帰宅できる職場であれば施工管理者も離職することはありません。
受注できる範囲を超えて仕事をさせる企業はNGですので、労務時間をしっかりと管理していれば不満が生じることはないでしょう。
施工管理者としても決められた時間内で集中した業務をテキパキと実行するようになるため、ダラダラとした無駄な時間の使い方をすることもなくなります。
そして残業がなくなれば、家族や友人とのプライベートな時間も満喫できるため、日々の仕事へ取り組む意欲も湧きやすく変化しやすくなります。
9時から17時などしっかりと勤務時間の設定を行い、施工管理者が残業したり休日出勤したりしない環境を会社が整備することで労働者としてメリハリのある実務が遂行できて、おのずと会社も潤うでしょう。
施工管理の仕事のやりがいとは?
施工管理者には多くのやりがいがありますが「手に職がつく」「建設物が完成したときの達成感を味わえる」という2つについて紹介していきます。
これから施工管理者を目指す人にとって大切なのは仕事のやりがいです。
経験を積んでいくことで、それぞれのやりがいを実感して施工管理職に誇りを持てる日がきっと訪れます。
巨大な作品を造るのが施工管理という仕事でもあるため、その根幹となる施工管理は重責です。
しかし、個々のスキルを生かして施主が望む素敵な建造物を形にし、大勢の人に喜ばれる仕事でもあります。
ぜひ、施工管理としての2つのやりがいを理解し、実務をするなかでさらに多くのやりがいを自分なりに見つけ出して日々の労務に邁進していきましょう。
手に職がつく
専門職でもあるのが施工管理という仕事ですので、手に職がついて自分に自信もつくでしょう。
今回見てきたように施工管理は、建造物に関する管理業務が主な仕事内容ですので、未経験者へ任せて急に同じ仕上がりで完結できる仕事ではありません。
学習することで身につく内容が多い業務ですので「専門性の高い職業」と言い換えることもできます。
専門職は知識経験のある本人にしかできない業務があるため、社風に合ったレベルで仕事を遂行・完結できる施工管理者となれば、やりがいを数多く実感することも可能です。
自分自身が管理を手掛けた建物が街中に存在し、多くの人々が仕事や暮らしを充実させるために活用しますので、施工管理した本人が建物の前を通るたびに仕事したことを懐かしく思い出すこともあります。
仕事が目に見える形となって他者に喜ばれるため、施工管理は手に職がつく素晴らしい職業と言えるでしょう。
建設物が完成したときの達成感を味わえる
時間をかけて建てた建造物を見上げれば、施工管理者にしか味わえない達成感を味わうことが可能です。
1つの建物の設計管理を行ってきた施工管理者は、基礎や部材などの構造についても熟知しているため、自分にしか分からない満足感や達成感を感じて建物を眺めることもできます。
多くの職人をはじめ、現場監督の手腕によって自分自身が管理してきた1つの建造物ですので、ようやく仕上がったときの喜びは言葉では言い表せません。
手についた職を生かし多くの人々の連結の下で雨の日も晴れの日も工事を繰り返して、施主のオーダー通りに建設した作品ですので永年にわたって達成感を感じ続けられます。
建設完了後は「自分が管理した」という強い誇りを実感しながら、次の建設案件にも意気揚々と取り組めるのが施工管理という素晴らしい仕事です。
施工管理は離職率が低くはないがその分やりがいのある仕事でもある
今回紹介したように、現場監督の仕事は大変なものではありますが、その反面仕事を達成したときの充実感や、達成感は非常に高いものです。
また、ハードな仕事であるが故に、高いスキルが要求されるため、自身の成長につながるといったメリットもあります。
ですので、実際に現場監督をしていた人が転職するとその能力の高さに驚かれるそうです。
とはいえ、無理をして体調などを壊してしまっては元も子もないので、無理のない範囲でご自分の限界ラインを常に見定めていく必要はあるでしょう。
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