2級電気工事施工管理技士は難しい?難易度・合格率・独学合格のポイントを解説
2級電気工事施工管理技士は、電気工事の施工管理に携わるのに必要な国家資格です。
資格取得を考えているものの「本当に合格できるのか」「難易度はどの程度なのか」と不安を感じている方も多いでしょう。
正しい対策と効率的な学習を行えば、働きながらでも十分に合格を目指せる資格です。
本記事では、試験の難易度や合格率、独学での勉強方法について解説します。

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目次
2級電気工事施工管理技士の難易度はどれくらい?
2級電気工事施工管理技士の難易度は、国家資格の中では比較的取得しやすいレベルに位置づけられます。
第一次検定と第二次検定の2段階に分かれており、それぞれ合格率は50〜60%程度です。
- 学科(第一次検定)の合格率と難易度
- 実地(第二次検定)の合格率と難易度
以下では、各検定の合格率と難易度について詳しく解説します。
学科(第一次検定)の合格率と難易度

| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和6年度 (2024) | 10,176名 | 4,932名 | 48.5% |
| 令和5年度 (2023) | 12,587名 | 5,969名 | 47.4% |
| 令和4年度 (2022) | 8,027名 | 4,466名 | 55.6% |
| 令和3年度 (2021) | 8,359名 | 4,776名 | 57.1% |
| 令和2年度 (2020) | 8,239名 | 4,818名 | 58.5% |
| 令和元年度 (2019) | 7,548名 | 4,237名 | 56.1% |
| 平成30年度 (2018) | 6,838名 | 4,292名 | 62.8% |
| 平成29年度 (2017) | 6,990名 | 4,389名 | 62.8% |
| 平成28年度 (2016) | 7,043名 | 4,131名 | 58.7% |
| 平成27年度 (2015) | 7,163名 | 3,952名 | 55.2% |
第一次検定の合格率は約55%で推移していましたが、ここ2年は50%を割っています。
マークシート方式の四肢択一または五肢択一で、出題数64問のうち40問を選択して解答します。
合格基準は総得点の60%以上です。出題範囲は電気工学から法規までと幅広く、電気工学・電気設備・施工管理・法規の出題が多い傾向にあります。
試験時間は2時間30分で、過去問からの出題が多いため、過去10年分の問題を繰り返し解くことが合格への近道です。
電気工事士の資格保有者や実務経験が豊富な方であれば、効率的に学習を進められるでしょう。
実地(第二次検定)の合格率と難易度

| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和6年度 (2024) | 4,782名 | 2,460名 | 51.4% |
| 令和5年度 (2023) | 6,543名 | 2,816名 | 43.0% |
| 令和4年度 (2022) | 4,768名 | 2,947名 | 61.8% |
| 令和3年度 (2021) | 5,082名 | 3,493名 | 68.7% |
| 令和2年度 (2020) | 4,632名 | 2,967名 | 64.1% |
| 令和元年度 (2019) | 7,151名 | 3,249名 | 45.4% |
| 平成30年度 (2018) | 7,961名 | 3,436名 | 43.2% |
| 平成29年度 (2017) | 8,574名 | 3,423名 | 39.9% |
| 平成28年度 (2016) | 9,139名 | 3,799名 | 41.6% |
| 平成27年度 (2015) | 9,515名 | 3,847名 | 40.4% |
第二次検定の合格率は約50%で、令和6年度は51.4%という結果でした。
試験時間は2時間で、記述式問題が中心となります。全5問が出題され、合格基準は総得点の60%以上です。
特徴的なのが実務経験に基づいた「経験記述問題」で、約40%の高い配点が割り振られています。
品質管理、工程管理、安全管理に関する留意事項や対策を、自身の経験をもとに記述しましょう。
そのほか、電気工学に関する専門知識や法規についても記述式で問われます。
第一次検定に比べると記述力や実務経験が求められるため、テキストの暗記だけでは対応できません。
経験記述の対策を十分に行い、時間内に書き切る練習を重ねることが重要です。
2級電気工事施工管理技士の難易度が高いと感じる3つの原因とは?
合格率が50〜60%と比較的高い2級電気工事施工管理技士ですが、実際に受験すると「思ったより難しい」と感じた方もいるでしょう。
その背景には、以下3つの要因が関係しています。
- 範囲の広さ
- 記述式の対策不足
- 時間の確保が難しい
これらの原因を理解し、事前に対策を講じることで合格への道筋が見えてきます。
①範囲の広さ
第一次検定では、5つの分野から出題されます。
- 電気工学
- 電気設備
- 関連分野
- 施工管理法
- 法規
電気工学では電気理論や電力系統などの専門知識が問われ、電気設備では発電設備から送配電設備といった幅広い設備知識が必要です。
さらに関連分野として機械設備、土木、建築の知識も求められます。施工管理法では施工計画から品質管理といった、実務に直結する内容が出題されます。
5つの分野にわたる広範な出題範囲を、限られた学習時間でカバーしなければならず、この出題範囲の広さが、難易度が高いと感じさせる大きな要因です。
②記述式の対策不足
第二次検定で配点が高い経験記述問題は、実務経験に基づいて具体的な施工管理の内容を記述する必要があります。
単にテキストを暗記するだけでは対応できず、自分の言葉で論理的に説明する力が求められます。
「危険性を予測した事項と理由」「その対策」といった形式で、工程管理や安全管理、品質管理について記述しなければなりません。
記述内容が現実に即していなかったり、施工管理として適切でない内容だったりすると、大きく減点される可能性があります。
また、指定された記述スペースに対して文字数が不足している場合も評価が下がります。
独学での記述には、表現の誤りや論理の飛躍も生じやすいため、通信教育の添削サービスの利用が効果的です。
③時間の確保が難しい
2級電気工事施工管理技士の合格には、第一次検定と第二次検定を合わせて300〜400時間の勉強が必要とされています。
仕事をしながら資格取得を目指す場合、平日1〜2時間、休日3〜4時間程度の学習時間を確保し、6ヶ月以上の勉強期間を設けることが推奨されます。
しかし、電気工事の現場は繁忙期があり、残業や急な予定変更も発生しやすい環境です。
計画どおりに学習時間を確保できず、試験直前に焦ってしまうケースも少なくありません。
第二次検定の経験記述対策には時間がかかるため、早めに準備を始めることが重要です。
2級電気工事施工管理技士は独学で合格できる?
2級電気工事施工管理技士は、独学でも合格可能な資格です。
独学のメリットは費用を抑えられる点と、自分のペースで学習できる点です。市販のテキストと過去問題集を使えば、基本的な知識は十分に習得できます。
一方でデメリットとして、疑問点を解決しにくいこと、経験記述の添削を受けられないこと、モチベーションの維持が難しいこともあげられます。
独学での経験記述対策には限界があるため、第二次検定に向けた対策として、通信講座の添削サービスを利用する選択肢も検討すべきでしょう。
電気分野の学習が初めての方や、記述力に不安がある方は通信講座の活用が効果的です。
2級電気工事施工管理技士の受験資格
2級電気工事施工管理技士の受験資格は「2024年」前後で異なります。まず、2024年度以降(現在)の2級電気工事施工管理技士の受験資格は以下のとおりです。
| 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|
| 17歳以上 (試験実施年度末時点、学歴や実務経験は不問) | 第一次検定合格後、実務経験 3年以上 |
2028年度までは「旧受験資格」でも第二次検定が受験可能
ここまでは新しい受験資格について解説してきましたが、制度移行に伴う経過措置が設けられています。そのため、2028(令和10)年度までの間は、制度改正前(古い制度)の受験資格要件でも第二次検定を受けることが可能です。
さらに、2024(令和6)年度から2028(令和10)年度の間に、有効な第二次検定の受験票交付を受けた実績があれば、2029(令和11)年度以降であっても、引き続き同じ条件で受験することができます。
また、2級第一次検定合格者を対象とした経過措置についても従来通りです。「合格年度を含む12年以内」かつ「連続2回」に限り、制度改正前の資格要件で第二次検定に挑戦可能となっています。

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2級電気工事施工管理技士の受験資格(2023年度以前)
ちなみに、2023年度以前の2級電気工事施工管理技士の受験資格は下記表のとおりです。
| 区分 | 最終学歴 | 実務経験年数 | |
|---|---|---|---|
| 指定学科卒業 | 指定学科以外卒業 | ||
| イ | 大学、専門学校卒で「高度専門士」の方 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6か月以上 |
| 短期大学・5年制高等専門学校 専門学校卒で「専門士」の方 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 | |
| 高等学校、専門学校の専門課程 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6か月以上 | |
| その他(最終学歴問わず) | 8年以上 | ||
| ロ | 電気事業法による第一種、第二種または第三種電気主任技術免状の交付を受け付けた者 | 通算1年以上 | |
| ハ | 第一種電気工事士免状の交付を受けた方 | 不問 | |
| ニ | 第二種電気工事士の交付を受けた方(旧・電気工事士を含む) | 通算1年以上 | |
なお、第二次検定のみ受験される場合は、次の条件に該当する必要があります。合わせて確認しておきましょう。
- 技術士法による技術士の第二次試験のうちで技術部門を電気電子部門、建設部門または総合技術監理部門(選択科目を電気電子部門または建設部門に係る)に合格した方
- (令和2年度までの)2級電気工事施工管理技術検定試験の「学科試験のみ」受験の合格者で有効期間内の者
- 2級電気工事施工管理技術検定の「第一次検定」合格者
2級電気工事施工管理技士の合格に必要な時間とスケジュール
2級電気工事施工管理技士の合格には、個人の経験や知識レベルによって必要な勉強時間が大きく異なります。
効率的な学習を進めるためには、自分に合った学習期間を設定し、計画的にスケジュールを組むことが重要です。
- 合格に必要な勉強時間の目安
- 学習スケジュール例(3ヶ月〜6ヶ月)
以下では、具体的な勉強時間の目安と、期間別の学習スケジュールについて解説します。
合格に必要な勉強時間の目安
合格に必要な勉強時間は、個人の経験や知識によって大きく異なります。
電気工事士の資格保有者や、実務経験3年以上の方であれば150〜250時間程度、電気分野の基礎知識がある方は300〜400時間、電気分野の学習が初めての方は400時間以上が目安です。
1日あたりの勉強時間を計算すると、3ヶ月で合格を目指すなら1日約3.3〜4.4時間、6ヶ月なら約1.7〜2.2時間です。
仕事をしながら資格取得を目指す場合、6ヶ月以上の勉強期間をおすすめします。
学習スケジュール例(3ヶ月〜6ヶ月)
3ヶ月で合格を目指す場合、1ヶ月目は参考書で基礎知識を習得し、主要5分野の全体像を把握します。
2ヶ月目は過去問題集を使って実践的な問題演習を行い、苦手分野を特定して重点的に学習しましょう。
3ヶ月目は総復習と模擬試験に取り組みます。
6ヶ月で合格を目指す場合は、以下の流れが理想的です。
- 1~2ヶ月目は参考書を使った基礎学習
- 3~4ヶ月目は過去問演習と苦手分野の克服
- 5ヶ月目は経験記述の対策
- 6ヶ月目は総復習
余裕を持ったスケジュールで、合格を目指しましょう。
2級電気工事施工管理技士を受けるうえでよくある失敗例と回避法
第二次検定の経験記述は、配点が約40%と高いにもかかわらず、第一次検定が終わってから考えればよいと後回しにしてしまうケースが多く見られます。
第一次検定の学習と並行して、経験記述の準備を進めることを意識しましょう。
また、テキストや参考書を読むインプット学習に多くの時間を費やすだけでは、過去問演習などのアウトプット学習が不足してしまいます。
テキスト学習のあとは必ず過去問演習を行い、最低でも過去10年分の問題を3周以上解くことがポイントです。
さらに、市販のテキストをひととおり読んで満足してしまい、実践的な問題演習や記述練習が不足することも失敗の一因です。
テキストと並行して過去問題集、記述対策集を活用することで、効率よく学習を進められます。
2級電気工事施工管理技士の資格取得におすすめの勉強方法
効率的に合格を目指すためには、自分に合った教材と学習ツールを組み合わせることが重要です。
ここでは、資格取得に効果的な勉強方法を5つ紹介します。
- ①市販テキスト
- ②過去問
- ③記述対策集
- ④YouTube・アプリ
- ⑤講座の活用
資格取得に向けて、それぞれの勉強方法を理解しておきましょう。
①市販テキスト
市販テキストは独学の基礎となる教材です。特におすすめの教材(参考書)は下記です。
なお、上記以外にも電気工事施工管理技士の試験勉強におすすめの参考書は下記記事でまとめていますので合わせてお読みください。
※関連記事:電気工事施工管理技士のおすすめ参考書
②過去問
過去問演習は、試験対策の中でも重要な学習方法です。2級電気工事施工管理技術検定試験 問題解説集(建設業振興基金)は、過去5年分の問題と詳細な解説が掲載されています。
分野別問題解説集(GET研究所)は、テーマごとに過去問を整理しているため、苦手分野の克服に効果的です。
過去問は最低でも10年分を3周以上解くことで、出題傾向を把握し、確実に得点できる力が身につきます。
③記述対策集
第二次検定の経験記述対策には、専用の対策集が必要不可欠です。
2級電気工事施工管理 第二次検定 過去問題と解説(建築資料研究社)は、過去10年分の記述問題と模範解答が掲載されており、実践的な対策ができます。
経験記述の書き方や注意点も詳しく解説されているため、初めて記述問題に取り組む方にも適しています。
模範解答をそのまま暗記するのではなく、自分の実務経験に置き換えて文章を作成する練習が重要です。
④YouTube・アプリ
隙間時間を活用した学習には、YouTubeやアプリが効果的です。YouTubeでは解説動画が公開されており、重要ポイントを視覚的に学べます。
また、2級電気工事施工管理技士の過去問アプリを使った学習も可能です。これにより、通勤時間や休憩時間を有効活用できるでしょう。
ただし、YouTubeやアプリだけでは体系的な学習が難しいため、テキストや過去問と併用することをおすすめします。
⑤講座の活用
独学に不安がある方や、確実に合格を目指したい方には、通信講座や対策スクールの活用が効果的です。講座のメリットは、以下の3つです。
- プロの講師による解説を受けられること
- 経験記述の添削サービスが利用できること
- 学習スケジュールが明確になること
2級電気工事施工管理技士の合格後に得られるメリットとキャリアパス
2級電気工事施工管理技士の資格を取得することで、キャリアアップと待遇改善の両面で大きなメリットが得られ、主に下記のようなものがあります。
- 仕事の幅が広がる
- やりがいがある
- スキルアップにも繋がる
- 企業によって資格手当がつく
- 高収入が見込める
- 転職に有利
- 職人に対する発言権と現場統率力の向上
- 1級電気工事施工管理技士の受験資格条件が優遇される
- 起業できる
- 他分野のキャリアへも展開できる
上記のうち収入面でいえば、資格保有者には資格手当が支給される企業も多く、月額1万円〜3万円程度の手当が一般的です。平均年収は543万円で、日本人の平均年収420万円を大きく上回っています。
また転職市場においても、資格保有者は多くの企業から優遇されますし、独立を目指す場合も一般建設業の専任技術者として認められるため、建設業許可を取得すれば事業化が可能です。
将来的な1級取得へのステップとしても重要で、2級の第二次検定に合格していれば、1級の第一次検定の受験資格が緩和されます。
より詳しくは下記記事で解説していますので合わせてお読みください。
※関連記事:2級電気工事施工管理技士を取得するメリット
まとめ|2級電気工事施工管理技士は正しく対策すれば合格できる国家資格
2級電気工事施工管理技士は、第一次検定の合格率が約55%、第二次検定の合格率が約50%と、国家資格の中では比較的取得しやすい水準です。
試験範囲は広範囲にわたり、とくに第二次検定の経験記述対策は十分な準備が必要です。
ただし、正しい学習方法と適切な教材を選べば、働きながらでも十分に合格を目指せます。
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