親杭横矢板工法とは?施工手順4STEPや横矢板のポイント8選を紹介

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こちらの記事では、親杭横矢板工法についてご紹介いたします。
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親杭横矢板工法とは
親杭横矢板工法は比較的コストが安い工法で、小規模工事の山留壁として使われることが多いです。
ただし止水性が無いため、地下水が無い浅い掘削を行う工事で適しているとされます。
また軟弱地面には適していないので注意が必要です。
このため、地盤や工事によって山留工法を使い分けることが重要です。
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親杭横矢板工法・施工手順4STEP
山留工法の一つが、親杭横矢板工法です。
この工法は一般的な山留工法の一つとされています。
芯となる親杭のH形鋼を地中に打ち込み、その杭の間に木製の板を差し込みます。
板が木製のため、水の流れは止められません。
そのため地下水位よりも浅い掘削を行う際に向いているとされています。
さまざまな工事に使用され、比較的安価なのが特徴です。
親杭横矢板工法・施工手順1:H形鋼(親杭)を打設する
親杭横矢板工法とは親杭にH形鋼を打設していき、掘削に合わせて横矢板を入れ、山留め壁にしていく工法です。
そのため、親杭横矢板工法では最初に親杭としてH形鋼を打設する必要があります。
親杭横矢板工法で山留めを作る場合、作業現場にH形鋼を搬入します。
H形鋼にはさまざまな規格があるため、使用する現場によってどの規格のH形鋼を使用するのかは変わってきます。
親杭横矢板工法・施工手順2:オーガーで穴を掘る
オーガーとは掘削に使用するドリルのような形状をした建設機械のことで、地面に穴を空けるために使用します。
人力で扱うことができるハンドオーガーは主に土質調査資料の採取などに使用され、杭基礎の施工などを行う場合は大型のアースオーガーが用いられます。
親杭横矢板工法の場合は大型のアースオーガーを使用して、H鋼を没入させるための穴を掘っていきます。
穴の間隔は80~180cmになりますが、地中に埋没物などがあった場合、小さな埋没物であれば間隔をあけることで対応することが可能です。
親杭横矢板工法・施工手順3:H形鋼(親杭)を埋める
アースオーガーで掘削した後、掘った穴にH形鋼(親杭)を埋めていきます。
H形鋼は人力では持ち上げられないため、建設機械を使用して縦に持ち上げ、穴へと指し込みます。
さらに穴にしっかりと入るように打ち込むことで、埋め込み作業を行います。
このH形鋼が親杭となり、土を押さえる土留めとなるため、地盤にしっかりと打ち込む必要があります。
そのため、前述のとおり地盤がそもそも柔らかい現場には親杭横矢板工法は向いていません。
親杭横矢板工法・施工手順4:横矢板を入れて土留を行う
親杭を打てたら順次掘削作業を行っていき、空いた場所からH鋼の間に横矢板を入れて土留めを行っていきます。
H形鋼はその名の通り断面図がHの形になっており、杭にしているH形鋼と土の間に横矢板を挿入していくことで、しっかりと土を押さえる役割を果たします。
掘削しながら横矢板を入れていくという作業方法のため、親杭横矢板工法は現場によっては向かないこともあります。
また、親杭横矢板工法は高低差がある現場で高い方の土を押さえるのに適しています。
横矢板を挿入するポイント8選

横矢板をしっかり挿入するには以下のポイントに気を付ける必要があるとされています。
・横矢板を入れる部分の長さを図る
・裏の土を横矢板が入る程度とっておく
・裏込めをする
・キャンバー締めを行う
・キャンバー押さえ浅木を取り付ける
・埋設物周りの横矢板は補強を行う
・H形鋼とH形鋼の間隔が設計寸法より大きい場合、横矢板の間にバタ角を入れる
・横矢板は親杭のフランジにかかる大きさのものにする
親杭横矢板は止水性があまり良く無いのが特徴です。
これは差し込む横矢板に一体性が無いためです。
このため横矢板と横矢板の間から水が漏れてしまう場合があることを知っておきましょう。
横矢板を挿入するポイント1:横矢板を入れる部分の長さを図る
親杭横矢板工法では統一された長さの横矢板を指し込んでいくのではなく、現場によって親杭の間隔が異なることから、間隔に合わせて横矢板の長さをカットすることになります。
通常、横矢板は木材業者で長さを加工してもらってから搬入を行います。
そのため、親杭横矢板工法では先に横矢板を入れる場所の長さを測定しておく必要があります。
事前に長さを測っておき、横矢板の長さも合わせておくことで、しっかりと横矢板を挿入することが可能になります。
横矢板を挿入するポイント2:裏の土を横矢板が入る程度とっておく
地面の掘削作業を行ってアースオーガーで埋めH形鋼(親杭)が出てきたら、H形鋼の裏の土もある程度取る必要があります。
親杭横矢板工法ではH形鋼と地盤のすき間に横矢板を入れて土を支えるため、H形鋼の裏に土が詰まっていると入りません。
そのため、H形鋼を打ち込んだ場所の裏の土も横矢板が入る分だけ取っておきましょう。
H形鋼と地盤の間にすき間が開いたら、そのすき間に一枚ずつ横矢板を入れていきます。

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横矢板を挿入するポイント3:裏込めをする
裏込めとは、透水性の良い材料を詰めていく作業のことです。
裏込めを行うことによって、背面の水抜きなどをよくしたり、安定性を増す働きがあります。
先ほどH形鋼の裏の地盤の土を少し取ってすき間を開けて横矢板を差し込んでいきましたが、そのままではすき間が開いたままになってしまいます。
そのため、H形鋼の背面にシャベルなどを使って土を裏込めしていきましょう。
横矢板を挿入するポイント4:キャンパー締めを行う
キャンバー締めとは、名前のとおりキャンバーで締めつけることです。
キャンバーとは土木工事の際に用いられる三角形の断面になっている木片のくさびのことで、主に仮設物として用いられるもので、対象物と対象物の間隔を調整するために使用されます。
H形鋼にある程度横矢板を入れていった後は、キャンバーを使用して締めつけましょう。
地山が移動をしはじめることで、キャンバーが落ちます。
横矢板を挿入するポイント5:キャンパー押さえ浅木を取り付ける
H形鋼に横矢板を入れ、キャンバーで締めつけた後は、キャンバー押さえ桟木と呼ばれる浅木を取り付けていきましょう。
キャンバー押さえ桟木は薄く細長い板状になっているもので、横矢板が入っているH形鋼に沿わせるように立てて取り付けます。
また、親杭横矢板工法では作業の合間に適度に横矢板をハンマーでたたくことで、横矢板の裏側に空隙ができていないかどうかをチェックするのも忘れないようにしましょう。
横矢板を挿入するポイント6:埋設物周りの横矢板は補強を行う
地盤を掘削すると地面の中にコンクリートやアスファルト片、埋没管などのさまざまな埋設物が見つかるケースがあります。
埋設物の周りには特に間隙が発生しないように、完全に横矢板を使って塞いでいきましょう。
また、埋設物があった場合には、埋設物周りの横矢板には補強を行っていきましょう。
さらに、埋設物周りで漏水が見られる場合は、麻袋などに土を詰めたものをつめて、土砂が流出しないように対策を行う必要があります。
横矢板を挿入するポイント7:横矢板の間にバタ角を入れる
H形鋼とH形鋼の間隔が設計寸法より大きくなった場合は、横矢板の問にバタ角を入れるようにしましょう。
バタ角は「端(バタ)に使う」ことから呼び名がついたと言われており、建設工事の際に使用される10cmほどの大きさの角材です。
また、バタ角は主にコンクリート打設時に型枠がゆがまないように押さえる目的で使用されます。
親杭横矢板工法でも間隔が開いている場合に、横矢板三枚に対して一本、二枚に対して一本というように入れることで、補強することができます。
横矢板を挿入するポイント8:横矢板は親杭のフランジにかかる大きさのものにする
フランジとは鉄骨部材から出っ張っている部分のことで、親杭横矢板工法で用いられるH形鋼はウェブとフランジと呼ばれる部分で構成されています。
一般的に挟まれている板がウェブ、挟む板のことをフランジと呼ぶため、H形鋼の場合は真ん中の挟まれている部分がウェブ、両方から挟んでいる部分がフランジです。
横矢板はH形鋼と土のすき間に入れていくため、フランジに十分かかる長さである必要があります。
目安としては、3cm以上余裕がある長さで用意するようにしましょう。
親杭横矢板工法以外の山留工法
山留工法には他にも種類が存在します。
ここでは「ソイルセメント柱列壁工法」「鉄筋コンクリート地中連続壁工法」について紹介します。
ソイルセメント柱列壁工法
ソイルセメント柱列壁工法とは、止水の山留壁としてよく使われる工法です。
土とセメントミルクを混ぜて、H型鋼の芯材を使用し、土留壁を作成します。
杭打機に多軸のオーガーを取り付け、両端のスクリューで完全にラップするため、遮水性に優れている工法です。
比較的深く掘削し、地下水がある地盤において適しているとされます。
セメント系懸濁液に流動化剤などを添加することで、余剰泥土の流動性を向上できます。
このため、汚泥発生量の抑制などが可能です。
鉄筋コンクリート地中連続壁工法
地中に鉄筋コンクリート製の壁を構築する構法です。
止水性や剛性に優れており、そのまま地下躯体として使用されることもあります。
直接地上から各種断面に、連続した深い溝や孔を掘削します。
その溝や孔にコンクリートを打設します。
孔の組み合わせにより、連続した壁を作れるため、大規模工事などで使用されることが多いです。
地中連続壁工法は以下の2つに分類されます。
柱列連続壁
ロータリードリルやパーカーションドリルなどで円形の断面を形成し、これを連結します。
スロット連続
長方形の断面の掘削溝を、ロータリードリルやクラムシェルで掘削します。
この溝にコンクリートを打設し、ブロックを相互に連結します。
親杭横矢板工法について理解を深めよう!
親杭横矢板工法は建設工事の際に用いられる山留工法の1種で、H形鋼を親杭として地盤に打ち込んでいき、掘削を行いながら横矢板を入れながら土留めを作るものです。
親杭横矢板工法は比較的コストが安いことから小規模な工事現場をはじめとしたさまざまな現場で用いられますが、止水性があまり良くなく、地盤の柔らかい場所には不向きです。
工事現場の安全を確保するためにも、現場の地盤などに合わせて山留工法を選ぶことが重要です。
ぜひこの記事でご紹介した親杭横矢板工法の施工手順や横矢板を挿入するポイントなどを参考に、親杭横矢板工法について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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